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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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どうして被災県知事が情報の司令塔になれないのか?

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今回の熊本の地震災害で、県知事の顔が見えないと素朴に感じていたが、冷泉彰彦さんが、米国の9.11やハリケーンなどでの州知事の行動を紹介し、県知事が行う定例会見を情報集約とメッセージ発信の場にすることはできないのか、という疑問を呈しているのは尤もだと思う。
 

米Google社の次世代HDDに関する提言

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浅野浩延(ITアナリスト)さんが、日経テクノロジーOnlineに載せているHDD関連の内容が興味深い。
 
Google社が発表した次世代のHDDに関する提言は、大規模なデータセンターを運営する「クラウドサービスプロバイダー」といった大口顧客向けであるが、ニアラインストレージと呼ばれるエンタープライズ向けHDD製品を指向したもので、かなり本質的な内容と思う。
 

(1)   ランダムアクセス時の速度向上

 

(2)   容量のさらなる拡大

 
現在のHDDは将来の不良領域の発生に備えて、あらかじめ「交替セクター」と呼ばれる予備領域をユーザから見えない形で搭載しているが、「そんな予備領域はいらない、障害耐性を高めること、つまりデータを失わない努力はデータセンター全体で対応するから、HDD単体の障害耐性は落ちてもよいから製品容量を増やしてほしい」ということのようだ。
 
さらに、「磁気ヘッドが1個壊れたくらいで、HDD全体が使用不可能になる事態を避けてほしい」としている。
 
いずれのリクエストに応えるためには、現行のHDDの構造を大幅に変える必要があるのは間違いないだろう。

また、SSDではなくて、わざわざHDDを取り上げたのは、
this continues to grow exponentially, with a 10x increase every fiveyears.

という前提のもとに、
The root reason is that the cost per GB remains too high, and moreimportantly that the growth rates in capacity/$ between disks and SSDs arerelatively close…」
ということらしい。

 
要するに、SSDの価格は以前よりも下がっているが、HDDも同様に下がっているので、ビット単価はHDDの方が当分安いまま、ということで、「今後もHDDを使うから、もう少し工夫して使いやすくしてくれないか」というGoogle社の本音を記したものだろうというのは、よく理解できる。
 
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AIが人間の知的能力を高める世界

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日経紙記事「人間の頭脳を拡張せよ AI大競争」の内容が興味深い。


Googleで、検索や地図などグーグルのサービスを支えるコンピューターシステムを設計した天才科学者のディーンが、人間の脳をモデルにしたディープラーニングの研究に乗り出したのは2011年とされている。


2012年には、1000台のコンピューターをつないだAI「グーグルブレイン」に1000万枚の画像を見せたところ、自力で「ネコの顔」を見分けるようになったと発表し、コンピューターが自ら学習する能力を獲得した成果は世界の研究者に衝撃を与えたのは有名な話である。 


自動車や飛行機が人間の移動能力を飛躍的に高めたように、AIが人間の知的能力を高めること、「真にインテリジェントなコンピューターシステムを作り、人間の能力を拡張する、それがゴールだ」というのは、夢を感じさせる。 


アルファ碁の開発チームを率いたグーグルのデミス・ハサビスは、AIの「科学者」と人間の科学者が協力して病気の診断や気候変動などの難問を解く世界を想定しているようだ。 




日本でも技術を産業化し、再投資することで稼ぐ力を付けるべきだ

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国内AI研究の第一人者である東京大学松尾豊特任准教授が、技術で先行する海外勢に対抗するには「日本でも技術を産業化し、再投資することで稼ぐ力を付けるべきだ」と国内連携で目指すべき研究の方向性を示しているのは、的を得ていると思う。


IT起業研究所代表 小松仁

液晶パネルから有機ELパネル(AMOLED)への切替

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みずほ証券エクイティ調査部シニアアナリスト中根康夫氏が、日経紙で紹介している業界見通しは興味深い。
 
AppleiPhone用ディスプレーを、現在の液晶パネルから有機ELパネル(AMOLED)に切り替える計画を立てていると見られ、2017年に登場する機種は曲面形状やフレキシブルなディスプレーではなく、ポリイミド(PI)基板を使ったフラットな形状の“Unbreakable(割れない)”ディスプレーになる公算が高いとされるが、この転換は、パネル業界の勢力図を大きく変える可能性があるというのは間違いないだろう。
 
Samsung Display(最低6万枚/月)とLG Display(最低3万枚/月)、ジャパンディスプレイ(最低15000枚/月)を合計すると、年間で約25000万枚相当のiPhone用パネルを生産できると試算され、iPhoneの組み立て工程での鴻海への依存度の高さを考慮すると、Appleが「鴻海・シャープ連合」にパネル供給者となることを求めているかどうかは、リスク分散の観点から“微妙”といえるのは、厳しい現実かもしれない。
 

IT起業研究所代表 小松仁
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トヨタ・リサーチ・インスティテュート(シリコンバレーの戦略拠点)

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新会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」(AIや自動運転技術の開発を目指すトヨタ自動車のシリコンバレーの戦略拠点)のギル・プラットCEOは、米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)のプログラムマネジャーだったが、「この分野に今必要なのはただの競争ではなく、コーペティション(協力と競争)」と言っているのは的を得ていると思う。
 
トヨタには自動運転技術で、世界で亡くなる交通事故の犠牲者数120万人を減らすだけでなく、「1兆マイル(1年間で世界中のトヨタ車が走る距離の合計)の信頼性」を確保する責任があり、初めてトヨタ本社を訪れた夜、その目標の高さに「一睡もできなかった」というのは、よく理解できる。
 

「MFクラウドExpo」基調講演

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先日行われたマネーフォワードの「MFクラウドExpo」で、同社辻庸介社長のモデレーションのもと、クラウドワークス吉田浩一郎社長、ブイキューブ間下直晃社長、メタックス佐藤航陽CEOが参画した基調講演/パネルディスカッションの内容が興味深かった。
 
テーマは、「自ら時代を創る『意思』を持つ~10年後に差がつく経営術~」というものだったが、皆30代でありながら、若くして創業しているので、各人の起業に至る経緯、その後の経営について、中身の濃い経験を聴くことができた。
 
特に印象に残ったポイントを挙げてみると次のようになる。
 
・サービスレイヤ、情報レイヤ、インフラレイヤの捉え方
・決済送金、交換、融資、投資不動産への対応
・キーワードはクラウド、IoT IoE AI
・オープンパートナーシップ、コラボレーション、インタラクティブ、ユーザーフォーカスへの対応
・理念は変えないが常に変化させる
・自分のやりたいことをハッキリ記述しておくことで、迷ったとき、周りも察しがつき理解されやすい
・一緒に会って飲む重要さ
・アジアの時差が殆どないメリット
・カルチャとして台湾が最も近く、アメリカは桁違いで、最後の中国の手前で遠い
・エゴを突き詰める、楽をしたいと考えることで創造性(例えば自販機はなぜ下からと固定なのか)
 
さらに、野口悠紀雄氏(早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授)による基調講演「日本経済の行方とフィンテック革命~フィンテックが経済に与える衝撃とは~」では、最近の経済情勢、日本経済の長期的問題(90年代以降の世界経済の大きな変化、人口構造の変化)に加え、次の点を指摘していたのが興味深かった。
 
・基本的に重要なのは産業構造
1990年代に生じた世界経済のITの進展と新興国の工業化に対応していない
・日本のエレクトロニクス産業は、2000年代に進行した水平分業の流れに対応できなかった
・新しい情報技術の登場
UberAirbnbのような新しいサービスが登場している
・フィンテックで、Paypalの時価総額はみずほHDとほぼ同じ
・ユニコーン企業
AI、ビッグデータ、IoTなどの情報革命
AIはわれわれの日常生活にすでに影響を与えている
・機械をインターネットにつなげるだけでは生産性は上がらない
・政府のなすべきこととして、新しい成長分野を探し支援すること(ターゲティング)を行うべきではない、金融緩和によっては成長できない、規制緩和が必要で新しい技術の導入を拒んでいるのは参入規制、岩盤規制が残る限り成長は難しい

30歳でも40歳でも同じ仕事をした人は同じ給与を貰うのが当然

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モルガン・スタンレーMUFG証券の日本担当チーフ・エコノミスト、ロバート・フェルドマン氏が、アベノミクスで取り組まれている課題のうち、法人税減税、エネルギー改革と並んで挙げられる労働市場改革の問題に関し、日経ビジネスインタビューで紹介されている内容が興味深い。
 
欧米では基本的に年功序列賃金ではなく、30歳でも40歳でも同じ仕事をした人は同じ給与を貰うのが当然で、ポジションによって給料が決っているのが普通であり、給料を増やしたかったら新しいスキルを身につけて頑張ろうということになるというのは、なかなか日本では常識にならないようだ。
 
東京大学柳川範之教授の「40歳定年制」は良いアイデアと評価し、40歳過ぎたらいつ解雇されるか分からないので、30代で一生懸命勉強する、定年まで高い給料を払い続けるということでは、固定費が大きくなって企業の生産性は上がらない、大企業が65歳まで人材を抱え込んでいると、自由な労働市場ができないという面もあるという指摘はもっともだと思う。
 

中国は国策事業として自動運転車産業を育成

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シリコンバレーVentureclef代表宮本和明さんが、中国は国策事業として自動運転車産業を育成、シリコンバレーのBaidu研究所が開発拠点になると伝えている内容が興味深い。
 
中国政府が自動運転車産業を育成する背景には、経済成長鈍化に対する危機感があるとされ、産業構造改革が喫緊の課題で、中国政府がハイテク産業移行の道筋をつけ、さらに北京を中心とする交通渋滞を自動運転車で解消すること、増え続ける交通事故を減少させる狙いなどもあるようだ。
 
中国の自動運転技術を支えるのが中国最大手の検索サービス会社Baiduだが、最近ではAI技術で世界のトップを走っているらしい。
 
シリコンバレーに自動運転車チーム「Self-Driving Car Team」を設立することを発表しているが、このチームはBaiduの自動運転部門「Autonomous Driving Unit (ADU)」の一部として位置づけられるようだ。
 
自動運転車開発を推進しているのがBaidu Research所長Andrew Ngであるが、スタンフォード大学でDeep Learningの研究に従事し、この分野で基礎研究をリードしてきた人物で、その後Googleに移籍し、人間の頭脳を模したプロジェクト「Google Brain」を立ち上げ、大規模な並列計算環境でDeep Learningを稼働させ、システムがハイレベルな概念 (例えばネコ) を学習できることを実証したことで知られている。
 
ところで、Ngは無人自動運転車の開発は現実的でないとの見方を示しているようで、興味深い。
 
現在の技術レベルでは人間のように振る舞う無人自動運転車の開発は不可能で、クルマは社会インフラと協調する必要があるとし、この仕組みはメーカー1社でできることではなく、コミュニティーとして取り組む必要があるとも述べているようだ。
 
例えば、道路作業員は工事現場で手信号によりクルマを誘導するが、自動運転車は手の動きの意味を理解することができず、AI技術は急速に進化しているが、当面は自動運転車が人間のように運転できるわけではないとしているらしい。
 
米国では規制や道路法規の面で自動運転車開発にとって厳しい状況が続いているようで、公聴会でカリフォルニア州政府とGoogleUberなど開発企業の意見を聞くと、両者の間に深い溝を感じるといい、また、連邦政府と州政府の方針も異なり、社会インフラが整うまで時間がかかりそうだという。
 
これに対し中国は政府が先頭に立ち新産業を育成、中国の自動運転車技術は2年遅れているといわれるが、このままでは米中が逆転するのではないかと、多くの人が危機感を抱いているという状況らしい。
 
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シリコンバレーを世界一にした『デザイン思考』

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日経紙記事「シリコンバレーを世界一にした『デザイン思考』の神髄」の内容が興味深い。
 
利用者のニーズを探り出し、それにあった製品・サービスをデザイン(企画・設計)する、米IDEO(アイディオ)に代表されるデザイン産業の存在は重要で、シリコンバレーは「デザインバレー」でもあるというのはよく理解できる。
 
IDEOは、米スタンフォード大出身の技術者たちがデザイン会社を吸収して設立したもので、文化人類学や社会学で確立された「エスノグラフィー」と呼ばれるインタビュー手法を駆使するらしく、この手法では、どんなサービスが欲しいかという本題には直接触れず、抽象的な質問を繰り返しながら本人も意識していないような問題意識をあぶり出すもののようだ。
 
技術者や科学者だけでなく、サービスを魅力的にするストーリーを考えるジャーナリスト出身者などもおり、顔ぶれは様々のようで、何らかのサービスを必ず開発する「足し算」の提案をする特徴を持つという。
 
デザイン思考では、アイデアがまとまる前から試作品を作り、たたき台にするらしく、試作品づくりに慣れたデザイナーがプロジェクトの初期から開発に深く関わるため「デザイン思考」と呼ばれるようだ。
 
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時代を超越した概念と精神性が武士道にはある

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作家のJustin Gammill氏は、日本人にも馴染みが薄い、江戸時代の武士山本常朝を挙げ、「時代を超越した概念と精神性が武士道にはある」と主張し、従属的な心構えから礼儀、人生観や死生観すべてに通ずる、大切な教えをアメリカの媒体「I Heart Intelligence」に紹介しているが、改めて心に訴えると感じる。
 
多くの偉人達にも影響を与えてきた「武士道」という精神性、海外の人々がその芯の通った生き方・考え方に憧れを抱いているのに対し、私たち日本人は意外とそれに目を触れる機会は多くないというのはよく理解できる。
 

01.
「命か忠義かを選べと問われたなら、自分の命など微塵も惜しくはない」

 

02.
「仕える主人が厳格過ぎては、家臣の信頼は得られない。だが、主人が信用しすぎると、家臣は手に負えなくなるものだ」

 

03.
「ひとつごとに悟りを開ければ、どんなことにも精通し多くのことを理解できる」

 

04.
「武士の心得として最も重要なものは何か?自分の成し遂げたいもののために、一分一秒、魂を賭してそれに向き合うこと」

 

05. 
「武士とは、嵐の真っ只中にあろうとも、ひとり立ちすくせる者でなければ価値がない」

 

06.
「何の準備もなく突然の暴風雨に曝されたとしても、慌てふためいたり、逃げ隠れるようなことがあってはならない。雨風に心を乱さず、それを受け入れ我が道を行け」

 

07.
「病に伏せたり悩み事に苦しむとき、真の友が誰なのかが分かる。距離を取ろうとするようなら、それはただの臆病者だ」

 

08.
「幸せな結婚の秘訣はただひとつ。最初に出会ったときの気持ちを失わないことだ。それができれば、仲たがいの余地は生まれない」

 

09.
「忠誠心のある武士を見分けるには、主人に忠実な侍をあたることだ。武士とは精神の深部まで主人に使えることができるもの。それは、主人が亡くなっても続くものである」

 

10.
「知恵とは、賢者に注意を払うことで備わるもの。愛とは、つねに他人のために努力をし、他人に尽くすことから生じるもの。そして、勇気とは状況に関係なく、固く決意し、どんな障壁をも乗り越えた末に手に入れられるもの」

 

11.
「いまこの瞬間、何を為すべきかよりも重要なことがある。人の一生は瞬間が幾重にも重なった上に成り立っている。そのことさえ理解できれば、武士は情熱を傾けて生きるのみ。何も恐れることはない」

 

12.
「人の一生など、まばたきひとつで消えゆく蒸気のようなもの。自らの楽しみを見つけ人生を費やすことだ」

 

13. 
「刀を抜いてそれを振るったところで、誰一人あなたと親しく、友となりたいとは思わない。しかし、それを抜かなければ、刀は錆びつき、周囲はあなたを腰抜けと罵る。武士とは、そういうものだ」

 

14.
「ときが経ち、年老いてきたなら、目の前に迫るものを捉えて隠居生活を始めよう。主人への従属を満たすことができる。誰もが優れていれば、抜きん出るのは容易ではない。だが、数が減れば、卓越の境地に達することも、はるかに容易なものとなる」

 

15.
「武士は、朝が来るたびに死を覚悟するものだ。朝の静寂のひとときに、自分が雷に打たれ、火にあぶられ、刀や槍で切り裂かれる様を想像する。玄関の一歩外が死界という意識を忘れずにいられるかどうか。これは単なる例え話ではなく、運命に対して準備をする武士の方法だ」

 

空中浮上式の車両が超高速で走る“ハイパーループ“

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金属製のチューブの中を、空中浮上式の車両が超高速で走る、“ハイパーループ“は、2013年イーロン・マスクによって初めて公表された構想だが、開発企業の一つハイパーループ・テクノロジーズは、ネバダ州の砂漠地帯に全長3kmのテストチューブを建設中で、初となるフルスピードでの本格試験走行が年内に予定され、2010年代末までには世界のどこかで商業化を実現したい考えという。
 
ハイパーループの基本前提は、真空状態に近い、全長数百から数千kmの金属製のチューブ内を、乗客を乗せた車両が空中浮上(非接触)で進むという仕組みで、車両は電磁推進装置を使って加速し、磁気浮上によってチューブの底面に接触することなく、浮いたまま“滑って“進むというもののようだ。
 
ハイパーループ・テクノロジーズでは、車両を浮上させ、摩擦をほぼ無い状態に維持する上で、継続的な電力供給を必要としない“無電源電気浮揚システム“と称するものを考案しているという。
 
インターネットでは、異なるコンピューターに向かう小規模な個々のデータパケットが同じ伝送経路を進み、それぞれの目的地で別のラインに逸れていく場合があるが、「輸送のパケット化」というインターネットの仕組みによく似たアイデアで、車両を比較的小さい2030人乗りの規模にとどめ、ハイパーループについても利用可能性を最大限にしつつ、同じことをしたいという考えは面白いと思う。
 
しかし、乗り心地などを想像すると、まずは貨物用でスタートすることになるのではないだろうか。
 

Google自動運転車が直面している課題

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Ventureclef代表宮本和明さんが、「無人走行するクルマはできるのか? Google自動運転車が直面している課題」で報告している内容が興味深く参考になる。
 

米国議会上院の通商科学運輸委員会 (Senate Committee onCommerce, Science, and Transportation) 20163月、自動運転車に関する公聴会を開催し、Duke Universityのロボティックス研究所 (Humans and Autonomy Lab and Duke Robotics) 所長Mary Louise Cummingsが自動運転技術について厳しい見解を示したようだ。

 
自動運転車開発での課題は、悪天候での走行(路上の水たまり、霧雨、激しい雨、降雪などに対応)、ソーシャル・インタラクション(クルマとヒトとの交信。自動運転車は警察官の手信号を理解できないなど、ヒトと意思疎通できないなど)、セキュリティー(サイバー攻撃に対して備えができていないだけでなく、GPS受信機やLidarへの妨害行為への対応が求められる)、プライバシー(自動運転車が収集するカメラ映像やセンシングデータの厳格な管理が求められる)とされている。
 
この中で最大の障壁になると思われるのがソーシャルインタラクションとされている。
 
ドライバーと他のドライバーやヒトとのコミュニケーションでは、運転中に他人とアイコンタクトなどで無意識にコミュニケーションを取り、お互いの意図を確認しあっているわけで、一時停止の道路標識がある交差点では、順番が回ってきて発進する際には、交差する車線のドライバーを見て安全を確認するが、自動運転車はアイコンタクトで安全確認ができないため、他のドライバーは不安を感じるといったことになる。
 
また、横断歩道の手前で歩行者が立ち止まっている場合、意図を把握するのが難しく、道を渡るのか、それとも、そのまま立ち止まったままなのか判断できない場合もある、スマートフォンを操作している場合は尚更である。
 
アルゴリズムが歩行者の次の行動を予測することは、クルマの進路を予測することに比べ格段に難しいといえそうだ。
 
一方、米国では、Googleや自動車メーカーがこれら難しい課題を乗り越え、自動運転車を市場に投入し、交通事故が減ることへの期待が大きくなっており、運転の便利さだけでなく、交通事故を減らす手段としても、自動運転車への評価が高まっているというのは間違いないだろう。
 
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GMと配車サービスの米リフトによる自動運転タクシーの公道試験走行

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米自動車大手GMと配車サービスの米リフトが、EV「シボレー・ボルト(Bolt)」の自動運転タクシーの公道試験走行を1年以内に開始するというのは、最近の動向から興味深い。
 
自動運転車の試験走行計画はまだ詳細を詰めているところだが、実際に乗客を乗せる予定らしい。
 
GM1月にリフトへの5億ドル出資を発表し、さらに約2年にわたり自動運転技術の開発を進めている新興企業クルーズ・オートメーションを10億ドルで買収する予定のようだ。
 
GMは、EV需要が弱い現状下で年内発売を予定するボルトで、リフトとその運転手を主要顧客として取り込む考えらしい。
 
テスラ・モーターズのEV、アルファベット傘下グーグルの自動運転車、米配車アプリ大手ウーバー・テクノロジーズのライドシェアなど、シリコンバレーで巻き起こった重要な発展の中で、GMの取り組みは、特にアルファベットとウーバーへの挑戦を意識しているようだ。
 
ウーバーはペンシルバニア州ピッツバーグに自動運転技術の研究開発センターを持ち、2020年までに自動運転車を導入する準備を進めているらしい。
 
また、リフトとウーバーの幹部らは、自動運転車の利用と法的責任をめぐる規制への対応が成功へ向けた最大の障害の一つだと述べてきているが、規制上の懸念を和らげる取り組みとして、リフトはまず自動運転車内に運転手がいつでも運転できる状態で控えるようにするが、いずれ運転手はいなくなる見込みとしているらしい。
 

「どう逝くか」を考える時代

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第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部の小松みどり主席研究員による「『どう逝くか』を考える時代」を読み考えることが多い。
 
「死ぬ時ぐらいすきにさせてよ、人は必ず死ぬというのに、長生きを叶える技術ばかり進化してなんとまあ死ににくい時代になったことでしょう」という樹木希林さんによる宝島社の企業広告が紹介されているが、同じような本音を感じる人が多いのではないだろうか。
 
2013年に政府の社会保障制度改革国民会議が取りまとめた報告書でも、
「そのときが来たらより納得し満足のできる最期を迎えることのできるように支援すること―すなわち、死すべき運命にある人間の尊厳ある死を視野に入れた『QOD(クオリティ・オブ・デス)』を高める医療」
のあり方を考えていく必要性を掲げているようだ。
 

QODとは何か、考え方の一つとして、Instituteof Medecine(米国医学研究所)では、

「患者や家族の希望にかない、臨床的、文化的、倫理的基準に合致した方法で、患者、家族および介護者が悩みや苦痛から解放されるような死」
と定義しているらしい。
 
また、元気なうちに終末期医療に関する本人の希望を書くよう、高齢者に積極的にすすめる自治体も、愛知県半田市の「事前指示書」や各自治体独自で作成したエンディングノートを住民に無料で配布し、どう死を迎えたいか、あらかじめ意思表示してもらう試みも始まっているようだ。
 
QODのためには、一人一人がどう生き、どう逝きたいかを考える必要性が求められるというのは、よく理解できる。
 

スマートフォンの次のテクノロジー・ハブ(技術の集積点)

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「ジョブズ氏的な」創造性が失われた今、技術革新は全く退屈なものとなっているように見え、PCをはじめ市場を確立した製品分野の成長が失われつつあるという、「アップル苦戦、アマゾンの時代が到来、スマホや自動車の生産性向上が必要」というWSJ/バロンズの記事が興味深い。
 
フィットビット(FIT)などが販売するリストバンド型活動量計や、アマゾンが音声操作コンピューター兼スピーカーのEchoを発売し、再びコンピューターマニアの想像力をかき立てているといった状況の中で、道具としての需要を満たすのはやはりスマートフォンで、画面の高精細化、折り曲げ可能なディスプレイ、長寿命バッテリー、第5世代(5G)の高速通信など、開発余地は大きいとしているのも理解できる。
 
ただし、スマートフォンの次のテクノロジー・ハブ(技術の集積点)としては、自動車が台頭しつつあるとし、エヌビディア(NVDA)やNXPセミコンダクターズ(NXPI)といった半導体メーカーは既に電気自動車メーカーのテスラモーターズ(TSLA)などの自動車メーカーと積極的に事業を展開しており、自動運転技術の発展に歩調を合わせて半導体供給を増やしたいと考えているという指摘は的を得ているのではないか。
 
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「センサ・バイオ・ヘルス」分野

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6月に米国ハワイで開催される半導体技術の国際学会「2016 Symposia on VLSI Technology/Circuits」では、「センサ・バイオ・ヘルス」分野の論文が目立つようだ。
 
オランダDelft University of Technologyの、飲み込むことで食道内で心エコー画像を取得できる半導体チップ、米Texas InstrumentsTI)社の、コイン電池を搭載するだけでバイタルデータを3日間連続で計測できる小型の半導体ボード、ニデック(愛知県)の、脈絡膜上経網膜刺激と呼ぶ、生体安全性の高い方式の人工網膜チップなど、プログラム委員会が選んだ10本のハイライト論文のうち3本がヘルスケア関連ということで、今後ますます期待が持てる領域のように見える。
 

DeepMindシステムのDeep Reinforcement Learning (深層強化学習)

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Ventureclrf代表宮本和明さんによると、AlphaGoで囲碁の世界チャンピオンを破ったDeepMindシステムの背後では、Deep Reinforcement Learning (深層強化学習) という手法が使われているようだ。
 

DeepMind創設者のDemis Hassabisらは201312月に発表した論文「Playing Atari with DeepReinforcement Learning」で、コンピュータがビデオゲームを見るだけでプレーの仕方を学習する手法を示したが、20141GoogleDeepMindを買収している。

 

このシステムはReinforcement Learning (強化学習) Convolutional Neural Networkを組み合わせた構成で、Deep Reinforcement Learningと呼ばれるらしいが、ConvolutionalNeural Networkは写真に写っているオブジェクトを判定するなど、コンピュータの眼として機能するようだ。

 
それをReinforcement Learningが読み込み、次のアクションを決めるが、Reinforcement Learningは簡単なモデルで使われてきたのを、ニューラルネットワークを利用して複雑なモデルに適用した点が大きな進化となっているらしい。
 

HassabisDeepMindのロードマップについて述べており、Deep ReinforcementLearningを中心とするDeep Neural Networkは、今後5年から10年のレンジで、生活の様々な分野に入っていき、一番注目される分野がロボティックスで、家庭向けのサービスロボットに研究成果を適用する計画らしい。

 
さらに、このプロジェクトを現代のApollo Program (アポロ計画) と表現し、科学技術分野へ応用することを最終目的としているようで、気候変動の研究、がんのメカニズムの解明、エネルギー分野、遺伝子工学、マクロ経済、金融システムなどで、人工知能が人間の科学者に代わって研究するモデルを想定しているのは興味深い。

マイルス・デイヴィスの伝説の一部

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ハービーハンコックの伝えるこのシーンは、まさにマイルス・デイヴィスの伝説の一部といった思い。
IT起業研究所代表 小松仁
 

This night was magical. We werecommunicating almost telepathically, playing So What". WayneShorter had taken his solo. Miles was playing and building and building,and then I played the wrong chord. It was so, so wrong. In an instant, timestood still and I felt totally shattered. Miles took a breath. And then heplayed this phrase that made my chord right. It didnt seem possible. I still dont know how he didit. But Miles hadnt heard it as a wrong chordhe took it as an unexpected chord. He didnt judge what I played. To use a Buddhist turn of phrase, he turnedpoison into medicine. - Herbie Hancock on a Miles DavisQuintet performance in Stockholm, 1967

Remembering and living in the legacy of Miles Davis (May 26th, 1926 September 28th, 1991)

中欧旅行 

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5月中旬から下旬、夫婦で中欧に旅してきた。
 
初夏のような日本の気候のなか出発したせいか、現地の寒さにちょっと戸惑ったが、全体として中世にタイムトリップしたような感じで、非常に印象深い旅となった。
 
 
1)ザルツブルグ、ザルツカマーグート、ハルシュタット
 
ドイツミュンヘンに入り、オーストリアザルツブルグ(世界遺産)からスタート。
 
ここは塩で栄えた中世の司教の町といったところである。
 
旧市街のミラベル庭園、マカルト広場、三位一体教会、モーツァルトの住居、カラヤンの生家、さらにマカルト橋を渡り、カフェやショップが並ぶにぎやかな通りゲトライデガッセ、モーツァルトの生家、大学広場、祝祭劇場、大聖堂、レジデンツ広場など歩き回り見学。
 
5月中旬というのに最高10度以下という冬の寒さで、セーターやコートなど着込む気候であった。
 
ミラベル宮殿は、もともとヴォルフ・ディートリヒ大司教と愛人との間に生まれた15人の子供たちのために建てたものらしい。
 
祝祭劇場は、大司教の厩として建てられた225mの長さを持つ長い建物がもとになっており、ザルツブルグ音楽祭のメイン会場になっている。
 
大聖堂は、大司教がローマのサン・ピエトロ寺院に匹敵するような巨大な教会を建てようと始めたもので、ザルツブルグ音楽祭の舞台の一部にもなっているようだ。
 
レジデンツは、これも大司教が町を「北のローマ」にしようと試みたものらしい。
 
なお、レオポルツクローン城は、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の主要なロケ地になっている。
 
また、ヘルブルン宮殿には、だまし絵があって面白い。
 
次に東一帯に広がるザルツカマーグートの山岳地帯を抜け、ハルシュタット(世界遺産)の小さな町でのんびりしたが、家々がハルシュタット湖の岸壁にへばりついているような風景は、素晴らしい。
 
ハルはケルト語で塩、シュタットはドイツ語で町を意味し、紀元前1400年ころから現在に至るまで岩塩が採掘されているらしい。
 
2)ウィーン
 
オーストリアの首都ウィーンの街区は、リングという環状道路に囲まれた内側が1区で、時計回りに番号が振られている。
 
リングの外側にあるハプスブルグ家の夏の離宮シェンブルン宮殿をまず見学。
 
「美しい泉」という意味だが、レオポルト一世の時代に、フランスのヴェルサイユ宮殿をしのごうと建設を始めたという。
 
部屋の端に陶磁器製と思われる背の高い置物のようなものがあるが、これは暖炉らしい。
 
次いで、ベルベデール宮殿では、下宮にあるオーストリアギャラリーで、グスタフ・クリムトの金箔をふんだんに使った作品など鑑賞できたが、日本の着物の影響や、浮世絵の画法などが採用されているようだ。
 
さらに、歴史地区のシュテファン広場から南へ続く歩行者専用道路ウィーンケルントナー通り、モザイク屋根のゴシック建築シュテファン寺院、グラーベン通りなどを見て回った。
 
グラーベンはもともと堀Grabenから由来し、中央のペスト記念柱は、10万人の死者が出たというペストの終焉に感謝しレオポルト一世が建てた三位一体像である。
 
コールマルクト通りの名は、木炭(コーレ)を売る市場だったことに由来するらしいが、現在は高級ブランドの歩行者専用道路になっている。
 
さらに、王宮(ホーフブルク)、正門の鉄細工が目立つミハエル門、フォルクス庭園、パリオペラ座、ミラノスカラ座と並び世界三大歌劇場の一つ国立オペラ座などを見て回った。
 
また、めぼしいポイントを走るHop-on Hop-offのバスに乗ってみると、全体の配置がわかりやすい。
 
夜には、シェンブルン宮殿内の宮殿コンサートで、モーツアルト、ヨハンシュトラウスの演奏を味わった。
 
3)ブダペスト
 
ハンガリーの首都ブダペストで、電気式では世界最初といわれる地下鉄に乗ってみた。
 
我々の感覚と違い、地下としては非常に浅いものである。
 
高さ36mの大天使ガブリエル像と足元のマジャール族隊長が立つ英雄広場、整然とした景観のアンドラシー通り、ハンガリー的なとんがり屋根の大小7つの塔を持つ白亜の漁夫の砦、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフとエリザベート皇妃のハンガリー王・王妃としての戴冠式が行われたマーチャーシュ教会、伝説の鳥トゥルルが入り口にある王宮、主塔に架けられた自転車のチェーン鎖のような構造が特徴的なくさり橋、ドナウ河畔の国会議事堂、ブダペストを代表するネオ・ルネサンス様式の聖イシュトヴァーン大聖堂などを見て回った。
 
1時間のドナウ川ナイトクルーズを楽しんだが、予想以上に橋、建物などのライトアップがきれいで、印象深いものとなった。
 
なお、ブダペストは温泉でも有名で、市内にゲレルト温泉他有名なものだけでも24あるらしい。
 
4)ブラチスラバ
 
スロバキアの首都ブラチスラバでは、ブラチスラバ城、旧市街のミハエルの門(武器博物館)、日本大使館もある中央広場(フラヴネー広場)、オペラ座、歴代ハンガリー国王の戴冠式が行われていた教会でマリア・テレジアもこの教会で戴冠したという、高さ85メートルの塔がある聖マルティン大聖堂などを見て回った。
 
ブラチスラバ城は、4隅に塔が立っているので「ひっくり返ったテーブル」との愛称で呼ばれており、ローマ時代の砦から始まり18世紀のマリア・テレジアの時代、宮廷にふさわしいバロック風に改築されている。
 
全体がコンパクトな街で、落ち着いた雰囲気が印象深い。
 
なおこの国は早々にEUに加入しユーロを採用しているので、ハンガリーやチェコのように独自通貨で苦労する点はないのも助かる。
 
5)レドニツェ(世界遺産)、プラハ、チェスキー・クルムロフ(世界遺産)
 
オーストリアとの国境に近い南モラヴィアのレドニツェに立ち寄った後、チェコの首都プラハに向かう。
 
プラハでは、14世紀カレル4世の時代に現在の形になったというプラハ城での衛兵交代式、ヴィート大聖堂、旧王宮、聖ミクラーシュ教会、ヴァルダヴァ川右岸旧市街とマラー・ストラナ(城下町小区)を結ぶ最も古いカレル橋、仕掛け時計のある旧市街庁舎、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココといくつもの時代にわたる歴史的建造物がそびえている旧市街広場、ハヴェル通りの真ん中にテントが張られたハヴェル市場などを見て回った。
 
ヨーロッパ最大の中世都市といわれるのがよくわかる。
 
クルムロフとは、ドイツ語でいうねじれた形の川辺の草地の意味らしく、15世紀に「チェコの」を意味するチェスキーが加えられてチェスキー・クルムロフの名となったらしい。
 
歴史地区の旧市街、チェスキー・クルムロフ城などを見て回った。
 
まさに中世からタイムスリップしたような感じで、非常に印象に残る。
 
6)マイセン、ドレスデン
 
以前ドイツの各地を回った際、訪れたことのあるドイツのマイセン、ドレスデンを再訪した。
 
マイセンの磁器工房でのデモンストレーションや、見事だが高価すぎて中々手の出しにくいショールームなどなつかしい。
 
ドレスデンのゼンパーオペラ(ザクセン州立歌劇場)、ツヴィンガー宮殿庭園、マルクト広場フラウェン(聖母)教会、ドレスデン城のマイセン磁器タイル壁画「君主の行列」なども再度見て回った。
             
ドレスデンを東西に流れるエルベ川の南岸は、高台のテラスになり北岸の景色を見渡せるようになっているが、アウグスト2世がここからの眺めを気に入って、持主のブリューゲル伯爵から買い取ってバルコニーをつくったので、「ブリューゲルのテラス」と呼ばれているらしい。
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