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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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モロッコ旅行(1)

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モロッコ旅行(1)

1週間ほどモロッコを旅してきた。

パリ経由、カサブランカ入国、首都ラバトから旅をスタート。
ホテルの部屋の台にメッカの方向を示す印がついているのはお国柄。
彼らは1日5回お祈りする。

面積は日本の約1.2倍、人口は約3200万人でカサブランカは約500万人の大都市。
約6割が先住民のベルベル人、残りはアラブ系他だが、混血も多いらしく、また砂漠の民はターバン姿がエキゾチックである。

リン鉱石が取れるが石油は取れず小麦他の農業国で、約98%がイスラムスンニ派とのこと。
消費税は、1.5%、一部1.8%で、教育は無料らしい。

ラバトは政治の中心だが、まず入国早々猫が多いのに一寸驚かされる。
バブーシュと呼ばれるスリッパ(室外用もあり)が名産の一つらしい。
グラニュー糖を加えて飲むミントティーの味が何とも言えずおいしい。

1日5回の礼拝を呼びかける(アザーン)ために使われる尖塔ミナレットは四角で、他のイスラム国の丸を中心とした形状と違っている。
ハッサンの塔は、ムハンマド5世の霊廟と同じ敷地内にあり、88mの高さの予定が半分の44mと未完に終わっているが、スペインセビリアのヒラルダの塔、モロッコマケラシュにあるクトゥビアの塔と並び、世界の3大ミナレットと称されている。

ムハンマド5世の霊廟内の中央の石棺はムハンマド5世自身のもので、入口には真紅の衣装をまとった衛兵が立っており、一緒に撮影にも応じてくれる。

次に東へヴォルビリスに向かうが、牧草地が多くヤギ、羊、ロバが目立つ。
ヴォルビリスはローマ帝国の古代遺跡で、世界遺産になっている。
2つの大きなモザイク画のあるヴィーナスの家、カラカラ帝の凱旋門など往古の繁栄が偲ばれる。

次にこれも世界遺産になっている古都メクネスに向かう。
ここは水の良さもあり、ワインの名産地として有名である。
早速メクネスワイン(赤)を嗜んだがやはりおいしい。
メディナの中心部で王都へのメインゲートになっているマンスール門、その前にあるエディム広場などを眺める。
ところで、トイレは大部分が有料で1DH(ディルハム)が必要だが、おつりをくれる。

この後、さらに東へモロッコ最初のイスラム王朝の都であったフェズに向かう。

旧市街メディナは細い通路でつながった迷路のようで、安全ではあるがガイドさんでも危ないほど迷子になる心配の方が大きい。
ネジャーリン広場は一番の繁華街。
なめし革職人街タンネリーを覗く。

フェズブルーと呼ばれる陶器の皿を土産に購入。
銅製品・彫金の店に、フェズ最大の門であるブージュールド門を祖父が彫ったという職人がいた。
この門は、外面が幾何学模様に彫刻、青や緑のタイルで彩られ、アトラス杉が用いられている。

ブーイナニア神学校は14世紀にできたもので、中央にある噴水らしきものは学生が授業やサラート(お祈り)の前にお清めするのに用いられたものらしい。

カラウィンモスクは、イスラム神学に留まらず自然科学、医学、地理など各種学問を学ぶ大学として発展したものとのこと。

モロッコ旅行(2)

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モロッコ旅行(2)

南へモロッコのスイスとも呼ばれるイフレンに向かう。
標高1600mほどでちょっと寒い
雪対策に三角屋根が目立つ。
ノスノスというカフェオレがおいしい。

途中雪模様となり、周りに雪も残っている。
ピンクや白のアーモンドの花もまだ咲き残っている。

サハラ砂漠西部に住むベルベル人系の遊牧民トゥアレグ族のテントも目立ってきた。
高原、放牧地が広がり、羊,ロバが放牧されている。
遠方にはアトラス山脈の雪山が見える。

ベルベル人の小さな村も散在している。
屋根にコウノトリと巣があるのが遠望できる。
進むほどに、一面の残雪が延々と続いている。
現地ガイドがパンを車から放るのを待つ犬が道路わきで待機している姿を見ることが多い。

同行者が腹痛で臨時のトイレを取る。
なお、今回他にも腹をこわした人がいたが、どうもウイルスなどではなく、時差、疲労に関わらずいつもより食事量が多くなることが原因らしい。
飲み水に関しては、硬水のため水道は無理でボトル購入は必須である。

さらに南へザード峠(2178m)を越え、河沿いの道を進むとグランドキャニオンのような風景に変わってくる。
途中にオアシスも散在し、雄大なパノラマが開けてくる。
ダム湖(水力発電用)も途中に姿を見せる。

一路南へエルフードに向かう。

早朝、ホテルを4時45分に出発、メルズーガ大砂丘を目指す。
サハラ砂漠上空の星空を眺めながら、真っ暗で道なき道を4WDで疾走していく。
40分ほどだが、猛烈に揺れが激しい。

砂丘の端にベルベル人のテントがあり、ここから一つこぶラクダにまたがり、日の出を見るポイントまで上り、最後は徒歩で上端に達し、そこで砂上にじゅうたんを敷き、日の出を迎える。

空が段々明るくなり、真っ赤な火の玉のような太陽が出てくる瞬間はやはり感動する。

またラクダに乗って戻り、ベルベル人のテントで朝食をとる。

次に西へ向かい、ちょっとグランドキャニオン風のトドラ渓谷を目指す。

途中、地下水道溝跡(カナートという縦穴)やティネリールのパノラマ風景を楽しむ。
ラクダの放牧らしきものも見かける

さらに赤い壁で囲われた城砦(カスバ)が点在するカスバ街道を一路ワルザザートに向かう。
だだ広い砂地平原の中に一本道が続く。
ところで、カスバというのは城塞のようなものに囲まれた集合住宅で、メディナは城壁の中の旧市街を指しているようだ。

ワルザザードでは、タウリルトのカスバ、芸術村(シネマミュージアム)周辺を散策した。
イスラム教の戒律が厳しいのか、ここ何日かホテルでも酒の提供はされていない。

モロッコ旅行(3)

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モロッコ旅行(3)

ワルザザードを出て、北へ向かい、再びアトラス山脈を越え、世界遺産アイト・ベン・ハッドゥへ向かう。

7世紀アラブ人がモロッコ北部を征服すると、先住民族のベルベル人は、アトラス山脈を越えオアシスにカスバを築いて移り住んでいったが、このアイト・ベン・ハッドゥは最も美しいクサル(カスバ化した村)とされているようだ。

頂上の塔のような住宅まで階段を登る。
途中にナチュラルな素材を使った絵描きがいて、ヒラリー・クリントンも来訪した写真が出ていた。

さらに北へ、ティシュカ峠(2,260m)を超え、世界遺産にもなっているマラケシュに向かう。

途中、山の斜面にもヤギを見かけるが、ヤギはモロッコにのみ生育するというアルガンの樹の実が好物で身軽に樹に登るという嘘のような話を聞く。
この実から採油された希少なオイルがアルガンオイルで、「モロッコの黄金」と呼ばれ美や健康に役立つとされており、土産に購入。

遠く4,000m級の山脈には雪も見える。
川も塩気が多いらしい。

羊と山羊が一緒に放牧されているのは、羊の気が小さいのに対しヤギが大胆らしく、バランスが保たれるというのは一寸面白い。

マラケシュの町の背後には、4,000m級の山並みがそびえるアトラス山脈が北方の肥沃な大地と、南方のサハラ砂漠の隔壁となっている。
モロッコの歴史、遺物、自然、人間が混然と集約された中心地であり、100万人の大観光地である。

旧市街を2頭立ての馬車で巡る。

リヤドとはアラビア語で木が植えられた庭を指す言葉であったものが転じて、中庭(パティオ)のある邸宅を意味するようになったもので、ダールはもともと家という意味で、一般的にリヤドよりも小さく、中庭の代わりに吹き抜けを持つのみの場合もあるらしい。
バヒア宮殿はリヤドの代表例で、アルハンブラ宮殿を一寸小ぶりにしたような感じで、広大な庭園を巡らし、複数の愛妾用の部屋には鮮やかな色のタイルが張られ、アトラス杉の船型の天井には見事な細密画が施されている。

クトゥビアの塔は、約77mの高さを持つミナレットで、セビリア、フェズに並ぶ3大ミナレットの一つ。

ジャマ・エルフナ広場は、非常ににぎやかなお祭り広場のようで、コブラの蛇使いなど大道芸が各所で行われ人だかりの輪ができている。
音楽は、ドラムの音が響き、アートブレイキーとジャズメッセンジャーズのチュニジアの夜の演奏を想い起す。

最後に北上、起点のカサブランカに戻る。
カサブランカは商業・経済の中心で白い家の意味を持つ。
ベルベル、アラブ、ユダヤの混合文化となっているようだ。

モハメド5世広場は、裁判所、市庁舎など公共建築に囲まれた大きな広場。

ハッサン2世モスクは、大西洋に面し、8万人を収容できるという9ヘクタールの広大な敷地に、2万5千人を内部に収容可能という世界で5番目に大きなモスクである。

今回、初めてイスラム教国を訪問した訳であるが、メディアを通したものとは一寸異なる印象を抱く事ができ私にとっては貴重な体験となった。

イスラムの世界で義務として課せられた5つの行為、信仰告白(シャハーダ:「アラーの他に神は無い、マホメッドは神の使徒である」と証言する)、礼拝(サラー:一日5回、キブラに向かって神に祈る)、喜捨(ザカート:収入の一部を困窮者に施す)、断食(サウム:ラマダーン月の日中、飲食や性行為を慎む)、巡礼(ハッジ:マッカのカアバ神殿に巡礼する)も、以前よりはその意味合いも理解できるようになった気がする。

ウェアラブル

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ツィッターやフェイスブックの問題点を突いた形のSNSが出始めているようである。

米国で今月上旬に行われた新興企業が集まるイベント「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)インタラクティブ」でも、スマホ向けアプリで、本名を明かさずに登録した友人間でメッセージをやりとりでき、匿名版ツイッターのようなサービス「シークレット」が代表例と日経記事が伝えている。

親兄弟、職場の同僚など、誰が読むか分からないフェイスブックには気軽に意見を書き込めないと感じている人は多くその反動らしい。

また、フェイスブックの「過去をすべて記録する」主義に逆行する動きとして、自動消滅機能のついた写真共有サービス「スナップチャット」、さらに消滅機能のついたチャット(対話)アプリ「サイバー・ダスト」や「コンファイド」などの動きも面白い。

フェイスブックの若者離れが取りざたされている最大の要因は、匿名性の欠如と言われていることから、このような新興企業の動きは今後も興味深い。

http://www.nikkei.com/article/DGXBZO68477330Y4A310C1000000/

アップルのウェアラブル端末iWatchの姿がなかなか現われない中、サムスン他が先行して市場に出し始めている。

一方、iWatchと一緒に使うことになりそうなアプリ、コードネーム「ヘルスブック」の詳しいうわさを瀧口範子さんが伝えている内容が興味深い。

自分の健康に関わる情報を記録して一つにまとめ、データの推移をトラックできる仕組みらしく、身体の状態(血圧、心拍数、血糖値、酸素飽和度など)、運動関連(活動レベル、水分補給度、呼吸数など)、健康管理(睡眠トラッキング、栄養、体重、BMIなど)といったところのようだという。

iWatch以外のセンサも使うのだろうが、早いところ実際に見てみたいと思う。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140318/1124864/

米Google社は、Androidをウエアラブル機器向けに広げるプロジェクトAndroid Wearを発表しているが、Tech-on誌によると、腕時計型端末で、
(1)適切なタイミングでユーザーに適切な情報を提示する、
(2)発話での操作を受け付ける、
(3)身体の健康状態を詳しく監視する、
(4)スマートフォンやテレビなどの他の機器を操作する、
などの実現を狙っているらしい。

2014年後半にはAndroid Wearを搭載した腕時計型端末を投入できるように、複数の企業と協業を始めているとのことで、期待したい。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140319/340920/

Tech-on誌が、米Amazon.com社が発売予定と報道されているスマートフォンに関する予測を紹介している内容が興味深い。

特徴はカメラモジュールを6個搭載することで、このうち4個は、ジェスチャー入力などユーザーの動きを検出するユーザーインタフェース用途に使うらしい。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140319/341003/

クラウドファンディングの限界

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フェイスブックのオキュラスVR買収に関し、瀧口範子さんがレポートしている内容が興味深い。

ディベロッパー用開発キット製品は、バーチャルリアリティーを体験できるヘッドマウントディスプレイで、コンピュータのゲーマーたちに人気があるものらしい。

オキュラスVRは、クラウドファンディングのプロジェクトでも大成功を収めた好例に数えられているようだが、10ドルに対する代償は「心からのありがとう」、275ドルならば組み立て前のキット、5000ドル以上をサポートすると、同社の研究所に招待され、1日中同社の関係者と一緒に過ごすことができたらしい。

みんなのサポートのおかげで立ち上がった同社は、その後どんどん企業価値を上げていき、今回の買収でめでたく「エグジット」を果たしたが、サポーターには何の見返りもない。

クラウドファンディングの夢物語が冷水を浴びせられたような一件と評されても仕様がないだろう。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140401/1126443/


GoogleファウンダSergey Brinの学生時代の履歴書、といってもStanfordの卒業生たちのサイトに残っているHTMLのソースコード中の短い注意書きらしいが、[目標:・広いオフィス、・高給、・とても短い勤務時間、・経費で頻繁に海外旅行ができること]という内容を、TechCrunch誌が伝えているが、今や地球上のトップクラスの金持ちとはいえ、一寸微笑ましく面白い。
http://jp.techcrunch.com/2014/03/22/20140321the-awesome-easter-egg-in-sergey-brins-old-resume/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook


先日のGoogleによるウェアラブルデバイス用のAndroidオペレーティングシステム「Android Wear」の公開では、時計タイプの発売を先行し、他のウェアラブルスマートデバイスに採用範囲を広げていく計画としているようだが、眼鏡型は自社で先行開発、製品化ということなのだろうか。
http://www.displaybank.com/_jpn/research/news_view.html?id=234456


最近の日経エレクトロニクス誌に、微細なパターンを彫り込んだ判型を樹脂などに押し付けてパターンを転写するナノインプリント技術の動向を紹介している内容が興味深い。

約10年前の早すぎたブームから地道に技術を改善してきたわけだが、「生物模倣」の面で、シャープの大型液晶テレビに用いている「モスアイパネル」は、蛾の目の表面にある凹凸をナノインプリント技術で再現し、光の反射を大幅に低減しているという。

ハスの葉の表面にある凹凸をナノインプリントで再現することで非常に高いはっ水効果が得られ、自動車のフロントグラスなどへの利用が始まりつつあるらしい。

米Georgia Institute of Technologyの「静電気発電」の発電技術もナノインプリントで樹脂表面に微細な凹凸をつけることで、発電効率を飛躍的に高めるものらしく、製品化が期待できそうだ。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140318/340741/

シリアルアントレプレナー(連続起業家)

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最近の日経産業新聞記事にある、シリアルアントレプレナー(連続起業家)に関する記事が興味深い。

なんども起業してそこで得たカネを元手に次の事業を立ち上げる人々は、さらに獲得した資金をもとに、エンジェルとしてスタートアップを支援している。

共通しているのは1つの場所にとどまらないことで、成功すれば挑戦者を支援する。

米ジャフコアメリカベンチャーズの菅谷常三郎ジェネラルパートナーが、日米の投資環境の違いをエンジェルの存在としているのは、よく理解できる。

ペイフォワードと言って次を担う若者達を育てようと出資するのは良き伝統になっているようだ。

また、米国では大企業がスタートアップを買収する。

日本のベンチャーの成功事例の9割以上は株式公開だが、米国では逆に9割以上が売却らしい。

大企業はスタートアップの買収で革新的であり続けることができるわけである。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO69269160S4A400C1X13000/


野村総研(NRI)桑津浩太郎主席コンサルタントが、M2M市場に関し話している内容が興味深い。

携帯電話は、みな同じ端末を使っていて、管理手法も同じ、それでいて単価は、新興国を除けば月額10米ドル以上もらえ、例えるなら羊の群れのようなもので、管理が効率的にできる、つまり「牧場型」。

対してM2Mは、まるで「動物園」で、自動車や医療機器、建設機械、工作機械、自販機と、管理する主体が非常に多様で、牧場のように効率的にマネージするのは難しい、というのは尤もだと思う。

また、M2Mビジネスの構造的な課題は大きく2つあり、1つは、供給側にとっては短期的に大きく儲かるモデルにならないこと、M2Mの特性としてトラフィック量が非常に少なく、高速・大容量なネットワークは必要なく、固定通信を追い抜こうと進化してきた方向性ともズレることになるという点。

もう1つ重要なのが、エンターテイメントではないという点と指摘しているのはよく理解できる。

さらに、ITの“蟻の時間”と、インフラ側の“象の時間”が連動しない、ここにまず工夫が必要というのは面白い。
http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/3351/Default.aspx

デザイン思考とイノベーション

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デザイン会社の米IDEOの創業者デイビッド・ケリー氏の弟でベストセラー「発想する会社!」の著者でもある共同経営者トム・ケリー氏の話が日経誌に出ているが、興味深い。

「デザイン思考」では、新しい製品やサービスを検討する際、仝楜劼篌勸肪緻椶靴謄▲ぅ妊△鯀箸瀘てる「洞察・観察・共感」、◆屮廛蹈肇織ぅ廖併邵酩福法廖↓「ストーリーテリング(物語)」の3つがその核にあるとし、失敗して初めて成功が生まれることからプロトタイプも欠かせず、新しいアイデアを周りの人に伝えるストーリーテリングも重要としている。

また、「リバース・メンター」といって、若い世代ほど最先端の技術を理解して使いこなせるので「先輩」だという考え方も面白く実用的と思う。

最近は「行動経済学」と「ビッグデータ分析」をデザイン思考に採り入れているというのも参考になるだろう。

実際、ビッグデータ分析と人の観察を組み合わせて製品開発に生かす「ハイブリッド・インサイト」(洞察の掛け合わせ)という考えを採り入れサービスを提供しているらしい。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0903H_Z00C14A4000000/


経済サミット2014の中で、LINEの森川亮社長が、イノベーションを創出するために重視している3つの「鍵」を紹介している内容が興味深い。

(1)意思決定の仕方について、昔はある程度決まったことを推進して成功するまっすぐな道があったが、今は道が曲がりくねって先が見えないとして、LINEでは長期の事業計画を立てず、3カ月先とか身近なところを見て意思決定をする。

(2)組織の作り方について、何か決まった物事をトップダウンで動かすのではなく、常に物事に対して柔軟に対応できるように考える、「サッカー型」の経営。

(3)サービスの考え方について、最終的にサービスの善し悪しを判断するのは経営者ではなくユーザーで、(話し合うことで)アイデアを伸ばすことは必要だが、偉い人と会議をすると角が取れて丸くなって良くも悪くもないものになるため、LINEでは、あまり会議をしない。

さらに、企業規模の大きい小さいではなく、変革を起こせるメンバーが居て、彼らのための環境があるかどうかが重要、イノベーションを起こすのは「頭のいい人」ではなく「変わった人」、というのも良く理解できる。
http://jp.techcrunch.com/2014/04/10/jp140410-nes05/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook


渡辺千賀さんの「起業報告fromシリコンバレー」にある、匿名版TwitterともいうべきiPhoneアプリsecret.lyの体験話の内容が興味深い。

コメントできるのは知り合いFriendだけという歯止めはされているらしい。

開発元のSecret社は、元グーグルエンジニアで、ペイメント・ベンチャーのスクウェアで働いていた人が始めたベンチャーとのこと。

昨年12月に143万ドルを調達、1月末にアプリがリリースされ、今年3月に860万ドルを調達しているらしい。今後どう展開されていくのか見守りたい。
http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/watanabe/20140410-OYT8T50051.html

日本人の悪しき「表敬訪問」という慣習

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ベンチャー支援組織WiLの共同創業者兼最高経営責任者伊佐山元さんが、日本人の悪しき「表敬訪問」という慣習を取り上げ、相手からすれば、目的や何ら得るものがない議論は、自分の貴重な時間の無駄ということになる、特に日本からの訪問者は質問ばかりで、意見交換というよりも会話が一方通行である場合が多い、なぜなら、調査目的、勉強目的という極めて自分都合の面会が多いからと述べているのは、実に尤もと思う。

誰かと面会する際には、十分な準備と、自分なりの問題意識を整理して、質問するだけでなく、面会での議論が「等価交換」になるように心掛けるべきというのは、当然のことだろう。

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO69518410X00C14A4X12000/?n_cid=DSTPCS003

シリコンバレーがいろいろな意味で二極化してきているという、瀧口範子さんの話は興味深い。

いわゆる「持てる者」と「持たざる者」のギャップで、サンフランシスコ市内では、テクノロジー会社の高給取りが大挙して引っ越してきたために、家賃が急上昇して店員や教師、警察官などごく普通の職業の人々が住みにくくなっているという。

世代ギャップで、最近の消費者向けインターネット・サービス関連のスタートアップなど、訪れてみると学生たちが集まって仕事をしているような雰囲気らしい。

男女間では、そもそもシリコンバレー企業のエンジニアリング部門で働く女性の比率は低く、グーグルですら5分の1、スタートアップの場合はもっと低く、10数%らしいし、大学以上の学歴を持つ男性は、同等の学歴の女性よりも40〜73%多く稼いでいるという数字もあるとのこと。

瀧口さんの言う通り、シリコンバレーの進取の気質は社会のイノベーションにまではまだ届いていないというのが現実なのだろう。
http://www.newsweekjapan.jp/column/takiguchi/2014/04/post-821.php

楽天の三木谷浩史会長兼社長が呼び掛けた国際会議で、米ヤフーの共同創業者ジェリー・ヤン氏が、日本がリードできる分野として自動車技術を挙げているのは、的を得ているように思う。

シリコンバレーのテクノロジー企業投資家マット・ウィルシー氏が、日本が成功するには失敗への恐れを払拭することが必要と指摘しているのは尤もだろう。

http://realtime.wsj.com/japan/2014/04/11/日本に乏しい起業家精神、文化の壁?/?mod=WSJJP_Blog

カリスマ創業者が成功させたベンチャー

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TechMom海部美知さんが、「ジョブズ後のアップル」について書かれた恐らく初めてのまとまった本として、3月にアメリカで発刊された『 Haunted Empire 』を紹介していて興味深い。

米国育ちの日本人ライターで、ジョブズ時代末期からその後しばらく、米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル在職中にアップルを担当していた、ケイン岩谷ゆかりさんの著作。

カリスマ創業者が成功させたベンチャーが必ず通らなければならない道、「普通の会社」へと変化せざるを得ないアップルの変転を示してくれているようだ。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20140411/262743/?P=1

CGIS須田美矢子特別顧問が、「経常収支について-なぜ赤字は問題なのか?」で論じている内容は、問題を整理させ判りやすい。

財政赤字との双子の赤字論などは、財政赤字問題がこれまで顕現化しなかったのは、赤字を国内でファイナンスできている、つまり国全体では貯蓄超過≡経常収支黒字であったからで、経常収支赤字が続くと政府債務問題に火がつくとの懸念である。

経常収支は黒字であれ赤字であれ、国内の家計・企業・政府の貯蓄投資ギャップの合計から求められ、循環要因を除いて考えると、経常収支は残差項、収支尻であるといえ、それを経常収支(外国の貯蓄投資ギャップ)に一致させるのが実質為替レートであり、この残差項には国内の様々な構造問題が、結果として凝縮された形で表れているとしている。
http://www.canon-igs.org/management/miyako_suda/20140410_2492.html

シリコンバレーのアナリスト宮本和明さんが、「Emerging Technology Review」で、アクションカメラ「GoPro」(体に装着して利用するウエアラブル・カメラ)について、若者層を中心に絶大な人気があり将来性は高く評価され、近く株式を公開する予定としている内容が興味深い。

利用者はGoProで撮影したビデオをYouTubeなどに公開し、アクションを通じて自己主張を行うわけだが、GoProはYouTubeに専用チャンネルを設け、幅広い分野のビデオを公開しているようだ。

また、Virgin America航空へ提供したり、Microsoft Xbox 360とXbox One向けに配信すると発表もしているらしい。

創設者・CEOのNicholas Woodmanは、同社を「コンテンツ企業」であるとし、カメラは事業推進のための「Enabler (支える道具)」としているのは的を得ているようだ。

多くのウエアラブル製品が登場しようとしているが、成功の鍵はハードウェア基盤上のビジネスであることを再確認される。
http://ventureclef.com/blog2/

グーグルバス

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サンフランシスコ市内の南部で以前からヒスパニック系住民の多いところだったミッション地区が、近年グーグルなどのテクノロジー企業の社員、それも若い社員が住み始めて、人気のヒップな地域とみなされる一方、高給取りのグーグル社員の流入によって家賃が高騰し、昔から住んでいる住民が住みにくくなっているとジャーナリスト瀧口範子さんが伝えている。

この地域に住むグーグル社員をシリコンバレーまで送り迎えする「グーグルバス」や、フェイスブックやヤフーなども同様にバスを走らせているようで、サンフランシスコの格差問題の象徴になっているというのは、今後さらに深刻な事態になっていくかもしれず見守っていきたい。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140415/1127824/?P=1

米国時間の4/15、Googleは新しいExploreプログラムを発表し、誰でも自由にGlassが購入できるようにしたとのこと。

価格はこれまで同様、1500ドル+税に据え置きで一寸高いが、今後のウェアラブル時代のエポックになっていくのか見守っていきたい。

http://jp.techcrunch.com/2014/04/16/20140415if-you-want-google-glass-nows-your-chance/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

日本電子産業の衰退:成功体験から産業全体が抜け出せない状況

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「電子情報通信と産業」の著者で技術ジャーナリストの西村吉雄さんが、日本電子産業の衰退に関し、成功体験から産業全体が抜け出せない状況など長期的視点からのまとめを論じている内容が、興味深く参考になると思う。

2013年、日本電子産業の貿易収支は赤字に転落、とりわけ赤字額が大きいのはコンピュータ関連装置と通信機器で、天然ガス輸入増による増加赤字額に匹敵するというのは、厳しい現実だろう。

1990年代以後、世界の電子情報通信産業は、「設計と製造の分業」に向かい、半導体ではファブレス設計会社とシリコン・ファウンドリの分業、電子機器ではファブレス・メーカーとEMSの分業、これらの分業がグローバルに発展するといった流れに日本の企業が乗れなかったのは、改めて残念なことだと思う。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140303/337597/

渡辺千賀さんの「テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らし」で紹介されている、シリコンバレーのエンジェルは多ベンチャーに投資しているが1件当たりは割合少額という内容は面白い。

当初から比較的多くの投資家がいるケースで、「起業の初期の時点で投資家を増やしてはいけない」とも言われるので「話題のベンチャーなのに最初からそんなにたくさん投資家を入れて大丈夫なのか」と思われるかもしれないが、しっかりしたかなり業界共通の投資契約書があり、かつ投資家は個人であってもそれなりの資金力を持つ人に限定され、代わりにそういう人は自己責任を負えるはず、というルールになっていることであまり問題が生じないようになっている、というのは、シリコンバレーの現実なのだろう。
http://www.chikawatanabe.com/blog/2014/04/angel_investment.html#more

IHS/Displaybankのレポートで、従来のディスプレイ産業が、大型化と高画質の実現を中心に製品開発されてきたとすれば、今後は適切価格のフレキシブル・ディスプレイ一般化が発展方向といえる、フレキシブル・ディスプレイは従来のガラス基板ディスプレイと比べ、薄くて軽くて割れないという新たな特性を持つが、この特性が従来のディスプレイが入れなかった市場を代替し、新規市場を創出すると期待されるとしているのは、興味深い。

フレキシブル・ディスプレイ市場は2016年の13億ドルから2023年には677億ドルまで成長すると見られ、フラットパネルディスプレイ市場全体の約20%を占めるという予想に対しては、期待したい。
http://www.displaybank.com/_jpn/research/report_view.html?id=279&cate=6

TechCrunch誌の記事によると、MoneyTreeおよびDJX VentureSourceの調査では、成長期にある非公開企業がベンチャーキャピタリストたちから調達した資金の額は、2001年以来、今が最高らしい。

もちろん、それ以前のバブル期を除いた話であるが、NASDAQは高く、IPOの窓が開き、そして豊富な現金を抱える業界の巨人たちがより多くの人材と製品を買おうと躍起になっているという。

一方、全体として、資金は主に、売上9桁以上の、安定した大企業に行くことが多くなっているのも現実ということで、バブルに向かっている兆候は少ないように見える。

http://jp.techcrunch.com/2014/04/19/20140418raise-now-vc-funding-for-startups-at-highest-point-in-more-than-a-decade/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

新経済サミット2014でWiL 共同創業者CEO伊佐山元さんがモデレーター役のセッションを、TechCrunch誌が伝えているが、シリコンバレーで活躍する4人の経営者、エバーノート日本法人会長、ソースネクスト代表取締役社長、WHILL共同創業者兼CEO、Treasure Data CEO兼共同創業者の話した内容が興味深い。

シリコンバレーは、来てみると何のリスクもない、まわりには非常にわくわくする人が多い、日本だと気を使うし本来的なじゃないことにエネルギーを使いがちだがシリコンバレーは飽きない、刺激が終わらない場所というのは、説得力がある。

日本でうまくやるうちにみんな先回り心配症候群になっている、その方がうまく出世できるから、そして考えた挙句なにもできなくなっていく、という指摘は的を得ていると思う。

若い人も年配の人も大きな夢を見るべき、ジョブズは常々「宇宙に衝撃を与える」と言っていた、「あとで振り返って、あのときやっておけばな…と後悔する人生はもったいない」と王貞治さんも言っていたというのは、大いに参考になる。

http://jp.techcrunch.com/2014/04/18/jp20140418new-economy-summit/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

起業にはハスラーの出現が必要

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NTTドコモ執行役員の栄藤稔さんが、ITに限らず一般の起業でも、「ハスラー」と呼ばれるリーダーが必要で、ビジネスを設計する一方で、人間関係を維持するのが巧みで、営業の役割もこなすが、何はともあれ、雄弁ではなくても「成し遂げたい世界観(ビジョン)を熱く語る」こととしているのは、実に的を得ていると思う。

起業には、不確実さ=リスクに向き合う勇気があるリーダー、すなわちハスラーの出現が必要であり、期待したい。

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO69950670W4A410C1X12000/

WSJ誌に紹介されている「トシとともに増える物忘れ―その防止法は」が興味深い。

プリンストン大学のケネス・ノーマン教授は、記憶をつかさどる脳の海馬と呼ばれる部分がスナップ写真を撮影し、ニューロンの束に保存することで、情報がエンコードされると指摘し、こうしたニューロンは時間が経った後、何かの合図やヒントで作動させることができるという。

何かモノを置くときなど、エンコードを行っている最中に関心を払うことが重要で、記憶を引き出そうとする際の精神状態が、エンコードを行っている時の状態と違っていれば、問題が生じかねないとし、帰宅して鍵を置いたときに、ひどく空腹だったとすると、後になって鍵を探すときに空腹でなければ、記憶を引き出すのが難しくなるとしている。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303595604579514720737535060.html?mod=JWSJ_EditorsPicks

IHS/Displaybank発行の「Wearable Display産業分析と市場予測」レポートによれば、今後のWearable Display市場では、売上高は2014年から2016年まで90%以上増え、2020年頃にはFlexibleとStretchableディスプレイの採用率急増に伴い、売上高の増加率が2023年まで年平均52.9%レベルを維持し、市場規模が227億ドルまで成長すると予測している。

2014年のWearable Display採用率ではRigidディスプレイが70%以上を占め、Flexibleディスプレイの売上高は約26%まで増えると予測されており、さらに、2023年にはRigidディスプレイが全体の約10%までシェアを下げ、Flexibleディスプレイが約50%、Stretchableディスプレイが約30%とシェアを上げてWearable Displayの成長を牽引すると見ているのは、妥当なところと感じる。

http://www.displaybank.com/_jpn/research/report_view.html?id=941&cate=6

(最初は)スケール(規模が拡大)しないことをやれ

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シリコンバレーのサーチマン共同創業者の柴田尚樹さんが、シリコンバレーでは、起業時によく「(最初は)スケール(規模が拡大)しないことをやれ」というアドバイスを受ける、いくら優れたエンジニアであっても、最初は、とにかく「スケールしないこと」をやり続けるしかない、ユーザーと同じ体験をしてみる、ユーザーとひたすら話をする――これらの行為は一見無駄で非効率に見えるかもしれないが、ゼロから新しいサービスを始めるには不可欠なこと、と説いているのは説得力がある。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ14080_Y4A410C1X12000/

TechCrunch誌が紹介している、通常の3Dプリンタのプラスチックを押し出す部分(エクストルーダ)が、剛体の中へ配線を“プリント”し、それによって電導性のある構造物を作れるという、Stanford大学の学生によるRabbit Protoプリンタは面白い。

http://jp.techcrunch.com/2014/04/26/20140425the-rabbit-proto-can-print-real-electronics/

RIETI BBLで、「産業競争力を再生するための日本のイノベーションシステムのあり方」について論じている、元橋 一之ファカルティフェローの話が興味深い。

21世紀のサイエンス経済では、高度知識人材・サイエンス(汎用技術)・ITインフラへ競争力の源泉が移っている、20世紀の工業経済では、1つのいいものをつくり、知財などによって占有可能性を高めるわけだが、サイエンス経済では、ユーザー・社会からは遠いところでIT、バイオ、ナノといった「科学的発見」が始まり、サイエンスイノベーションによって技術プラットフォーム(製品・技術群)が一旦でき、そこまでをやる人たちと、それをベースにビジネスとして社会へ提供していく人たちとの、イノベーションの分業(Division Of Labor)が行われるというのは、尤もだと思う。

さらに、工業経済の自前主義から、サイエンス経済ではオープンイノベーション(顧客企業とのインタラクション)が重要になっており、日本の場合、研究開発投資は大企業に集中しているが、大学や公的研究機関における基盤的技術・サイエンスによって補完することで、産学連携の生産性や利益率の効果は、大企業よりも中小・中堅企業で高まるという分析結果もあり、重要な役割を担うのは、技術力のある中堅企業というのはよく理解できる。

http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/14041101.html

Google X

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ZDNET記事によると、Google Xは「コングロマリットと化したGoogleの秘密の研究所」、あるいは「超優秀な人々が集まって何か浮世離れしたことをやっているところ」といった印象があるが、何かのアイデアをひねり出したり、あるいは提案されたアイデアを幹部がふるいにかけたりする際に使われている選考基準は、/百万人からできれば数十億人に影響する問題に取り組むアイデアであること、SFの話にも思えるほどラジカルな解決策(少なくともそうした要素を含む)を用いるアイデアであること、8住世泙燭篭瓩ぞ来に使える技術を活用するアイデアであること、という。

現在、自動運転車「Google Car」、メガネ型情報端末「Google Glass」、気球を使ったインターネット接続網「Project Loon」、そして医療用の「スマートコンタクトレンズ」(糖尿病患者向けのもの)の4つの「正式プロジェクト」が進められているらしく、今後の展開が楽しみである。

http://japan.zdnet.com/cio/sp_12mikunitaiyoh/35046753/?ref=rss

「史上最大の大失敗ドットコム」との悪名高い生鮮食料品の配達ベンチャーのウェブバン関連を渡辺千賀さんが話している内容が興味深い。

アマゾンは2007年から、「アマゾン・フレッシュ」というサービスを地域限定でトライアル的に始め、現在はシアトル、ロサンジェルス、サンフランシスコに市場を広げたり、グーグルも「ショッピング・エクスプレス」と称して、シリコンバレーで配達事業を始め、ウォルマートも、サンフランシスコとデンバーで配達を開始するなど、ビジネスモデル自体は魅力があるようだ。

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/watanabe/20140424-OYT8T50163.html

瀧口範子さんの伝える、アマゾンの自社製スマートフォンの、裸眼で3D画像が見えるスクリーン搭載、ジェスチャーとかティルト(傾けること)による入力、風景の中に文字を見つけるとその文字を認識する機能など盛りだくさんのようだが、過去の製品が実用性やユーザーインタフェースの面で未消化な部分が散見されるという懸念も確かにありそうだ。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140423/1128726/

「スマートな米IT企業の変身パターン」で瀧口範子さんが伝える、ひとつのことを可能にする実現化技術がツールからプラットフォームになり、企業はそれをテコにして新業態へ変化する動きは興味深い。

ハイヤー・サービスのウーバーがニューヨークでは新たにバイク便サービスに参入する、アマゾン・ドットコムはオンライン書店からオンラインのデパートになり、自社の余剰インフラを売ってクラウド・サービスを始め、また出版社にもなり、ロジスティクス業界へも参入すると見られ、ユーザーへ一刻でも速く注文の品を届けようと、全米津々浦々に配送センターを配備し、そこから最短時間で配達する限界に常に挑戦しているのでドローン(無人航空機)での30分配達などという突飛なアイデアも専門家によると「決して冗談ではない」らしい、小型の装着型カメラを開発したゴープロ、レンタル・ビデオ会社から出発したネットフリックス、などの具体例が面白い。

http://www.newsweekjapan.jp/column/takiguchi/2014/04/post-824.php

第3のプラットフォーム

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IDC Japanの入谷光浩さんが、メインフレームを中心とした「第1のプラットフォーム」、クライアントサーバーで構築された「第2のプラットフォーム」に続き、クラウドとビッグデータ、モビリティ、ソーシャルビジネスの4つを柱とする「第3のプラットフォーム」が2020年には主流になっているはずとし、第2のプラットフォームから第3のプラットフォームへ移行する際に欠かせない技術として、「仮想化」を挙げているのはよく理解できる。

仮想化のトレンドは今や、サーバーやストレージだけでなく、ネットワークの領域にも及んでおり、「ネットワーク仮想化は「SDN(Software-Defined Network)」の基盤となる技術で、SDNを導入する企業は増えつつあるという。

新しいビジネスモデル、新しいITに追従していくために、今から戦略的な投資を行っていくことが重要としているのも尤もだと思う。

http://businessnetwork.jp/Detail/tabid/65/artid/3394/Default.aspx

シリコンバレーVentureClef のアナリスト宮本和明さんが、屋内で位置を決定する新技術インドア・ポジショニングの登場が相次ぐ中で、従来のWiFiシグナル(受信シグナルの強度を測定し、三角測量のアルゴリズムから位置を決定するもので精度3-10メートル)ではなく、建物の磁気特性を利用して位置を特定する技術で精度1.8メートルまで実現した、Mountain Viewに拠点を置くベンチャー企業IndoorAtlasの紹介をしている内容が非常に興味深い。

建造物の磁気を読み取り、それをフロアプランにマッピングするもので、二階建ての建物で使えるかとの質問には磁気特性は三次元であり問題ないらしい。

http://ventureclef.com/blog2/

同じくシリコンバレーVentureClef のアナリスト宮本和明さんが、DEMO Enterpriseカンファレンスでのスマートグラス最新技術の内容を伝えているのが興味深い。

ベンチャー企業RemedyのGoogle Glassベース医療アプリ「Beam」、XOEye Technologiesの独自のスマートグラス「XOne」など、眼鏡型端末がビジネス・ソリューションに向かう中、Googleのグラス開発戦略もビジネスに重心を移しつつあるというのは尤もだと思う。

http://ventureclef.com/blog2/

アリババグループ創業者馬雲(ジャック・マー)氏

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IHS/Displaybankの「車載用タッチセンサー技術のコア特許分析」レポートによると、タッチ関連業界では次期参入市場として車載用タッチパネルを重視しながら関連技術 開発に拍車をかけているが、モバイル用とは違い、タッチスクリーン性能に加えて、自動車に要求される低反射率を満たすには多様な表面処理とフィルム処理、事故に備えて表面ガラスの飛散を防ぐこと、自動車特有の高温・高震動などの厳しい内外部環境を考慮して高い耐久性や安定性も満たす必要があるなど、厳しい安全基準や環境基準を満たす必要があるようだ。

http://www.displaybank.com/_jpn/research/report_view.html?id=942&cate=10

ビックデータに関するシンポジウム「Big Data Conference 2014 Spring」における米GEのソフトウェア部門 CMOのJohn Magee氏の話をZDNET誌が紹介しているが、モノのインターネット(IoT)が注目され、さまざまなものがネットワーク化されるようになり、センサを通じてあらゆるデータを収集することができ、データを解析することがもはや必須となってきたわけだが、企業のビックデータ活用の1つは、あらゆる機械のデータを収集し、システムの最適化ができることとしているのは間違いないだろう。

電力やガスなどのインフラ管理、航空機や交通、生産工程に関して運行状況や部品の状態をインターネットを通じて総合的に管理することこそがインダストリアル・インターネットという考え方だとしている。

IoTが発達することで、機械そのものだけでなくアプリケーションの発達が求められ、新たな情報サービスが今後誕生してくるというのも期待したい。

http://japan.zdnet.com/cio/analysis/35047274/?tag=zdnw&utm_source=zdnet&utm_medium=newsletter&utm_campaign=newsletter

システム・インテグレーション 代表取締役多喜義彦さんが、本来、開発を進める中で乗り越えなければならない難関とは、顧客のニーズを十分に把握しているか、あるいは、開発に集中できる体制をどのようにして構築するか、にあるが、全く別の障害、“内なる消耗戦”が存在していると指摘しているのは尤もだと思う。

説明しようと提出した企画書に対し、上司が「俺は聞いていない」としさらに上にお伺いを立てようと、部長、役員、さらに社長にまで順次説明した挙句、最も権限を持つ者(社長)が「僕には分からない」と言ってしまうのだから、何をか言わんやと嘆くのは悲しい限りである。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140421/347674/

IPOの規模が百数十億ドルになるとみられている阿里巴巴集団(アリババグループ)創業者馬雲(ジャック・マー)氏は、WSJ誌の記事を読むと、かなりユニークで面白い人物のようだ。

両親は中国の伝統芸能「評弾(ピンタン)」の芸人だったらしいが、中国経済が急成長した1980年代に成長し、外国人観光客のボランティアガイドをしながら英語を学び、国立大学の入学試験に2度失敗した後、杭州師範学院に入学、ケンタッキー・フライド・チキンのマネジャーなど多くの仕事で不採用になったが、貿易代表団の通訳としてシアトルを訪れたとき、初めてインターネットを体験し、中国企業のオンライン情報サイト「中国黄頁(中国版イエローページ)」を開設、1999年にアリババを誕生させている。

アリババがいくつもの難局を切り抜けてこられたのには、馬氏の決然とした態度、大きなリスクを取る勇気によるところが大きいと同僚たちは話しているとのこと。

事業やハイテクについての知識や経験がほとんどない状態でアリババを起ち上げた馬氏だが、適切な人材を選ぶことの重要性を十分心得ていたらしい。

今後会長職及び持ち株に伴う力を使いながらどんな展開を示すのか興味深い。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304555804579546420028928800.html?mod=djem_Japandaily_t

「ハッスルする」力

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『サイレント・ニーズ――ありふれた日常に潜む巨大なビジネスチャンスを探る』の著者で、デザインコンサルティング会社「frog」グローバル市場調査分析部門Global Insightsでエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターだったヤン・チップチェイスさんが、「ハッスルする」力について、無から有を生み出す力、町中に出て行ってその場の状況を鋭く読み取り、そこから価値を生み出せる研究の「タネ」を見つけ、理解できる力で、良い「ハスラー(ハッスルする人)」は、周囲の人々に影響を与えすぎずに、その場に起こって観察したいような、人々の対話や相互交流を引き出すコツが分かって居る人と説明しているのは、直感的には最初ピンとこない面もあるが、面白い。

また、日本企業には5つの誤解があるとし、1つ目は、日本語という独自の言語に加え、日本特有な文化がある点、2つ目が、組織に独特の権利構造がある点、3つ目が、ROI(投資収益率)を重視しすぎる点、4つ目は直観を恐れてデータにこだわり過ぎる点、5つ目は顧客との距離が遠すぎる点を挙げているのは、よく理解できる。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140424/263441/?ST=pc

インテルの、“モノのインターネット(Internet of Things:IoT)”事業の取り組みについての説明会で、IoTで新しいビジネスを作るプラットフォームとして欠かせないのが“インテリジェントな機器、インテリジェントなSystem of Systems、エンドトゥエンドのアナリティクス”の3つとしたうえで、紹介された米国の事例が興味深い。

リアルタイムで患者をモニタリングしているという病院の事例では、患者のベッド上の位置、バイタルデータなどをサーバ上に集約して分析し、ナースステーションのモニタ、スタッフのモバイルデバイスに連絡することで異変をいち早く察知し、患者の病状の変化を効率的に管理できるという。

運送用大型トラックにセンサを搭載した事例では、加速度、GPSでの位置情報、運転状況などの複数をリアルタイムにモニタリングし、渋滞情報を見越して、最適な道をナビゲーション、運転状況に応じて運転手に安全の確認などをフィードバックする機能を搭載したことで、ガソリンの使用量が7%改善したという。

http://japan.zdnet.com/cio/sp_14iot/35047677/?ref=rss

瀧口範子さんが、米アマゾン・ドット・コムが、オンラインショップ上で「ウエアラブルテクノロジー」というカテゴリーを新たに設けたことに関連し、今、ウエアラブルテクノロジー製品は非常に混乱した分野になりつつあり、いったい何をもってウエアラブルと呼ぶのかがどんどん分かりにくくなっていると述べているのはよく判る。

この中で、Tシャツの襟ぐりにつける超小型カメラの「Narrative Clip」という、ユーザーの1日を連続写真で記録し続けるツールで、「Google Glass」の機能の一つを特化させたような製品に触れているのが興味深い。

このライフログは、10数年以上前にウエアラブルコンピュータという言葉が生まれたときに考えられた元祖的なしくみらしい。

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140502/1129263/

日本の「仕事のやり方」の問題

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「ホワイトカラー・エグゼンプション」の論議に関連し、現在の日本経済は「仕事のやり方」という意味で世界から周回遅れになっているとし、現在の日本社会で労働時間規制を緩和するということは論外であり、反対に徹底的に強化するべきと、冷泉彰彦さんが論じている内容が興味深い。

どうして日本の労働時間が長いのか?、どうして日本の多くの産業で国際競争力が落ちたのか?、それは日本の「仕事のやり方」にあるとしている。

1993年にサムスンの李健熙(イ・ゴンヒ)会長が「新経営方針」を打ち出し、以降の同社は世界のエレクトロニクス産業における頂点に上り詰めるわけだが、その方針を受けたソウルの本社では「就業時間は午後4時まで」として「以降残って残業しているものは無能」だとして徹底的に生産性を要求したという話は面白い。

日本の仕事のやり方で問題として挙げられているのは以下の点で納得のいくことが多い。

(1)意思決定を少数で迅速に下す組織になっておらず、責任を分散するための「ヨコの合議」と同時に、最先端の知識と情報が現場にしかないので「現場とのタテの合議」が必要になっている。

(2)合議の場ですらない儀式的なイベントが多すぎる。

(3)多くの組織で公式の会議は儀式化しており、本質的な問題点の検討や事実上の意思決定は非公式な討議で決定される二重構造になっている。

(4)合議の際の「重要な局面」、「下から上への報告」、「問題が発生した際」には対面型コミュニケーションが原則になっており、「報告のための本社出張」であるとか「お得意先回り」といった活動に物凄い時間と労力がかかっている。

(5)電子化しても署名捺印した原本の紙を残さなくてはいけないとか、電子署名が普及しておらず、電子化しても一旦印刷してサインしてスキャンするとか、効率化が遅れている。

(6)英語がビジネスの公用語になっていないだけでなく、会計制度、契約の概念、許認可、諸規制、上場基準、情報開示など、何もかもが独自ルールになっているため、国際的な企業は「日本向け」の対応を余儀なくされ、二度手間、三度手間になっている。

(7)何でも「目で見て」理解する習慣が強いのが日本のビジネスカルチャーで、社内向けにも社外向けにも膨大な書類や、凝ったパワポ資料などが横行して、その作成と修正に膨大な時間がかかる。

(8)法律や会計基準、税制、労働法制など社会的なルールに抵触する「スレスレのグレーゾーンで」仕事をする――日本のビジネスカルチャーにはまだまだこうした風土が残っており、そのため決算のたびに「例外対応」や「オモテとウラの使い分け」をしなくてはならない。

少なくとも国際競争に携わっているならば、組織の大小を問わず、このような点を解消していく必要があると思う。

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2014/05/post-644.php

宮本和明さんがventureclefサイトで、Google Glass向けに高度な医療システムやエネルギー関連ソリューションを開発しているベンチャー企業Wearable Intelligence社を紹介している内容が、示唆に富んでいて興味深い。

脳梗塞を発症した患者が救急車で病院に運ばれ、診断を受けるまでの医療行為の事例では次のようになっている。

ゝ澣渕屬涼罎任狼澣淆皸Google Glassを着装し、患者の情報を閲覧する、 グラスには患者の基本情報の他に、Chief Complaintとして、病状が表示されている。

病院に到着すると、担当医はGoogle Glassを着装して患者の治療に当たる、医師はグラスに表示された診察手順 (NIHSS Checklist) に沿って、患者の様態を調べて検査を行い、その様子をビデオで録画しHER (Electronic Health Record、医療システム) に送信するが、Google Glassに「当直の脳神経外科医にメッセージ送信」と指示し、症状を音声で入力し、専門医にメッセージを送る。

G梢牲亞芦憤紊話甘綮佞らのメッセージをタブレットで受信し、治療方針について打ち合わせを行い、CTスキャン検査結果をタブレットで閲覧し所見を述べる。

で梢牲亞芦憤紊録巴任侶覯漫◆TPA (血栓溶解剤) を処方する」とし、「静脈注射により0.9mg/kgの量を処方、最初の一分は10%濃度を上げ、一時間にわたり投与」と指示、担当医師はこの治療方針に従って処置を行う。

現在、Wearable Intelligence社Google Glass医療システムは、ハーバード大学医学大学院であるBeth Israel Deaconess Medical Centerで実証実験を行っているとのことで、このような事例と実績が順次積みあがっていくと、医療の現場の様子が大分変っていくかもしれない。

http://ventureclef.com/blog2/

CGIS研究主幹栗原潤氏が「21世紀のイノベーション」で紹介している、次の話は役に立つように思う。

(1)友人の英国人は長年、日本のハイテク製品の愛好者だったが、近年は韓国製品を買う機会が増えたとのこと、「なぜ日本企業は昔のように我々をワクワクさせるような製品を創らなくなったのか?、 マイケル・ポーター氏が『ザ・ストラテジー・リーダー』の中で語った通り、日本企業の多くは価格競争に注力し作業効率の向上だけに熱心で、グローバルという広い視野で新規の製品・サービスを開発する戦略を採らなかったからではないのか? 、日本の企業戦略に大きな"思考の盲点"があるのでは?」と不思議そうな顔で問いかけてきた。

(2)ソニーの中央研究所長として世界的に活躍した経験を持つ菊池誠氏の思い出話「何事でもそうだが、仕事の現場とその仕事によって完成した物との間には大きな差がある、優雅な色合いを持ちまた独特の感触の藍色の織物もそうしたものの一つだ、この独特の感触を持つ織物が美しい色に染め上げられる現場は、完成品からは想像もつかない修羅場だ、布や糸を壷の中のドロドロの染料に何度も繰り返して浸し、手も袖も染料にまみれた大変な作業を通じてあの魅力的な織物が出来上がる、研究開発活動もこれと同じだ、誰にも注目されず、また派手さの無い努力をくぐり抜けた先にこそ、優れた成果が生まれてくる。」

http://www.canon-igs.org/column/network/20140509_2559.html

起業に向く人と向かない人

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LG電子が55型の曲面OLED TV予約販売開始を発表しているが、バックライトを必要とせず4.9mmの超薄型を実現、曲面TVでも視野角による色の変化がほとんどなく、様々なジャンルの放送環境において、一般のLED TVと比べ、より正確な色と奥行き感のある画質を提供すると強調しているらしい。

キャッシュバックを使い 599万ウォン(約60万円)の提供になるようだが、今後液晶ベースの4KTVとどういう競争になっていくか注目したい。

http://www.displaybank.com/_jpn/research/news_view.html?id=234824

若い人の起業をサポートするビジネスプランコンテスト「起業チャレンジ」を主催するスカイライト コンサルティング 代表取締役の羽物俊樹さんの話が興味深い。

実際に会社を立ち上げて苦しむところまで真剣にやってもらい、そこまでをサポートしていくという仕組みらしい。

似たようなところでは、サムライインキュベート、サイバーエージェント、イーストベンチャーズなど増えているとしている。

代表者は30歳未満という条件は一寸ユニークに思えるが、妻帯者とは10倍以上生活コストが違うかもしれず、固定費が低ければ生き残る確率が高まると言っているのは尤もだと思う。

起業に向く人と向かない人について、人への気遣いの他、悲観的に物事を考える人は向いていない、楽観的に考えられながら自分でいろいろ動ける人がいいというのもよく理解できる。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140509/264239/?rt=nocntt

RIETIファカルティフェローの小林 慶一郎さんが、財政と成長の因果関係について論じている内容が興味深い。

一般的に、経済成長の低迷とそれに対応する景気対策が財政の悪化を招いている(低成長⇒財政悪化)という因果関係はあるが、その逆(財政悪化⇒低成長)の因果関係はないと考えられてきたが、公的債務の対GDP比率が90%を超える場合は、90%未満の場合に比べて経済成長率が年率で1.2%も低下することが示されたデータがあるとのことである。

公的債務の増加だけからは、慢性的な不況は生じないかもしれないが、社会保障給付の増加などの大きな再配分政策で富が高生産性企業のセクターから労働者セクターに移転すると、そうした長期不況がもたらされるおそれがあり、経済成長を回復するためには、公的債務の残高を減らすことそれ自体というより、労働者セクターへの所得再配分の度合いを低下させることが必要だと考えられるとしている。

結局、社会保障給付の削減や、社会保障給付の受益者層に対する課税を強化することが経済成長率を向上させるうえで有効ではないかという提言は、論理的と思う。

http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0396.html

産総研知能システム研究部門 研究部門長比留川 博久さんが、次世代ロボットの研究開発動向について論じているRIETI報告が興味深い。

次世代ロボットは、なぜなかなか上市されないのか、その理由の1つは、世界で初めての製品を大企業が開発している点にあり、リスクとPPM程度の売上増をはかりにかけて発売に踏み切るのは相当難しいとしているのは尤もだと思う。

さらに、エンジニア中心の単品開発、対象産業の業務理解不足によって、課題のソリューションになっていないという問題があるとして、世の中は別にロボットが欲しいわけではなく、今ある課題を解決してほしいだけであり、そういう視点で開発している人が少ない現状があるという指摘は的を射ていると思う。

http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/14032601.html

ITR代表取締役・プリンシパルアナリストの内山悟志さんが、注目すべきデジタルイノベーションとして、「社会/産業のデジタル化(事業特化型IT)」「顧客との関係のデジタル化(マーケティングIT)」と共に、「組織運営/働き方のデジタル化(Future of Work IT)」を挙げ、ピラミッド型の固定化した企業組織体系ではなく、共通の興味や目的を持ち、互いにコミュニケーションの手段を持つことでつながるフラットな組織体系、「組織のトライブ化」と「意思決定プロセスの変化」をキーワードとしているのは、面白い。

http://japan.zdnet.com/cio/analysis/35047890/?ref=rss

スイス在住のジャーナリスト岩澤里美さんがブログの中で、母とは長電話だけれど電話嫌いの父とは普段は話すことが少ない、「子どもは、親の願う通りには育たないもの、自分のことを見てごらん、お前だって私が思うようには進まなかったよ」という言葉を挙げ、子育てをしていて悩むことはあるけれどこれからはこの父の言葉をいつも思い出すだろう、と述べているのは、しみじみと感じさせてくれる。

http://slasuisse.exblog.jp/19789247/

グーグルグラスは戦場で使えるか

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米空軍が、眼鏡型ウエアラブル端末「グーグルグラス」について戦場で使えるか否か、グーグルグラスを装着した地上要員による狙撃手の発見や、負傷者の治療に役立つ可能性のあるソフトの評価を行っているというWSJ誌の記事は、やはりなという感じである。

国防関連請負企業が製造する大半の頭部装着型ディスプレーよりも、グラスが機能的で効率的かつ安価な選択肢だと考えているようだ。

グラスを戦場で使う上での欠点の1つは、大きな衝撃で壊れる可能性がある点だが、ヘルスケア、製造、法律の分野などで提供されるのと同じように、グラスのおかげで軍隊は情報アクセスの際にいくらかでもハンズフリーになれる点は大きなメリットなのだろう。

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304408504579563020288192810

ventureclef宮本和明さんが、マウンテンビュー に拠点を置くベンチャーキャピタルというか、起業家育成に力を注いでいるアクセラレーターの500 Startupsのイベントから、サンフランシスコに拠点を置き消費者向け宅配サービスを開発中のDoormanという新興企業を紹介している。

Google Venturesが大規模投資を行ったことでも話題となった運輸ネットワーク・サービスのUberのビジネスモデルを参考にしているらしいが、日本国内で提供済みのサービスレベルから将来どのような展開を進めようとしているのか見守っていきたい。

http://ventureclef.com/blog2/?page_id=2

冷泉彰彦さんが、3Dプリンタによる銃製造に関し、一度試射したら、その際に薬室は高温になるわけで、仮に樹脂製の銃であればそこで薬室の構造は破壊されてしまう、「2発目」を撃とうとすると、発火薬が爆発しても弾丸が前へ行かずに銃の構造自体が爆発して、撃った方の人間が深刻なケガをする可能性がある、仮に薬室が崩壊しなかったとしても、弾丸が真っ直ぐ飛ぶように精巧につくられた銃身という筒が、1発目の弾丸が通過した時の熱で歪んでいるので、2発目以降の命中率は劇的に低下するばかりか、狙った方向とは全く別に飛んで惨事を起こす危険もある、一部には回転式の連射タイプも「3Dプリンター」で作れるという報道があるが、1発目を撃って熱で変形した後では、シリンダーが回るかどうかも怪しいなど、あらためて指摘しているのは参考になる。

http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2014/05/post-645.php
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