イノベーターやクリエーターが、インターネットを通じでアイデアを公開、アピールし、それを見た普通の人々に資
金を提供してもらうというクラウド・ファンディングで、プロジェクトの実績が増えるにつれて、いろいろ問題点も見
えてきたとジャーナリスト瀧口範子さんがレポートしているのが興味深い。出資した人が転売するのを見込んで
出資の報酬としての完成品を何100個単位で設定するような一部のクリエーターや、まだ構想段階でしかないア
イデアを製品と早とちりして、リスクも知らずにお金を出したりする出資者や、クラウド・ファンディングでしくじっ
てしまうと、公に失敗をさらすことになり、資金を出すのは普通の人々なため失敗に慣れておらず、反応も否定的
になるという問題や、ひとつのプロジェクトが終わっても、その後に続く違ったプロジェクトを支えていくだけの人的
な環境の良し悪しは、クラウド・ファンディングだけでは見分けがつかないなど、色々ありそうであるが、やはりク
ラウド・ファンディング自体は魅力的に感じる。
東京大学からスピンオフしたSCHAFTチームはGoogleが最近買収したロボット関連企業のうちの1社であるが、
原発事故などの災害救援活動を支援するためのロボットを対象に一連の課題を課す米国防総省主催コンテスト
DARPA Robotics Challenge(DRC)で32点満点中27点を獲得、圧倒的な勝利を収めたとCNETが報じているの
は、日本のロボット工学にとって名誉なことである一方、早速Googleに買い取られるなど一寸残念な気もする。
WIRED NEWS記事によれば、DARPAの競技会開催の発表があった1カ月後、東京大学大学院情報理工学研究
科・情報システム工学研究室の助教達の手でSCHAFTが設立され、可能性のありそうな国内のヴェンチャー投
資会社は大体回ったがまったく集まらなかったようで、海外に声をかけることにし、グーグル・ヴェンチャーズ(グ
ーグル傘下のヴェンチャー投資会社)に話をしようとグーグルに足を運んだら、グーグル本体のほうが興味を示
してくれ、買収の話に至ったそうで、国内でこの技術が評価され得なかった点は残念に思う。
日経のウエアラブル元年の記事に見られるように、サイバーダインのHALが欧州では8月に治療用として医療
機器認証を取得し、脊髄損傷患者などの治療サービスにドイツで使われている状況、パナソニックの社内ベンチ
ャー、アクティブリンクが開発した「パワーローダー」の”着るフォークリフト”のようなロボットぶりなど、今後の実用
化が楽しみである。
フランスやシンガポールに拠点をもつ経営大学院インシアード(INSEAD)が発表した「国際人材競争力指数」の
世界ランキングでは、スイスが全項目で高い評価を得て1位、成長戦略や人材獲得戦略が明確になっている点
が評価されたシンガポールが2位、あと上位を独占したのは、デンマークやスウェーデン、ルクセンブルク、オラン
ダ、英国、フィンランドなど、いずれも欧州諸国、9位が米国という結果だと、CNNが報じている。一寸偏った評価
ではないかという感じもするが、一つの参考になると思う。
ラスベガスで来年1月開催のCES(Consumer Electronics Show)2014に、LG電子とLGディスプレイが105インチ曲
面UHD TVを発表するいうdisplaybankのニュースは、いよいよ大型局面ディスプレイの時代を感じさせる。