「脳が他の臓器と大きく異なるのは、各々が得た経験・刺激によって個性を持ち、生涯成長し、変化し続けられることである」、「脳はどんな年齢になっても伸びる」という、「脳の学校」代表の加藤俊徳医学博士の言葉には元気づけられる。
使わなかった脳細胞は死ぬ間際まで未熟なまま脳の中にあり続け、その人にとっての苦手な分野として未開の状態にあるが、その未熟な脳細胞に効果的にアプローチすれば、脳はどんな年齢になっても伸び、新たな刺激によって脳は変わりうるという。
95年より米ミネソタ大学放射線科MR研究センターで胎児から100歳超の高齢者まで1万人以上の脳画像の分析に従事し、MRIを用いて観察・分析してきたという。
脳に存在する1000億個を超える神経細胞のうち、似た働きをする細胞は1つにまとまり集団や基地を形成しているといい、思考に関わる細胞集団、記憶に関する細胞集団、運動に関する細胞集団……等々。大別すると、思考系・感情系・伝達系・理解系・運動系・聴覚系・視覚系・記憶系の8つに分けることができ、これらを「脳番地」と名付けている。
記憶系脳番地は、記憶の蓄積に深く関わる海馬の周囲にあり、左脳側が言語の記憶を、右脳側が映像など非言語の記憶を司るようだ。
成長とは細胞の数が増えるわけではなく、脳番地を形成する神経細胞と神経繊維が拡大あるいは太くなる、つまりその脳番地の枝ぶりが立派になっていくことというのは、よく理解できる。
また、記憶には言語による記憶、視覚による記憶、運動記憶の3種類があるらしい。
例えば、他人の言った内容はよく覚えているが、会話した場面や状況をあまり記憶していないのが言語タイプという。
さらに、脳番地を刺激する「記憶力アップ」7つの手法を挙げているのが有り難く参考になる。
仝澆い北鬼愀犬蔽里蟾腓い龍δ姪世鮹気后糞憶で大切な「情報の関連づけ」を行う)
1日20分の「暗記タイム」をつくる(通勤・散歩中や就寝前などにデッドラインを明確にすると、脳はそこに間に合わせるように働く)
新語・造語を考えてみる(何かを暗記するときよりも、記憶系脳番地を刺激する効果がある)
つ、前日に起きた出来事を3つ思いだし、覚えておく(記憶を手繰り寄せる作業が記憶系脳番地を刺激)
テ貌⇒盻気陵縦蠅鬟轡潺絅譟璽箸靴討澆襦兵分の中に「理想像」をつくって行動することが記憶系脳番地の発達に影響)
Δ修瞭離戰好函錙璽好犯言を選ぶ(発言を振り返りつつ関連情報を掘り起こすことで、記憶系脳番地を活性化)
Дイドブックを持たずに旅行してみる(行きたい場所の情報を優先的に覚える「したい思考」は、ガイドブックをなぞる「させられ思考」より格段に効果アリ)
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