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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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スタートアップと企業の「スピードお見合い」

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新しい技術を開発したスタートアップと、新しい技術を探している会社が一カ所に集まって、次々とお見合いをする「スピードお見合い」の場が増えていると、シリコンバレーの瀧口 範子さんが伝えている。

1対1で対面できるテーブルが部屋にずらりと設けられ、5分とか10分とかといった持ち時間で座る場所を移動、その短時間の間に、相手のやっていること、自分が求めていることなどを早口で情報交換し、うまくいきそうならば後日にミーティングをセットするという段取りらしい。

昔、自社のテクノロジーやビジネスモデルを3分間でベンチャーキャピタリストに伝える「エレベーターピッチ」が取り沙汰されていたが、今や聞く側も瞬時にして相手のテクノローやビジネスの根幹を理解しなくてはならなくなったということか。

スタートアップの数が以前とは比べものにならないほど増えている状況が背景にあるというのは、間違いないだろう。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140901/1141044/

Gartnerが、「先進テクノロジのハイプ・サイクル: 2014年」を発表している。

利用企業に、どのようなテクノロジが新たに登場しているのかを把握させ、デジタル・ビジネスへの変革というコンセプトを活用して、どのビジネス・トレンドが生み出されるのかを示すことを目指したものとしている。

デジタル・ビジネスに向けた動きが今後の中心的なテーマになるとしているが、ロードマップでは、以下の6つのビジネス時代モデルが定義されている。

ステージ 1: アナログ
ステージ 2: Web
ステージ 3: E-Business
ステージ 4: デジタル・マーケティング
ステージ 5: デジタル・ビジネス
ステージ 6: オートノマス (自律型)

デジタル・マーケティング (ステージ 4)のステージでは、「力の結節」(モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションの強固な結び付き) が重要とし、企業は消費者とつながるための新しくより洗練された環境に焦点を当てることになるとしている。

デジタル・ビジネス (ステージ 5)のステージでは、人、企業、モノの統合に焦点が当てられ、モノのインターネットならびに、物理的世界と仮想世界の境界があいまいになるとしているのは面白い。

オートノマス (自律型) のステージ6において、企業は人間と同様 (ヒューマンライク) な能力または完全に人間に代わる能力を提供するテクノロジを利用することが可能になるとして、自律走行車による人や製品の輸送、またコグニティブ・システムによるテキストの書き込みや顧客からの問い合わせへの回答などが先行した例になっているようだ。

http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20140903-01.html

「ALSアイスバケット・チャレンジ」と「飲みニュケーション」のノリ

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「ALSアイスバケット・チャレンジ」と「飲みニュケーション」のノリ

有名人が頭から氷水をかぶる「ALSアイスバケット・チャレンジ」ビデオがネット上を飛び交っていることについて、TechMom海部美知さんが考察しているのが面白い。

一般にアメリカでは、非営利団体のためのファンドレイズとは、日本の「飲みニュケーション」みたいなものといい、「酒を飲む、飯を食う」という直接的な目的より、集まってみんなで騒ぐことの方が重要というのと同じで、「ALSの研究」などの目的は半分ぐらい、残りは「お楽しみソーシャルイベント」なのだという。

また、アメリカは個人が金持ちになることを奨励するために税制は金持ちに比較的有利にできており、その代わりに金持ちになったら、自分の選んだ社会貢献活動に寄付すべしという感覚が社会に組み込まれているという背景はよく理解できる。

非営利団体のソーシャルイベントは現代アメリカの「社交界」というのも尤もだと思う。

ところで、氷水チャレンジの源流は、2013年後半から14年前半にかけ、北部アメリカのソーシャルメディアで流行した「コールド・ウォーター・チャレンジ」というもののようだ。テレビに最初に登場したのは、今年6月30日の「ゴルフチャンネル」だそうで、ソーシャルメディア上での著名人としても、ゴルファーたちが最初の流行を作ったようだ。

その中の一人、グレッグ・ノーマンから指名を受けたNBCのニュースキャスター、マット・ラウアーが、冷たい水をかぶるところが朝のニュースで流れたらしい。

スポーツ界を巡った後、ニュージャージー州の知事クリス・クリスティが、ニュージャージーのアイスホッケーチームのCEOから指名を受け、自分の後のチャレンジ相手として、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグを指名したあたりから、西海岸のテック業界に飛び火し、ザッカーバーグは、このニュージャージーのプロジェクトで一緒に寄付をしたビル・ゲイツを指名したが、ゲイツのビデオはユーチューブ上で1580万ヒットを稼いでいるということで、さすが、ゲイツというところか。

ところで、Appleのティム・クックCEOもやっているが、もしスティーブ・ジョブズが存命であったとしても、きっとやらないだろう、そういうノリではないからだというのは、よく理解できる。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20140828/270509/

曲面ディスプレーを採用したスマートフォン

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ジャーナリスト石川温さんが、韓国サムスン電子の発表したペン入力タイプのスマートフォンGALAXY NOTE4の派生モデルとして、曲面ディスプレーを採用した「ギャラクシーノートエッジ」を紹介している内容が興味深い。

画面の右サイド部分が曲がり、画面の角を切り落としたような形状で、韓国LG電子が年初に発表した、内側に大きくカーブしたディスプレーを採用したGフレックス製品とは外観、使い方が大きく異なるようだ。

「メーン表示」「サブ表示」を明確に分け、本体カバーを装着していてもメールの着信などが分かるほか、ニュースや歩数計、各メニューのアイコンなどを表示するサブディスプレーの役割を果たすなど、ユニークな使い方を想定しているらしい。

ただし、曲面ディスプレーは生産能力に限界があり、ギャラクシーノートエッジは全世界一斉での同時展開は難しいようだが、今後の展開を見守りたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76607360U4A900C1000000/

シリコンバレーIT企業の男性、アジア系の偏り

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シリコンバレーのIT企業では、圧倒的に男性が多く人種では白人とアジア系に偏っているのは間違いないようだ。

朝日新聞(サンフランシスコ=宮地ゆう記者)が伝えるように、Googleの発表では、社員の7割が男性、技術職に限れば83%になるが、技術職以外は約半数が女性で、人種は白人とアジア系で91%を占めるという。

さらに、追随して開示した大手6社のうちアップル以外はアジア系が30%前後と、全米の人種構成の5%に対して突出して多かったらしい。ビザ取得や儒教などの背景や、アジア系は、成功をおさめた世代を継ぐ形で受け入れられているなどいろいろの説があるようだ。

一方、技術者は学生の延長のような生活で、徹夜して家に帰らなくても大丈夫というような若い男性が多く、家族を持つ女性は働きづらいというのは尤もだと思う。

また、IT大手5社の管理職のうち女性は21~28%で、米企業の一般的な女性管理職比率が4割台に達するのとは対照的と言いながら、日本企業の女性比率が課長級8%台、役員1%台とされているのに比べると、彼我の差はやはり大きいと言わざるを得ない。

http://digital.asahi.com/articles/ASG935H10G93UHBI020.html?_requesturl=articles%2FASG935H10G93UHBI020.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG935H10G93UHBI020

北陸を旅して   

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先週、ドライブしながら夫婦で北陸方面を旅してきた。
関東は天気が悪く肌寒い日もあったようだが、現地は毎日夏の暑さが続いていた。

東尋坊
最初の宿の近くにあり、前に訪れたのはもう30年以上前で風景は変わらないが、その後世界の色々な景勝地を回ったせいか、若干小ぶりに見えた。
しかし、輝石安山岩の柱状節理でこれほどの規模を持つものは世界に3か所しかないとの話。
東尋坊の名前は、乱暴あるいは恋愛関係で恨みを買ってここから突き落とされた平泉寺(勝山市)の僧の名前からきていることをはじめて知った。

兼六園
雪に備えて行われる雪吊の眺めが最も良い季節であることは間違いないだろうが、この季節は比較的人手が少なく、かえってゆっくり回る事ができた。
兼六園の名前の由来は、宋代の詩人・李格非が『洛陽名園記』の中で、中国洛陽の名園「湖園」を謳った「宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の六つを兼ね備える名園」に倣い、文政5年に白河楽翁公(松平定信)によって命名されたという。
加賀藩により金沢城の外郭に造営された藩庭を起源としているが、ついでにお城も見ていこうとしたら、当日の早朝、清掃員がクマを見かけたというので立ち入り禁止になっていた。
これは、当日のテレビのニュースでも紹介されていたが、結局、何事もなかったらしい。

成巽閣(せいそんかく)
兼六園に隣接する書院造の建物で、江戸時代後期、前田家13代前田斉泰が母・真龍院(12代斉広夫人)の隠居所として建てたもので、国の重要文化財にもなっている。
階下の障子の腰板には、鮎、亀、蝶、松など部屋の名前の由来となっている絵が描かれている。
階上の数寄屋橋風書院造には、フランスから輸入されたウルトラマリンブルーの群青色とベンガラの朱色の書見の間、網代天井と辰砂の朱色で火伏(ひぶせ)人形が飾られている網代の間や越中の間などがあり、今回初めてじっくり楽しむ事ができた。

主計(かずえ)町&ひがし茶屋街、尾張町&橋場町
格子戸と石畳のいかにも城下町らしい町並みを散歩した。
金沢城の内堀が復元整備されている緑水苑、昔尾張町の旦那衆が茶屋街に向かう時に通ったという暗がりの坂、浅野川にかかる木の橋の梅の橋など辿りながら歩き回った。

一乗谷朝倉氏遺跡
九頭竜川水系足羽川支流である一乗谷川下流沿いの細長い谷あい(一乗谷、東西約500メートル、南北約3キロメートル)に築かれた戦国時代の城下町と館跡および背後の山城が一乗谷朝倉氏遺跡で、格好の散歩になった。
歴史的には、1573年(天正元年)、刀根坂(とねざか)の戦いに大敗した朝倉義景は一乗谷を放棄し大野へ逃れたが、信長の軍勢によって火を放たれ一乗谷は灰燼に帰したという。
さらに信長による一揆平定後、越前8郡を与えられた柴田勝家は本拠を水運・陸運に便利な北ノ庄に構えたため、辺境となった一乗谷は田畑の下に埋もれ、優れた造りの庭園も堆積する土砂に埋もれたらしいが、昭和42年に発掘が開始されたという。

永平寺
言わずと知れた、總持寺と並ぶ日本曹洞宗の中心寺院(大本山)で、150名余りの雲水たちによって、荘厳な雰囲気の中、 今も750年前に道元によって定められた厳しい作法に従って禅の修行が営まれている、言わば活きた禅寺、修行道場と言える。
偶々、どなたかの法要があり、多数の僧侶による朗々たるお経の声を傍聴し、何とも言えず清澄な雰囲気を味わった。

越前大野城
気象条件が揃うと雲海上に浮かんで見えることでも知られているらしい。

平泉寺(へいせんじ)白山神社
歴史的には、白山信仰の越前側の禅定道の拠点(越前馬場)として、最盛期には48社36堂6千坊、僧兵8千人の巨大な宗教都市を形成していたといい、戦国時代には朝倉氏と肩を並べる越前国の一大勢力であったらしいが、天正2年(1574年)一向一揆勢に焼き討ちされ衰亡していったという。
その後、豊臣秀吉などの崇敬を受けて顕海が復興し、江戸時代には福井藩・越前勝山藩から寄進を受けているとのこと。

白川郷荻町合掌集落
ふくべの大滝などの絶景を楽しみながら、白山スーパー林道を抜けて、白川郷に至る。
ここは日本有数の豪雪地帯で、かつては秘境と呼ばれ、大きな三角の形をした合掌造りの家が連なっているのを眺めると、一寸別世界の感を味わえ、五箇山と合わせ、世界遺産に登録されているのもよく判る。
欧米、中国など海外からの観光客も目立つ。
元々は、家内産業の養蚕の作業場として利用されていたのを、その後風通しや光のとり入れなどの工夫を加え現在のような構造になっているらしく、民宿や食事・土産処を開いている所も多いようだ。
代々、名主や番所役人を務めた村の名家、旧和田家は国の重要文化財で、今も住居として使用しているが、一部を公開しており、中の造りや生活の具合などが見られる。
冬季は閉鎖されるらしいが、一寸登ったところに展望台があり、集落の全景が楽しめる。

五箇山合掌集落
白川郷集落の北にある相倉地区や菅沼地区の一寸小ぶりの集落で、赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の5つの谷からなるので「五箇谷間」となり、これが転じて「五箇山」の地名となったようだ。
平家の落人が住み着いたと伝えられているが、戦国時代から江戸時代には、塩硝(煙硝)製造の歴史があり、石山合戦(1570年(元亀元年)~1580年(天正8年))の織田勢との戦いにも五箇山の塩硝が使われたといい、また、黒色火薬自体も製造していたとされるらしい。
白川郷に比べ、観光客が比較的少なく落ち着いて見られると聞いていたが、結構海外観光客も含め、にぎやかであった。

ベンチャーの毎日に予定調和はない

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シリコンバレーのベンチャーキャピタリスト(WiL共同創業者兼CEO)の伊佐山元さんが、娘さんの高校での親向けの説明会で、起業家精神にも通じる教育法や理念として、3つの行動指針を紹介している内容が参考になる。

(1)何事に対しても「Resilient(困難や逆境に負けない根気や回復力、挽回力)」であること。
どんな失敗や困難に直面しても、動き続けること、挑戦し続けることの大切さを問い、とにかく、止まらないで乗り切ること、そうすることで、社会に出てからも簡単にはへこたれず、あきらめない体力と気力を身につけられる。

(2)常に「Curious(好奇心を持つこと)」でいること。
成長すればするほど、自分の興味の範囲でしか物事を選択しなくなることの危険性を問い、新しいことに挑戦し、分からないことをどんどん質問することを奨励する。

(3)「Diverse(多様性や違いを理解すること)」であること。
記憶することよりも、考えること、自分の意見を発することを重視し、そして、多くの考え方と答えがあるということを理解すること。

ベンチャーの毎日に予定調和はなく、情報不足と不確実性の中で最善と思われる判断をし、失敗してもそれを糧にして前に進む精神が不可欠と言っているのは、尤もと思う。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76781950Y4A900C1X12000/

日経紙に紹介されている、米ベンチャーのジェンスケープ社が、各地の火力発電所や風力発電所、送電設備のそばに、電磁波を高精度に測定する機器を設置し、電磁波の量の変化を通じて発電量などを90%以上の精度でリアルタイムに計測、電力データは通信網を通じてジェンスケープが収集、データを加工・分析した上で、顧客に提供するという技術とビジネスモデルは興味深い。

欧米では、電力取引に関与する金融機関やヘッジファンド、各地の電力大手や再生可能エネルギー事業者など500社の顧客を得ているという。

日本でも、2016年には家庭向けも含めた小売りの全面自由化、2018~20年には発送電分離が予定されており、今後の展開を見守りたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76670490V00C14A9000000/

日経BPクリーンテック研究所の藤堂安人さんが、電力システム改革のシナリオとして、先々有望と見込めるビジネスを俯瞰的に整理している内容が興味深い。

BCP(業務継続計画)電力供給、地域産エネルギー電力小売り、再生可能エネルギー電力小売りについては、東日本大震災後のBCPへのニーズの高まりや固定価格買取制度による再エネ導入の活発化を背景にして日本でも取り組みが活発化しているようだ。

デマンドレスポンス、バーチャルパワープラント、アンシラリー、エネルギーストレージは、構造分離が進んで給電指令部門が中立化され、さまざまな電力市場が設立して外部調達が進行しないと、成立することが難しいビジネスモデルとしているのはやむを得ないだろう。

システムマネージドサービスについては、欧米の自治体がICTによって高度化したスマートグリッドを導入するために活用する事例が増えており、今後M2MやIoTの重要性が高まるにつれ、日本でも採用事例が増えていくだろうとしている点は、今後に期待したい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76439230R00C14A9000000/

ウエアラブルをめぐる動き

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米CESと並ぶ欧州最大の家電見本市IFAの内容を日経紙がまとめて伝えている内容が興味深い。

「スマート」「ハイレゾ(高品位)」「ウエアラブル」の3つがキーワードのようだが、サムスン・ギアS、LG電子GウオッチR、中国ファーウェイ(華為技術)トークバンドB1、ソニースマートバンドトークなどの新製品の他、欧州専業メーカーを中心とした健康機器メーカーも多数出展していたらしい。

液晶画面が視聴者を囲むように湾曲した大型テレビの広がりも今後の展開に期待したい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76835560Z00C14A9000000/

Appleがスマートフォンの新モデル「iPhone6(4.7型)と「iPhone6プラス(5.5型)、腕時計型ウエアラブル端末「アップルウオッチ」、さらにiPhone6などによる決済サービス「アップルペイ」などを発表した件で、石川温さんが分析している内容が興味深い。

すべて事前にインターネット上などで噂されていたもので、正直言って驚きは少ないとしながら、例えば、アップルウオッチの強みが発揮されるのは、複数の企業がパートナーシップを組んで事業展開するエコシステム(生態系)の面としているのは、的を得ていると思う。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76890290Q4A910C1000000/

おサイフケータイのアップル版? Apple Pay

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新ウエアラブル端末Apple Watchを中心に、今回の発表を分析レポートしている瀧口 範子さんの記事が興味深い。

特に、振動を送信できる点を取り上げ、画面をタップすればそれが相手にも振動として伝わるのは面白そうだ。

何種類かの振動と音との組み合わせで、通知や、ナビゲーションの際に曲がる場所を知らせるといった使い方がされるようだという。

画面上にタッチする操作も「タップ」と、さらに強い「押す」との使い分けができるらしく、触覚的、感覚的なイメージを前面に押し出した製品と言えそうだ。

健康管理とエキササイズの記録の面は、事前に流れていた通りのようだが、著名な米国の病院であるメイヨー・クリニックと提携して開発してきている点は、やはり強みとなるのだろう。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140910/1141944/

ventureclef宮本和明さんが、Apple発表の内容をさらに分析評価しているのが興味深い。

Apple Watchは高機能ウエアラブルと言われてきたが、基本機能の搭載に留まったとしながら、これは出発点で、次期モデルに搭載される高機能センサーが、既に話題となっているという。

例えば、スリープトラッカーが搭載されなかった理由は、バッテリー容量と言われているようだ。

バッテリーは1日しかもたず、毎晩充電する必要があるが、このためApple Watchをつけたまま寝ることはできない。

Appleは睡眠研究の第一人者Roy Raymannを採用し開発を重ねているらしく、この問題が解決すると、スリープトラッカー機能が搭載されると言われているらしい。

また、Apple PayはNFCによる決済サービスで、おサイフケータイのアップル版と言えるもののようだ。

日本では馴染みのおサイフケータイ機能であるが、アメリカではほとんど使われていないようで、Googleは「Google Wallet」でおサイフケータイ機能を提供しているが、あまり人気が無いらしい。

このためGoogleは、Google Walletをオンライン決済を中心に展開しているという。

Apple Watchで支払いができ、ポケットやバッグからスマートフォンを取り出す必要はなくなったようだが、グローバルにおサイフケータイ機能が受け入れられていくか、見守りたい。

http://ventureclef.com/blog2/

スマートロボットの連携

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日経ビジネス記事の、「スマホの次で競争激化 米国スマロボ最前線 」の内容が興味深い。

サビオーク社が開発したホテル向け「バトラー(執事)」ロボを起点に、ホテル外部のロボットとつながっていくと、例えば客が宿泊中に体調を崩した場合、ホテルに常駐する診察ロボットが表情や体温、クラウドのデータベースなどから病状と最適な薬を判別し、薬が売られている最も近い薬局に発注すると、薬局内のロボットがピックアップ、ドローン(小型無人飛行機)に引き渡し、ホテルの玄関で待っていたバトラーがドローンから荷物を受け取り、部屋に届ける、といったスマートロボットの連携なども確かに可能になるかもしれない。

ボサノバ・ロボティクス社の1本足ロボット「モビ」なども、例えばデパートなどでの案内用途で、モビの最上部に搭載したタブレットで客の顔を認識し、ネット上のビッグデータと照らし合わせ、性別や年齢を判別、おススメ商品を画面上に表示し、周囲の人を器用に避けながら商品が陳列してある場所まで客を導くなど想定されているようだ。

さらに、欲しい商品が品切れの場合、近くの物流拠点で働く別のロボットと在庫の有無を確認し合い、在庫があれば、客がほかの買い物をしている間に、ロボットカーがそれを載せて届けるといったビジネスモデルを考えているらしい。

また、ナイトスコープ社のロボット「K5」は、警備用で、人が歩くのと同じ程度の速さで一日中動き回り、1分間に300台のナンバープレートをチェックして盗難車を探し出し、通行人の顔を認識し、ブラックリストに載った犯罪者の顔データと照合しながら重点警備することも可能といい、ドローンとの連携も視野に入っているという。

いずれにしても、次世代ロボットはネットにつながり情報をやり取りするだけでなく、ロボット同士が連携して答えを探し、自律的に行動するようになるという見方は、IoTの動きとも関連して尤もらしく、期待が持てる。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76892040Q4A910C1000000/

三井不動産が、柏の葉キャンパス駅前の公道をまたぐ2つの街区のショッピングモール「ららぽーと柏の葉」と複合施設「ゲートスクエア」での電力の融通を実施するスマートシティ実現の経緯を、日経ビジネス誌が伝える内容は興味深い。

自家用発電機を持つ大規模な工業団地などで、敷地内の複数の工場などに電力を供給する際に利用してきた制度の「特定供給」という手法を使って実施しようと考え、供給先の電力需要の50%以上の発電設備を持たなければならないという厳しい許可基準を満たし、経済産業大臣の許可を得るというチャレンジを続けたとのこと。

太陽電池を供給したシャープと、電力融通装置を手がけた日立は膨大なデータを用意、電力網への影響を不安視する東電に対して安全性を認めてもらうことに成功したらしい。

ただし、結果的には、特定供給は、「専ら一の建物内」という条件に該当する場合、許可不要と定めており、複数カ所へ電力を供給する場合は認可が必要だが、1カ所だけに供給する場合、認可は不要というもので、電力融通装置などを駆使して作り上げた柏の葉スマートシティは、電力供給の「抜け道」とも言える、専ら一の建物のケースに当てはまっていたらしく、一寸拍子抜けの感もあるが、大変な苦労だったと思う。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140916/271326/?rt=nocnt

情報通信総合研究所の古川恵美さんが、農業分野でのICT利用に関し紹介している内容が興味深い。

生産工程を支援するソリューションとして、センサーで圃場(ほじょう)の環境情報をモニタリング、栽培実績等の数値を適切に利用しながらの生産管理、計画や実績の共有、蓄積された各種栽培データからコスト等を導き出すなどがあるらしい。

これらのソリューションは農業クラウドといって、クラウドサービスで提供されるようだ。

富士通(Akisai)、NEC、クボタ(KSAS)、NTTファシリティーズ[agRemoni(アグリモニ)]などであるが、これら農業クラウド導入のメリットは、農業経営に関する技術ノウハウ・経験の蓄積が少ない新規就農者にあるとしているのは、間違いないと思う。

http://www.icr.co.jp/newsletter/researchers_eyes/2014/Reyes201403.html

日経Automotive Technology 誌記事「クルマの未来は走る発電所 家庭への給電に新たな価値が伝える」の内容が興味深い。

V2H(Vehicle to Home)のメリットは、「ピークシフト」による家庭の電力使用料金の削減や、電力供給が途絶えたときの非常用電力としての活用にあるのは間違いない。

実用化しているのは日産で、ホンダとトヨタは実証実験に取り組んでいる状況にあるが、今後の展開を期待したい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76656350V00C14A9000000/

第二の研究機関「Google Y」

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ventureclef宮本和明さんが、Googleは高度技術研究所「Google X」に続き、第二の研究機関「Google Y」の設立を計画しており、効率的な空港やモデル都市の開発を手掛け、社会インフラ整備事業に乗り出そうとしていると伝えている。

Google XはSergey Brinの指揮の下、自動運転車やGoogle Glassなど、将来技術の研究を行っているのに対し、Google Yは長期レンジの研究で、大規模プロジェクトを対象としている点に特徴があり、必ずしも採算性を意識している訳ではないという。

一方、Google Venturesは、Urban Enginesというベンチャー企業に投資を行っている模様。

Urban Enginesは、既存システムが生成するデータログを解析することで、運行状況を把握するが、乗客の動きは、乗車カード (JR東日本のSuicaのようなカード) の情報を入力とし、電車やバスの位置はGPSなどの位置情報を利用する「クラウドセンシング」の手法を利用しているらしい。

日本ではSuicaで生成されたデータの解析が進んでおり、Urban Enginesの手法は特に目新しいものではないため、逆に日本の技術が海外で活きるチャンスがあるように思う。

http://ventureclef.com/blog2/

低価格スマートフォンの動向

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情報通信総合研究所の 佐藤仁さんが、低価格のスマートフォンの動向を紹介している内容が参考になる。

次の50億人(next five billion)向けを狙ったGoogleの「Android One」を搭載した端末は、インドの有力地場メーカーMicromax、KarbonnやSpiceから6,399インドルピー(約105ドル)販売されるとのこと。

さらに2014年末までにインドネシア、フィリピン、バングラディッシュ、ネパール、パキスタン、スリランカで販売が予定されているらしい。

ところで、インドでは携帯電話出荷のうちスマートフォンが占める割合はまだ30%程度であるが、これはまだフィーチャーフォンの方が遥かに安いためとのこと。

フィーチャーフォンではGoogleにとってはほとんどビジネスにならないのは、AndroidをスマートフォンのOSとして無償でメーカーに提供、Android端末を普及させることで、そのスマートフォンを利用している利用者がGoogle検索、YouTubeでの動画閲覧などGoogleのサービスを利用してもらうことによって、そこから得られる情報を元に広告を配信していくビジネスモデルとしているので、当然だろう。

一方、「Firefox OS」を提供しているMozillaは、スマートフォン「Spice Fire One Mi-FX 1」を2,299ルピー(約38ドル)で販売開始し、さらに地場メーカーIntex Technologiesから「Cloud Fx」が1,999ルピー(約33ドル)で販売されるらしいが、30ドル台は、まさに新品のフィーチャーフォンの最安値の価格帯であり、この価格競争はスマートフォンの世界とは思えない。

これらの地域にとって、Googleのサービスやアプリケーションが利用できることは「二の次」であり、まず安く購入できることがプライオリティというのは、厳然たる条件のようだ。

新興国のメーカーは、「利益率は高いが、出荷台数が少ないハイエンド端末」はリスクが高いので製造を嫌うというのも理解できる。

http://www.icr.co.jp/newsletter/global_perspective/2014/Gpre2014075.html

剣術と能の舞の共通性

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スイス在住のジャーナリスト岩澤 里美さんが、パリを拠点に剣術と能の舞を教え活躍中のMasato Matsuura氏を取材した記事が興味深い。

「実は能のすり足は新陰流の剣から来ており、両者の技術の交換は歴史的な事実です。

また、宮本武蔵は五輪書の中で、繰り返し能について言及し、五方の構と名付けた五つの形を能を手本に構成しました」という話は面白い。

また、フランス語で狂言『隠狸(かくしだぬき)』を土台にした新作をやることになり、役者として出演もし、国際演劇協会の内村直也賞を受賞しているとのこと。

「日本の武道とは争いの技術にもかかわらず、いかに相手と一つになるかという『和の原理』によって成り立っています。

敵対する相手に対抗せず受け入れ、自分と相手を結ぶことによって相手をコントロールする。

結果、勝者、敗者は存在せず、対立するという概念を消すことを探求しているんです。

そのためには、まずいかに体の力を捨てるかが基本です。

相手が攻撃してくるときには力が入るのが当然ですから、これが難しいのです。」というのも、理解できる。

「能というと日本古来の芸能と思われるでしょうが、その源流は大陸です。

世阿弥も風姿花伝の冒頭で、能はインドより起こり聖徳太子の時代に伝えられたものが元であると書いています。

その時代の天平文化が、シルクロードを通ってやって来たヘレニズムの影響にあるように、能の面、装束、動きにも私は、古代ギリシャからの流れを見ます。」というのも、尤もらしい。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41684

エネルギー多元化体制の構築

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東京財団「資源エネルギー」研究プロジェクトが、エネルギー基本計画に記された改革方針が“絵に描いた餅”にならず、着実にエネルギー多元化体制が構築されるよう具体的な視点として、以下4点を提言しているのは、的を得ていると思う。

(1)エネルギー多元化を実現しているスペインの電力統合体制を参考にせよ。
スペインは、電力会社の統廃合と発送電分離、そして電力統合コントロールシステムの構築等を推進することで導入が難しいとされている再エネの活用を含めエネルギー多元化を実践している。

(2)小売自由化が先ではなく所有権分離による発送電分離を先行せよ。
発送電分離がなされていない状況のままでは様々な障壁が残り、「新電力」と呼ばれる新規事業者の参入は遅々として進んでいないことから、市場自由化と発送電分離のタイミングは見計らう必要がある。

(3)多様な電力を系統に接続し統合して運用するエネルギー・インテグレーション技術の開発を急げ。
米国においてもエネルギー省が中心となりスペインが実用しているような多様なエネルギーを電力系統に効率的に統合するエネルギー・インテグレーション技術の開発を急速に進めている。

(4)福島を再エネ普及のみならずエネルギー・インテグレーションのモデル地区とせよ。
再エネの普及促進による県の復興を進めている福島にて、単に再エネ発電所を増やすだけではなく、県内の石炭ガス化複合発電(IGCC)などの火力発電、そして既存の電力系統をも統合したエネルギー・インテグレーション技術開発の実証実験を行い、課題の洗い出しを行うことでリスクの低減を図るとともに、福島をエネルギー・インテグレーションのモデル地域とすることで福島の地域活性化と全国への波及効果とを促すべきである。

http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1337

中国は「アメリカ合衆国」に似た「中華合衆国」?

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キャノングローバル戦略研究所CIGS研究主幹の宮家邦彦さんが、「中華」とは中原の定住農耕民だった漢族の土地に、周辺の遊牧民・狩猟民が侵入し、支配し、新たな文化的要素を加えながら、現地に同化していく共通の「場所」だったとし、中国人のいう「中華民族」とは米国のいう「アメリカンズ」の「人種の坩堝(るつぼ)」に限りなく近く、中国は「アメリカ合衆国」に似た「中華合衆国」ではなかろうかと述べているのは、面白い視点と思う。

中華とは場所であり、一度中原を支配すれば、遊牧民だろうが、狩猟民だろうが、誰でも中華になれ、一度中華の一部になれば、もう出身地には戻れないし、そもそも戻りたくない、中華はその内側が素晴らしいのであって、外側はゴミだから、と中国の非漢族の人が話していたというのは、本当かもしれない。

もちろん、ウィグル他の独立志向の動きはあってもである。

http://www.canon-igs.org/column/security/20140926_2749.html

遙洋子さんが、「遙なるコンシェルジュ『男の悩み 女の嘆き』」で、定年後、特にどこかの社会参加をすることもなく家で食事だけを楽しみに生きて、趣味は喫煙、時々ゴルフ、というタイプについて論じている内容が面白く、一寸身につまされる。

定年後何もしない暮らしは入院生活に近い、入院してみればわかるが3度の食事が唯一の楽しみ、身体は"誰か"が診てくれる、他人事のように、本当はいけないのだけどコソッとタバコを忍ばせて休憩室に行く、そして「やっちゃだめ」ということをやるスリリング、そうやって、身体はずっと他人事のように自分は己の欲望だけを果たし、結果、そのツケが自身の身体のみならず家族にも及ぶというのがそのタイプの介護への流れだと断じている。

女性たちは説教したり、あやしたり、なだめたり、総マリア化し、一方、説教をしている限り本人は赤子のように他人事でいられ、どこか甘えているような表情もする、自分の替わりに必死になってくれる他者を眺めていると、安心を感じるのだろう、そういう幼児がえりをして要介護者になっていく構図がこのタイプの介護スタイルという。

健康努力をした人がそれでもなってしまった病気のみ介護と位置付けるなら、介護要員の数は圧倒的に減るとしているのは、尤もだと思う。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20140924/271636/?P=1&rt=nocnt

成功し続ける企業に共通する6つの要素

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dmg::events Japan社が主催した「ad:tech tokyo 2014」で、AKQA CEO&FounderのAjaz Ahmed氏が話した「Limitless――不朽のリーダーシップ 6つの本質」というキーノートスピーチの内容をITmedia 誌が紹介している。

米国では、1958年には61年だった企業の平均寿命は、現在はわずか18年と非常に短命になっており、さらにスタートアップ企業は、平均3年程度しか持たないともいわれ、短いスパンで衰退してしまう企業は少なくないとしているのは、厳しい現実と思う。

成功し続ける企業に共通する6つの要素として、下記を挙げているのは興味深く参考になりそうである。

(1) Democratise(組織の民主化)

(2)Simplify(アクセスも簡単にできて、複雑なものを変えていく力)

(3)Authorship(自分たちがブランドのオーサーとして、誇りを持って掲げるストーリーを信じて突き進みたい)

(4)Organise(クリエイティビティとシステムの両面でのバランス)

(5)Revolutionise(世界規模のサッカー選手スカウトプロジェクトNIKE CHANCEは、マーケティングにおける1つの革命)

(6) Values(「社会を裕福にしているかどうか」は1つの視点)

http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1409/24/news027.html

大学の国際化

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冷泉彰彦さんが、大学の国際化に向け、(短期)留学したら自分の専門分野の基幹科目で真剣勝負をして単位を取って来させること、さらに国外からの留学生の受け入れに対しては、留学生を「別科」という出島に押し込めている現状の解決、すなわち、せっかく留学生を受け入れても、かならず「別科」に押し込んで、日本語の語学教育に加えて英語での授業を行うのに、そこには日本人の「普通に受験して学部学科に属している」学生は出席しないという現在の制度を改めることを提言しているのは、的を得ていると思う。

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2014/09/post-679.php

VRは次世代のコミュニケーション媒体

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ventureclef宮本和明さんが、バーチャルリアリティー (VR) 技術による映画作りに関し、VR映画製作のためのカメラ やソフトウェアを開発しているJaunt社、ゴーグル型VR端末を開発し、Facebookに買収されているOculus VR社などの最近の動向を伝えている内容が興味深い。

FacebookのMark Zuckerberg CEOは、「VRは次世代のコミュニケーション媒体」というビジョンを示しているらしい。

360度全方向に3D画像を映し出し、視線を変えるとその方向の画像を見ることができるため、映画と音楽に加え、スポーツ、旅行、ニュースなど応用は広そうであり、例えばスポーツでは試合を360/3D VRイメージで中継し、視聴者は応援しているチームの中で観戦できることになるというのは面白そうだ。

一方、VR映画特有の検討課題も見えてきたようで、360度全方向を撮影するため、撮影クルーはカメラに映らないよう、隠れている必要があるし、カメラを移動すると「VR Sickness」 (VR酔い) になるため、カメラの位置を固定してストーリーを展開する工夫も必要となるという。

http://ventureclef.com/blog2/

富山大学経済学部の岸本寿生教授が、世界経済評論IMPACTで、新興国におけるエアコン事情について話している内容が参考になる。

2000年頃、日本の家電メーカーは現地企業が作れない品質水準にも関わらず製品が売れず、「現地のニーズに即していない」という言葉で説明されていたらしい。

急成長している中国ハイアールのCMでは、「故障したら、24時間で修理を受け付け、すぐにメンテナンス要員を派遣し、修理をします」ということを高らかに謳っており、また、メンテナンス要員は、修理を要請された家に行くと、靴下を履き替え、汚れないようにシートを敷いて修理をし、その後、センターからその家に連絡が入り、適正に対応したかをチェックしていたという。

一方、日系メーカーは、修理を前提としたCMはできず、実際、修理が頻発しないので、全国にすぐに修理に行くセンターのネットワークをもっていないので、結果的に、当時の消費者の関心を引いたのは、すぐに修理が行われるサービスであったというのは、皮肉と言える。

また、技術面では、冷やすことだけを求めた非インバーターの安いクーラーと室内の快適性を求めるインバーター式のエアコンでは、コストもニーズも異なるもので、当時日系メーカーでは、技術者を養成し非インバーターの技術を再度掘り起こし、すでに販売を終えていた単純なクーラーを製品化することは、技術の退行であり、しなかったようだ。

ただし、アジア諸国では、経済成長により電気料金の値上がりが続き、さらに環境汚染が問題化し省エネ基準が設けられたので、省エネ家電へのニーズが高まってきているらしく、省エネというキーワードで潮目が変わったと言え、今後の展開に期待したい。

http://www.sekaikeizai.or.jp/active/article/140929kishimoto.html

Googleの強さの秘密と企業文化の威力

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独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDOが、太陽光発電の新たな技術開発指針「太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)」を策定し発表している。

来たるべき太陽光発電の大量導入社会を円滑に実現するための戦略として、〔1〕発電コストの低減、〔2〕信頼性向上、〔3〕立地制約の解消、〔4〕リサイクルシステムの確立、〔5〕産業の高付加価値化、の5つの方策を示したもの。

2020年に業務用電力価格並の発電コスト14円/kWh、2030年に基幹電源並の発電コスト7円/kWh、さらに世界の太陽光発電市場を睨み、高付加価値産業(システム・サービス、新規用途)の開拓等、“世界で勝てる分野”の開発強化を目指すとしている。一方、太陽光や風力発電といった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の発足から2年たつが、経済産業省の最近の試算では、再生可能エネルギーの導入がこのまま続くと、一般家庭の1カ月あたりの負担がいまの225円から935円へ4倍強になるとして、現状のまま制度を維持するのは困難な情勢で、抜本的な見直しを急ぐということも言われており、的を得た戦略と着実な実現努力が今後必要とされるのは間違いないだろう。

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100318.html

Googleの強さの秘密を明かした「How Google Works」が出版され、日経紙が紹介している一節が面白く参考になる。

10年以上前の話だが、ある週末、Googleラリー・ペイジは自社のウェブサイトでいろいろな検索語を入力しては、どんな検索結果や広告が表示されるかを見ていたが、役に立たない広告をユーザに表示しているというレベルに衝撃を受け、気に入らない結果が表示されたウェブページをプリントアウトし、不適切な広告に蛍光マーカーを引いて「この広告はムカつく!」と大書きし、ビリヤード台脇のキッチンの掲示板に貼りだしておいたという。

たまたま金曜日の午後にラリーの掲示を目にして、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を使命に掲げる会社が、ムカつく(役立たない)広告(情報)を表示するのは非常に問題である、ということに気づいた検索エンジニア達5人が、問題が起きた原因を徹底的に分析し、5人で週末にコードを書いた解決策のプロトタイプを作り、これを使って検索した結果のサンプルを表示し、現行システムと比べて明らかに優れていることを証明したメールを週明け月曜日、午前5時5分に出したという。

これが、グーグルの「アドワーズ」エンジンの基礎となり、そこから数十億ドルのビジネスが誕生したらしい。

広告の直接の担当者ではなく、しかも広告がうまく機能しなくても何の責任も問われることのない従業員が集まり、週末をつぶして他人がやるべき仕事に取り組み、収益を生むような解決策をつくりだしたこの一件は、文化の威力を雄弁に物語っているのは間違いないだろう。

企業を立ち上げるときに、最初にどんな文化をつくりたいかを考え明確にしておくことは賢明であり、文化を生み出すのは創業者だが、それを最もよく反映するのは、会社を立ち上げるときに集まった、創業者が信頼を置くチームというのも、よく理解できる。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO77751130Q4A930C1000000/

スマホからウエアラブル/IoTへの指向

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ITジャーナリスト小池良次さんが、スマホやタブレット市場が急速に成熟し今後の成長が望めないとして、米IT大手各社が開発者会議で一斉にウエアラブル/IoT戦略を前面に出していると伝えているのは、明確な兆候のようである。

インテルの開発者会議「IDF」では多くの時間をウエアラブル/IoT向けのワンチップ・コンピュータ「エジソン」の話に割かれ、携帯向け半導体大手の米クアルコムの開発者会議「アップリンク」でも多くの時間で「ウエアラブル/IoT」分野の説明がされたらしい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO77808310R01C14A0000000/

venturecref宮本和明さんが、Googleの自動運転車について、シリコンバレーマウンテンビュー市の自宅周辺で姿を見かけたり、自動運転車と並走する機会が増え、その特性も分かってきたと紹介している内容が面白い。

「機械が運転しているとは思えない」というのが第一印象らしいが、一方、交差点での右折は、ウインカーを出しておらず、ハンドルも真っ直ぐで、直進すると思っていたら、信号が青になると、急にウインカーを出し、自動運転車はゆっくりと右折を始めたと、明らかに違和感を感じるものだったという。

カリフォルニア州では、赤信号でも安全を確認すれば右折できるが、自動走行車にはこのルールはプログラムされていないようで、安全性を重視した設定であるが、周囲から見ると信号が赤の時は右折しない光景はカリフォルニア住民には奇異に映るようだ。初心者運転のような危うさは感じないが、風変わりな運転スタイルという印象らしい。

社会環境としては、「自動運転車を運転するには運転免許証は必要なのか」、「もし、交通違反で警察に止められた場合、自動運転車も罰金を払うのか」、「万が一、交通事故が起こったら、責任をどう切り分けるのか」など、考慮すべき課題は少なくないというのは尤もだと思う。

ネバダ州やカリフォルニア州では、自動運転車を公道で試験することを認めるなど先行した動きもあるが、Googleが、自動運転車をどういう形態で販売するかまだ決まっていないようだ。

FBIは、Google自動運転車が市販された際の課題について分析したレポートを出しており、テロリストが自動運転車に爆破物を搭載し、目的地で爆破させるテロ行為や、犯罪者がGoogle自動運転車を逃走用に悪用すると、運転の必要がないため、犯罪者は警察などの追跡者を銃撃しやすくなるなどを指摘しているらしい。

Googleは自動運転車の販売時期を明らかにしていないが、2017年ごろではないかと噂されている一方、日産自動車は、2020年頃に自動運転車を投入すると表明しているようで、今後の進展には目が離せない。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO76776800Y4A900C1000000/

映画「ジャージーボーイズ」を観て

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先日、クリント・イーストウッド監督作品の映画「ジャージーボーイズ」を観た。

60年代、ビートルズ以前の人気4人組ポップス・グループ「ザ・フォー・シーズンズ」の誕生、栄光、挫折と再生を描いた同名のジュークボックス・ミュージカルを映画化したものだが、さすがクリント・イーストウッド監督という素晴らしい出来栄えになっている。

ニュージャージーの貧しい街、イタリア移民のフランキー・バリ、トミー・デビート、ボブ・ゴーディオ、ニック・マッシの4人の若者のイキの良さと音楽的才能の豊かさが気持ちよくさせてくれる。

60年代当時、ラジオ、レコードで聴いた曲の数々、『恋のヤセがまん(Big Girls Don't Cry )』、『シェリー(Sherry )』、『1963年12月(あのすばらしき夜)(December, 1963 (Oh, What A Night) )』、『瞳の面影(My Eyes Adored You )』、『Stay 』、『君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You )』、『君のもとへ帰りたい(Working My Way Back to You )』、『悲しきラグ・ドール(Rag Doll )』などが、リアルタイムに耳に蘇ってくる。

それにしても、84歳のクリント・イーストウッドは、あとまだいくつの作品を与えてくれるのか、そちらも気になってしまった。
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