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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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ドローン(無人飛行機)ビジネスの動向

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みずほ情報総研吉田郁哉コンサルタントが、「安定供給・価格適正化・温暖化対策を同時に実現するために― 電力自由化の課題」を整理しているのが参考になる。

EUや米国の一部の州では先行して電力自由化が進んでおり、特に英国は1990年代に世界に先駆けて電力自由化を実現してきたが、これらの国々の現状をみると、必ずしも自由化=電力価格下落に結び付いている訳ではなく、むしろ電力価格上昇を招いている例すらあるというのは厳しい現実だろう。

経済学的には、高い小売価格に規制されていた商品の市場が開放されれば、必ずその価格は下がるとされているが、
(1)商品が市場に十分に供給されること、
(2)商品を充分に保有している業者が多く参入すること、
(3)政府による価格統制等の規制が行われないこと、
などの条件が必要というのは理解できる。

電気は貯めることができない商品であり、現在蓄電池の普及も進んでいるがまだまだ高額であること、電力が自由化されると、電気事業者にとって長期投資のリスクが増え、その結果新たな発電所を建設するインセンティブが失われ、系統全体の供給力(予備力)が減ってしまうというリスクなどもある。

電力市場を機能させるためには、十分な予備力の確保と、供給力を充分に保有する多くの事業者の参入が必要であり、ベースロード電源を確保し予備力を持つ仕組みの確立とともに、多くの事業者が安心して発電投資でき電力市場への参入もできるように、長期的な視点からぶれのない政策を継続していくことが必要になるとしているのは、的を得ていると思う。

http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/column/2014/kankyo1003.html

米国が、ドローン(無人飛行機)を戦争の道具として世界に導入したことが目立つため、ビジネス上も米国が先行していると思っていたら、欧州、カナダ、オーストラリア、中国などのライバル各社の方が離陸し始めているとWSJが報じているのが、面白い。

米FAAは、米国には低空飛行の民間飛行機がはるかに多く存在し、その結果ドローンから最も大きなリスクに直面しているとして、民間ドローンのための規則の整備が完了するまで、米国内で一握りの民間ドローンを除いて屋外の飛行を全面的に禁止しており、規則整備完了には向こう数年間かかる見通しらしくこの禁止措置によって、米国のドローン市場は窒息状態となっているようだ。

FAAの規制措置があるため、グーグルとアマゾン・ドット・コムは自社の配達用ドローン試作機をオーストラリアとカナダでそれぞれテスト飛行している。

9月にはドイツの郵便・物流会社ドイツ・ポストが1カ月間にわたるテストの一環として北海の島への医薬品商業配達を開始したと発表したのを見ると、米国勢が焦っているのもよく判る。

http://jp.wsj.com/news/articles/SB12645916890387823719904580197383104827698

手のひらサイズの「人体チップ」

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プラスチック製の基板上にヒトの腸や肝臓などの細胞を培養し、腸から吸収した抗がん剤が肝臓で代謝され肺がん患部に到達する様子を再現できるという、薬の効き目や副作用を調べる手のひらサイズの「人体チップ」を、東海大学、東京大学の研究者が開発したと伝えられている内容が興味深い。

米国でも米国立衛生研究所(NIH)を中心に人体チップの実用化研究が進んでいるらしく、今後の開発に期待したい。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG2900J_W4A001C1MM0000/?dg=1

怒る勇気も正義感もない

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ロンドン在住のコンサルタント谷本真由美さんが、イギリスでもイタリアでもフランスでもスペインでも、公共交通機関や町中のベビーカーが邪魔だ、助けるべきかどうか、なんてことは議論にすらならないし話題にもならない、助けない様な人間、特に男はどんな扱いを受けるか、周囲から鬼畜呼ばわりで怒られ、怒鳴られるとしているのは、あらためて面白い。

日本の健康な男性が優先席で足を広げて座っている理由、体が不自由な人やベビーカーを助けない理由、赤子を連れた母親に嫌がらせをしても何もいわれない理由は、誰にも怒られないからであり、仕事が大変だからとか、心に余裕がないからではなく、怒られないから立場が弱い人を舐めているだけなのだというのは尤もだと思う。

さらに、ブラック企業が蔓延する理由も、ベビーカーで外出する親の肩身が狭いのも、根本的な原因は同じで、結局、怒る勇気も正義感もない自分たちに責任があるというのもよく理解できる。

http://wirelesswire.jp/london_wave/201410062211.html

Googleの衛星ネットワーク

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情報通信総合研究所主任研究員の 三本松憲生さんが、Googleが複数の衛星を活用してインターネットに接続が困難な地域へのネットワーク提供に約10億ドルを投資する予定というWSJ記事(6月)に関連し分析している内容が興味深い。

今回のプロジェクトで利用する衛星は、同社が以前から投資してきたベンチャー企業O3b Networksの創設者と元CTOを迎え入れ、独自に開発する模様であるが、地上から8000km程度の高度とかなり地表に近い高さのようで、想定されている衛星の数は180基程度らしい。

インターネット利用者を拡大させることが第一の狙いと考えられているようだが、衛星にカメラなどを搭載して地球(地表)の様々なデータを収集しGoogle MapやGoogle Earthへ展開したり、衛星画像のサービスを提供しているSkybox Imagingの買収により、衛星から得られた情報を自動運転に活用する可能性などもあるようで、今後の具体的展開に注目したい。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/091000064/092900008/?ST=network

中村氏が米国ではなく、日本にいたとしても投資していただろうか

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中村修二教授が2000年に渡米してから支えてきている有力な後援者の1人、シリコンバレー有数のベンチャーキャピタリスト、ビノッド・コースラ氏の談話を日経紙が伝えている内容が興味深い。

LEDの登場は照明の世界にとって大きなブレークスルーだったが、それ以降は漸進的な進歩にすぎないものばかりだったとし、ほとんどの人は大きなリスクをとりたがらないからだとしている。

中村氏が米国ではなく、日本にいたとしても投資していただろうかの問いに対し、「おそらくしていなかっただろう、日本には彼を支える仕組みがないからだ、たとえば人材、ベンチャーが成功するためには、科学者や技術者だけでなく、経営者や現場の運営責任者なども必要だが、大企業の幹部が会社を辞めてベンチャーに加わる可能性が低い日本では優秀な人材を集めるのは難しい」と答えているのは、日本人として耳が痛い。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78254340Q4A011C1000000/?dg=1

「How Google Works」のポイントを日経紙が紹介している中で、グーグルは「スマート・クリエイティブ」と呼ぶ、多才で専門性とビジネススキルと創造力を兼ね備えた新種の人材が活躍する土台を整えることこそ要諦としているというのは興味深い。

MBAスタイルの事業計画は、どれほど綿密かつ入念に検討したものであっても、必ずある重大な欠陥をはらんでいるもので、ベンチャー・キャピタリストが「事業計画ではなく、人に投資せよ」という原則に忠実なのはこのためというのも、よく理解できる。

実際のところ、計画はあってもかまわないが、事業を進めるのにともない判明したプロダクトや市場についての新事実に対処するために、計画を変えることを頭に入れておくことが重要となるわけである。

「グーグルの戦略―過去、現在、未来」という有名なガイドラインには、重大な問題を革新的な方法で解決するような技術的アイデアに賭ける、利益ではなく規模を最適化する、最高のプロダクトによって市場自体を拡大させる、といった内容が含まれているようだ。

まず、「5年後はどうなっているか」と尋ねるところから始め、そこから現在に戻ってくるというアプローチは参考になりそうだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78091330X01C14A0000000/

中村ショックと職務発明の帰属や対価を巡る動き

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「職務発明の帰属や対価」をめぐって政府内部で見直しが進んでいる状況を、日経紙が伝えている。

中村教授の事例では、在職していた日亜化学工業からの発明報酬は2万円、学会で「SLAVE」(奴隷)のあだ名が付いた中村氏は裁判を起こし、第一審の東京地裁が特許の対価として、日亜化学に200億円を支払うよう04年に命令して、「中村ショック」という言葉が生まれたが、結局控訴審で和解が成立し、最終的に中村さんが手にしたのは8億4千万円だった訳である。

現在の見直しは、特許を申請する権利を最初から会社側に帰属させようというもので、当然ながら、強く求めているのは経済界で、職務発明は会社の意思に基づく投資とリスクテイキングの産物であり、賃金が支払われる労働の成果物であることから、その権利は原始的に(=最初から)法人帰属とするのが至当としている。

法人帰属は社員から権利を取り上げる弱いものいじめといった反対論も根強い一方、製薬業界のように、実際に新薬としてモノになるのはごくわずかでほとんどの研究は事業化できずに終わる投資リスクの面も非常に大きいだろう。

発明者個人が、自分の技術に自信がある場合は、大企業から飛び出して自分のリスクで起業するというのが一つの道であることは単純で明快である。

一方、企業内に留まる場合、すごいイノベーションを生み出せば、それにふさわしいリスペクトや「研究費を潤沢に使える」といった処遇を受けられるというのも現実的な解決案に思える。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78241820Q4A011C1000000/?df=2

行く勇気が優勢の風潮の中で、あえて行かない選択をとる

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経済産業省が再生可能エネルギーの買い取り価格を柔軟に見直せる検討を開始していると日経紙が伝えている。

12年の開始以降、買い取り価格が高く設置が容易な太陽光発電所に事業者が殺到し、国が認定した設備容量の9割超が太陽光に集中している状況にある。

事業者からの入札制度を設け価格を引き下げる、導入量が政府の目標とする一定の水準を超えたときには価格が下がる仕組み、事業者が実際に発電を始めた時期に価格を決めることで価格を下げ負担を抑制する、大規模な太陽光発電施設の新規認定を一時停止したり、発電量が安定している地熱や水力などを優先して増やす、現在の送電網による受け入れ能力の拡大、不安定な太陽光で発電する電気をためるための蓄電池や送電網を増強して受け入れ能力を拡大するなど検討を進め、年内に具体策をまとめるようである。

既に先行する欧州でも導入されているものもあり、再生可能エネルギーのソフトランディングごうまくいくことを期待したい。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF15H05_V11C14A0MM0000/?dg=1

サイバーエージェント藤田晋社長が、創業の早い段階から「M&Aではなく、自分たちで事業を創って伸ばす」と決めていて、安易なM&Aを手掛けず、「行かない」勇気をもって初志貫徹を心掛けたと心情を述べているのが参考になる。

行く勇気が優勢の風潮の中で、あえて行かない選択をとるということは、批判に耐えなければならず、自分の中にある虚栄心に打ち勝たなければならない、ゴルフを例にすると、自分が自信を持ってドライバーを握ることと、うまくいく確率は低いけれど、周囲の目もあるしイチかバチかで勝負しよう、というのは異質な意思決定である、経験上、楽をしようと思ったら、だいたい結果はダメになる、勇気のはき違いに用心するというのは、経営者にとって大切な心構えとしているのは、尤もだと思う。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78366190U4A011C1000000/

シェアリングエコノミー(共有型経済)

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シリコンバレーやサンフランシスコには「コワーキングスペース」と呼ばれる、いわゆる共有仕事スペースがたくさんできているようだが、さらにシェアリングエコノミー(共有型経済)がますます進化している例として、仕事場を普通の人々が貸し借りできるPeerSpace(ピアスペース)という名前のサービスが出てきていると、瀧口範子(ジャーナリスト)さんが伝えている。

一般の人が持っている家やアパートを、ホテルのように利用して宿泊できるAirbnb(エアビーアンドビー)のようなサービスらしい。

仕事、ミーティング、ワークショップ、コミュニティーの集会などに使えるしゃれた場所が多いようだ。

これまでならば通常のよくあるスペースで甘んじていたところを、視点をすっかり新たにしてクリエイティブな気分になれる場所を探すことができるということらしい。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20141014/1144943/?P=1&rt=nocnt

フライングカメラとドローン

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Ventureclef宮本和明さんが、Unmanned Aerial Vehicle (無人航空機、通称「ドローン」) の一形態である無人ヘリに、アクションカメラ「GoPro Hero3+」を搭載したフライングカメラを操縦して遊んだ経験を紹介しているのが面白い。

無人ヘリを使って空からSelfie (自分撮り) をするケース、例えば結婚式の記念写真やゴルフでの集合写真、さらに家族が集まった時の記念写真などにも使われたりすることが増えているという。

FAA (アメリカ連邦航空局) は趣味で楽しむドローンについては、ライセンス無しで運用できるとしているが、大中規模の空港や軍の空港から5マイル以内は飛行禁止、高度は400フィート (120メートル) までで、常に視界に入っている必要があり、また、国立公園内での飛行は禁止されているというのはやむを得ず当然だろう。

Phantom 2という売れ筋のモデルの価格はGoProカメラ付きで829ドルらしく、手の出る範囲と言えるのではないだろうか。

一方、ビジネスへの適用に関しFAAは慎重で、アメリカにおける利用は大きく制限されてきたが、アメリカ議会や民間企業からの圧力で、FAAはドローンを航空管制システムに統合すべく、準備を始めたようで、FAAはタイムラインは示していないが、早ければ来年末にも骨子が決まると言われているらしい。



http://ventureclef.com/blog2/

シリコンバレーの「奥の院」

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特定の企業を選び出し、投資した上で、経営に助言し、自ら顧客を紹介し、育て上げていく中心的な人脈がシリコンバレーの「奥の院」には存在するといい、ノーベル賞を受賞した中村教授を支えた投資家のコースラ氏もその一人と、日経紙が伝えている記事が興味深い。

また、その「奥の院」の中心には「ペイパルマフィア」と呼ばれる米決済大手ペイパル出身者たちがいるとのことで、フェイスブックの不安定な創業期を支え、広告でグーグルを脅かす存在へと導いたピーター・ティール氏、フェイスブックの初期の投資家の一人でリンクトインを創業したリード・ホフマン氏、EVメーカーのテスラ・モーターズや宇宙開発会社スペースXを率いるイーロン・マスク氏、グーグルに買収された動画共有サイトユーチューブをつくったペイパル出身者などの実績があるようだ。

これに対して、日本は研究機関発のベンチャーを成功に導く指導役となる投資家の厚みが圧倒的に欠けているという指摘は尤もであり、危機感を抱くべきと思う。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78365320U4A011C1000000/

怒る勇気も正義感もない

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ロンドン在住のコンサルタント谷本真由美さんが、イギリスでもイタリアでもフランスでもスペインでも、公共交通機関や町中のベビーカーが邪魔だ、助けるべきかどうか、なんてことは議論にすらならないし話題にもならない、助けない様な人間、特に男はどんな扱いを受けるか、周囲から鬼畜呼ばわりで怒られ、怒鳴られるとしているのは、あらためて面白い。

日本の健康な男性が優先席で足を広げて座っている理由、体が不自由な人やベビーカーを助けない理由、赤子を連れた母親に嫌がらせをしても何もいわれない理由は、誰にも怒られないからであり、仕事が大変だからとか、心に余裕がないからではなく、怒られないから立場が弱い人を舐めているだけなのだというのは尤もだと思う。

さらに、ブラック企業が蔓延する理由も、ベビーカーで外出する親の肩身が狭いのも、根本的な原因は同じで、結局、怒る勇気も正義感もない自分たちに責任があるというのもよく理解できる。

http://wirelesswire.jp/london_wave/201410062211.html

Googleの衛星ネットワーク

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情報通信総合研究所主任研究員の 三本松憲生さんが、Googleが複数の衛星を活用してインターネットに接続が困難な地域へのネットワーク提供に約10億ドルを投資する予定というWSJ記事(6月)に関連し分析している内容が興味深い。

今回のプロジェクトで利用する衛星は、同社が以前から投資してきたベンチャー企業O3b Networksの創設者と元CTOを迎え入れ、独自に開発する模様であるが、地上から8000km程度の高度とかなり地表に近い高さのようで、想定されている衛星の数は180基程度らしい。

インターネット利用者を拡大させることが第一の狙いと考えられているようだが、衛星にカメラなどを搭載して地球(地表)の様々なデータを収集しGoogle MapやGoogle Earthへ展開したり、衛星画像のサービスを提供しているSkybox Imagingの買収により、衛星から得られた情報を自動運転に活用する可能性などもあるようで、今後の具体的展開に注目したい。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/091000064/092900008/?ST=network

中村氏が米国ではなく、日本にいたとしても投資していただろうか

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中村修二教授が2000年に渡米してから支えてきている有力な後援者の1人、シリコンバレー有数のベンチャーキャピタリスト、ビノッド・コースラ氏の談話を日経紙が伝えている内容が興味深い。

LEDの登場は照明の世界にとって大きなブレークスルーだったが、それ以降は漸進的な進歩にすぎないものばかりだったとし、ほとんどの人は大きなリスクをとりたがらないからだとしている。

中村氏が米国ではなく、日本にいたとしても投資していただろうかの問いに対し、「おそらくしていなかっただろう、日本には彼を支える仕組みがないからだ、たとえば人材、ベンチャーが成功するためには、科学者や技術者だけでなく、経営者や現場の運営責任者なども必要だが、大企業の幹部が会社を辞めてベンチャーに加わる可能性が低い日本では優秀な人材を集めるのは難しい」と答えているのは、日本人として耳が痛い。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78254340Q4A011C1000000/?dg=1

「How Google Works」のポイントを日経紙が紹介している中で、グーグルは「スマート・クリエイティブ」と呼ぶ、多才で専門性とビジネススキルと創造力を兼ね備えた新種の人材が活躍する土台を整えることこそ要諦としているというのは興味深い。

MBAスタイルの事業計画は、どれほど綿密かつ入念に検討したものであっても、必ずある重大な欠陥をはらんでいるもので、ベンチャー・キャピタリストが「事業計画ではなく、人に投資せよ」という原則に忠実なのはこのためというのも、よく理解できる。

実際のところ、計画はあってもかまわないが、事業を進めるのにともない判明したプロダクトや市場についての新事実に対処するために、計画を変えることを頭に入れておくことが重要となるわけである。

「グーグルの戦略―過去、現在、未来」という有名なガイドラインには、重大な問題を革新的な方法で解決するような技術的アイデアに賭ける、利益ではなく規模を最適化する、最高のプロダクトによって市場自体を拡大させる、といった内容が含まれているようだ。

まず、「5年後はどうなっているか」と尋ねるところから始め、そこから現在に戻ってくるというアプローチは参考になりそうだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78091330X01C14A0000000/

中村ショックと職務発明の帰属や対価を巡る動き

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「職務発明の帰属や対価」をめぐって政府内部で見直しが進んでいる状況を、日経紙が伝えている。

中村教授の事例では、在職していた日亜化学工業からの発明報酬は2万円、学会で「SLAVE」(奴隷)のあだ名が付いた中村氏は裁判を起こし、第一審の東京地裁が特許の対価として、日亜化学に200億円を支払うよう04年に命令して、「中村ショック」という言葉が生まれたが、結局控訴審で和解が成立し、最終的に中村さんが手にしたのは8億4千万円だった訳である。

現在の見直しは、特許を申請する権利を最初から会社側に帰属させようというもので、当然ながら、強く求めているのは経済界で、職務発明は会社の意思に基づく投資とリスクテイキングの産物であり、賃金が支払われる労働の成果物であることから、その権利は原始的に(=最初から)法人帰属とするのが至当としている。

法人帰属は社員から権利を取り上げる弱いものいじめといった反対論も根強い一方、製薬業界のように、実際に新薬としてモノになるのはごくわずかでほとんどの研究は事業化できずに終わる投資リスクの面も非常に大きいだろう。

発明者個人が、自分の技術に自信がある場合は、大企業から飛び出して自分のリスクで起業するというのが一つの道であることは単純で明快である。

一方、企業内に留まる場合、すごいイノベーションを生み出せば、それにふさわしいリスペクトや「研究費を潤沢に使える」といった処遇を受けられるというのも現実的な解決案に思える。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78241820Q4A011C1000000/?df=2

行く勇気が優勢の風潮の中で、あえて行かない選択をとる

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経済産業省が再生可能エネルギーの買い取り価格を柔軟に見直せる検討を開始していると日経紙が伝えている。

12年の開始以降、買い取り価格が高く設置が容易な太陽光発電所に事業者が殺到し、国が認定した設備容量の9割超が太陽光に集中している状況にある。

事業者からの入札制度を設け価格を引き下げる、導入量が政府の目標とする一定の水準を超えたときには価格が下がる仕組み、事業者が実際に発電を始めた時期に価格を決めることで価格を下げ負担を抑制する、大規模な太陽光発電施設の新規認定を一時停止したり、発電量が安定している地熱や水力などを優先して増やす、現在の送電網による受け入れ能力の拡大、不安定な太陽光で発電する電気をためるための蓄電池や送電網を増強して受け入れ能力を拡大するなど検討を進め、年内に具体策をまとめるようである。

既に先行する欧州でも導入されているものもあり、再生可能エネルギーのソフトランディングごうまくいくことを期待したい。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF15H05_V11C14A0MM0000/?dg=1

サイバーエージェント藤田晋社長が、創業の早い段階から「M&Aではなく、自分たちで事業を創って伸ばす」と決めていて、安易なM&Aを手掛けず、「行かない」勇気をもって初志貫徹を心掛けたと心情を述べているのが参考になる。

行く勇気が優勢の風潮の中で、あえて行かない選択をとるということは、批判に耐えなければならず、自分の中にある虚栄心に打ち勝たなければならない、ゴルフを例にすると、自分が自信を持ってドライバーを握ることと、うまくいく確率は低いけれど、周囲の目もあるしイチかバチかで勝負しよう、というのは異質な意思決定である、経験上、楽をしようと思ったら、だいたい結果はダメになる、勇気のはき違いに用心するというのは、経営者にとって大切な心構えとしているのは、尤もだと思う。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78366190U4A011C1000000/

シェアリングエコノミー(共有型経済)

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シリコンバレーやサンフランシスコには「コワーキングスペース」と呼ばれる、いわゆる共有仕事スペースがたくさんできているようだが、さらにシェアリングエコノミー(共有型経済)がますます進化している例として、仕事場を普通の人々が貸し借りできるPeerSpace(ピアスペース)という名前のサービスが出てきていると、瀧口範子(ジャーナリスト)さんが伝えている。

一般の人が持っている家やアパートを、ホテルのように利用して宿泊できるAirbnb(エアビーアンドビー)のようなサービスらしい。

仕事、ミーティング、ワークショップ、コミュニティーの集会などに使えるしゃれた場所が多いようだ。

これまでならば通常のよくあるスペースで甘んじていたところを、視点をすっかり新たにしてクリエイティブな気分になれる場所を探すことができるということらしい。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20141014/1144943/?P=1&rt=nocnt

フライングカメラとドローン

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Ventureclef宮本和明さんが、Unmanned Aerial Vehicle (無人航空機、通称「ドローン」) の一形態である無人ヘリに、アクションカメラ「GoPro Hero3+」を搭載したフライングカメラを操縦して遊んだ経験を紹介しているのが面白い。

無人ヘリを使って空からSelfie (自分撮り) をするケース、例えば結婚式の記念写真やゴルフでの集合写真、さらに家族が集まった時の記念写真などにも使われたりすることが増えているという。

FAA (アメリカ連邦航空局) は趣味で楽しむドローンについては、ライセンス無しで運用できるとしているが、大中規模の空港や軍の空港から5マイル以内は飛行禁止、高度は400フィート (120メートル) までで、常に視界に入っている必要があり、また、国立公園内での飛行は禁止されているというのはやむを得ず当然だろう。

Phantom 2という売れ筋のモデルの価格はGoProカメラ付きで829ドルらしく、手の出る範囲と言えるのではないだろうか。

一方、ビジネスへの適用に関しFAAは慎重で、アメリカにおける利用は大きく制限されてきたが、アメリカ議会や民間企業からの圧力で、FAAはドローンを航空管制システムに統合すべく、準備を始めたようで、FAAはタイムラインは示していないが、早ければ来年末にも骨子が決まると言われているらしい。



http://ventureclef.com/blog2/

シリコンバレーの「奥の院」

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特定の企業を選び出し、投資した上で、経営に助言し、自ら顧客を紹介し、育て上げていく中心的な人脈がシリコンバレーの「奥の院」には存在するといい、ノーベル賞を受賞した中村教授を支えた投資家のコースラ氏もその一人と、日経紙が伝えている記事が興味深い。

また、その「奥の院」の中心には「ペイパルマフィア」と呼ばれる米決済大手ペイパル出身者たちがいるとのことで、フェイスブックの不安定な創業期を支え、広告でグーグルを脅かす存在へと導いたピーター・ティール氏、フェイスブックの初期の投資家の一人でリンクトインを創業したリード・ホフマン氏、EVメーカーのテスラ・モーターズや宇宙開発会社スペースXを率いるイーロン・マスク氏、グーグルに買収された動画共有サイトユーチューブをつくったペイパル出身者などの実績があるようだ。

これに対して、日本は研究機関発のベンチャーを成功に導く指導役となる投資家の厚みが圧倒的に欠けているという指摘は尤もであり、危機感を抱くべきと思う。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78365320U4A011C1000000/

米国再生可能エネルギー事情

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ジェトロセンサー2014年11月号中の「【米国】大型蓄電池への需要拡大」の記事によると、米国ではシェール・ブームに沸く一方、再生可能エネルギーによる発電も拡大し、03年から13年で、再生可能エネルギー0.36兆/kWh⇒0.76兆/kWhに倍増、石炭1.97兆/kWh⇒1.63兆と減少、原子量0.76兆/kWh横ばいとある。

再生可能エネルギー拡大の主因は、次の2つとされている。

(1)連邦政府による風力発電や太陽光発電を対象とする生産税控除(PTC:発電所稼働後の最初の10年間法人税から1kWh当たり2.2セント控除)や投資税控除(ITC:システム費用の30%を税額控除)などの財政的支援が長期にわたり
継続された。

(2)各州が独自に設定し、電力事業者に対し一定割合の再生可能エネルギーの導入を義務付ける再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準(RPS)の導入が普及した。

一方、風力や太陽光発電は天候次第で出力が不安定になり、エネルギー貯蔵システムESS用の蓄電池が不可欠となるが、高性能で大型のタイプは日本企業の得意領域のようだ。

住友電工は年内にカリフォルニア州など2か所に米電力会社と共同で実証施設「レドックスフロー」を建設、NECは中国の自動車部品大手万向(ワンシャン)集団から、12年に破綻した米バッテリーベンチャーのA123システムズの法人向けリチウムイオン蓄電システム事業を買収し、カリフォルニア州の大規模調達も狙っているらしい。

日立アメリカは、電力需要の制御サービスを提供する米デイマンシスと共同で蓄電システムCrystEnaの実証実験を行うことで合意しているとのこと。

米国では発電と送電会社が独立して電力供給を行う自由化で先行しており、周波数や電圧を維持するための電力系統運用サービス(アンシラリーサービス)が不可欠で、ここにESS用電池導入の動きもあるようだ。

韓国サムスンSDIやLG化学が実証実験で優位に交渉を進めているようでもあり、日本企業の今後に期待したい。

http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07001868/07001868.pdf

リスクと犠牲を共有する友人こそが真の友人

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CIGS研究主幹の宮家邦彦さんが、米国デビッド・ペトレイアス氏が来日したときの話で、同氏が2003年秋に北イラクの責任者としてモスルにおり、同年11月に殺害された外務省の故奥克彦大使、井ノ上正盛書記官とは生前何度も顔を合わせており、再開の直前に二人は犠牲になったという。

この2人の外交官を偲ぶ植樹が外務省前庭にあることを知り、急遽日程を変更して植樹の前で黙祷していったらしい。

彼は植樹の前で黙祷するため、全ての日程を再調整したというが、それほど奥、井ノ上両氏に対する思い入れは強かったのだろう。

両氏は命を懸けてイラク復興のために奔走した、ペトレイアス将軍にはリスクと犠牲を共有する友人こそが真の友人なのであり、本来同盟とはこういうものだろうというのは、実によく理解できる。

http://www.canon-igs.org/column/security/20141014_2766.html
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