茂木 健一郎さんの「映画『ブレードランナー』の最後の、レプリカントの独白について」でのコメントが興味深い。
「『ブレードランナー』には、二つのテストが隠れている。
一つは、人間そっくりのレプリカントと恋に陥ることができるかというテスト。
もうひとつは、レプリカントは自己意識を持つかというテスト。
ハウアーの最後の独白は、後者にかかわる。」
「雨の中の涙」モノローグと言われるこの独白の中で、レプリカントが言う言葉は、一部が、ルドガーハウワーがその場で工夫し、つけくわえたもので、撮影の時にハウワーがこの言葉を言い終わると、撮影クルーからは拍手が起こり、中には泣いた者もいたという。
「私は、あなたたちが信じられないようなものを見てきた。
オリオンの肩で炎上する戦闘船や、タンホイザー・ゲートの近くの暗闇で光るC-光線などを。
これらのすべての瞬間は、もはや失われる。
雨の中の涙のように。
死ぬ時がきた。」
『ブレードランナー』のディレクターズ・カットでは、レプリカントを追い詰めるハリソン・フォード自身が、実はレプリカントであることを示唆するシーンも含まれているらしい。
IT起業研究所代表 小松仁