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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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中小企業の活力回復の方策

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RIETIの「中小企業研究からみえてきたこと―活力回復の方策」で、中島 厚志理事長と後藤 康雄上席研究員の会話の内容が興味深い。

主要先進国の中で、日本だけが中小の製造事業所のウエイトが低下している、特に90年代以降顕著な傾向として、非製造業を中心とする中小企業部門が、産業界全体の生産性を押し下げてきた可能性が高い、90年代後半から相次いで行われた中小企業部門に対する金融的な支援が結果的には中小企業部門のバランスシート調整を遅らせ、ひいては日本経済全体の重しになってきた可能性が高い、という指摘は面白い。

既存の中小事業者が、ある意味で手厚く守られてきたことによって、業界全体が過剰体質気味になっており、これが参入障壁を高くすることにつながって、新たなビジネスを起こしにくくしている側面があるとして、長期的な展望が開けない事業者に対しては、円滑な退出を促していくという施策が重要ではないかというのは、重要な提起かもしれない。


http://www.rieti.go.jp/jp/special/af/i09.html?id=nl

ロボット競技会「DARPA Robotics Challenge(DRC)」の決勝戦

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シリコンバレーのジャーナリスト瀧口 範子さんが、DARPA(米国防高等研究計画局)が主催する災害救助用のロボット競技会「DARPA Robotics Challenge(DRC)」の決勝戦の模様を伝えている内容が興味深い。

もともとDRCは、福島第一原子力発電所の事故を機に計画されており、チャレンジ(競技会)という仕組みを利用して、災害時に救援活動を行えるロボットの開発を加速しようというのが目的で、そのため競技内容も、バルブを回す、壁に穴を開ける、がれきを取り除くなど、それに即した項目で構成されているようだ。

2013年末に予選が開かれており、日本のチームのSCHAFTが圧倒的な強さを見せつけて優勝したが、米グーグルに買収され決勝戦参加は辞退したらしい。

基本的には研究者コミュニティーの研究を加速するために作られているため、情報は比較的オープンで、企業秘密を保護するといった閉鎖的なことがないようで、「ロボティクスはまだまだ若い分野で、隠し立てをするところまで行っていない」ということのようだ。


http://pc.nikkeibp.co.jp/atcl/NPC/15/262978/061100026/

最近の欧米のドローンの状況

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シリコンバレーTechmom海部 美知さんが、最近の欧米のドローンの状況を紹介しているのが、参考になる。

2014年の世界全体のドローン市場規模は約70億ドル、そのうち60億ドル程度が軍事用だが、今後2020年までの成長予測では、軍事用が年率5%に対し、商用は19%と、商用ドローンの方がより高い成長が見込まれているようだ。

現在、実務に使う商用ドローンで挙がってくるメーカーはほとんどフランス、ドイツ、デンマークなどの欧州勢らしく、アメリカよりもヨーロッパが先行しているようだ。

欧州ではこの3-4年の間に、商業向けドローンを運用する企業数が急激に増えており、現在欧州全体では1000社以上に達しているとか、EUのEASA(Europe Aviation Safety Agency)はドローンの新しいカテゴリーを増やしてそれぞれに合った規制を導入することで、産業の成長を助けていると言われている。

一方、アメリカのFAA(Federal Aviation Agency)の新しいルールでは、操縦者の条件などが飛行機よりも大幅に緩和されるが、昼間に裸眼で目視できる範囲までしか飛ばせない、無関係の人の上は飛んではならない、など多くの制約があるようだ。

サンディエゴに本拠を置く3Dロボティクスなどアメリカの新興ドローン勢力は、「ソフトウェア+ビッグデータ」を重視しているところが大きな特徴のようで、現在のドローンの主力ユーザー分野は、農業、石油・ガス、遭難探索など、さらにややニッチながらハリウッドの映画撮影も含めて、現在アメリカでのドローンの主な仕事は、規制をクリアしやすい「写真・映像撮影」であり、写真データを集めて解析する「ビッグデータ」技術が活躍するというのは、よく理解できる。

今後の日本の対応が気になるところである。


http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20150604/283889/

Googleの都市問題対処技術を開発する新会社「サイドウオークラボ」

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Googleが交通やエネルギー使用といった都市問題に対処する技術を開発する新会社「サイドウオークラボ」を立ち上げたとWSJ誌が伝えているのが興味深い。

都市交通の効率化、生活費の引き下げ、エネルギー使用の削減、政府の無駄の低減などにテクノロジーは十分対処できていないという現状認識があるらしい。

老化防止治療に関する調査を行うヘルスケア会社Calicoや、自動運転車などの長期プロジェクトを手掛ける次世代製品研究部門Google Xと同じような位置づけと投資を行っていくと見られているが、かなり長期的な視野に立っているのだろうと思う。


http://jp.wsj.com/articles/SB11793851007525823752504581043081255622562?mod=WSJJP_hp_bottom_3_3_bucket_2_left

Google Xは「Moonshot Factory」

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Ventureclefの宮本和明さんが、Google Xについて「Moonshot Factory」として誕生したと紹介している内容が興味深い。

Moonshotとは月着陸ロケット打ち上げという意味で、壮大なチャレンジを表す時に使われるらしいが、Googleは壮大なチャレンジを、性能や機能が10倍良くなることと定義し、これを達成するためには、既存の土台からスタートするのではなく、根本的に異なるアプローチが必要としているようだ。

また、Factoryとは目に見える形で製品を開発することを意味し、机上の理論ではなく、プロトタイプに仕上げるもので、Moonshot Factoryは「革新的プロトタイプ製造工場」だという。

また、Google Xは、大規模な問題 (Huge Problem) を解決するため、革新的なソリューション (Radical Solution) を開発、ここでは飛躍的進歩が期待できる技術 (Breakthrough Technology)を採用するということで、この三つの要素から構成されるようだ。

自動運転、ドローン、Google Glassなど野心的なプロジェクトの他に、インフラの整っていない地域にネットワークを提供し、40億人がインターネットを使えるようにすることを目指した「Project Loon」では、数千個の気球を6万から9万フィート上空の成層圏に上げ、メッシュを構成し、地上に向って電波を発信するもので、今では気球は上空で6か月間稼働し、事業化に向け大きく前進しているらしい。

Google Xは失敗に飢えているというのは面白く、失敗があるから学習でき、革新的な結果が生まれるとし、このためにも、社内での開発に留まらず、早い時期に実社会との交わりが重要と認識しているらしいのはよく理解できる。


http://ventureclef.com/blog2/

人工知能の未来 -ディープラーニングの先にあるもの

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RIETIのBBLで、松尾 豊東京大学准教授が「人工知能の未来 -ディープラーニングの先にあるもの-」で、人工知能の最新動向、特にディープラーニングを取り巻く状況について述べている内容が興味深く、参考になる。

この領域では、角川選書「人工知能は人間を超えるか:ディープラーニングの先にあるもの」(松尾 豊著)が詳しい紹介をしていて非常に面白く参考になる。


http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/15060301.html

シリコンバレーの投手役と本社の捕手役

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ベンチャー支援組織WiLの共同創業者である伊佐山 元さんが、シリコンバレー体験プログラムに関連し、単にシリコンバレーに人を送れば何か良いことが起こるかもしれないという受け身の姿勢では何も起きないことは、過去の多くのシリコンバレー駐在員戦略の失敗が物語っていると指摘しているのは尤もだと思う。

シリコンバレーに配置する人材を野球のピッチャーにたとえ、その人が投げるいろいろな面白い球を受ける良いキャッチャーが本社にいることが不可欠で、本社の整備が大切な要素になるというのは間違いないだろう。

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO88654970Z20C15A6X12000/

脳はどんな年齢になっても伸びる

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「脳が他の臓器と大きく異なるのは、各々が得た経験・刺激によって個性を持ち、生涯成長し、変化し続けられることである」、「脳はどんな年齢になっても伸びる」という、「脳の学校」代表の加藤俊徳医学博士の言葉には元気づけられる。

使わなかった脳細胞は死ぬ間際まで未熟なまま脳の中にあり続け、その人にとっての苦手な分野として未開の状態にあるが、その未熟な脳細胞に効果的にアプローチすれば、脳はどんな年齢になっても伸び、新たな刺激によって脳は変わりうるという。

95年より米ミネソタ大学放射線科MR研究センターで胎児から100歳超の高齢者まで1万人以上の脳画像の分析に従事し、MRIを用いて観察・分析してきたという。

脳に存在する1000億個を超える神経細胞のうち、似た働きをする細胞は1つにまとまり集団や基地を形成しているといい、思考に関わる細胞集団、記憶に関する細胞集団、運動に関する細胞集団……等々。大別すると、思考系・感情系・伝達系・理解系・運動系・聴覚系・視覚系・記憶系の8つに分けることができ、これらを「脳番地」と名付けている。

記憶系脳番地は、記憶の蓄積に深く関わる海馬の周囲にあり、左脳側が言語の記憶を、右脳側が映像など非言語の記憶を司るようだ。

成長とは細胞の数が増えるわけではなく、脳番地を形成する神経細胞と神経繊維が拡大あるいは太くなる、つまりその脳番地の枝ぶりが立派になっていくことというのは、よく理解できる。

また、記憶には言語による記憶、視覚による記憶、運動記憶の3種類があるらしい。

例えば、他人の言った内容はよく覚えているが、会話した場面や状況をあまり記憶していないのが言語タイプという。

さらに、脳番地を刺激する「記憶力アップ」7つの手法を挙げているのが有り難く参考になる。

仝澆い北鬼愀犬蔽里蟾腓い龍δ姪世鮹気后糞憶で大切な「情報の関連づけ」を行う)

1日20分の「暗記タイム」をつくる(通勤・散歩中や就寝前などにデッドラインを明確にすると、脳はそこに間に合わせるように働く)

新語・造語を考えてみる(何かを暗記するときよりも、記憶系脳番地を刺激する効果がある)

つ、前日に起きた出来事を3つ思いだし、覚えておく(記憶を手繰り寄せる作業が記憶系脳番地を刺激)

テ貌⇒盻気陵縦蠅鬟轡潺絅譟璽箸靴討澆襦兵分の中に「理想像」をつくって行動することが記憶系脳番地の発達に影響)

Δ修瞭離戰好函錙璽好犯言を選ぶ(発言を振り返りつつ関連情報を掘り起こすことで、記憶系脳番地を活性化)

Дイドブックを持たずに旅行してみる(行きたい場所の情報を優先的に覚える「したい思考」は、ガイドブックをなぞる「させられ思考」より格段に効果アリ)


http://president.jp/articles/-/15611?utm_source=0704

ポスト太陽電池:光触媒の水素生成

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パナソニックが新エネルギーとして注目される水素を家庭で簡単につくれる技術を開発し、「ポスト太陽電池」として2030年ごろの実用化を狙うという発表は興味深い。

ニオブ系窒化物触媒の光触媒を独自に開発し、太陽光の中で最もエネルギー量が多い可視光線に反応して水素を生み出せることまでは確認済みらしい。

光触媒の水素生成効率や耐久性の向上、できた水素をどう安全に貯蔵するかなど、越えなければならないハードルは多いようだが、今年度から、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や京都大学と共同で、水素の生成効率を高める研究を進めるという。

いずれにしても、水素技術への挑戦は長丁場になるのは間違いないだろうが、期待していきたい。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03I0B_T00C15A7TI1000/

次世代型タッチパネルHSS(ヒューリスティック・シグネチャ検出)

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スマホの静電容量方式のタッチパネルでは、表面に形成された電気に指が触れることで、表面電荷の変化をとらえて位置の検出を行うが、手が濡れている場合や手袋を着けている場合は思うように入力ができないなど、環境によっては使い勝手が悪い。

米タッチパネル開発企業「アルセンティス」の創業者デビッド・コールドウェル氏のアイデア、HSS(ヒューリスティック・シグネチャ検出)では、静電容量方式のように表面電荷の変化を検知するのではなく、「タッチシグネチャ」という、実際に表面上での接触そのものを感知できるシステムで、“接触認識領域”を設けることにより、指が触れることで表面電荷の変化を認識するだけでなく、その接近速度や接触時間、接触位置まで計測できるといい、画面に触れたものが指なのか、水滴なのか瞬時に把握することが可能らしい。

スマホへの適用だけでなく、クルマや工業機械、台所製品のボタンと置き換えられるよう、特許を取得しようとしているようだ。

今後の動きを見守りたい。

http://forbesjapan.com/summary/2015-08/post_6403.html

古典籍のくずし文字を判別しテキストデータ化するOCR

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凸版印刷が、江戸期以前のくずし字で記されている古典籍の文字を判別し、テキストデータ化するOCR(光学文字認識)技術を開発し、本技術による古典籍のテキストデータ化サービスを今年夏より試験的に開始予定するという発表は、その昔、OCR装置の文字認識の開発研究に関わった者として、技術の進歩に改めて驚く。

またこれに関連して、東京大学大学院ロバート キャンベル教授が、日本では近代150年の達成と引き換えに、昔の文字をまったく読めなくなってしまい、活字にだけ頼る人は、日本のことをほんの一部しか知ることができない、気づきにくいことだが、欧米諸国と違って、日本人は自らの歴史風土を自在に行き来する能力を失った、それ自体、世界史のなかでも特記すべきこと、とコメントしているのは、目から鱗という感じを持つ。


http://www.toppan.co.jp/news/2015/07/newsrelease150703_2.html

ディープラーニングは今まさに時代の潮目

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'05年独立行政法人IPAより天才プログラマーとして認定されている、ユビキタスエンターテインメント(UEI)の清水 亮さんが、ディープラーニングに関して、今まさに時代の潮目で紛れも無くフロンティアにいるとしているのは、尤もだと思う。

「人工知能は人間を超えるか(ディープラーニングの先にあるもの)」の著者である東京大学の松尾豊准教授によれば、「ディープラーニングはWebの発明に匹敵するほどの発明」というのも確かに頷ける。

従来型のプログラミングパラダイムと、AIという新しいパラダイムのハイブリッドが、近い将来のソフトウェア像になるのではないかというのはよく理解できる。

IoTのセンサーネットワークやゲーム、映画、検索エンジン、Eコマースなどなど、ありとあらゆる分野にAIが応用されていき、シンギュラリティ、技術的特異点と呼ばれる世界では、AIを使いこなした人だけが活躍していくことになるというのも確かだろう。

http://wirelesswire.jp/2015/06/32460/

銀行業務と人工知能は親和性が良い

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Ventureclefの宮本和明さんが、銀行業務と人工知能は親和性が良く、新興企業は大手銀行に先駆けて、ローン審査で人工知能を取り入れていると、紹介している内容が興味深い。

オンラインでローンの申し込みを受けると、それを瞬時に高精度で判定、クレジットヒストリーがない場合でも、申請者の適合性を的確に査定するらしい。

対象市場は米国だけでなく、中国の巨大な潜在需要に注目が集まっており、人工知能が高度に進化することで、リーマンショックのような、世界規模の金融危機を回避できるとの期待も寄せられるとしている。

従来、米国ではローン審査にFICO Scoreが使われているが、これは消費者のクレジットリスク指標で、幅広く使われデファクトスタンダードになっているようだ。

この指標は1989年にFICO社が開発し、現在では、3億人の米国消費者を網羅しており、銀行などが毎年100億件のFICO Scoreを利用しているらしい。

FICO Scoreのアルゴリズムは企業秘密で公開されていないが、消費者の過去の履歴を元に算定するもので、具体的には、消費者の支払い履歴、負債の状況、クレジットヒストリーの期間、クレジットの種類、最新のクレジット応募状況などを入力する。

今では、FICOの数学的なアプローチより、人工知能による経験則のほうが正確に判定できるということらしい。

http://ventureclef.com/blog2/

Deep Learningの手法を使った広告技術

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Ventureclef宮本和明さんが、ヒトの目に近づきつつある最新のコンピュータービジョンをレポートしている内容が興味深い。

写真だけでなくビデオに何が写っているかを理解でき、ライブで配信されるビデオをリアルタイムで解析し、内容に応じて区分けすることもでき、既に大手企業の広告事業で使われているという。

例えば、Clarifaiというベンチャー企業が人工知能の技法を使いイメージ解析技術を開発しており、ビデオに写っているオブジェクトを1万のカテゴリーに分類することができるらしい。

また、Dextroは2015年5月、ライブビデオストリームを解析するサービスStreamを公開しているが、Deep Learningの手法でビデオに写っているオブジェクトを学習し、ビデオを解析しその内容を把握することができるようだ。

Dextroは既に大手企業と事業を展開しているようで、大手ブランドはこの技術を使い、自社商品が市場でどう受け止められているかを把握するという。商品はPinterestやInstagramのビデオの中に数多く登場するわけであるが、Dextroはこれらビデオを解析し、商品がどこに登場しているかを把握することができる。

このように、市場ではDeep Learningの手法を使った広告技術が登場しているようだ。

今後さらにどう発展していくのか興味深く見守りたい。


http://ventureclef.com/blog2/

iterativeな手法をハードウェアにも持ち込むのがシリコンバレー風

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シリコンバレーのTechmom海部 美知さんが、相変わらずIoTが盛り上がっている中、オライリー・メディアのハードウェアのカンファレンスSolidでの、MITメディアラボの伊藤穰一所長のキーノート(基調講演)など伝えている内容が興味深く参考になる。

シリコンバレーでは、ソフトウェアベースのサービスをiteration(反復)で改良していく手法が定着しているようだ。

完璧な形になってからローンチするのではなく、未完成なうちに小規模にローンチし、市場の反応を取り込んですぐに改良バージョンを出し、その反応を見てまた改良バージョンを出す、という作業を高速で反復し、徐々にサービスを改良しながら広げていくやり方である。

こんなiterativeな手法をハードウェアにも持ち込もうというのが、今のシリコンバレー風ハードウェアの特徴の一つらしく、最初にプロトタイプを作り、それを投資家に見せて初期の資金を集め、次に小ロットで生産してクラウドファンディングのサイトで販売、その反応を見て改良しながら生産を増やしていくというアプローチである。

また、地理的や人脈的に伝統産業や政府機関と近く、ベンチャーキャピタルの資金が集積しているボストンでは、シリコンバレーとはやや異なるスタイルでIoTが発展しつつあるといい、IoTの重要な一分野と位置付けられるロボット分野での著名ベンチャーは、その多くがボストンを本拠としているようだ。

アーティストやデザイナーが多く住み、ファッションのハブでもあるニューヨークは、「UIデザイン」指向の動きが多く見られるというのも面白い。

まだ決定打はないものの、アメリカのあちこちで、それぞれのIoT用ハードウェアの試みが、着々と進みつつあり、各地でそれぞれに強みを活かしたスタイルが分散する「産業のダイバーシティー」は、アメリカの強みとしているのは尤もであり、日本もこの一部を形成できないものかと思う。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/216773/070100003/

家庭用パーソナル・アシスタント・デバイスAmazon Echoの評判

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シリコンバレーのジャーナリスト瀧口範子さんが、 アマゾンが家庭用のパーソナル・アシスタント・デバイスAmazon Echoの一般への配送を7月15日から開始するのに関し、昨年秋に比較的静かに発売されたデバイスだが、新しいタイプの製品として大ヒットする可能性を秘めていると伝えている内容が興味深い。

「アレクサ」と呼びかけると、Echoはスリープ状態から目覚めて音声認識を始め、内容を理解し音楽をプレイしたり今日の天気を調べてくれたりするわけだが、昨秋から利用しているユーザーのフィードバックを受け、主立ったニュースを読み上げてくれる「フラッシュ・ブリーフィング」、IoTの音声コントローラーなど、当初よりもかなりの機能を加えているようだ。

ユーザーのレビューから感じられるのは、何よりもエコーとの生活を楽しんでいるという雰囲気らしく、面白い製品に成長していくことを期待したい。

http://diamond.jp/articles/-/74676

"人類滅亡、12のシナリオ"オックスフォード大学等の公表したレポート

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「12 Risks That ThreatenHuman Civilization1」(「人類滅亡、12のシナリオ」)というレポートが、英国オックスフォード大学やその傘下のフューチャーヒューマニティ研究所の科学者、スウェーデンのグローバルチャレンジ財団、その他金融・経済の専門家などの錚々たるメンバーにより作成されているが、興味深い内容となっている。

現在進行中のリスクとして下記4点がまず挙げられている。
.極端な気候変化(地球温暖化など極端な気候変化が引き起こす飢餓・社会崩壊)
.核戦争(以前懸念された全面核戦争の可能性は低くなったが、突発的に起こる可能性は、まだ無視できない)
.世界規模のパンデミック(人々の往来の激しさ、速さは増しており、感染症が発生した場合、大流行する可能性が高まっている)
.生態系の崩壊(環境汚染などにより、生物種が絶滅する速さが増す)
.国際的なシステムの崩壊(世界経済がグローバル化して、経済危機や貧富の差が拡大し、社会混乱や無法状態をもたらす)
次に外因的なリスクとして2点。
.巨大隕石の衝突(衝突地域が全滅するだけでなく、生じる塵が地球を覆い、寒冷化や生態系の破壊をもたらす)
.大規模な火山噴火(塵による日光遮断と寒冷化。それが飢餓や政治的混乱を引き起こす)

新たなリスクとしては次の5点。
.合成生物学(人工的な病原体の生成など。映画「バイオハザード」)
.ナノテクノロジー(小型核兵器の開発への転用)
.人工知能(制御不可能になった人工知能独裁者や膨大なロボットの出現。映画「ターミネーター」)
.その他の全く未知の可能性

さらに国際政治のリスクとして、次を挙げている。
.政治の失敗による国際的影響(問題発生時、まずはその国で適切に対処しないと、問題が世界全体に拡がり、悪化させることに)

人工知能が人類の知能を上回るというシンギュラーポイントが迫っているように、最近の進歩の激しさを思うと、.人工知能あたりが、最も危ないかもしれない。

http://www.nli-research.co.jp/report/report/2015/07/repo1507-c3.html

「カメラで食材を識別して、適切な温度と調理時間を自動設定するオーブン」や、「ユーザーを追いかけながら撮影するカメラ搭載ドローン」

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シリコンバレーNext中田 敦さんが、「カメラで食材を識別して、適切な温度と調理時間を自動設定するオーブン」や、「ユーザーを追いかけながら撮影するカメラ搭載ドローン」といった未来を感じさせる商品の予約販売が次々と始まっていると伝えている内容が面白い。

June Intelligent Ovenは、食材や料理を識別するためのHDカメラ、重量計、温度計など様々なカメラ/センサーを搭載しているらしい。

調理に際してユーザーが行うのは、食材をオーブンに入れることだけで、カメラや重量計が、食材や料理の種類や重量を自動判別し、コンピュータが最適な温度や調理時間を自動設定してくれるようだ。

スタートアップLily RoboticsのドローンカメラLilyは、自撮り(Selfy)をするためのもので、ユーザーはLilyを空に向かって放り投げるだけで、後はLilyがユーザーを追いかけ続けて撮影してくれるようだ。

June Intelligent OvenとLilyの共通点は、カメラを使った画像認識を駆使している点で、カメラを搭載するスマートフォンが爆発的に普及することで、カメラ用の画像センサーの価格は大幅に低下しているし、機械学習の高度化によって、コンピュータによる画像認識の精度は近年、大幅に向上しているというのが背景にあるというのはよく理解できる。


http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/061700004/070800009/?n_cid=nbpnbo_nb_fb&rt=nocnt

格安イノベーションはマニア商売から産業へと飛躍できるか

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日経紙(シリコンバレー)が、「メーカーズ(ものづくり起業家)運動」と呼ばれ、生産設備を持たない個人でもものづくりに参加できる動きがシリコンバレーから生まれ10年がたったと、米サンフランシスコで6月末に開催されたイベント「ソリッド」について、伝えている内容が興味深い。

ソリッドを主催しているのは、米メディアのオライリーメディアで、「無料で公開されるソフトに加え、ハードと通信のコストが下がり、『格安イノベーション』が劇的に広がっていく」と、同イベントのプログラム企画を統括するMITメディアラボの伊藤穣一所長は、ものづくりに起こりつつある変化を端的に「格安イノベーション」と表現しているようだ。

多くのものづくりベンチャーでは、潜在顧客からの資金調達「クラウドファンディング」がマーケティングの手段として米では当たり前のように使われており、反応がよければベンチャーキャピタル(VC)からすぐに声が掛かるということらしい。

しかしながら、何かが少しだけ便利になるだけの製品をどれだけ積み上げても「新しい産業革命」のレベルにはならず、メーカーズ運動がマニア商売から産業へと飛躍し、次のアップルを生み出すには社会や文化の大きな流れを捉える必要があるという指摘は的を得ていると思う。


http://www.nikkei.com/article/DGXMZO88951310W5A700C1000000/

どの仕事がロボットに取って代わられるかについての議論

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WSJ誌が、現在、人工知能を使ってニュース記事やリポートを書いている多数の新興企業が、銀行や金融サービス会社での書く作業に狙いを定めていると紹介している内容が興味深い。

例えば、金融大手のクレディ・スイス・グループは文書自動作成技術を使って、何千もの企業に関する要約情報を顧客に提供しているようだ。

自動ライター、つまり自動作成技術の能力は依然として限られていると専門家は指摘する一方、一部には、コンピューターが人間に追いつくのは時間の問題だと指摘する向きもあり、投資の世界では、コンピューターやアルゴリズムを使って割安な株を探したり、どのように資産配分をすべきかを投資家に伝えたりする人が増えているという。

最終的にどの仕事がロボットに取って代わられるかについての議論は、最近話題になっており、オックスフォード大学の2人の教授による2013年の研究は、700の職種をロボットに取って代わられる可能性が高い順に並べ、金融アナリストという職種は700の職種のうちの約70%の職種よりも安全だと判断されたが、テクニカルライターはもっと危険な位置にランクインし、25%の職種より安全であるにすぎないとされているようだ。

http://jp.wsj.com/articles/SB11807971170009143901604581099283571033972?mod=JWSJ_EditorsPicks
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