夫婦で10日間ほど英国を回ってきた。
ロンドンで入国処理を済ませ、スコットランドのグラスゴーに飛び郊外のダンブレーンで宿泊、北から南への旅を始めた。
思った以上に肌寒く、春先の気候というので長袖を沢山トランクに詰め込んできたのがよかった。
グラスゴーの街の中心ジョージ・スクエア周辺はにぎやかな一角で、グラスゴー大聖堂は、宗教改革時の破壊を免れた貴重な存在らしい。
ロッホ・ローモンド湖で湖上遊覧を楽しんだが、何しろ肌寒い。
次いでスターリングに移動、スターリング城は、15~16世紀に建設された如何にも城砦といった趣で、イングランドとの独立戦争、スコットランド王家の興亡などの歴史が刻みつけられているようだ。
エジンバラは、世界遺産にもなっているスコットランドの首都で、エジンバラ城からホリルードハウスまでの通りはロイヤルマイルと呼ばれる一角。
ホリルードハウス宮殿は、スコットランド女王メアリーにまつわるエピソードが数多く残っているらしいが、スコットランドにおける英国王室の宮殿として現在も利用されているようだ。
ロイヤルマイルの中心に、ゴシック様式のセント・ジャイルズ大聖堂がある。
ニュータウンの東にある小高い丘カールトン・ヒルには、ナショナル・モニュメントといって、ナポレオン戦争戦没者記念堂として、アテネのパルテノン神殿を模して建てられたが、予算不足で途中で打ち切りになった遺構がある。
次いで、イングランドに南下、世界遺産にもなっているハドリアヌスの城壁を見学。
ここはローマ帝国がイングランドを約400年間支配していた時代を象徴するもので、世界遺産になっている。
城壁の目的は、北からの蛮族、ビクト族やスコット族の侵入防止にあり、中国の万里の頂上のミニチュア版といった感じである。
この南一帯は、湖水地方と呼ばれ、美しい自然、風景の世界を楽しめる。
詩人ワーズワースが亡くなるまで過ごした家、ライダル・マウントを散策、SL「レイクサイド&ハヴァースウェイト鉄道」とウィンダミア湖遊覧を楽しんだ。
ヒル・トップにあるビアトリクス・ポターの家は、その作品「ピーターラビット」の物語そのものの世界となっている。
ナショナル・トラストにより買い取られ保存されているが、他にも各地の遺跡が同様に保護保存されているようだ。
入場料の一部がナショナル・トラストへの寄付になっており、記念のバッジをくれた。
次いで、チェスターに移動、城壁に囲まれ4つの門とメインストリート、それが交差するロウズと呼ばれる木組みの商店街があり、中世の世界に入ったような感覚がある。
チェスター大聖堂が町のシンボルになっている。
更に南下、ストラットフォード・アポン・エイボンは、ウィリアム・シェイクスピアが生まれ骨を埋めた町で、その生家、妻アン・ハザウェイの家、シェイクスピアとその身内が埋葬されているホーリー・トリニティ教会を見て回った。
さらに南下し、コベントリーでは、ヒドコート・マナー・ガーデンを散策した。
コッツウォルズの一帯は、世界遺産になっており、まさに英国のカントリーサイドといった風情を楽しめた。
ボートン・オン・ザ・ウォーターは「コッツウォルズのベネチア」とも呼ばれているらしく、バイブリーの村のたたずまいは何とも言えぬ郷愁を感じさせてくれる。
南のバースは、ローマ時代に温泉の町として栄え、温泉の語源にもなっており、世界遺産に登録されているが、ローマ浴場博物館に立ち寄り、さらに、バースを代表する、三日月のようにきれいな曲線を描くロイヤルクレッセントの建築を眺めた。
ここから少し離れた場所にある巨石建造物ストーンヘンジは、今回の旅の目玉としていたが、期待は裏切られなかった。
いつ頃どのように作られたのかは大分判ってきているようだが、やはり古代のロマンを感じさせる。
ただ、人気も高まる一方のようで、大変な人出になっていた。
ソールズベリー大聖堂のチャプターハウスには、マグナカルタの原本のうち1冊が収められており、1ページを観覧できた。
最後にロンドンでは、大英博物館でロゼッタスーン他の見学、あいにくストライキ中で一部展示のみとなったナショナルギャラリーでゴッホのひまわり他見学、その他ロンドン塔、タワーブリッジ、ビッグベン、バッキンガム宮殿衛兵の交代行進、ウェストミンスター寺院、セントポール大聖堂など観て回った。
駆け足の旅行であったが、スコットランドの荒涼とした風景、イングランドのカントリーサイドの自然など十分に楽しむ事ができた。
帰国後の日本の猛暑にはまいったが・・・