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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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ARで宇宙船の組立てに異変 現実になった「未来の工場」

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MIT Technology Review記事で、“NASA is using HoloLens AR headsets to build its new spacecraftfaster”(ARで宇宙船の組立てに異変 現実になった「未来の工場」)とあるのが、興味深い。

Erin Winick 「仕事の未来(The Future of Work)」を担当する准編集者)
 

 
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ロッキード・マーチンは宇宙船の組み立て工程にARヘッドセットの導入を進めており、数千ページにも及ぶ紙のマニュアルからの脱却によって、製造業の未来は着実に変わりつつあるようだ。
 
宇宙船技術者は、計画が何度も延期されているNASAの超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(Space Launch System)」に搭載される予定の有人宇宙船「オリオン(Orion)」の作業工程で、マイクロソフトのヘッドセット「ホロレンズ(HoloLens)」を毎日使っているという。
 
「今から5年もすれば、効率的な製造現場はすべてこの手のARを使っていることでしょう」(製造統括責任者)というのも、尤もだと思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁


AIには「常識」が足りない DARPA新コンペの狙い

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MIT Technology Review記事で、“The US military wants to teach AI some basic common sense”(AIには「常識」が足りない DARPA新コンペの狙い)とあるのが、興味深い。
Will Knight 米国版 AI担当上級編集者)
 
人工知能(AI)の強力な手法である深層学習を使ったシステムでも、未だに愚かな誤りを繰り返しているが、その大きな理由の1つが、「一般常識の欠落」で、米国防高等研究計画局(DARPA)は、AIの重大欠陥を改善すべく、新たなコンペを実施することを発表したらしい。 

 
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IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

量子コンピューターのXデー 集まるカネとヒト、野心

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日経BP社シリコンバレー支局の中田敦さんが、「量子コンピューターのXデー 集まるカネとヒト、野心」で伝えている内容が興味深い。
 
QCウェアはソフトウエア開発者が使い慣れた「Python」「Java」「C++」といった既存のプログラミング言語を使って量子コンピューター向けのソフトウエアを開発できるツールなどを、一般企業や政府機関に販売しているという。
 

 
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量子コンピューターの研究者が「現在のコンピューターでは絶対に不可能な性能が発揮できる」と認める「万能量子コンピューター」が、すぐに実現するわけではないのは尤もだと思う。
 
万能量子コンピューターを実現するには「0」と「1」の両方が同時に存在する「量子ビット」のエラー訂正技術が不可欠であり、それには数百万個から数億個の量子ビットが必要とされ、万能量子コンピューターの実現は、まだまだ先のことだと考えられているようだ。
 
一方、グーグルや米IBMが数年以内に商用化する予定の量子コンピューターは、量子ビットの数が数十~数百個に限られ、量子ビットの数が少なくエラー訂正もできない「NISQ(ノイズがありスケールしない量子コンピューター)」と呼ばれるハードウエアという。
 
しかしグーグルやIBMは、NISQであっても特定の用途であれば、現在のコンピューターでは絶対に到達できない性能を実現できる可能性があるとの主張をし始めているらしい。
 
期待される用途の代表格が「量子化学シミュレーション」で、量子コンピューターを使って様々な化学反応を分子レベルでシミュレーションすることで、化合物の劣化を防いだり、より効率的に生成したりする方法を見つけ出すという。
 
分子の内部では量子力学の物理現象が発生しており、それを古典コンピューターでシミュレーションするのは困難だとされるようだ。
 
量子コンピューターを使って量子化学シミュレーションを実行するアルゴリズムは、カナダ・トロント大学のアラン・アスプル=グジック教授が考案したもので、17年に、量子コンピューター向けのアルゴリズムを開発するスタートアップの米ザパタコンピューティングを起業している。
 

 
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また、独フォルクスワーゲン(VW)は186月、量子コンピューターを使って実用的な新材料の開発を進めていると発表しているが、量子コンピューターを使った量子化学シミュレーションによって、高性能電池材料の化学構造を最適化、それによってVWにとって「オーダーメイド」の高性能電池の開発が可能になるという。
 
量子コンピューターが数年以内に実用的な性能を発揮するか否かは、現時点では不明だが、期待の段階で、ヒトとカネが猛烈に動き始めているらしく、半導体の集積度が上がり続ける「ムーアの法則」の終焉が近付く中、誰もがムーアの法則に変わるコンピューター処理性能の向上要因を求めており、量子コンピューターはその有力候補の1つであり、今後も期待は高まり続けるだろうという指摘は的を射ていると思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

アマゾン倉庫で考えた、ロボットに向く仕事と向かない仕事

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日経BPシリコンバレー支局の中田 敦さんが、米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)の本社があるシアトル近郊で、商品発送拠点「フルフィルメントセンター(FC)」を見学する機会を得、噂に聞く「棚を運ぶロボット」を直に観察すると、ロボットには向く仕事と向かない仕事があることを理解できたと伝えている内容が興味深い。
 

 
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 フロアには柵で囲まれて人間が入れないスペースがあり、そこには商品を満載した黄色い布製の棚「Pod」が数百~数千台並んでいる。そしてこの棚をロボット掃除機「ルンバ」を大きくしたようなオレンジ色のロボット「Drive」が、あちらこちらへと運んでいる。Driveはアマゾンが2012年に買収したキバシステムズ(Kiva Systems)、現アマゾンロボティクス(Amazon Robotics)が開発したものだという。
 
アマゾンのFCをじっくり観察すると、ロボットに向く仕事と向かない仕事があるのだということが分かってきた、アマゾンがロボットによって自動化している仕事とは、ざっくり言えば「人間にはやらせないほうがよい」仕事だったというのは面白い。
 
ロボットを導入した現在、商品が格納された棚は全て柵の中にあり、人間が近づけなくなっている。棚入れと棚出しは決められたスペースで行われており、そこは厳重に警戒されている。ロボットを導入した背景には、作業員による商品の窃盗を減らす目的もあったはずだという。
 
出荷ラベルの貼り付けも、顧客のプライバシーを考えれば、作業員にはやらせないほうが良い作業だ。アマゾンのFCで出荷ラベルは、箱詰めなどが終わった後で印刷し、ロボットが貼り付けている。それ以前のピッキング工程や箱詰め工程では、その商品が誰に配送されるのか作業員には分からないようになっているようだ。
 
 一方で、現在は人間が担っている棚入れや棚出し、箱詰めなどの作業は、ロボットには難しいタスクだ。商品の大きさや3次元的な形状を認識して、ロボットアームで落とさないようにつかむのは簡単なことではないというのは尤もだと思う。
 
社会的な善し悪しは別として、人間の労働力は季節変動させやすい。繁忙期にだけパートタイム従業員を雇用すればよいからだ。一方でロボットは終身雇用だ。繁忙期に合わせてロボットを導入したら、閑散期に遊ばせておくだけになってしまう。商品のピッキングが技術的に実現したとしても、ロボットがかなり安価にならなければ、コスト的に人間には勝てないだろうというのも、的を射ていると思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

「いかにしたら、もっとデジタル化することができるか」は間違った質問

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野村総研NRIの未来創発フォーラムで、此本社長の「デジタルが変える産業の未来」、IMDマイケル・ウエイド教授GlobalCenter for Digital Business Transformation所長)の「デジタル・ディスラプションのインパクトと日本企業」の内容が興味深かった。

 
特に、マイケル・ウエイド教授の「いかにしたら、もっとデジタル化することができるか」は間違った質問で、的確な質問は、「業績を向上させるために、デジタルをどう活用できるか?」であり、「デジタル戦略をどう構築できるか?」は間違いで「アジャイル戦略を構築するのに、デジタルをどう活用できるか?」が的確だというのは、尤もだと思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

全てをハエに賭けた」日本の企業「ムスカ」が挑む世界のタンパク質危機

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「全てをハエに賭けた」日本の企業「ムスカ」が挑む世界のタンパク質危機、というForbes記事が面白い。

 
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45年間かけて1100世代の品種改良したというのは、確かに壮大な事業だと思う。
 
すでに人間は、菌類を含めた様々な生物を利用しているが、まだほとんど活用されていないのが昆虫だという指摘は尤もだと思う。
 
いまは食料残渣の多くが焼却処理されるほか、畜糞は日本だけでも年間8,000万トンが排出されており、現在は広大な土地で23カ月かけて微生物によって分解されている、しかもこの処理でメタンガスなどの有害な発酵ガスが発生するが、イエバエの幼虫は、これらを食べてくれ、畜糞の窒素分を吸収し、消化酵素がかかった土は肥料に変換し、そのあと土から出た幼虫は乾燥して飼料にするらしい。
 
化学物質に頼らなくても、これまで不要とされてきた畜糞で動物や植物を育てることができ、イエバエの技術をうまく利用できれば、完全に自然な食物連鎖での食糧生産も実現するはずだという。
 
今年度末には、畜糞を1日に100トン処理できるプラントの着工に入り、イエバエで日本の食の未来を守れるよう、さらに事業を加速させるつもりというので、今後に期待したい。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

シリコンバレーに見るロボット・スタートアップ

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経済産業省、NEDO主催のWorldRobot SummitWRS)の中で、シリコンバレーのジャーナリスト/robonews.net 発行人の瀧口 範子さんが、「シリコンバレーに見るロボット・スタートアップ」という題で紹介していた内容が興味深く参考になった。

 

 
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IT起業研究所ITInvC 小松仁

居住と暮らしのイノベーション その歴史と未来

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Hitachi Social Innovation Forumの「持続可能な街づくり~居住と暮らしのイノベーション。その歴史と未来~」というテーマで、建築家 東京大学名誉教授の内藤 廣 氏と歴史家 東京大学史料編纂所教授の本郷和人 氏が話していた内容が興味深く参考になった。

 
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IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

日本国内のTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界の企業を対象にした、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率のランキング

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有限責任監査法人トーマツが、日本国内のTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界の企業を対象にした、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率のランキング、「デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 2018年 日本テクノロジー Fast 50」を発表しているが、参考になるかもしれない。
 
指標を収益(売上高)成長率としていることにより、企業規模によらない成長性を表わすランキングとなっているようだ。
 
受賞企業50社の3決算期売上高成長率の平均値は491%、成長率1,000%以上の企業が5社と受賞企業全体の10%を占めている。
 
事業領域別の構成比を見ると、最も多かったのがソフトウエアの19社で全体の38%2位がメディア(17社)で34%3位が通信(8社)で16%のようだ。
 
受賞企業の中で、ドローン開発、IoTデバイス等のハードウエア領域、医薬品・医療器具を取扱うライフサイエンス領域および遠隔監視による運営管理を展開するクリーンテック領域の企業が計6社含まれており、社会を支える様々な領域で、テクノロジーを基盤とした新しいサービスが生まれているようだ。
 
順位
会社名
事業領域

事業内容
(各社からの提供資料を基に記載)

成長率
受賞回数
所在地
1
ソフトウエア
オンラインファッションレンタルサービス
6,048.33%
 
東京都
2
メディア
スマートデバイス向けフルネイティブアプリ・ゲームの企画・開発
3,788.05%
 
愛知県
3
通信
CXプラットフォームKARTEの開発・提供
2,038.71%
 
東京都
4
メディア
インフルエンサーマーケティングのトータルソリューションを提供
1,476.37%
 
東京都
5
ソフトウエア
知能ロボットコントローラの開発、販売、インテグレーション等
1,251.14%
 
東京都
6
ソフトウエア
AI構築サービス
881.13%
 
東京都
7
ソフトウエア
プログラミング不要のアプリ開発プラットフォーム「Yappli」の開発・提供
691.45%
 
東京都
8
ハードウエア
産業用ドローンの開発・製造・販売
672.44%
 
愛知県
9
ソフトウエア
スマートフォンアプリ開発及びIoTプラットフォーム開発提供
514.77%
 
東京都
10
通信
クラウド型Webセキュリティ製品「攻撃遮断くん」の開発運用
495.72%
 
東京都
11
通信
個人の得意を売買するスキルのフリーマーケット「ココナラ」
493.02%
2
東京都
12 
ハードウエア
紛失防止IoTデバイス「MAMORIO」を活用した遺失物発見ネットワークの開発
484.30%
 
東京都
13 
メディア
ギフト・プレゼント市場へのテクノロジープラットフォーム展開
477.90%
 
東京都
14 
メディア
ヘルスケア製品のDtoC
348.91%
 
東京都
15 
通信
ゲームサービス事業
303.42%
東京都
16 
ソフトウエア
飲食店向け 予約/顧客台帳サービス
297.74%
東京都
17 
ソフトウエア
大規模データ分析技術をコアコンピタンスに、サービス開発を行う
295.16%
 
東京都
18
通信
モバイルゲーム事業、ライブエクスペリエンス事業を展開
268.23%
東京都
19 
メディア
航空券等の一括検索が可能なオンライン旅行会社
248.84%
東京都
20
ソフトウエア
機械学習技術等を利用したアルゴリズムの開発及びライセンス提供
219.35%
東京都
21 
メディア
フィンテックプラットフォーム事業とフィンテック化支援
181.31%
東京都
22 
ライフサイエンス 
医薬品及び医療機器事業を多国籍展開する日本に上場の製薬企業
160.50%
東京都
23 
ソフトウエア
勤怠管理、経費精算、工数管理等を一体化したクラウドサービス
152.29%
東京都
24 
メディア
価格相場データを活用した在庫流動化支援事業
152.25%
 
東京都
25 
ソフトウエア
ソフトウエアテスト及びソフトウエアの品質保証に関するコンサルティング
148.55%
東京都
26 
ソフトウエア
サブスクリプションサービスの開発・販売
142.70%
東京都
27 
ソフトウエア
Web電話帳ソフトをメインとした電話関連ソフトの開発及び販売

人気プログラミング言語、トップ10

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マイクロソフトが約75億ドルで買収を発表したGithubは、オープンソース・ソフトウェア開発において、中心的な存在となっているスタートアップで、プログラミング言語のトレンドを追跡しているらしい。
 
同社が毎年発表するレポート「Octoverse」を見れば、ソフトウエア開発の最前線の動向を知ることができるといい、プログラマーの大きなコミュニティが複数存在し、プログラマーのFacebookとも言われているようだ。
 
GitHubによる、人気プログラミング言語は次のようなっている。
 
10 Ruby(ルビー)
Ruby(ルビー)はシンプルさに注力した、動的なオープンソースのプログラミング言語。我々が毎日使うようなアプリの構築に使われている。
 
9 C
最も古いプログラミング言語の1つで、1970年代に開発された。現在でも史上、最も広く使われたプログラミング言語の1つになっている。
 
8 Shell
Shell scriptは、特定のコマンドを実行するようOSに指示するためのコンピュータープログラムで、ファイルの操作、プログラムの実行などができるが、特にシステム管理者に人気。
 
7 TypeScript
人気のJavaScriptに似た言語で、JavaScriptのスーパーセット(上位互換)となっており、大規模アプリケーションの開発に適している。
 
6 C#Cシャープ)
C#はマイクロソフトが開発、企業で使われるエンタープライズ向けアプリケーションやソフトウエアの構築に使われている。Javaに似ている。
 
5 C++
C++の起源は1970年代末まで遡り、コンピューターサイエンスの初心者コースで広く教えられている。
今でも最も広く使われている言語の1つで、多くのオペレーティングシステム、ブラウザ、ゲームにとって中核の言語となっている。
 
4 PHP
PHPは動的でインタラクティブなWebサイトの作成に使われる。フェイスブック、ヤフーといった規模サイトがPHPを使って構築されている。
だが開発者からはずっと、最悪のプログラミング言語の1つとも言われている。「自転車なしの補助輪」と呼ぶ人もいる。
 
3 Python
Pythonは、高度なプログラミング言語で、最も急速に成長している言語の1つ。
簡単に使い始めることができ、しかもマシンラーニングやデータ解析といった高度なプログラミングにしばしば使われる。
 
2 Java
Javaはサン・マイクロシステムズが開発した言語、今はオラクルがその権利を保有している。
データベース、アンドロイド・アプリの開発、Webの「バックエンド」システムの開発、デスクトップ・アプリケーションなどの開発に使われている。
 
1 JavaScript
インタラクティブなプラグインやWebサイトの構築など数多くの場面で使われている。奇妙なことだが、Javaとは名前以外にほとんど関係がない。
 

 
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IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

分子コンピューティングへの一歩、DNA回路の挙動を実証

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MIT Technology Review記事「DNA-based molecular computing will pave the way for programmablepills

分子コンピューティングへの一歩、DNA回路の挙動を実証」が、興味深い。
 
シカゴ大学の研究者が、生体細胞が環境を感知したり、感知した情報を伝達したりする際に使用する分子信号の変化を測定する方法を開発し、分子回路の挙動をシミュレーションで実証したという。
 
将来的には、細胞から特定パターンの信号を受け取ったときにだけ薬剤を送達するDNA折り紙の錠剤などへの応用が考えられるようで、今後の展開を見守りたい。 

 
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IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
 

人は死ねない恐怖に怯え、ロボットは葬式を迎える

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大阪大学石黒浩教授が、2050年に医療技術はどこまで進歩しているか、「あなたは68日後の朝、80%の確率で肺がんで死ぬでしょう」、こんな宣告が当たり前になる、医療技術はますます進歩し、自分の死ぬ時期や死因が怖いくらい正確に予期できるようになるはずだと、「人は死ねない恐怖に怯え、ロボットは葬式を迎える」で話している内容が、面白い。
 

 
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IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

どうやって『信用』を構築すればいいのか

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宋文洲さんが、論長論短 No331で、「どうやって『信用』を構築すればいいのか」を話しているのが、参考になると思う。
 
「信用」はまさに組織の核です。それを作り出すことこそ経営者の最も重要な役割です。
 
他人を信用できない人はどうすればいいのか。コツはあります。それは他人を信用しているフリをすることです。その上で、たとえ裏切られても命取りにならないよう、リスクコントロールをしておけばいいのです。
 
「三国志」にこんな記述があります。ぎりぎりの戦いに勝った曹操が、敵陣から大量の書類を押収し、その中から自らの部下が敵に送った手紙を見付けます。しかし曹操は封を開けることなく、全て焼却するよう命じたのです。
 
一見、信用できない人間を見付けるいい機会だと思ってしまいますが、曹操にしてみれば、戦の結果が分からない時に、負けた時の準備をする部下が出てくるのはやむを得ないのです。リーダーに何より求められるのはとにかく勝つこと。勝利を重ねることでリーダーとしての信用は自然に増し、部下の動揺も減っていくのです。
 
中国ではリーダーの心得として「用人不疑、疑人不用」という諺があります。「使う人を疑わず、疑う人を使わず」という意味ですが、その本質は、信用できない人を信用するふりをして使いこなし、どうしても使えない人材を外せということです。こうした過程で起きた心労は経営者としての成長の肥やしにするしかありません。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

エンタメ界に異変、死後も稼ぎ続けるデジタル俳優たち

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CGIComputerGenerated Imagery)の進歩は、著名な俳優が年齢や死に縛られなくなることを意味し、デジタルで復活した俳優たちが、本人の死後も稼ぎ続けることになりそうだと、MIT Technology Review記事「Actors are digitallypreserving themselves to continue their careers beyond the grave エンタメ界に異変、死後も稼ぎ続けるデジタル俳優たち」が伝える内容が面白い。

 
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のキャリー・フィッシャーからワイルド・スピード・シリーズのポール・ウォーカーまで、死後に魔法のように「若返った」俳優たちが映画のスクリーンに登場する機会が増え、時として彼らは舞台にまで登場しているという。
 
一部の俳優や映画スタジオは、スキャニング技術で役者を3Dデジタルで複製保存するのが当たり前になるという避けがたい未来に向け、熱心に準備しており、スターが困ったことに亡くなってしまったとしても、世代を超えた大作の独占販売権で大金を稼ぎ続けられる、適切なテクノロジーにしかるべき金を掛ければ、スーパースターも人気キャラクターも永遠に金を稼げる存在になるというわけである。
 
ビジュアル・エフェクト専門会社のデジタル・ドメイン(Digital Domain)は、宣伝はしていないが個人のセレブも顧客として抱えているらしい。
 
数百個もの球体状に配置された専用LEDライトを使用して、その人の顔をあらゆる角度から毛穴に至るディテールまでキャプチャーし、数秒間で大量の画像を記録でき、光はさまざまな色を放射し、屋外のあらゆる条件をエミュレート、これによって、ディテールに優れ、色味や影、反射の度合いなどが正確な肌の質感を実現できるようだ。
 
2019年に公開予定の『キャプテン・マーベル』に出演しているサミュエル・L・ジャクソンのように若い頃の自分をスキャンしておくことで、その頃の役も自分で演じられるようになるし、自分の画像をスタジオとライセンス契約しておくことで、死後も家族に収入を与えられるかもしれないという。
 
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IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

松尾 豊特任准教授「AIをめぐる世界の現状と日本企業の戦い方」

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フューチャー イノベーション フォーラム(代表:牛尾治朗・ウシオ電機株式会社会長、金丸恭文・フューチャー株式会社会長兼社長)のイノベーションワークショップ2018で、東京大学大学院 工学系研究科 松尾 豊特任准教授が、「AIをめぐる世界の現状と日本企業の戦い方」を講演した内容が参考になると思う。
 
ディープラーニングはコンピュータの進化によって実現し得た新しい技術だが、原理は簡単で、一言でいうと「深い関数を使った最小二乗法」である。最小二乗法とは予測値と実際の値との差が最小になるようにパラメータを求める方法で、経済学で使用する「重回帰分析」などの関数では多くても数十個の変数が、ディープラーニングでは、関数の構造を2層、3層、4層とより深く組み立てることで、数万~数億個にのぼる変数を処理していく。
原理はシンプルだが汎用性は非常に高いという点において、ディープラーニングは産業に変革を起こした電気やトランジスタ、インターネットに匹敵する汎用目的技術だといえる。たとえば1980年代後半に誕生したインターネットは「リンクで文書をつなぐ」という単純な仕組みだが、次々に新しいビジネスを生み出し、誕生から20年程で巨大産業へと発展した。同様に2006年に注目されはじめたディープラーニングも技術のコモディティ化が進んでおり、近い将来、一大産業になると確信している。すでにAmazonGoogleなどはディープラーニングを積極的に活用しているが、まだディープラーニングを使ったビッグビジネスは出てきておらず、日本企業にも大きなチャンスがある。
 
ディープラーニングでは“自分好みの生活をしたい”という欲求を満たす最終消費に関わる産業が、プラットフォーマーになる可能性が高い、というのは興味深い。
 
AIの活用で効率化・自動化が進んでも、衣食住や教育、医療など人がお金を払いたいと思う産業は最後まで残り、消費行動もパーソナライズされていくからだとし、そういう意味で、とくに日本の食産業には大きな期待をしている、日本の食は非常にレベルが高く、積極的な投資で食のプラットフォームを築いていけば、世界で十分に戦えるはずだ、というのは尤もだと思う。 

 
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デザインシンキングなんて糞くらえ

アルファベット研究部門「X」のトップが語る未来 有望事業がXを「卒業」する条件とは

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米グーグルの親会社、アルファベットの研究部門「X(エックス)」が追求してきた「ムーンショット」(グローバルな問題に対する革新的な解決策)の成果は一様ではないなど、Forbes記事が伝えている内容が面白い。

眼鏡型ウエアラブル端末「グーグル・グラス」が、イノベーションの失敗例とされる一方で、2016年にXからスピンオフ(分離・独立)した自動運転車開発部門「ウェイモ」は、モルガン・スタンレーの最新の試算で評価額が17500万ドル(約197億円)に達した(アルファベットの時価総額の5分の1に相当)らしい。
 
今夏、さらに2つの有望なプロジェクトがXから「卒業」したといい、「ウイング(Wing)」は大型の凧(たこ)くらいの自動飛行ドローンを使い、食品や医薬品を配達する取り組みで、オーストラリアの地方部でサービスを開始、一方、「ルーン(Loon)」は、気球を使って上空からインターネットアクセスを提供、昨年、大型ハリケーン「マリア」が襲来し、インフラが打撃を受けたプエルトリコではこれが活躍したという。
 
Xを卒業する唯一にして最大の理由は、将来のリスクが「実行」にあることで、彼等が並外れて得意なのは、実験であり、正しい方向に進んでいるかを絶えず自問している、解決策はおろか、課題が何であるかもわからない初期段階は、それが非常に有効となる、だがひとたび課題を理解し、解決中の問題が何であるかが明確になると、その先のハードワークの中心はそれをふさわしい方法で実行することで、それは彼等の仕事ではないとしているのは、よく理解できる。
 
アルファベットの研究部門「X」を率いるアストロ・テラー氏

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「プロジェクト・ルーン」の気球の頭脳部分。インターネットアクセスを提供する間、空中を飛行するのに必要な電子機器が、銀色の箱に格納されている
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「プロジェクト・ウイング」の自動飛行ドローン。X本部にある人工風洞の中で荷物を運ぶ実験を行っている
 
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IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

デジタル化がもたらす製造業への衝撃

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経済産業研究所RIETIBrownBagLunchセミナーで、MK&Associatesの河瀬誠代表が、デジタル化がもたらす製造業への衝撃について論じている内容が、興味深く参考になると思う。

 
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産業がデジタルの波に乗った瞬間、すべてがそのスピードで変化していくので、今ある産業の形は破壊されてしまいます。指数関数で変化する世界では、今を見ても未来は読めません。われわれは、どうしても線形で未来を予測してしまうのですが、デジタル化した世界では、現在到底不可能だと思われることが、いつの間にか普通にできてしまいます。産業や技術の未来を予測するときには、現時点では難しいことも、5年後、10年後にはは当たり前にできている、と考えなければなりません。
 
今は1万円するCPUのチップも、10年後に110円になればペンや衣服のボタンなどにもどんどん入ってくるはずです。そうして集めた情報は、クラウドで処理されます。例えばGoogleは、日本のサーバー出荷数の20年分に相当する1000万台のサーバーで情報を処理しています。GAFA+BATGoogleAmazonFacebookApple + BaiduAlibabaTencent)は、こうした巨大な情報処理能力を駆使して、人工知能(AI)の一種である「深層学習」を進化させています。
 
パターン認識は、自動音声認識や自動翻訳にとても有効です。現在では、英語と中国語はほぼ完全に音声認識できます。また英語と中国語は構文も非常に似ているので、自動翻訳の精度も非常に高いようです。昨年開かれた国際カンファレンスに出た友人も「複数話者の話す背景の画像に、リアルタイムの英語と中国語の翻訳が流れていた」と話していました。日本語は、かなり難しい言語で開発も数年は遅れていますが、数年先には自動音声認識と自動翻訳が当たり前になるはずです。
 
深層学習はパターン認識をしているだけなので、意思を持ったり、価値観を考えたり、直感を含む総合判断をすることは不可能です。いわゆる「AI経営者」というものは当面登場しそうにありません。しかし、主にパターン認識的な仕事をしている知的専門職は、これから「AI管理者・AI専門職」に置き換わっていく、怖い世界を迎えるかもしれません。
 
デジタル化は、これから第二次産業に対しても、大きなインパクトを与えていきます。ひとつは「製品のデジタル化」です。次が「製造工程のデジタル化」です。それから、量子コンピュータもモノづくりに大きな影響があります。今まで分子構造の計算には莫大な計算量が必要でしたが、量子コンピュータの性能(量子ビットの長さ)が上がると、一発で解を出せる可能性があります。長年の知見の蓄積を強みとしてきた日本の素材産業も、この流れに対応する必要があるでしょう。
 
自然エネルギーが主役になると、エネルギーは定額制になります。太陽光パネルも蓄電池も風力も、設備を設置すれば勝手にエネルギーを産出するので、比例費がかかりません。インターネットで国際電話が無料になったのと同じ仕組みです。容量以内ならば、いくら使ってもエネルギーは同じ値段、実質的に無料、という世界がやってくるでしょう。ところで、太陽光パネルもリチウム電池も、当初開発したの日本企業です。10年前には日本企業が両方共トップに立っていましたが、今では太陽光発電の世界トップ10に日本企業は入っていません。市場が急拡大するところで、大規模投資ができなかったのです。技術が優れていても、経営判断を間違った事例だといえます。
 
技術開発以上に、私が最大の問題と認識しているのは、経営者の力です。日本企業は、例えると「軍曹」がそのまま経営者になっている会社が少なくありません。経営者と軍曹は違います。軍曹は、戦術や戦闘に長けています。敵が強かろうが弱かろうが、とにかく突撃して果敢に成果を上げることが仕事です。一方、経営者は、限られた武器と人員、つまり持っている技術やお金、また技術者という資源をどこに集中させ、勝っていくのかという「戦略」を考えることが仕事です。戦場(市場)を見て、攻めるべきところは果敢に攻めますが、戦略に関係ないところでは無駄に戦って資源を浪費してはいけないのです。ところが、日本の企業の多くでは軍曹が経営しているから、すべて市場や技術において「頑張れ」とか平然と言います。
 
経営者がすべき最大の仕事は、事業の構造転換です。「問題児(新規事業)」「スター(成長事業)」「金のなる木(成熟事業)」「負け犬(衰退事業)」からなる、ポートフォリオ・マネジメントというフレームワークを聞いたことがあると思います。今のポートフォリオを転換し、未来のポートフォリをどう創造するか考え、決めることこそが経営です。「金のなる木」がある間に、きちんと次世代の「スター」を育てることが経営者の務めです。しかし今、多くの経営者がしていることは、昔のスター事業である、「負け犬」事業の延命です。実際にポートフォリオを書いてもらうと、多くの企業が、負け犬にお金も人材もつぎ込んでいて、スターを生み出すことが全くできていません。
 
イノベーション(新規事業)とオペレーション(既存事業)とは、まったくの別物です。オペレーションは、成功する方法が予め分かっていて、それを愚直に正しくやり続けるもの。失敗は基本的には許されません。それに対し、イノベーションは成功する方法を見つけることが仕事であり、最後のそこに辿り着くまでは失敗を続け、チャレンジするしかないのです。高度成長時代には、何もないところから事業を立ち上げた経営者がたくさんいました。かれらは失敗を通じて新たな事業を作ってきたのです。でも、そういう経営者がリタイアし、今では「言われたことを一生懸命やります」「お客さんを1から100まで回ります」という人が会社を経営していることがほとんどです。イノベーションの本質を理解する経験のない経営者は、既存事業の頭で考えて、新規事業をことごとく潰してしまいます。
 
日本企業に最も必要なのは、リーダーたる経営者の育成です。多くの企業は、マネージャー(管理者)とリーダー(経営者)の違いをほとんど分かっていません。マネージャーとは今のことを一生懸命やる人です。社内の9割はこういう人で良いのです。しかし、否応なく変化する事業環境の下、同じ業務を続けている会社は衰退・消滅します。新たなビジョンを目指し、今あるものを変えていくことこそがリーダーたる経営者の使命です。マネージャーは、他人が決めたルールの下で真面目に頑張ればオーケーです。しかし、マネージャーのメンタリティのままの経営者も少なくありません。経営者こそ、自分で道を開いていくことが求められるのです。日本には優秀なマネージャーがたくさんいますが、マネージャーがいくらいてもイノベーションは何も起きません。日本企業に必要なのは、ひとえにリーダーなのです。ぜひともリーダー育成を大きなテーマとして掲げてほしいのです。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

MaaSは最大の課題、アウディと日本企業に共通する悩み

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日経BPシリコンバレー支局の中田 敦さんが、「MaaSは最大の課題、アウディと日本企業に共通する悩み」を伝えている内容が興味深い。
 
自動車産業に大きなデジタル変革の波が押し寄せている。電動化や自動運転、MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)などで先行するシリコンバレー企業に、伝統的な自動車メーカーはどう対抗していけばよいのか。ドイツの高級車メーカー、アウディ(Audi)のデジタル変革担当者が漏らした本音は、日本企業にも共通する悩みだった。
 
1015年の長期スパンで見ると、アウディが100%サービスの会社になっている可能性もある」。日本メディアとのインタビューに応じたアウディ技術部門で戦略責任者(Head of Strategy)を務めるトーマス・カムラ(Thomas Kamla)氏は、MaaSの実現も同社にとって大きな課題だと話す。
 

 
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IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

Googleは家庭向けロボットを開発!? 先行するAmazonを追随する

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シリコンバレーVentureclefの宮本和明さんが、「Googleは家庭向けロボットを開発!? 先行するAmazonを追随する」と紹介している内容が、興味深い。
 
Googleは家庭向けロボットの開発を進めていると噂されている。AIスピーカー「Google Home」は人気商品で、多くの家庭で使われている。GoogleAIスピーカーを駆動型にしたロボットを開発しているとみられている。ロボットは家の中を自律的に走行し、タスクを実行することとなる。
 
Amazonは「Vesta」という名前でロボットを開発している。これはAmazonの人気商品Amazon Echoを駆動型にしたモデルである。GoogleVestaに刺激を受け、ロボット開発を再開したとみられる。AIスピーカー市場ではAmazon EchoGoogle Homeが競い合っているが、今度はロボットで両社が鎬を削る。両社ともロボット技術はまだまだ未成熟であるが、商品化に向けての開発が進み、大きなブレークスルーが期待される。
 

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IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

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