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パリ協定離脱の真相はブレインの不在、トランプ政権の危うい科学技術政策

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Ventureclef代表の宮本和明さんが、「パリ協定離脱の真相はブレインの不在、トランプ政権の危うい科学技術政策」で伝えている内容が興味深い。
 
大統領は離脱の理由をアメリカ経済を優先するためと説明したが、脱退の狙いはトランプ支持者にアピールし支持基盤を固めるためといわれており、問題の根は深く地球温暖化対策だけでなく、トランプ政権の科学技術政策も危うい状況にあるという。
 

科学技術分野に関して、Office of Science andTechnology Policy (OSTP、アメリカ合衆国科学技術政策局) のポストが空席のままらしい。

 
OSTPとは大統領の科学技術政策に関するブレインで、その長官は米国政府のCTOと呼ばれており、トランプ政権では科学技術政策を立案するためのアドバイザーがいない状態が続いていることになる。
 
トランプ大統領は、政策のアドバイスをホワイトハウスではなく外部シンクタンクに求めているようだ。
 
その一つが、1973年に設立され共和党の政策立案に大きな影響を与えてきたHeritage Foundationという保守系シンクタンクらしい。
 
大統領がシンクタンクに意見を求めるのは常套手段らしいが、OSTPという行政府組織ではなく特定方向に強い意見を持つシンクタンクのアドバイスを受け入れているわけで、行政府の機能を飛び越し特定のシンクタンクの意見だけで政策が立案されるのはバランスを欠いている、という指摘は、尤もだと思う。
 
連邦政府の方針とは独立にカリフォルニア州やハワイ州などは独自で地球温暖化防止政策を推進しているようで、カリフォルニア州知事Jerry Brownは中国習近平と会談しクリーン技術開発を進めている、というのは面白い。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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網膜の仕組みを模倣、VRを高精細化する新技術が登場

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MIT Technology Review記事「網膜の仕組みを模倣、VRを高精細化する新技術が登場」(Rachel Metz 米国版 モバイル担当上級編集者)の内容が興味深い。
 
オキュラス・リフトをはじめ、マイクロソフトのホロレンズ(HoloLens)やHTCのヴァイブ(Vive)など、VRARに使用するヘッドセットの画面の解像度は、ここ数年間で大幅に向上したが、依然として、これらの画質は、実生活で私たちが見ているイメージにはほど遠いという。
 
フィンランドのスタートアップ企業ヴァリオ(Varjo)は実質現実と拡張現実(AR)のヘッドセットの画像の解像度を大幅に改善することで、多くのユーザーにとってより魅力的で、専門家にとってより有用にしようとしているらしい。
 
ヴァリオは設立から1年も経っていないが、すでに実質現実/拡張現実向けの試作品に取り組んでいるようだ。
 
建築家やデザイナー、3Dモデルを取り扱う人向けにヘッドセットの初期バージョンを作成し、2017年末にはいくつかの企業に試してもらう計画で、2018年には専門家のユーザー向けに販売を開始する考えだという。
 
基本的に、画面の小さな領域に、他の部分よりもずっと多くのピクセルを配置しているらしく、この仕組みは、中心窩レンダリングと呼ばれる技術に似ていて、眼の網膜上の点である中心窩のように、目の焦点が合っている視野の中心部に最高解像度の画像を表示し、周辺部には低解像度の画像を表示するものらしい。
 
しかし、うまくいくためには(少なくとも利用者が吐き気や不快感を覚えなくなるためには)、非常に正確なアイトラッキング技術が必要になると考えられるため、ほとんどまだ研究段階にあると評価しているのは、尤もだと思う。 

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VRAR技術に取り組むスタートアップ企業ヴァリオが試作したヘッドセットの画像と、通常のオキュラス・リフト(Oculus Rift)の画像の比較(同社の提供による)。ヴァリオの試作品は、オキュラス・リフトヘッドセットを改良したもの。



 

世界のロボティクス市場に関する調査レポート「Gaining Robotics Advantage」(BCG)

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経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループBCGが、世界のロボティクス市場に関する調査レポート「Gaining Robotics Advantage」を発表している。
 
2014年に670億ドルと試算した2025年の世界のロボティクス市場の市場規模を、最近のロボティクス市場のトレンドを考慮して推計し直し、870億ドルに上方修正しているようだ。
 
主な要因は消費者向けロボティクス市場の急拡大で、2014年時点では90億ドルと推計した消費者向けロボティクスの2025年の市場規模を、今回、230億ドルへと大幅に予測を修正している。
 
まず、ロボティクス市場への民間投資が急拡大しており、2014年から2015年にかけて3倍に増えているらしい。
 
自動運転車や、自動掃除機等の家庭向けデバイスの普及が、消費者向けロボティクス市場拡大の主な要因としている。
 
ロボット活用を検討する際には、人材配置、製品ラインナップ、生産拠点等のビジネスモデルを考え直す必要があり、最も効率的な労働者とロボットの労働力の組み合わせを特定し、これまでと全く異なるビジネスモデルを構築することによって、ロボットを競争優位の源泉とする必要があるという指摘は、的を射ていると思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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最低の起業意欲が何を示唆するか

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宋 文洲さんが、メールマガジンで「最低の起業意欲が何を示唆するか」(論長論短 No297)と論じている内容が、興味深く参考になると思う。
 
2006年に村上ファンド事件が起き、ソフトブレーン㈱は上場企業で唯一同氏を社外取締役として選任していたことで世間から逆風にさらされたらしい。
 
村上ファンドと共に堀江氏も世間の批判の的になって、新興ベンチャー全体がイメージの悪化と共に不人気の時代に突入した状況は、今でもよく覚えている。
 
年配の保守派重鎮たちが「やっぱり我々じゃないと日本がダメになる」のような態度で全面的に復活を成し遂げ、戦後最大のベンチャーブームに水を差し続けたので、その悲しい状況をみて、宋 文洲さんは10年以内に日本が面白くなくなると思って43歳で日本の経済界から抜けたのだという。
 
総合人材サービスのランスタッドの起業に関する調査によると、中国社会における起業意欲のレベルは世界平均とほぼ同じだが、問題は日本の起業意欲が調査の33カ国の中で最下位という。
 
特に1824歳の若年層を見ると「より多くの機会を得られるので起業したい」と答えたのはたったの28.3%であるが、これに対して世界の平均は63.8%で、また、創業初期の企業で働きたいと答えた若年層の日本人は30%、世界の平均は60.0%というのは、改めて驚かされる。
 
IT起業研究所ITInvC代表
 

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Facebookがミッション変更「世界のつながりをより密に」

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Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが、シカゴで開催したFacebookグループのリーダーを対象とした初の「Facebook Community Summit」で、同社のミッションの変更を発表したようだ。
 
これまで、企業のミッションとして「making the world moreopen and connected(世界をよりオープンにし、つなげる)」を掲げてきていた。
 
ザッカーバーグ氏はこれまで、人々につながるためのツールを提供すれば世界は自然と良くなっていくと考えていたが、社会はいまだに分断されており、単に世界をつなげるのではなくそのつながりをより強めるための努力が必要だと確信したという。
 
新たなミッションは「bring the world closertogether(世界のつながりをより密にする)」となっている。
 
また、Facebookグループの管理者向けのグループ運営ツールを追加している。
 
下記の5つの新機能を提供するらしい。
 


1GroupInsights:リアルタイムで投稿数やメンバーがアクティブな時間帯を把握するためのツール


2Membershiprequest filtering:グループへの参加リクエストの受け入れ作業時間短縮のために、性別や地域別などのカテゴリ別に分類するツール


3Removedmember clean-up:グループを健全に保つため、態度の悪いメンバーの削除とそのメンバーのグループ内でのすべてのアクティビティをまとめて削除するツール


4Scheduledposts:管理者とモデレーター向けの、時間指定投稿ツール


5Group togroup linking:関連性の高いコミュニティ同士をリンクするツール。これはまだテスト段階らしい

 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁


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ウーバーのIPOに立ち塞がる前例なき険しい道 —— CEO候補に8人の大物浮上

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BUSINESS INSIDER JAPAN記事「ウーバーのIPOに立ち塞がる前例なき険しい道—— CEO候補に8人の大物浮上」によると、たった8年で企業価値700億ドル(約78000億円)の企業を作り、経営の舵をとってきたトラビス・カラニック氏が、数々のスキャンダルの末620日にCEOを辞任、新たにウーバーの経営を牽引するCEOはまだ現れていないらしい。
 
いま直面する問題を解決し、その穴を埋めるCOOもいなければ、無謀な経営を続ける巨大なベンチャー企業を市場で売却できる経験豊富なCFOもいないようだ。
 
シリコンバレー在住コンサルタント海部美知さんが、次のようなコメントを出しているが、尤もだと思う。
 
“イメルト(GE CEO)やムラーリー(元・フォード CEO)の名前まで挙がっているとの報道です。
記事にあるように、オペレーションの経験がある人にCEOになってほしいですが、それでも技術に理解があることが大前提。
「プログラマー企業になった」ことがネガティブのように書かれていますが、そこは絶対外せないと思うので。
ここを誤ると、長期にわたって「テクノロジー」と「メディア」のふたつのアイデンティティの間で行ったりきたりを繰り返したYahooになりかねません。
そうでなく、「プログラマー企業」の核をキープして、何度もの危機を乗り切り生き残ったネットフリックスになってほしい。
少なくとも、マネーゲーム系の人はやめてほしいです・・・“
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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真の量子コンピュータ実現への道--スパコンを超える理由

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東北大学大学院情報科学研究科応用情報科学専攻の大関 真之准教授によるZDNetJapanの記事“「真の量子コンピュータ」実現への道--スパコンを超える理由”の内容が興味深い。
 
東京大学の藤井啓祐助教によると、Google2017年末にスーパーコンピュータでも難しいレベルに挑戦するために、49量子ビットの量子コンピュータを実現すると言っているようだ。
 
比較的簡素な量子コンピュータであってもこれまでの計算機に対して、明確な優位性、すなわち量子による加速があること、量子計算が示す超越性(Quantum Computing Supremacy:量子超越性)を理論的に示すと言う強い意味があるという。
 
実験技術の進展に伴って、どこまでいけば古典計算機のパラダイムに挑戦できるか、Googleが開発する49量子ビットは、その量子超越性を示す1つの例と言えるらしい。
 
ここにきて量子コンピュータのニュースが急激に増えた背景には、GoogleIBMを始め、 MicrosoftIntelなど有名企業がこぞって開発に多額の費用を投資して乗り出しているという事実がある、というのは的を射ていると思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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電気自動車・風力発電のコスト、化石燃料と近く同等に

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日経記事「電気自動車・風力発電のコスト、化石燃料と近く同等に 」(フランクフルト支局 深尾幸生氏)の内容が興味深い。
 
欧州で、産業界を大きく変える可能性を秘めた2つの「パリティ」(等価・均衡を意味する)が近づいているという。
 
1つは電気自動車(EV)と既存の自動車、もう1つは再生可能エネルギーと火力発電とう。
 
UBSは5月、消費者がEVを所有するのにかかる費用が欧州で18年にパリティに達するとのリポートを公表したようだ。
 
リポートによると、この時期は中国の23年、米国の25年よりも早く、補助金などは考慮していないが、背景は電池をはじめとする部品コストや維持費用が下がっているかららしい。
 
厳しくなる環境規制でディーゼル車やガソリン車の対策費用は今後さらに高くなるというのはよく理解できる。
 
一方、量産効果と高エネルギー密度化で電池コストはさらに下がり、14年に1キロワット時あたり300ドル前後だったリチウムイオン電池は現在200ドル前後、UBSは25年に130ドル前後になるとしているようだ。
 
もう一つのパリティは洋上風力発電で、発電コストは、1キロワット時あたり5ユーロセント前後とされる石炭火力に迫るらしい。
 
業界団体のウィンドヨーロッパによると、30年には典型的な洋上風力プロジェクトの発電コストは楽観的でも悲観的でもない中間シナリオで1キロワット時あたり5.99ユーロセントになると見積もっているようだ。
 
エネルギー調査会社のブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス(BNEF)が今月まとめた見通しでは、欧州の再生可能エネルギーへの投資は40年まで年率2.6%のペースで成長すると予測、年平均約5兆円という巨額のマネーが動くという。
 
BNEFは40年に欧州の電力供給の半分は風力や太陽光といった再生可能エルギーになり、そのとき化石燃料による発電はほぼピーク需要を満たすためだけに使われることになるという。
 
同時に蓄電池需要は伸び、量産効果で電池のコストはさらに下がることになり、まさにEVと再生可能エネルギーは運命共同体といえる、というのは尤もだと思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
 
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なぜ日本企業はシリコンバレーで存在感を示せないのか

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Business Insider Japan副編集長/テクノロジー統括の伊藤 有さんが、“「メルカリうまい、トヨタ存在感なし」なぜ日本企業はシリコンバレーで失敗するのか—— 元米Yahoo!VPの日本人女性に訊く”記事で紹介している内容が面白い。
 
 
元米Yahoo!社員で、国際的なビジネス展開を行う部署のバイスプレジデントまで務めた経歴を持つBlueshift Global Partnersの奥本直子さん、米国ベンチャーへの投資に携わるなどしたのち、 マッキンゼーで大手電機メーカーのインターネット戦略などを手がけたBlueshift Global Partners創業者の渡辺千賀さんが答えている内容が興味深く参考になると思う。
 
彼女らにとって「うまくいかない理由」は明快で、"シリコンバレーあるある"のように言語化されているというのも面白い。
 
1)企業の規模にかかわらず、シリコンバレーに出て行くタイミングと、求めるものが間違っている。
シリコンバレーは確かにエンジェル投資家やベンチャーキャピタルは多いかもしれないが、ベンチャーも何十倍もいるから、熾烈な数の競争の中でお金を集めることになり、国内よりむしろ難しい、というのは、よく理解できる。
 
2)上場してからシリコンバレーに来ること。
上場したらなかなか人が雇えない、(ストックオプションの売却で)人が辞めてしまうから、上場のタイミングは慎重に判断するという共通認識があるようだ。
小規模な組織で、チーム一丸となって苦しい局面を乗り越えていかなければいけないスタートアップにとって、株価の上下に社員が一喜一憂してしまうような集中を阻害する"ノイズ"は避けなければならない、というのも尤もだと思う。
 
「セオリーどおりに上手く進出しているのは、最近では"メルカリ"」と口を揃え、ベンチャーがどのくらいの規模感のときにシリコンバレー進出すべきか、という点では(メルカリのタイミングは)本当に正しい選択だと思う(渡辺)というのは、参考になると思う。
 
進出がうまい大手企業の例では、リクルートの名前も筆頭に上げている。
 
さらに次のコメントは、ちょっと厳しいが、実に参考にすべきではないだろうか。
 
「シリコンバレーという場を勘違いしている。上司から、"何か面白いことやってるみたいだからちょっと見て来てよ"と言われて、Tシャツに短パン、みたいなノリでアマチュアのソフトボールの試合に混ぜてもらうかのように来てしまう。
シリコンバレーは、真剣勝負の超絶的な大リーグなんですよ。ルールが違う、サイズ感が違う、そういうことを経営トップのレベルで理解して事業に特別にコミットしないと成功は難しい。厳しい言い方かもしれませんが、そういうやり方でコミットしたことがある人が、日本の経営層にはほとんどいないのかもしれない」
 
シリコンバレーで知られる日本の企業経営者とは誰なのか、即答で「孫正義(ソフトバンク会長)」だと言う。
 
「商談のためなら、たった3時間しか滞在しなくても飛んできて、ディールを決めに来るんですから。シリコンバレーのインサイダーの人たちの間でも"孫正義"の名前はサインを求められるくらい、圧倒的に有名ですよ。同じようにサインを求められる有名人は、プログラミング言語・Rubyの生みの親、まつもとゆきひろさんですね」
 
「日本と対照的なのはドイツの自動車メーカー。彼らはものすごく真剣にシリコンバレーに対抗しようとしてますよ。面白い技術だと思ったら驚くような機動力でドイツに持って帰って、試すんです。これから自動運転の時代が来る、そのときにオープンイノベーションに"本気で"取り組まなければ生き残っていけない、と彼らはわかっているんだと思います。」
 
IT起業研究所代表ITInvC代表 小松仁
 

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AIの台頭によって、将棋はさらに「スポーツ」としての性格を強めていく

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茂木健一郎さんが、藤井四段の29連勝はほんとうに凄い、このことによって将棋界は新しい時代に入ったのだと思うとしているのは、実に同感である。
 
人間とAIの対決という視点から見れば、膨大なメモリーと、計算量に支えられたAIと、記憶力や単位時間に処理できる情報の量で制約がある人間の脳を単純に比較するのが土台無理で、将棋も、囲碁も、すでに勝負がついているというのは、よく理解できる。
 
AIの台頭によって、将棋は、さらに「スポーツ」としての性格を強めていくのだと思うというのも的を射ていると思う。
 
将棋のアルゴリズムや評価関数は100メートル走に比べて複雑で、「ブラックボックス」に見えるが、生身の人間が物理時間の中で模索し、最善手を目指すという点においては、100メートル走と共通している、というのはよく理解できる。
 
IT起業研究所代表ITInvC代表 小松仁
 

グローバリズムと一国主義の作用・反作用の繰り返し

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「なぜ、世界は“右傾化"するのか? (ポプラ新書)」で対談している池上 彰さんと増田ユリヤさんのWeb上の対談、インタビューの内容が改めて面白く感じる。
 
「ヨーロッパでもアメリカでも共通しているのは、グローバリズムと一国主義の作用・反作用の繰り返しです。ヨーロッパでもアメリカでも、経済面で徹底的なグローバリゼーションが進み、ヨーロッパに関しては域内の経済がひとつになりました。その反作用として、イギリスはEU離脱というアンチグローバリズムを選びました。」
 
「アメリカでのトランプ現象も、グローバリズムという作用に対する反作用と見ることができます。ITや金融の分野で徹底的なグローバリズムを推し進めたアメリカ経済。その結果、国内で大きな格差が生まれ、グローバル化に乗り遅れた人たちの不満が募りました。結果、トランプが予想以上の票を集めたわけです。」
 
「トランプの支持者の多くは、『ヒルビリー・エレジー』で描かれたような、グローバリズムによるアメリカの繁栄から徹底的に取り残されたラストベルト(錆び付いた工業地帯)に暮らす貧しい白人たち、ヒルビリーやレッドネックと呼ばれる人たちですね。
ネイティブアメリカンやラテンアメリカ系、アフリカ系、アジア系の人たちのようにマイノリティとして逆に優遇措置を受けることもない。第二次産業が崩壊して、本当に行き場を失った人たちです。」
 
「従来の二項対立の視点で見ると、一国主義を『右傾化』と見なしがちだけれど、正確には違う。一国主義は、これまでの二項対立の政治構造そのものへの不満から生まれている部分があります。」
 
「地続きで隣国と接していて、たくさんの植民地をアジアやアフリカに有していたヨーロッパ各国や、そもそもが移民国家であるアメリカでは、絶えず移民がやってくるのは当たり前でした。一方、島国国家の日本の場合、文化や宗教の異なる外国人がどんどん押し寄せる、という経験をしていません。だから、『移民政策が必要かもしれない』と頭では理解していても、全く異なる文化や宗教を持っている人たちとお隣さんになる、ということに肌身では納得できない側面があるでしょう。結果、人手不足にもかかわらず、インドネシアやフィリピンなどからやってきた人たちに介護されるのに抵抗感を覚える、という人たちが少なくなかったりする。」
 
「日本では公式には移民政策をとっていないと言いましたが、一方で、留学生や短期の労働者として日本で働いている外国人は数多くいるのです。でないと、日本の『現場』は人手不足で立ち行かなくなってしまう。つまり、建前と現実に大きな乖離が生まれているのです。ここで、日本のずるい建前と本音の使い分けが透けて見える。人手不足だから外国人に頼るしかない。でも、本当は入れたくない。だから、建前としては認めていないけど、移民という名目じゃないかたちで、入ってきてもらおう、と。」
 
「テロリストにならなくても、定職につけなかった移民の子供たちの一部がギャングになったりするケースは、世界各国で起きています。もし、日本で移民を正式に認めるとするならば、同時にその子供たちの教育環境をちゃんと用意する必要があります。社会不安やテロなどは、最初にやってきた親の世代ではなく、むしろその国で生まれ育った子供や孫の世代が自分の未来に絶望して起こしているケースが、少なくないわけですから。」
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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エヌビディア、『説明できるAI』へ向けた一歩を踏み出す

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「エヌビディア、『説明できるAI』へ向けた一歩を踏み出す」という、MIT Technology Reviewの記事(Will Knight 米国版 AI担当上級編集者)の内容が興味深く参考になると思う。
 
機械学習のAIシステムは多くの場合、どのような判断に基づいて結論を導き出したのかを説明できない。
 
信頼のおけないテクノロジーを、医学や金融、軍事などの重要な分野に適用してよいのだろうかという問題提示は、尤もだと思う。
 
最も強力な機械学習手法で作られたソフトウェアは、多くの場合、なぜそう判断したのかを本質的に説明できず、開発したエンジニア自身にさえもわからないらしい。
 
一方、エヌビディアは、自動車メーカーが深層学習を自律運転にどのように適用できるのかを実証するためのシステムも開発しているようだ。
 
エヌビディアは、ブラックボックスの中身を解明しようと研究に取り組んでおり、ニューラル・ネットワークが何に注意を払っているのかを、視覚的に強調する方法を開発しているという。
 
(エヌビディアのニューラル・ネットワークでは、自動運転の制御をする際に焦点を合わせている部分が強調される)
 
他に、深層学習に関わるこうした問題に取り組んでいる研究者として、たとえば、ワイオミング大学のジェフ・クルーン助教、ワシントン大学のカルロス・ゲストリン准教授とアップルは、分類システムが認識する画像の各箇所を強調する手法を見つけたという。
 
マサチューセッツ工科大学(MIT)のトーミ・ジャコラ教授とレジーナ・バージレイ教授は、膨大な量の手書きデータから結論を導き出す際に、なぜそのような結論を出したのかを説明できるようなテキストの断片を併せて提供する手法を開発しているようだ。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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ニューラルネットワークの内部動作を理解するための完全自動化システムをMITの研究所が開発

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「ニューラルネットワークの内部動作を理解するための完全自動化システムをMITの研究所が開発」というTechcrunch記事の内容が、興味深い。
 

MITComputerScience and Artificial Intelligence Lab(コンピューターサイエンスと人工知能研究所, CSAIL)が、ニューラルネットワークの内部を調べて、それらが実際にどうやって判断をしているのかを知るための、方法を考案したが、その新しいプロセスは二年前にチームがプレゼンしたものの完全自動化バージョンだという。

 
いったいどうやってシステムは、その判断結果に到達しているのか、そのネットワークは信号処理の複数の連続した層を使って、オブジェクトの分類やテキストの翻訳などの機能を実行するが、ネットワークの各層がどうやって判断しているのかを、われわれ人間が知るための方法がほとんどなかった。
 
そもそも、分類や認識を行う人間の思考は完全には理解されていないし、ニューラルネットはその不完全な理解に基づく人間の思考の仮説的なモデルだ、だからCSAILの研究は今後、神経科学の疑問も解き明かすかもしれないというのは面白く、今後の期待を抱かせる。
 

今年のComputer Vision and PatternRecognition(コンピュータービジョンとパターン認識)カンファレンスでの発表が楽しみというのは、よく理解できる。

 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
 
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ファッション弱者にやさしい定額レンタルやオンライン試着——アマゾンは全てを支配しない

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シリコンバレー在住経営コンサルタントでENOTECHConsulting CEOの海部 美知さんが、「ファッション弱者にやさしい定額レンタルやオンライン試着——アマゾンは全てを支配しない」と伝えている内容が興味深い。

 

先日、アマゾンが洋服の「お試しボックス」ビジネス(AmazonPrime Wardrobe)に参入することが発表されたが、従来の二次元写真による「カタログの延長」ではなく、「実際に自分が着て試す」という「小売店試着の体験」まで取り込もうという試みのようだ。

 
このスタイルのビジネスはアメリカではすでに多く試されており、それ自体は目新しいものではないという。
 
第一次産業革命は「紡績・織物」から始まったが、その時代から、ひたすら「大量生産・低コスト化・大量販売」の進化が営々と続いてきた。
 
それが今では「服は生鮮食品、すぐダメになるので安いほどよい」という風潮に行き着いたが、最近のベンチャー群のように、さまざまな別のコンセプトでより高い価格帯に押しもどす動きが芽生えているらしい。
 
テクノロジーの助けを借りた「物量勝負」からの方向転換が、再びアパレルで起こるとしたら、歴史は繰り返すという面白い話になりそうだというのは、的を射ていると思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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トヨタ『AIは事故撲滅のため』 完全自動運転には慎重

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日経紙記事「トヨタ『AIは事故撲滅のため』 完全自動運転には慎重  米研究開発子会社CEOに聞く」の内容は興味深く参考になると思う。
 
(TRIのギル・プラットCEO)
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人の運転を助けるモードと完全自動運転モードの研究を並行して進める、安全運転支援はいち早く実用化するが、完璧な完全自動運転車はAIでも実現できないという認識が大事だ、というのは、尤もだと思う。
 
「どんな環境でもAIが運転するレベル5の実用化はスピード競争をすべきでない。技術はできるだけ早く進化させ(次世代事業への)備えは万全にしておく。場所など限られた道路環境でAIに任せるレベル4は数年でできる。レベル5対応の車両は人の運転より事故発生率を大幅に減らせなければ投入は難しい」というのも、よく理解できる。
 
一方、自動運転へ向けての世界の加速状況はすさまじいものがあり、トヨタが安全運転のあまり、後塵を拝するという可能性も否定できないと感じている。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
 

「次官・若手プロジェクト」(不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~)

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最近メディア上にも紹介され話題になった「次官・若手プロジェクト」に関し、経済産業研究所RIETIのサイトに、報告と議論がまとめて紹介されており興味深く参考になると思う。
 

スピーカーは、上田 圭一郎大臣官房秘書課課長補佐、須賀 千鶴 経済産業政策局産業資金課課長補佐、コメンテータ兼モデレータは森川正之(RIETI理事・副所長である。

 
今回のプレゼンテーションの内容は、経済産業省内の若手職員を対象に参加者を公募した次官・若手プロジェクトの中間的な取りまとめの報告である。
 
プロジェクトは事務次官の声掛けによるもので、国内外の社会構造の変化を把握し、中長期的な政策の軸となる考え方を示して世の中に広く問いかけることを目指して活動を進めているとのことである。
 
手を挙げた2030代の30名が、国内外の有識者へのヒアリングや文献調査に加えて2つの定期的な意見交換の場を設け、「国家」の今後の在り方を議論する上でとらえておくべき世界の大きな潮流の変化について、国際政治、経済、民族・文化・宗教、技術、社会という分野に分けて広範に議論を行い、そのグローバル・メガトレンドを考えるところから始めたようだ。
 
個人の不安や不満をこのまま放置すると、社会が不安定化しかねないが、再び権威や型に頼ってそれを解消しようとすることは本意ではないとしている。
 
「自由の中にも秩序があり、個人が安心して挑戦できる新たな社会システム」を創るための努力を始めなければならないのではないかという議論になったという。
 
その一方で、政府のこれまでの対応は、必ずしも個人の人生の選択を支えていないのではないかと思われる状況を3つ挙げている。
 
1)個人の選択をゆがめているわが国の社会システム
たとえば今の日本の社会保障制度や教育制度、雇用制度などは、基本的に戦後の成長期に設計されたもので、当時は制度設計の前提として、女性であれば結婚・出産して専業主婦として暮らす、社会人であれば正社員として定年まで働き、その後は年金で暮らすという生活が想定されていたが、こうした「昭和の標準モデル」のような人生を歩んでいる人は、「人生100年時代」と言われ始めたように、近年はどんどん減ってきている。
 終末期についても、自宅で最期を迎えたいと考える人が多いにもかかわらず、今の制度設計では病院で最期を迎えられることが最善とされていて、実際に数も非常に多くなっている。
 離婚して母子世帯になると、過半数が貧困に陥っている、日本のような水準の国で母子世帯の貧困率が高いのは、今の社会システムが個人の選択に寄り添っていないからではないか。
 
2)多様な人生にあてはまる共通目標を示すことができない政府
 30年で日本の1人当たり実質国内総生産(GDP)は2倍近く伸びたにもかかわらず、個人の生活満足度は決して上がっていない。
 社会の豊かさを追求することは重要だが、政府が「共通の目標」としてGDPを掲げ続けることは、かなり難しくなっている。
 
3)自分で選択しているつもりが誰かに操作されている?
 インターネットは情報流通量を圧倒的に増やし、それは個人の選択肢を広げるものだが、同時に各人がたくさんの情報の中からしっかりと選び取ることの重要性が非常に高まっている。
 今のアメリカの30代未満の若者は、テレビやラジオよりもソーシャルメディアの情報を信頼している人の方が多くなっているが、ソーシャルメディアには、自分に都合のいい情報にしか触れられなくなるという弱点がある。
 
それではどうすればよいか、大方針は、過去につくられた社会システムや価値観を変えていくこととし、従来の延長線上で個別制度を少しずつ手直ししていたのでは、いつか社会が立ちゆかなくなることは明らかで、新しい価値観に対応して、社会の仕組みを抜本的に組み替えなければならないとしているのは、的を射ていると思う。
 
3つの基本的な原則を掲げている。
 
1)一律に年齢で「高齢者=弱者」と見なす社会保障をやめ、働ける人は働ける限り社会に貢献してもらい、働けなくなった人をカバーするような制度設計にする。
 
21つ目の原則を前提に、子どもや教育への投資を財政における最優先課題に据える。
 
3)「公」の課題(公共事業・サイバー空間対策など)を全て官が担うのではなく、意欲と能力のある個人が担い手となって個人や地域の多様なニーズにきめ細かく対応し、その隙間を政府が埋めていく形に制度を設計しなおす。
 
コメンテーターが、解釈に当たって注意すべきと思われることが2点あるとしているのも的を射ていると思う。
 
1つは、「標準的な人生」が強調されているが、それに該当するのは大都市部の大企業・官庁に勤める終身雇用の男性サラリーマンで、そもそも終身雇用の労働者は高度成長期でも3分の1ぐらいしかいなかったと指摘されている点。
 
もう1つは、自営業者や中小企業経営者は労働時間も長く、サラリーマンとは事情が大きく異なると思われるが、最近の「働き方改革」でも全く議論されていないという点。
 
 
 
いずれにしても、団塊の世代の大半が75歳を超える2025年までには、高齢者が支えられる側から支える側に転換するような社会をつくり上げる必要があり、逆算すると、この数年が勝負で、これが日本が少子高齢化を克服できる最後のチャンスであり、見逃し三振は許されないというのは、尤もであると思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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糖質を発酵させ蜘蛛の糸を生成、遺伝子編集で究極の素材が生まれている

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シリコンバレーVentureclef代表の宮本和明さんが、「糖質を発酵させ蜘蛛の糸を生成、遺伝子編集で究極の素材が生まれている」と紹介している内容が興味深い。
 
蜘蛛の糸は理想の素材でこれを人工的に生成する研究が続いてきた。
 
世界に先駆けて、シリコンバレーのベンチャー企業Bolt Threadsが合成生物学の手法(酵母の遺伝子を編集し発酵を通してマテリアルを生成する手法)で蜘蛛の糸の生成に成功し、「スパイダーシルク」と呼ばれネクタイに編んで販売されているという。
 
スパイダーシルクの特徴は素材の機能だけでなく、石油由来の製品に比べ製造工程で環境に対する負荷が小さい点が評価されているらしい。
 
Bolt Threadsは環境問題に意識の高い層に訴求する製品を投入しているようだ。
 
 
自然界の素材を生成する技術は「Biomanufacturing」と呼ばれているが、解決すべき問題も少なくないという。
 
スパイダーシルクの場合ではネクタイの原価は300万ドルといわれているらしく、大量生産に移ると原価が下がるが、プロセス改良によるコストダウンも必須となるのは、当然であろう。
 
プロトタイプの生成には成功したが、これを事業化するためにはもう一段のブレークスルーが求められているというのは、尤もだと思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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牧場の牛からトイレの空き状況まで無線で管理 低コストで遠くまで届くLPWA(無線通信技術)

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日経ブジネスオンライン記事「牧場の牛からトイレの空き状況まで無線で管理 低コストで遠くまで届くLPWA(無線通信技術)」の内容が、判りやすく参考になると思う。
 
厳密にはLoRaWANSIGFOXなど複数の方式があるが、国内では2017年が「LPWA元年」といわれている。
 
ソラコムや京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が、2月に商用サービスを開始し、NTTドコモやKDDIなどの携帯電話会社に加え、大手ITベンダーも相次いで実証実験に乗り出しているようだ。
 
大きな特徴は次の4点になる。
 
1)コストの安さ
携帯電話回線の10分の1以下で、設置台数にもよるが、端末1台あたりの通信コストは月額数十円程度になるといい、通信機器のコストも安くできる。
 
2)消費電力の低さ(バッテリーが長持ちする)
通信機器の仕様によっては単3電池2本で数年間動き、理論上は10年以上使えるケースもあるという。
 
3)通信できる距離の長さ
見通しのいい場所では、数kmから十数km先まで電波が届くという。
 
4)免許不要
920メガヘルツ帯で電波免許という参入障壁がない
 
どの位置にセンサーを付ければいいか、どこに基地局を置けば読み取りやすいのかなど、現場で使ってみなければ分からないノウハウや、複数の方式がありどれが主流になるかは見えていないなどの課題もあるようだが、2017年が「LPWA元年」というのは、間違いないようだ。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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日本発IoTプラットフォームに挑むITベンチャー(Kii)

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IT産業ジャーナリストの田中 克己さんが、日本発IoTプラットフォームに挑むITベンチャーとして、Kii(キー)の鈴木尚志社長の話を紹介している内容が興味深い。
 
20175月現在の社員数は70人弱。
半分が東京、残りの半分が米国とスペイン、中国、香港、台湾など海外にいる。
海外の展示会に出展するなど市場開拓も担う。
さらに米国とスペインは現地法人にし、それぞれに開発チームもおく。
スペインは、IoTプラットフォームのサポートで欠かせない拠点でもある。
日本が夕方5時になると、スペインは朝9時になり、24時間の監視とサポートが可能になるからだ。
 
IoTビジネスは世界中で展開、例えば、規制から日本での立ち上げが難しいとなれば、さっさとはじめられる国で開始する、というのも面白い。
 
日本企業のIoT活用が進まないことに頭を悩ます。
理由の1つはコストにある。
プロトタイプの前段階であるPOC(概念実証)で、ユーザーの経営者が「そんなにかかるのか」となり、一歩を踏み出せなくなる、という。
 
IoTのハードルは高い」と思われてしまうことを避けるため、少ない予算で取りかかれる方法を用意する。
例えば、安価なセンサやゲートウエイなどを用意し、機械設備に取り付けるだけでデータを集められる。
IoTスターターキットを含めた各種ハードウエアを開発するIoTベンダーらと組んで提供する、というのは有効だと思う。
 
Kiiの経営トップは日本人だが、買収などによって社員の半数は海外の技術者らで占め、開発のトップも日本人だが、スペインとシリコンバレーの技術責任者の3人で製品開発の方向を決めているらしい。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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グーグルの未来はテンソルフローにある

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MIT Technolgy Reviewの記事「グーグルの未来はテンソルフローにある Google Stakes Its Future on a Piece of Software」(Tom Simonite 米国版 サンフランシスコ支局長)の内容が興味深い。
 
現在グーグルは、クラウド・インフラ市場ではアマゾンとマイクロソフトにはるか及ばない第3位に位置している。
 
トップに追いつくためのグーグルの戦略の中核となるのは、保健医療から自動車産業にわたる産業界に突然沸き起こった、AIへの熱狂的な関心に訴えかけることだという。
 
2015年前半、グーグルに所属する人工知能(AI)の研究者は「テンソルフロー(TensorFlow)」と呼ばれるソフトウェアを作り出したが、現在、機械学習ソフトウェアの構築に使われているテンソルフローは、グーグルとその親会社「アルファベット」の多くの未来の野望の土台となっているようだ。
 
テンソルフローは、グーグルのエンジニアたちが実用的な機械学習のコードを簡単に書けるようにし、検索などのサービスや音声認識の精度を向上させたが、テンソルフローがグーグルのプログラマー向けにリリースされたわずか数カ月後、グーグルはテンソルフローを誰でも無料で使えるように公開している。
 
グーグルがテンソルフローをリリースしてから、クラウド・コンピューティングにおける競合であるマイクロソフトとアマゾンも自社の無料ソフトウェア・ツールをリリース、もしくはサポートを開始し、プログラマーが機械学習システムを構築するのを支援しているらしい。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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