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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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日本の情報通信ガラパゴス「後続者のいない先行者」

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Ventureclef宮本 和明さんが、Cruise Automationというベンチャー企業の「Cruise RP-1」という、自動運転専用車両を買わなくても、自分の車に取り付けると自動運転が可能となるオートパイロット・システムを紹介している。

クルーズコントロールの強化版という位置付けで、GMが開発している「Super Cruise」相当製品というものらしい。

同社の共同創設者も、Googleの自動運転車開発プロジェクトの責任者も、「Grand Challenge」というDARPA (米国防高等研究計画局) が主催した自動運転技術開発プロジェクトに参画していたようで、自動運転という業界を一変する技術は、アメリカ政府が基礎研究を下支えし、GoogleやCruiseなどの民間企業が製品化する構図となっているということで、米国の先行ぶりが理解できる。

http://ventureclef.com/blog2/

RIETIのBBLにある櫛田 健児 氏 (スタンフォード大学アジア太平洋研究所日本研究プログラムリサーチアソシエート)の「『後続者のいない先行者』日本の情報通信ガラパゴス化の謎」の内容が興味深く参考になる。

ガラパゴスをもう少し正確にいうならば、「後続者のいない先行者(Leading without Followers)」といえるというのは判りやすい。

日本のモバイルは、キャリア主導の仕組みだったわけで、キャリアが規格を設定し、付加価値サービス(iModeなどのモバイルインターネット、着メロなど)の展開が行われ、メーカーの基礎研究開発もキャリアが主導し、機器メーカーと端末(+基地局)を共同開発し、在庫をすべて購入するといった、日本のガラパゴスITに到る仕組みがどのように出来上がってきたかを考えると、通信自由化の政治にたどり着くという指摘は的を得ていると思う。

http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/14061701.html

ハードウェアモノづくり起業へのインキュベーション

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Googleが今後の大きなトレンドであるウェアラブルに対し、Glassでいくのかwatchでいくのか興味深いところであるが、今年の年次開発者会議で、多くをこなせるウエアラブル・デバイスに搭載する新しいソフトウエアとしてのみ宣伝に徹していることから、同社の戦術の変更として取り上げているWSJの記事が面白い。

glassにはカメラがあるが、ひそかに他の人の写真を撮るかもしれないとの不安をもたらす可能性がどうしても残り、一般の人がこれを受け入れるまでにはまだ何年かかかる可能性があるというのは尤もかもしれない。

やはりglassのアプリとして有効なのは、警察や軍、病院等の医療など業務用でまず先行し、次の段階で、一般消費者向けにゆっくり拡大していくのではないだろうか。

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303379504580020042071488872?nid=LF20140710&reflink=NLhtml_20140710_a2

シリコンバレーを中心としたベンチャー達が、エネルギーや交通、健康など世の中の大きな問題のほとんどは、ソフトウエアの力だけで解決するのは限界があると感じ始め、3Dプリンターの登場やクラウドファンディングなど資金調達手段の多様化をベースにして、ハードウェアのモノづくりで起業するケースが増え始めているという状況を改めて伝えている、先日の日経産業新聞記事が面白い。

3Dプリンターやレーザーカッターなどの工作機械や最新のCADソフトなどの設備を月額125ドルの会費で、毎日午前9時から深夜0時まで利用できるテックショップや、スタートアップに5%前後の株式と引き換えに2万ドルを出資、4カ月間、施設に入居させて製品の試作から量産まで必要なノウハウを伝授するという、ハードウエアに特化したインキュベーション施設ハイウエー1の存在など、バックアップする環境が先行して揃ってきているのもシリコンバレーの強みと感じる。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1102X_R10C14A7000000/

失敗の数を減らしてしまうと、イノベーションの確率も減る

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ベンチャーキャピタルWiL創業者の伊佐山 元さんが、日経ビジネスインタビューで「日本に本当に起業家を増やすためにすべきこと」を中心に話している内容が興味深く参考になる。

シリコンバレーで行われていることで、特に日本でも取り入れると良いと思うこととして、次の3点を挙げている。

(1)人と人がぶつかる場所をもっと作ること。
エンジニアの部署とマーケティングの部署を一緒のフロアに置いて物理的にそばにいるだけでもイノベーションは起こるかもしれない。

(2)シリコンバレーの「失敗に寛容な文化」を取り入れること。
シリコンバレーの成功の裏には、数えきれない失敗があり、それだけ失敗しないと成功しないことを歴史的経験から、シリコンバレーの人々は知っている。
失敗の数を減らしてしまうと、イノベーションの確率も減る。
現状何もしないのが一番楽だが、「あえてやったこと」が、成功したときにしか評価されないようでは、起業は根付かない。

(3)理系文系の垣根をなくすこと。
日本ではいまだに理系文系で部署や仕事が分かれていて、両者が交わることが少ない。
縦割りの仕事の仕方をいますぐなくせないのであれば、せめて、文系なら逆のこと、つまり理系のことを学ばせるといったことを企業レベルでやっていくのがよい。

さらに、投資を決める条件として、日本では、ビジネスモデルや売り上げ、技術を重視するが、シリコンバレーでは、何より「人」を見るというのは、実に重要で肝腎なことと思う。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140717/268829/

昔のように「日本だからどうの」という見方をする人は今どきいない

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Tech Mom海部美知さんによると、ジェトロ・サンフランシスコによる日系企業実態調査(隔年実施)の示すように、ここ3~4年、またシリコンバレーに日本企業が戻り始めているようである。

ソフトバンクによる企業買収の件などは別にして、お茶の伊藤園、ユニクロ、無印良品などの動きもあるが、ホンダやソニーやキッコーマンのような企業にしても、その昔のように「日本だからどうの」という見方をする人は今どきいないというのはその通りだろうと思う。

また、日本のベンチャーがシリコンバレーに進出したり、日本人がやってきて起業したりするケースも徐々に増えており、それを支援するコミュニティーや仕組みも、10年前と比べると格段に整ってきたようで、あとはそれぞれの企業の「やり方」にかかっているということらしい。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20140724/269178/

イレージャーコーディングの得失

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Techtargetに紹介されている、「イレージャーコーディングで『RAIDは不要になる』」の内容は興味深い。

HDDに障害が発生すると、RAIDの再構築プロセスが始まるが、昔のように個々のHDDの容量が小さかった頃は、まさにRAIDの真骨頂が発揮されていたが、HDDの容量増加に伴い、ビットエラー発生確率も高まり、RAID再構築プロセス時の第2、第3のメカニズム障害が発生しても保護は行われない点の問題、さらに、再構築にかかる時間が、昔の数分~数時間のオーダーから、現在の大規模RAIDでは数日もかかるなどの問題が出てきているようだ。

ただし、CPUの使用率が激増し、待機時間が長くなる問題点もあり、まず、パッシブでアーカイブ用に使われていきそうである。

http://wp.techtarget.itmedia.co.jp/contents/?cid=14839

国内IoT(Internet of Things)市場

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IDC Japanが、国内IoT(Internet of Things)市場予測を発表している。

2013年の国内IoT市場売上規模は11.1兆円、2018年には21.1兆円に達する見通しとのこと。

短中期的にはB2Bビジネスの業種開拓やグローバル顧客拡大がけん引し、長期的には異業種間連携やB2Cビジネスの拡大がけん引すると見ているのは尤もだろう。

IoT関連事業者のビジネス拡大には、各垂直市場に精通した事業者との連携、トライアル環境の積極的な提供、コンシューマーの生活に密着したサービス開発などが重要になるという見方は、的を得ていると思う。

http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20140807Apr.html

カリフォルニアの自然エネルギーは風力と太陽エネルギーが中心を担う

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大野輝之自然エネルギー財団常務理事による「米国の自然エネルギー拡大を先導するカリフォルニア」の内容が興味深い。

カリフォルニアの自然エネルギー拡大策の中心を担っているのはRPS制度(電気事業者に対して、各社が毎年販売する電気量の一定割合以上に、新エネルギー等によって発電した電気の利用を義務付ける制度)であるが、当初は、民間の電力小売り事業者(IOUs)だけに、年間販売電力量の一定割合を自然エネルギー電力にすることを義務付けていたもので、2017年までに20%だったが、2006年には目標年次が2010年に前倒し、さらに2020年までに33%という目標が設定されているらしい。

また、義務を課されるのも民間小売り事業者だけでなく、公共小売り事業者(POUs)を含むすべての小売事業者に拡大されている。

発電と小売りは既に分離されており、カリフォルニア州の年間電力供給量の中では、10%程度を大規模水力が占めているがこれはRPS量の外枠で、さらに、電力消費者が自分の住宅などに載せる太陽光発電の発電量も外枠扱いになっているようだ。

したがって、2020年にRPSで33%という数値は、カリフォルニアの自然エネルギー全体で見れば、大規模水力10%と屋根の上の太陽光発電の発電量が上乗せになるわけである。

一方、我が国政府が定めた「エネルギー基本計画」では、大規模水力も住宅用太陽光も含めて「2020年に13.5%」以上とあり、大きなギャップがある。

カリフォルニアの自然エネルギーは風力と太陽エネルギーが中心を担うことになっており、今後も見守っていきたい。

http://jref.or.jp/column/column_20140807.php

ventureclef宮本和明さんが、Appleの発表した、ウエアラブルで収集した情報を一元管理するダッシュボード、健康管理アプリ「Health」に関連し、Galvanic Skin Responseを紹介している内容が興味深い。

皮膚の電流の流れやすさを計測する手法で、健康状態をモニターするために利用されるものだが、個人が感じているストレスをリアルタイムで計測し、精神状態を可視化したりなど、今後の利用展開に期待したい。

健康管理ウエアラブル市場は、高機能センサー技術に向っているとのことで、Appleが開発している「iWatch」は、10種類以上のセンサーが詰まったリストバンドと噂されているらしい。

iWatchの登場で、市場は高機能・高精度製品に向うこととなるとみられるが、ウエアラブルはトレンディーなガジェットから、健康管理に必須なバイオセンサーに、その役割が変わってきたという捉え方は、的を得ていると思う。

http://ventureclef.com/blog2/

米IBM社が、脳のニューロンとシナプスを模した機能を多数実装した半導体チップを開発し、「Science」2014年8月8日付けに発表した内容は興味深い。

ニューロンの数は100万個、シナプスの数は2.56億個で、ニューロン256個、軸索256本、シナプス64K個から成る構成を「1コア」とし、そのコアをタイル状に4096(64×64)個並べ、相互接続したもので、1チップ上に4096コアを実装している。

このチップを約40万個接続したシステムを構築すれば、コア数は20億超となり、シナプス数が“人間並み”の「ニューロシナプティックスーパーコンピューター」相当になる計算である。

今回の開発品は、米国防高等研究計画局(DARPA)の開発プロジェクト「Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics(SyNAPSE)」の援助を得て進めている脳型コンピューターチップの第2世代品ということで、今後の開発に期待したい。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140807/369821/?rt=nocnt

畜産業と組んだ大規模太陽光発電所(メガソーラー)開発

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長崎県五島列島で、畜産業と組んだ大規模太陽光発電所(メガソーラー)開発の検討が進んでおり、京セラ、オリックス、九電工が共同で運営会社を設立、ドイツのフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ(PVDP)も出資を検討しているとの日経記事の内容が興味深い。

パネルの下で畜産農家らが飼料用の牧草を耕作できるようにするらしい。

大分県佐伯市では、新電力のエナリスが、地元の林業、漁業、農業と融合した再生エネ発電所群を建設し、ウナギ養殖という新たな産業を育てる構想もユニークで面白い。

バイオマス発電の燃料は、地元の林業で森林整備の際に発生する間伐材を利用し、発電所の冷却で生じる温水はウナギの養殖や農業に、発電所の焼却灰も農業に利用、さらに、太陽光発電所は農地の上の空間につくり、ポールを立てて架台を組み、その下で花を育てる計画もあるようだ。

このように副次的な効果を生み出し、産業活性化につなげようとする構想に今後も期待したい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75205650U4A800C1000000/

風力発電には、観測データや地形から風向や風量を予測する「風況シミュレーション」が欠かせないが、約1900基を超える国内の風力発電機の半数以上に伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の風況関連技術が採用されているという、日経記事の内容が面白い。

1キロメートル四方で1時間ごとに風の吹き方や量を予測する「風況マップ」ソフトの販売実績は100件を超えるそうである。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ11H2J_R10C14A8000000/

燃料電池と大型蓄電システム

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燃料電池のコストダウンと性能向上が進み、日本では1kWレベルの家庭向けコージェネレーションシステムなどの市場が立ち上がりはじめたが、米国では数百kWクラスの「固体酸化物型燃料電池(SOFC)」と数MWクラスの「溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)」の大型燃料電池を使い、事業者や電力会社向けに、単に装置をモノ売りしたり設計・施工を手掛けるだけでなく、サービスまで手掛けるビジネスモデルが活発化してきていると、日経BPクリーンテック研究所藤堂安人さんが伝えている内容が興味深い。

カリフォルニア州に本社を置く燃料電池ベンチャー企業Bloom Energyでは、主要顧客はアップル、グーグル、アドビ・システムズ、バンク・オブ・アメリカ、ウォルマート、AT&T、フェデックスなどで、データセンター用の自家発電装置を中心に導入が進んでいるという。

MWクラスのMCFCでビジネスを展開しているのは、コネチカット州に本社を持つFuelCell Energyで、同社の事業で特徴的なのは、電力会社向けにMCFCの設計・施工と共にO&M(運転管理・保守点検)契約を結んでいることにあるらしい。

MCFCは燃料に化石燃料である天然ガスを使うためCO2を発生するが、米国の化石燃料を使う火力発電所の平均と比べて半分以下で、NOx、SOx、PM10(10μm径以下の微粒子)などの汚染物質をほとんど排出しないことなどが評価されているようだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75089640R00C14A8000000/

太陽光や風力などの再生可能エネルギーの活用に欠かせないのが、大規模2次電池を使った大型蓄電システムで、「リチウム(Li)イオン」「レドックスフロー」「NAS(ナトリウム硫黄電池)」といった2次電池が、それぞれの特性を生かして実用化を進めていると、ジャーナリスト永井隆さんが伝えている内容が興味深い。

東芝のSCiBリチウムイオン電池は、6分で80%を充電できる高入出力性能、マイナス30℃の環境でも使用できる低温性能、さらに1万回の充放電後も80%以上の容量を保持できる長寿命性を持つが、デメリットとして値段の高さがあるようだ。

レドックスフロー電池はバナジウムイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行うもので、セルとタンクを独立して管理できるため、大規模化が容易、電極の劣化はほとんどなく20年以上使えるうえ電解液は半永久的に使える、電解液が不燃性であるため火災の心配がなく安全性が高いなどのメリットの一方、広い用地が必要というデメリットをかかえているらしい。

NAS電池は、日本ガイシが世界で初めて実用化させたメガワット級の電力貯蔵システムで、1967年にフォードモーターが原理を発表、日本ガイシは、1984年から東京電力と共同開発を開始しており、今のところ実用化できたのは世界で同社だけという。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75203320U4A800C1000000/

ヒット商品はクラウドファンディングで生まれている

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ventureclef宮本和明さんが、医療やフィットネス向けウエアラブルの登場が相次いでいる中で、新製品の殆どがクラウドファンディングで生まれているとし、ベンチャー・キャピタルから出資を受ける代わりに、クラウドファンディングで消費者から資金を募るのは、ウエアラブルやセンサーとの相性が良く、ヒット商品はクラウドファンディングで生まれているとしているのは、面白い。

例えば、イスラエル・テルアビブに拠点を置くConsumer Physicsにより開発されたSCiOは、ハンドヘルド光学スキャーで、物質の化学組成を読み取り、食物、植物、医薬品、オイル、燃料、プラスティック、木材等などにかざすと、その組成を分析することができるらしい。

センサーは光源と分光器から成り、分光器で反射波をスペクトラムに分解し、その特性を把握、計測したスペクトラムはクラウドに送信し解析され、2秒程度で結果が分かるという。

SCiOはConsumer Physicsのサイトで販売されており、価格は249ドルで、出荷は2015年3月からというので、期待したい。

SCiOはクラウドファンディング「Kickstarter」で資金を募り、目標額を大幅に上回る276万ドルを集めているようだが、San Franciscoに拠点を置くクラウドファンディングの老舗企業Indiegogoはアイディア実現、慈善活動、起業のために資金を調達するサイトで、医療プロジェクトを積極的にサポートしているようだ。

Kickstarterはフィットネスまでを、Indiegogoは医療機器までを対象とするというような一種の棲み分けがされているのも面白い。

http://ventureclef.com/blog2/

繰り延べ税金資産の怖さ

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日経新聞滝田洋一編集委員による「電力再値上げの陰に『繰り延べ税金資産』の爆弾 」の記事内容が興味深い。

日本中の原子力発電所がすべてストップし、電力会社の経営が火の車になっている状況から、債務超過への転落が懸念され、震災前に原発依存度の高かった北電、関電、九州電力が特に厳しい状況に置かれているのは間違いないだろう。

北電は、14年度も12~13年度並みの経常赤字が続いたら、純資産は底をつき負債が資産を上回る、債務超過に陥るとみられる。

関電は、純資産8066億円の6割強に当たる4999億円が、「繰り延べ税金資産」、すなわち、払いすぎた形になっている法人税が税法上の損金扱いされて将来戻って来るという前提で、払いすぎた税金相当分を資産として計上しているが、仮に赤字が続くようなら、法人税もかからないので過去に払いすぎた税金が戻って来ることもないことになる。

原発1基が稼働すれば年間1000億円のコスト低減となるとみられており、原発再稼働と電気料金再値上げのいずれも不人気な施策だが、この「不都合な真実」にどう対処していくか、ユーザーでもある国民の賢明な判断はどちらに向かうか、見守りたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75795220Y4A810C1000000/?n_cid=DSTPCS001

水素の供給体制と眠れる水素工場

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日経新聞大西康之編集委員の「始動した燃料電池車 普及の鍵は『眠れる水素工場』」の内容が興味深い。

2014年度内にトヨタが市販を始める燃料電池車(FCV)は、700万円程度、政府も一台あたり200万~300万円の補助金を出す構えらしいのでかなり現実的にも見える。

ただ、問題は水素の供給体制で、半導体の製造工程や金属の表面処理などで使う工業用水素はLPガスや石油、天然ガスといった化石燃料を分解して作るが、生産過程でCO2が発生し、化石燃料への依存度も低下しない欠点があるようだ。

一つの解決策は、高炉での鉄鋼や化学プラントでの化学品の製造過程で発生する排出ガスの中に大量に含まれている水素、「眠れる水素工場」の活用と言われている。

さらに、十分な量の水素を確保するという点で最も現実的とされているのは、オーストラリアなどにある低品質の褐炭(現在ほとんどが使われずに放置されているらしい)から水素を取り出し液化して日本に運んでくるアプローチのようだ。

水素先進国のアイスランドでは地熱や水力で生み出した電気で水素を作り、自動車や船舶を動かす国家プロジェクトが進められているというのも面白い。

いずれにしても、コスト面でメリットが出るような水素インフラの整備にはかなりの時間とお金がかかるのは間違いないようだが、少し長い目で見守り期待していきたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75788890Y4A810C1000000/?dg=1

米ビートラックス社ブランドン・ヒルCEOが、既存のビジネスに対し、インターネットやスマートフォンなどの最新テクノロジーを使い全く新しいコンセプトで常識を覆すサービスを提供する破壊的イノベーションの代表例として、スマホアプリで近くにいるハイヤーを検索し、自分がいる場所に呼べる「ウーバー」を取り上げている。

ウーバーの対抗馬とされるユーザー同士の自動車乗り合いサービス「リフト」や、ユーザー間で自動車の貸し借りを可能にする「ゲットアラウンド」などの事例も興味深い。

米国では、既存の規制にとらわれないことがイノベーションを生み出すために不可欠な要素と考えられ、法律的にグレーゾーンと思われる内容でも、とりあえずはやってみる企業が多いというのもよく理解できる。

サービスが規制のグレーゾーンにあったとしても、それが本当に素晴らしければ断行してしまい、その後、制度と擦り合わせながら急成長を遂げてゆく、場合によっては、サービスを大きくヒットさせた後、公的規制に働きかけることも珍しくないというのは、シリコンバレー流の特徴、強みと言えるだろう。

オンライン上で一般の個人宅を旅行者に貸しだせるサービスエアbnb(ビーアンドビー)は、規制などへの抵触が一部で発生しているようでもあるが、今後どのように収束しビジネスモデルが認知されていくのか、見守りたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75516410R10C14A8X12000/

“幸せホルモン”と「オキシトシン経済」

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シリコンバレーで、ハードウエアを手掛けるベンチャー企業の数がスタートアップを含め急増している背景として、ものづくりベンチャー育成に特化したHAXLR8RやHighway1といった「アクセラレーター」の登場、Kickstarterなどクラウドファンディングの普及の二つの環境変化を、「日経ものづくり」誌が伝えているのは尤もだと思う。

ベンチャーキャピタリスト伊佐山元さんが、「シリコンバレーにはものづくりの基盤がないとのイメージを持つ人も多いが、そんなことはなく、大抵の物はここで造れる」というように、この傾向は今後も強まりそうである。

シリコンバレーの起業家の多くはソフトウエア出身の技術者で、ハードウエアの専門家は少なく、製品全体の製造で必要になる、例えば射出成形や金属加工で優れた技術を持つ工場がどこにあるかといった情報については、どちらかといえば乏しいなどの状況があるらしく、日本のハードウェア関係者のチャンスも期待できるようだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75257490V00C14A8000000/

マーケティング支援のスタイルビズ代表の村山らむねさんが、人には“幸せホルモン”とも呼ばれる「オキシトシン」というホルモンがあり、高齢者に席を譲るなど誰かに親切にしただけでも分泌され、誰かに優しくした実感が自分自身を幸せにするという話は面白い。

「オキシトシン経済」と呼ぶ、ネット上での「得になる」「激安」「格安」といった自己の利益を超えて、気軽に他人に貢献する仕組みは、興味深く、今後を見守りたい。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75952110R20C14A8H56A00/

ロボットが経済成長のエンジンの一つになるか

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日本総研Research Eyeの「人手不足で期待されるロボット投資」の内容が興味深い。

現在の日本のロボット産業の市場規模は1兆円弱で、大半が製造分野の状況にあるが、将来的にはサービス分野を中心に2035年までに全体規模が10兆円弱まで拡大するという見方を示す経産省、NEDOの資料もある。

ロボット導入によって産業の生産性向上が起きれば、そのプラス効果は大きいだろう。

わが国経済に占めるシェアの大きいサービス分野で起これば、ロボットが経済成長のエンジンの一つになりうるというのも尤もだと思う。

http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/research/pdf/7591.pdf

睡眠に最適な条件を把握し、安眠のためのアドバイスを行うスリープトラッカー

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ventureclef宮本和明さんによると、AppleのiWatchは健康管理とフィットネスのためのウエアラブルと言われ、睡眠状態を計測するセンサーを搭載すると噂されているが、ベンチャー企業からスリープトラッカーの登場が相次ぎ、睡眠を解析する技術が急速に進歩しているらしい。

Hello社のスリープトラッカー「Sense」は、睡眠の状態と、寝室の環境を測定し、安眠を得るためのアドバイスを行うもので、深い眠り、浅い眠り、起きている時間などを計測、同時に、騒音、明るさ、温度、湿度、微粒子などの環境状態を測定し、両者のデータから睡眠に最適な条件を把握し、安眠のためのアドバイスを行うことができるようだ。

球状センサー「Sense」は、ナイトスタンドに置いて寝室の環境を測定、小型センサー「Sleep Pill」は6軸加速度計とジャイロを内蔵、枕に装着され、睡眠の状態を計測して眠りの質を把握し、これらセンサーをスマホの専用アプリで制御する構成のようだ。

専用センサーを使わず、スマホの加速度計を使ったスリープトラッカー・アプリで、睡眠状態をモニターできるAzumio製品などもあり、今後の展開が期待される。

http://ventureclef.com/blog2/

日経BPクリーンテック研究所の金子憲治さんが、固定価格買い取り制度(FIT:フィードインタリフ)先進国のドイツ企業は、太陽光パネル自体ではシェアを落としつつも、太陽光発電所(メガソーラー)の建設コストの約6割を占めるとされる、SI(システムインテクレーション)やEPC(設計・調達・施工)サービス、架台、パワーコンディショナー(PCS)など、太陽光パネル以外の多くの関連分野で、世界市場でシェアを高め、しっかりとノウハウを蓄えていると伝えている内容が、興味深く、参考になる。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75843440Z10C14A8000000/?n_cid=DSTPCS003

サービスロボット「ボットラー」から将来の家事ロボットへ

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客室にタオルやひげ剃りなどのちょっとしたものを運ぶのに、フロントや客室担当者の元から、行き先だけを告げられて一人で指定の客室へ向かうサービスロボット[ロボットとバトラー(執事)を組み合わせて「ボットラー」という名前というらしい]を瀧口範子さんが紹介している。

米サヴィオークという新しいロボット会社によって開発されたもので、ホテルや病院などで利用が期待されているようだ。

ロボットといえば、これまでは製造業で利用されるものがほとんどだったが、製造現場と未来の家事ロボットの間にあるのが、このサービスロボットの分野と言われているらしく、今後の展開が楽しみである。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140825/1140484/?P=1

日経BPクリーンテック研究所の加藤 伸一さんが、GEによる、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー、電気自動車(EV)を、欧州の電力網に容易に統合するための新たな管理システム「PowerOn Advantage Advanced Distribution Management System」の発表内容を伝える内容が興味深い。

電力網の管理・制御システム、デマンドレスポンス(受給応答)管理システム、停電管理システムなどを一つのプラットフォーム上で動作できるようにし、再生可能エネルギーや電気自動車を組み込んだ電力網の管理や制御を可能にしたものらしい。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140828/372960/

再生可能エネルギー電源の優先給電

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自然エネルギー財団の連載コラムに、安田陽 関西大学システム理工学部准教授が、欧州では、再生可能エネルギー電源の優先給電が法律文書で義務づけられているが、日本ではこれを明記した条項は見当たらず、逆に再生可能エネルギーの「出力の抑制」が「接続の請求を拒むことができる正当な理由」の中で規定されており、EUのRES指令の優先給電の位置づけとは全く逆であると指摘しているのが、興味深い。

ベースロード電源というものが世界では消滅ないし減少しつつあるのは、「再生可能エネルギーの大量導入」であり、そのドライバー(推進させるもの)として「優先給電」が挙げられるというのは、よく理解できる。

http://jref.or.jp/column/column_20140828.php

最近の無人航空機 (Self-Flying Vehicles)の状況

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ロンドン在住の谷本真由美さんが、英語特区の動きに関連して、グローバルで戦うということは、英語特区を作ればどうにかなるということではなく、現地の人々が見栄を張るポイントを完全に理解していて、しかも英語もペラペラの人とやり合うということであり、そういう人は、識字率の低い地域に、誰も使わない様な機能山盛りの洗濯機を売り込もうとは思わないはずだと話しているのが興味深い。

異なる土地の人々が見栄を張りたいポイント、労働慣習の違い、国民性の違い、植民地の歴史、規制の違い、現地におけるマフィアの役割、品質に対する期待の違い、などの違いを体験し、痛い目にあわなければわからないという。

言葉だけできても、そういう事柄を包括的に理解できなければ、サービスや製品を現地向けに企画したり、適切な広告を打ったり、現地のエンジニアを動かしたり、迫り来るリスクを想定して先に手を打っておくことができないとしているのは実に尤もだと思う。

http://wirelesswire.jp/london_wave/201408290354.html

ventureclef宮本和明さんが、最近の無人航空機 (Self-Flying Vehicles)の状況を伝えている内容が興味深い。

GoogleのProject Wingは、高度研究所Google Xで2年間研究開発が行われてきたもので、飛行機全体が主翼となっている”Blended Wing”構造、座っている状態から離着陸する”Tail Sitter”方式を採用、滑走路は不要で、上空で水平飛行に移り、高速で長距離の飛行ができるのが特徴のようだ。

米国ではFAAの規制により、無人航空機の商用運転が認められていないため、オーストラリア・クイーンズランド州で農場主にドッグフードを届ける物資輸送のデモとして実施されている。

目的地に到着すると、上空でホバリングを行い、荷物ベイからパッケージをワイヤーで地上に下ろすが、ワイヤーと荷物を接続している機構(Eggと呼ばれる)が、荷物が地上に着地したことを検知してリリースするらしい。

4基のローターを搭載し、幅1.5メートル、高さ0.8メートル、重さ8.5キロで1.5キロの貨物を搭載できるとのこと。

テール部分にコンピュータが積まれ、その隣にはIMU (慣性計測装置) を搭載、IMUは加速度計とジャイロで、機体の速度や方向などを把握、先頭部分にはGPS装置を、テール部分にカメラを搭載しているらしい。

Googleは無人航空機の用途を、地震や洪水で孤立した住民に、支援物資を空輸するためとしているようだが、将来は、一般消費者に短時間で物資を輸送するために利用し、無人航空機のキラーアプリは運輸であると判断し、次世代の流通基盤構築に焦点をあて、技術開発を加速しているのは間違いないだろう。

AmazonのPrime Airと呼ばれる無人ヘリによる商品配送デモ飛行の公開や、Matternetというベンチャー企業による、開発途上国向けに無人ヘリを使った物資輸送ネットワークの開発など、開発状況が盛んになっていると同時に、米国FAAは、連邦議会や市場からの圧力で、無人航空機を航空機管制システムに統合する方向で準備を進めているようで、今後の展開に期待したい。

http://ventureclef.com/blog2/

市民工房テックショップ

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市民工房を運営するテックショップが近々日本に進出するらしいが、日経ビジネス誌のレポートが面白い。

会員になって月125ドル払うと、3Dプリンターやレーザーカッターなどの機械を自由に使えるようだ。

レーザーカッター、旋盤、小型の射出成型機、塗装ブース、工業用ミシン、CADソフトを搭載した何台ものパソコン、ウォータージェット切断機、作業台など、工作スペースと呼ぶよりは、「町工場の設備を小ぶりにして、いくつもつなげたような空間」という印象らしく、設備の種類が多いという点では、自動車メーカーの開発拠点にも似ているとのこと。

デトロイトの工房の場合、ビジネスで利用する人が約7割、ホビー(趣味)で使う人が約3割程度のようだ。

日本への展開には富士通と連携するとのことだが、今後の動きに注目していきたい。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140829/270543/?rt=nocnt

ローカル企業の生き方

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田原総一朗さんが、経営共創基盤の冨山和彦CEOの話として、『大企業と中小企業』という分け方は日本の実態にもはや合わず、これからは、『グローバル企業とローカル企業』を分けて考えるべき、という内容を伝えているのが興味深い。

「グローバル企業」とはその名の通り、世界を市場としている企業であり、「ローカル企業」とは、国内、なかでもほとんどが一定の地域で活動している企業のことであり、デパートやコンビニなどの小売業、観光業や金融のほとんどが相当する。

規模からいうと、グローバル3割、ローカル7割、雇用の人数でいえばグローバル2割、ローカル8割になるらしい。

グローバルのオリンピックに対し、ローカルは地域の大会、せいぜい「県大会」でいい成績を残せばいいというのは判りやすい。

代表例の一つとして、ハウステンボスを挙げ、H.I.S.澤田秀雄会長が、遠くから観光客を呼び寄せるより、県内、九州地域からのリピーター客を作ろうと考えた点、ホテルの部屋の寝具や設備に特に気を配り、客がゆっくりくつろげるようにして滞在型のホテルづくりを目指した点が、業績をV字回復させて再生することに成功した理由としているのはよく理解できる。

もう一つの例は、ローソンで、店員一人ひとりが、ちゃんと客を見てニーズがどこにあるかを知ることが求められるのに対し、その役割を果たすには「誇り」が必要とし、新浪剛史前社長は、「いちばんの商品を作る」ことだと考え、「おにぎり」を取り上げた点を挙げているのも面白い。

ローカルで好成績を残し続けるには、客を知ることが必要条件としているのは、尤もだと思う。

http://www.taharasoichiro.com/cms/

新しい技術を開発したスタートアップと、新しい技術を探している会社が一カ所に集まって、次々とお見合いをする「スピードお見合い」の場が増えていると、シリコンバレーの瀧口 範子さんが伝えている。

1対1で対面できるテーブルが部屋にずらりと設けられ、5分とか10分とかといった持ち時間で座る場所を移動、その短時間の間に、相手のやっていること、自分が求めていることなどを早口で情報交換し、うまくいきそうならば後日にミーティングをセットするという段取りらしい。

昔、自社のテクノロジーやビジネスモデルを3分間でベンチャーキャピタリストに伝える「エレベーターピッチ」が取り沙汰されていたが、今や聞く側も瞬時にして相手のテクノローやビジネスの根幹を理解しなくてはならなくなったということか。

スタートアップの数が以前とは比べものにならないほど増えている状況が背景にあるというのは、間違いないだろう。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140901/1141044/
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