Quantcast
Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
Viewing all 1800 articles
Browse latest View live

ボストン・ダイナミクスのロボットに収益性はあるか

$
0
0
NY Times記事「ボストン・ダイナミクスのロボットに収益性はあるか」が面白い。
一方、シリコンバレーのコンサルタントTechMom海部 美知さんは、
「収益性、ない。軍事ロボットとしては、音がうるさすぎて使えなかったので、その後漂流。アメリカのロボット産業は、『ロボットが好きすぎる人』ばかりがやっていて、普通の人や企業の使い勝手よりも自分のロボット愛が先行するケースが散見され、私にはBDもその一つに見えてしまうのです。申し訳ないが。」
とコメントしているのは、的を射ていると思う。
 
1992年創業のボストン・ダイナミクスは今後1年以内に、同社初の商業用ロボットの発売を予定している。この機械仕掛けの大型犬は、驚異のテクノロジーと魅力に欠ける外見で人々を戸惑わせていたマシンにとって、1つの転換点になるだろうという。
 
スポットミニのようなロボットで何ができるのか、まだ明確にはわからない。そのためボストン・ダイナミクスは長年のあいだ、ある問題を避けて通れずにいる──自分たちは営利企業なのか、それとも研究機関なのか。
 
自動運転車などのロボット開発を幅広く推進していたグーグルは、2013年にボストン・ダイナミクスを買収。しかし、「ムーンショット」と呼ばれる先端技術の長期開発プロジェクトに挑むなか、わずか4年でボストン・ダイナミクスを日本のソフトバンクに売却した。
 
スポットミニの販売計画は、まだ漠然としている。自動車のような値段設定で──自動車は幅広い価格帯をそろえると、マーク・レイバート創業者兼CEOは言う──建設業界など企業向けに展開することになるだろう。険しい道を進み、人間が行くには安全ではない場所に荷物を運べるという。
 

 
イメージ 1

 
イメージ 2

 
イメージ 3

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁


時価総額で首位奪還 ジンクス破ったマイクロソフトCEOの功績

$
0
0
Forbes記事「時価総額で首位奪還 ジンクス破ったマイクロソフトCEOの功績」が興味深い。
 

 
イメージ 1

長期的に見たマイクロソフトの転換点は、CEOのナデラによる決断だった、ナデラはクラウドのインフラ市場に注力することで、市場の3分の1を握るアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)との差を詰めようとしたようだ。
 
ナデラの素晴らしいリーダーシップは、特に彼がどのように従来のパラダイムを捨てたかに注目すると明らかだ、従来のやり方ではオペレーションシステム(OS)を支配することにこだわっていたが、彼はその代わりにプラットフォームの支配に向け方針転換したというのはよく理解できる。
 
サーバーサイドOSとしてのウインドウズはもはや世界を制することができないと認めることが含まれ、さらにはマイクロソフト・アジュールの主要OSとしてのリナックスの採用にもつながった、これは見事な手腕だというのも尤もだと思う。
 
クリステンセン教授による独創的な“破壊的イノベーション”の理論は、世界中のCEOのイノベーションに対する考え方を変えた、中でもナデラは、これに正面から取り組んだ現代のリーダーの好例というのは間違いないだろう。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

MITとフェイスブックが挑む、40億人に『住所』を与える方法

$
0
0

MIT Technology Review記事「Four billion people lack an address. Machine learning could changethat.  MITとフェイスブックが挑む、40億人に『住所』を与える方法」によると、75億人とも言われている世界人口のうち、約40億人が物理的な住所を持っていないというのは、改めて驚きである。

 
イメージ 1

 
MITメディアラボとフェイスブックの研究者は現在、機械学習を利用して、住所のない場所の住所を指定する新しい方法を提案しているらしい。
 
住所生成方式が受け入れられるかどうかには、多くの異なる要因が関係するが、1つには、システムが国の文化と調和していなければならず、植民地支配的に強制されたシステムのような感じを与えてはならないことだというのは尤もだと思う。
 
さらに、(住所には)住民の読み書き能力と強い相関関係がある、また、一部の地域では、簡単に見つけられたくないと住民が思うほど、政府に対する不信感が強いというのもよく理解できる。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

グーグルX発のウィング、ドローン宅配をフィンランドで展開へ

$
0
0
アルファベット(グーグル)から独立したウィング(Wing)は、来春をめどに、フィンランドの首都ヘルシンキでドローン宅配を開始する予定らしい。

Alphabet’s Wing spinoff is about to launchdrone deliveries in Finland

 

 
イメージ 1

ドローンが運べるのは、最長で往復32キロメートル(20マイル)、最大1.5キログラム(3.3ポンド)の貨物までで、ごく小さな規模での試験的運用となる見込みのようだ。
 
ウィングは、フィンランドの潜在的なユーザーに対し、薬や食料品、ランチなど何を配達してほしいかも調査中で、フィンランドの天候を良いテスト場と見なしており、ドローンがここで配達できれば、どこででも配達できるはずだとしているらしい。
 
同社は過去18カ月間、オーストラリアの南東部でドローン宅配を既に試行しており、課題は減少しつつあるという。
 
アマゾンのジェフ・ベソスCEO201312月に、今後5年以内のドローン宅配の運用開始を約束したが、その期限には間に合わなさそうで、ドローン宅配は、技術者たちが当初考えていたよりも、はるかに困難であることが判明しつつあるようだ。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

中国が直面する「三つの罠」 中国の発展、イミテーションからイノベーションへの道

$
0
0
富士通総研 中国通セミナー「老いゆく中国社会の課題」での柯隆さんの講演、質疑内容が興味深かった。
 

 
イメージ 1

人口ボーナスから人口オーナスへの移行は、日本に数十年遅れながら中国で現実になるのは間違いないが、国内の極端な格差、介護保険などない基本的な制度上の課題などを、現在の一党独裁の国家体制の中で解決していけるのか、やはり疑問に思わざるを得ない。
 
また、富士通総研「China FocusNo.11の「中国の発展、イミテーションからイノベーションへの道」で、柯隆さんが、中国が直面する「三つの罠」を取り上げているのも興味深い。
 
1「中所得国の罠」
 
新興国が低賃金の労働力を原動力として経済成長し、中所得国に仲間入りを果たした後、自国の人件費の上昇や後発新興国の追い上げ、先進国の先端イノベーション(技術力など)との格差などにあって、次第に競争力を失い、経済成長が停滞する現象である。
 
中国がこのまま成長して先進国に仲間入りできるかどうかは、その技術進歩にかかっているというのは、的を射ていると思う。
 
最近の米中貿易戦争が覇権争いの兆候を示している状況は、中国側の積極的攻めの現われというより、危機感を反映した守り、焦りの姿勢も感じざるを得ない。
 
2)「タキトゥスの罠」
 
政府に対する国民の信頼が大きく失われると、真実だろうと嘘だろうと、政府が何を言っても国民に信頼されなくなる。
 
現在の中国社会は、まさに信頼の危機に直面しており、経済成長が大きく減速した場合、社会が不安定化し、共産党下野につながる可能性があると言っても過言ではないというのも、尤もだと思う。
 
3)「トゥキディデスの罠」
 
既存の覇権国家とそれに挑戦する新興国とのぶつかり合いが戦争状態をもたらす。
 
米中貿易戦争に当てはめれば、単純に貿易不均衡だから起きたというよりも、起きるべきことが起きたと言ったほうがよかろうというのもよく理解できる。
 
憲法改正で国家主席の任期制限が撤廃されたのは、習近平国家主席が第二の毛沢東になるためと言われているが、その指摘は間違いで、実はシンガポールのリー・クアンユーになろうとしているというのは、興味深い。
 
リー・クアンユー、名目上の民主主義、実質的な独裁政治を実現し、しかも東南アジアで最も輝かしい経済繁栄を実現することで、国民と周辺諸国の批判を見事にかわしている、これこそ習近平国家主席の夢だという指摘は、面白く説得力があると思う。
 
IT起業研究所TInvC代表 小松仁

映像で3Dモデルを自動生成 エヌビディアがトップ学会で発表した驚きの新技術

$
0
0
チップメーカーのエヌビディア(Nvidia)が開発した新しいソフトウェアは、ソフトウェア開発を楽にするだけではなく、実質現実(VR)の創作に必要なバーチャル環境の自動生成や、自動運転自動車、ロボットの教育などにも使えるもののようだ。

MIT Technology Review記事「AI software can dream up an entire digital world from a simplesketch 映像で3Dモデルを自動生成 エヌビディアがトップ学会で発表した驚きの新技術」(Will Knight AI担当上級編集者)

 
 
エヌビディアの研究者グループはまず、標準的な機械学習手法を使い、車や木、建物など、映像のシーンのさまざまな物体を識別した。その後、敵対的生成ネットワーク(GAN)を使い、現実的な3D画像の物体の輪郭を描くようにコンピューターを訓練した。
次に、異なる物体が存在する場所を示したシーンの概要を与え、かすかに反射したディテールを描き出す。物体には多少の歪みやねじれが見られる場合もあるが、その効果は素晴らしく、非常に印象的だという。
 
今回の研究は、モントリオールで開催中の大規模AIカンファレンス「NeurIPS(神経情報処理システム)」で123日に発表されたらしい。
 

 
イメージ 1

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

助かるのは金持ちだけ? 遺伝子療法が抱える根本的なジレンマ

$
0
0

MIT Technology Review記事「Two sickchildren and a $1.5 million bill: One 

family’s race for a gene therapy cure  助かるのは金持ちだけ? 遺伝子療法が
える根本的なジレンマ」(Antonio Regalado 生物医学担当上級編集者)の
容が興味深い。
 
遺伝子療法の進歩により、遺伝性のあらゆる希少疾患を治療できる可能性が
出てきたが、治療には莫大な費用がかかり、お金のある人や著名人だけが治
療を受けられるという深刻な倫理的ジレンマを生む可能性があるようだ。
 

 
イメージ 1

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

バージン、初の有人宇宙飛行に成功

$
0
0
会社設立から14年、バージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)がついに宇宙空間に到達したようだ。
MIT Technology Review記事「Virgin Galactic has reached suborbital space for the first time バージン、初の有人宇宙飛行に成功」
 

 
イメージ 1

バージン・ギャラクティックのツイッターによると、同社の準軌道(軌道に乗らない)宇宙船「スペースシップ・ツー(SpaceShipTwo)」は高度82.68キロメートルに到達したとのことだが、この高度は米軍が宇宙と定義している高度80キロメートルを上回るもので、米国航空宇宙局(NASA)が宇宙との境界として設定している高度らしい。
 
ただし、地球上空100キロメートルという、国際航空連盟(FAI)が定めた地球の大気圏と宇宙の境界線「カーマン・ライン」には届いていない。
 
飛行にはNASAのペイロード(積載物)も搭載しており、バージン・ギャラクティックにとっては初の収益となるという。
 
また、準軌道飛行は軌道飛行と比べれば必要な能力は少なく、宇宙旅行の可能性を切り拓く偉業ではあるものの、 スペースXやボーイングが来年実現しようとしている商業乗員輸送とは大きく異なるもののようだ。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 


NEC、和歌山県白浜で顔認証活用の「IoTおもてなしサービス実証」開始

$
0
0
NECが和歌山県白浜で顔認証活用の「IoTおもてなしサービス実証」を開始するらしい。

元々NECが持っていた顔認証技術の強みが、ここにも活きているようだ。
 
顔情報とクレジットカード情報などを登録し、ホテルや商業施設、オフィスなどに設置されたカメラから顔情報を検出し、登録された個人を特定することで、各種出迎え業務や、ホテルの客室の解錠、さらに商業施設でのショッピングや飲食店利用時の決済などが自動で行えるなど、利便性を高めることによる観光客の満足度向上を目指すという。
 
また、マーケティング分析(「属性推定実験(性別/年齢層)」や「移動経路分析実験」)も実施し、各施設での効果的なキャンペーンやデジタルサイネージ広告に利用、さらに、空港内の保安エリアへの逆流防止分析も実施し、安全・保安対策の高度化を通じた空港運営の生産性向上に寄与するという。
 
 

 
イメージ 1

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

石山アンジュさん、頑張っていますね

読まずに2018年を越せないベスト翻訳書はどれだ?

$
0
0
エッセイスト、洋書レビュアー、翻訳家、マーケティング・ストラテジー会社共同経営者の渡辺由佳里さんと、文芸エージェントの大原ケイさんが、「読まずに2018年を越せないベスト翻訳書はどれだ?」を挙げているのが面白い。
「ホモ・デウス」(ユヴァル・ノア・ハラリ)は、前作「サピエンス全史」が読み終わらないので、中々手につかない。

 
イメージ 1


2人とも推しの翻訳書
『パワー』ナオミ・オルダーマン(河出書房) 翻訳版で解説を書きました。
『恐怖の男 FEAR』ボブ・ウッドワード(日経)
『ホモ・デウス』ユヴァル・ノア・ハラリ(河出書房)
『生まれたことが犯罪!?』トレバー・ノア(英治出版) 翻訳版の帯を書きました。
『エレノア・オリファントは今日も元気です』ゲイル・ハニーマン(ハーパーコリンズ)
 
渡辺由佳里推し
IQ』ジョー・イデ(早川書房) 翻訳版の解説を書きました。
THE LAST GIRL』ナディア・ムラド(東洋館)
『何が起きたのか WHAT HAPPENED』ヒラリー・ロダム・クリントン(光文社)
『ザ・ヘイト・ユー・ギブ あなたがくれた憎しみ』アンジー・トーマス(岩崎書店)
SHOE DOG シュードッグ』フィル・ナイト(東洋経済新報社)
『奥のほそ道』リチャード・フラナガン(白水社)
『あのころ天皇は神だった』ジュリー・オオツカ(フィルムアート社)
 
大原ケイ推し
『地下鉄道』コルソン・ホワイトヘッド(早川書房)
『フェミニスト・ファイト・クラブ』ジェシカ・ベネット(海と月社)
『逃亡派』オルガ・トカルチュク(白水社)
『民主主義の死に方』スティーブン・レビツキ&ダニエル・ジブラット(新潮社)
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

経営者と官僚、政策提言でタッグ 新産業を後押し

“非市場戦略”巧者が生き残る時代 ~事業環境を変える新発想が海外展開の鍵に~

$
0
0
野村総研NRI社会システムコンサルティング部の水之浦 啓介さん、駒村 和彦さんが、「“非市場戦略”巧者が生き残る時代 ~事業環境を変える新発想が海外展開の鍵に~」で紹介している内容が興味深い。
  
戦略的意図を持って周囲に働きかけて、自社ビジネスに有利な法律やルールなどの事業環境を創り出そうというのが非市場戦略だとし、法制度、ルール、仕組みを創る、変える、味方やファンをつくるなど、自社に有利な状況をつくる「攻め」と、問題を未然に防止したり、問題が発生した時のビジネスへの影響を最小化したりする「守り」の2つの側面があるのも特徴だという。
 
非市場戦略をうまく実践している一例として、ネスレやスターバックスがあるという。
 
例えば、第三者機関の認証を受けて、児童労働問題に配慮しながら、カカオ豆やコーヒー豆の生産から輸入まで積極的に支援していることをアピールしているが、こうした活動はCSR(企業の社会的責任)や広報活動の一環ではなく、経営戦略の根幹となる要素だと経営層が捉えているようだ。
 
その結果、調達の仕組みやプライシング(価格設定)を変える、サプライチェーン全体を巻き込むといった、より踏み込んだ動きがとれ、結果的に、自社のファンを増やし、ブランド力も向上し、自社商品を中長期的に差別化できる環境を整えているという。
 
非市場戦略では自社を取り巻く環境について「4I」の視点で分析すると、具体的なアクションが検討しやすくなるといい、下記を挙げているのは参考になると思う。 

 
イメージ 1

1)課題(Issue
社会の中で自社はどういう存在であるべきかという観点で、地球温暖化、増税、賃金など自社に関係しそうな課題(Issue)を棚卸しし、洗い出した課題を時間軸に沿って並べ、自社にとっての優先度やインパクトの大きさを分析する。
 
2)組織・団体(Institution
各課題に影響力を持つ法制度や機関(Institution)を調べる。
 
3)利害関係者(Interest
その課題をめぐって利害関係のあるプレーヤー(Interest)を整理する。
 

(1)     情報(Information

影響を及ぼす対象者がどのような情報(Information)に注目するのかを検討する。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

ボヘミアン・ラプソディ

$
0
0
先日、遅ればせながら映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観たが、予想以上に満足できた。
 
ロックバンド「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳でこの世を去ったフレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマだが、劇中の楽曲には主にフレディ自身の歌声を使用しており、ラミ・マレックの熱演が強く印象に残る。
 
ゲイの世界でもあり、どうかなと思っていたが、どぎつい表現はなく良かったと思う。
 
 
イメージ 1

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

AIチップ開発競争に新局面、光学チップに賭けるスタートアップ

$
0
0
MIT Technology Review記事「Making AI algorithms crazy fast using chips powered by light AIチップ開発競争に新局面、光学チップに賭けるスタートアップ」(Will Knight 米国版 AI担当上級編集者)に、ライトインテリジェンス(Lightelligence)社の紹介が出ているが面白い。
 
 
イメージ 1

 
光を利用して計算を実行する光学チップの開発はこれまで失敗に終わってきたが、人工知能(AI)における深層学習の隆盛により成功を収める可能性が出てきたとし、光学チップは深層学習の中心となる行列乗算に適しているうえ、非線形的な性質を持つニューラル・ネットワークの計算にも秀でているからだという。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
 


加速する『原発離れ』 中国がとどめを刺す可能性

$
0
0

MIT Technology Review記事「China’s losing its taste for nuclear power. That’s bad news.  加速する『原発離れ』 中国がとどめを刺す可能性」(PeterFairley)の内容が参考になると思う。

 
Peter Fairley MIT Technology Reviewの契約編集者として、エネルギーのより懸命な使用こそ、気候変動を食い止めるカギだと考えています。10年以上にわたって、エネルギー関連の最新技術を追いかけ、ディスカバーやスペクトラム、ネイチャーなどの媒体に関わってきました。3分の1をパリからの記事に費やし、アジアやラテンアメリカ、アフリカでも働いています。2001年〜2013年にかけて、フェアリーは環境ジャーナリスト協会の理事および幹部を務めました。
 
 
世界が原子力利用から遠ざかろうとしている中、原子力をもっとも推進していた中国がそのコストと安全性の問題に直面しており、表向きは原発推進の立場を維持しているものの、原発大手さえも再生可能エネルギーへのシフトを始めているらしく、原子力のテクノロジーは、中国が見放すことで終焉を迎えるかもしれないという。
 
再生可能エネルギーへの移行と原子力からの撤退は、電力企業にとっては堅実なビジネス戦略かもしれないが、気候変動の脅威に面した世界にとっては無炭素発電という選択肢が1つ減ることを意味している面もある。
 
中国の原子力への野心が弱まった場合、世界の原子力テクノロジーの可能性にとどめを刺すことになるかもしれないという指摘は的を射ていると思う。
 

 
イメージ 1

 
イメージ 2

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

シリコンバレーの日系CVCが陥る、10のワーストプラクティス

$
0
0


スタンフォード大学アジア太平洋研究所Research Scholarで、「Stanford Silicon Valley - New Japan Project」のプロジェクトリーダーを務める櫛田健児さんが、大企業がスタートアップと連携する有力な活動形態であるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)が陥りがちなワーストプラクティスについて話している内容が興味深く参考になると思う。
 
 
イメージ 1

CVCの歴史的始まりは1914年、DuPontが上場前のGeneral Motorsに出資した時とされ、当時から1990年までのCVCは、大企業の事業多角化への取っ掛かりとして活用されていたという。
 
1990年代以降、アメリカの大企業がオープンイノベーションを推進する中で、CVCは新たなRDの手法として急速に注目されるようになり、大企業が新たな技術領域のスタートアップへ出資し、勝ちが見えたら買収するという方法ということらしい。
 
大企業にとって、CVCはスタートアップと付き合う有力な手段となるが、この他にも、たとえば、CVCの活動を通して新たな技術動向を把握したり、自分たちがディスラプトされる前に新たな技術・ビジネスモデルを導入でき、社内で起業家精神を醸成することにも活用できるという。
 
スタートアップ投資は、大きな工場を作るとか、中堅企業を買収するといったことに比べれば安く、大手企業の研究開発予算に比べても安いものであり、資金的なリスクが小さいので、日本の大手企業が、複数の戦略の一部としてCVCをやらない理由はないとしている。
 
1)目的が曖昧なままCVCを設立する。
CVCの場合、一般的にはフィナンシャルリターンだけでなく、ストラテジックリターンも得なければならないというミッションである。しかし、ストラテジックと言っても目的は様々で、M&Aのためのパイプラインなのか、R&Dのギャップを埋めるものなのか、違う分野から来るディスラプションを見張るためなのか、社内の意識改革のためなのか、それともIntelAppleのように自分たちのビジネスエコシステムを強化するプラットフォーム戦略の一環なのか、目的は様々となる。
 
2)チーム内にVC投資ができる人、事業部連携のできる人がいない。
 
3)投資チームにサラリーマン向けの報酬制度を適用する。
 
4)メンバーが「サラリーマンタイマー(3年任期)」で途中でいなくなる。
日本企業の駐在員制度は、CVCとは絶望的に合わない。なぜ3年任期がダメか、本来のトップVCというのは、そもそも10年のファンドの場合、急成長スタートアップが特大ホームランとなって大きなリターンを出すのは最後の方で、それまでは赤字であることが珍しくない。ポートフォリオとして考えたファンドのパフォーマンスはこの特大場外ホームラン一発にかかってる。最初の3年で立ち上げて投資をして、次の3年で多くの投資先を整理してそのほとんどを潰すか売り飛ばすということをする。そして最後の3年になって、一番急成長しそうなところがとことんマイナス収益になっているとして、そこで一気に猛烈な黒字化を目指して押し進めるか大型M&AIPOを狙うわけだという。
これを35年任期の日本企業駐在員がマネージしようとすると、最初の3年は投資先のポートフォリオがマイナスのままだと自分の評価がマイナスになるのを恐れる。ましては大手メディアに勘違いされるか、あるいは悪意のある形で「◯×企業、投資ファンド赤字」などと書かれると、VCの本質がわかっていない上司や上層部から批判される。そこで駐在員は場外ホームランではなくて短期間で黒字化できるシングルヒット、ツーベースヒット案件を狙うインセンティブが働くが、そんなに早くから黒字化できるような案件は、リスクも小さい分だけ事業インパクトも小さくなりがちである。
 
5)フィナンシャルリターンを追及しない。
CVCはストラテジックリターンがあるので、フィナンシャルリターンを最大化させる必要がないとするが、現実的にはフィナンシャルリターンがマイナスだと活動の継続は難しくなる。赤字の事業部が撤退させられるように、フィナンシャルリターンがマイナスのCVCも撤退の検討対象になるからである。
 
6)スタートアップは「お金に困っている」と思い込む。
シリーズBCくらいのスタートアップになると、それほどお金を必要としておらず、特に事業会社から資金調達しようと思っていない。スタートアップが事業会社に求めているのは、グローバルの販売チャネルであったり、量産化の技術であったりするわけで、スタートアップが本当に欲しいものを聞き、それを提供する姿勢が必要である。
 
7)大量の社内承認が必要で、いつも動きが遅い。
スタートアップはまだステージが早ければ早いほど、磨き込まれた資料を準備できていない。まだ資料や大企業スタイルの事業計画の完成度が低く、そういった資料を大企業内で回すと、ツッコミどころがたくさん出てきて、なかなか承認が取れないことになる。
この解決策としてはCFOCTOなどのライン一本でシンプルに決裁することだという。こういったエグゼグティブたちは大きな予算を常に見ているので、それに比べてスタートアップ投資の額は小さく見え、何百億、何千億円単位のプロジェクトを回している人からすれば、数千万円、数億円程度の投資はスピーディーに話が進むとしている。
 
8)とりあえずアクセラレータをやろうとする。
アクセラレータというのは、本当は来てほしいスタートアップほど来てくれないものだという。大企業からすれば「われわれは世界的な大企業だからアクセラレータをすればスタートアップも来るはずだ」と考えがちだが、一般的にCVCの評判が高くない中、なぜアクセラレータにスタートアップが来るのだろうか?、 優秀なスタートアップはY Combinatorではなく、大企業のアクセラレータを選ぶか? 、そんなはずはないという。
 実際のところ、来たスタートアップはプログラムに魅力を感じたというより、他に資金調達の選択肢がない可能性が高い。他に資金調達の選択肢がたくさんあるスタートアップの方がVCから優秀と見なされているわけで、急成長して競争相手を淘汰していく可能性が高く、逆説的だが来てくれないスタートアップにこそ投資するべきである。
 
9)トップのサポートがなく、CVCと事業部の連携が断絶する。
 
10)バブルの頃にやってきて業績が悪くなるとすぐに撤退する。
 
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

5Gをめぐる覇権争い 『インフラ』の先にある中国の本当の狙い

$
0
0
MIT Technology Review記事「China is racing ahead in 5G. Here’s what that means.  5Gをめぐる覇権争い

『インフラ』の先にある中国の本当の狙い」(Elizabeth Woyke 米国版ビジネス担当編集者)の内容が興味深い。

最近の中国通信機器メーカー大手ファーウェイ幹部の拘束も、背景には5Gを巡る米中の覇権争いがあると見られており、よく理解できる。
 
 

 
イメージ 1

1)どうして中国は5Gに全力を傾けているのか?
「国家の威信」が1つの理由だ。中国は5Gを、世界規模での無線技術開発をリードする最初のチャンスだと見ている。1990年代、欧州諸国は他地域に先んじて2G技術を導入した。2000年代初頭、日本は3G技術に先鞭をつけた。そして2011年、米国は4G技術の展開を独占した。だが今回、中国は先行者を追う立場ではなく、情報通信技術を主導する立場にある。
 
2)いかに中国はそれを実現するのか?
中国政府は、国内のモバイル通信事業者3社(チャイナ・モバイル、チャイナ・テレコム(China Telecom)、チャイナ・ユニコム(China Unicom))を統括し、北京、上海、深センを含めた数十都市に大規模な5G試験ネットワークを展開するように「先導」している。北京では、中国の通信事業者に5G通信用の幅広い周波数帯域を割り当てるための取り組みを熱心に進めてきた。米国をはじめとした多くの国では、事業者が規制当局に数十億ドルを支払ってごく一部の周波数帯域を使う権利を得ているが、それと比べれば(中国は)破格の条件だ。
 
3)中国において5Gで何が実現するのか?
中国は手始めに、スマート・シティとコネクテッド・カーで5Gを活用するつもりだ。その代表例が、中国政府が北京の混雑を緩和するため北京の南西129キロメートルの位置に建設中の新しい都市、雄安新区(クウシエン)である。チャイナ・モバイルとチャイナ・テレコムはすでに雄安新区での試験ネットワークの敷設を完了している。大手インターネット会社のバイドゥ(Baidu)を含む企業は試験ネットワークを、実質現実(VR)でのイベントのライブ配信や、房山区のような事故防止を目的とした自律自動車同士のデータ送受信に活用している。地方当局は開発者に対して遠隔医療や都市インフラに関連する5Gベースのアプリケーション開発を奨励し、中国企業は工場設備の相互接続性の向上とスマート化のために5Gを活用する意向だ。
 
4)中国企業は何を得るのか?
堅牢な5Gネットワークをいち早く構築できれば、中国は5Gを使ったサービスの開発と収益化の面で優位に立てる。ちょうど4G LTEの提供が始まったときに、シリコンバレーの企業がインスタグラム(Instagram)やウーバー(Uber)、ユーチューブのようなアプリで利益を得たのと同じだ。米国が最初に巨大なスケールで4Gを提供したからこそ、米国企業はいち早くその恩恵を受け、4Gを使ったアプリを世界規模で展開できた。中国製造業の中心地である深センは、5Gを使って大規模なデバイス群をクラウドに接続し、IoTの主導的立場を狙える位置にいる。
 
5)米国は出遅れたのか?
5G競争をどう定義するかで、答えは変わってくる。何らかの形での商用サービス立ち上げをゴールとするなら、米国は中国をリードしている。ベライゾン(Verizon)は自前の5Gサービス提供をすでに始めている。家庭やオフィス向け有線ブロードバンドの無線版とも言えるもので、10月から米国の4都市で提供中だ。AT&T2018年中に米国の12都市でモバイル5Gサービスを開始する計画だ。Tモバイル(T-Mobile )とスプリント(Sprint )は2019年中頃には5Gネットワークの提供を開始すると発表している。一方、中国の通信事業者による5Gサービスの提供は、2020年以降になる予定だ。
だが、主導的立場に立つために、国内のすべての主要都市で5Gを展開する必要があるとするならば、先行するのは中国だろう。中国のモバイル通信事業者向けインフラを提供しているチャイナ・タワー(China Tower)は、政府が周波数帯域を割り当ててから3年以内に中国全土に5Gを展開できるという。つまり、2023年には中国全土に5Gインフラを整えられるということだ。
米国ではより大規模なインフラ整備が必要なため、展開はおそらく非常にゆっくりしたものになるだろう。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

苦節10年で26億円を調達、カナダのロボット企業CEOが描く夢

$
0
0
カナダのケベック本拠のロボティック企業「Robotiq」が、約2300万ドル(約26億円)の資金を、ボストン本拠の投資企業Battery Venturesから調達したらしい。
 
同社は、様々な企業のロボットアームに取り付け可能な、カスタムグリップやカメラ、多様なセンサーの製造を行い、それらの機器を統合的に運用可能なソフトウェアも開発しており、企業らが独自のロボット設備を導入することを支援するようだ。
 
このソリューションをRobotiqは「コラボレーション・ロボティクス」と名づけ、ロボットが人間のそばで働くシチュエーションを想定しているという。
 
 

 
イメージ 1

同社が目標とするのは小規模な工場の作業を自動化し、そこで働く人々がより大きな目標に向けて歩みだすことを助けることで、「製造業分野では人手不足の問題もある、当社のシステムを導入することは、職場環境の改善にもつながる」としており、今後に期待したい。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

イーロン・マスクCEO、建造中の『Starship』先端画像をツイート

$
0
0
ITmedia「イーロン・マスクCEO、建造中の『Starship』先端画像をツイート」に、米宇宙開発企業SpaceXのイーロン・マスクCEOが紹介する、テキサスの砂漠で建造中の宇宙船「Starship」の画像が紹介されている。
 

 
イメージ 1

 
イメージ 2

Starshipは、昨年10月に「BFRBig Fucking Rocket)」というコードネームで紹介された、火星移住計画のための新型ロケットで、マスク氏はStarshipによる都市間移動サービスも構想しており、例えば東京・ロサンゼルス間を32分で移動できるとしている。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

Viewing all 1800 articles
Browse latest View live




Latest Images