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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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内館牧子著「終わった人」とマルチステージの生き方

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内館牧子著「終わった人」は、その題名がちょっと人を小馬鹿にしたようでもあり、またもの悲しさを誘う感じもあり、最初あまり気が乗らなかったが、読後感は良い。
 
東大法科卒で一流銀行というエリートコースを歩みながら、社内政治から外され小さな子会社に転籍、定年にいたった主人公が、大学院進学などトライしようとしたが、やはり不完全燃焼か「成仏」できず、誘われたベンチャー企業の経営に関わり、結局倒産に至り、個人財産をすっかりなくしてしまう。
 
手に職を持つようになり自立していった妻とは、離婚の道は取らず、(歌手の加藤登紀子さんのケースを思い出させるが)「卒婚」別居、故郷岩手に戻り、新たに人生の最終生活に取り組もうとするのは、ちょっともの悲しく、また、一縷の光明を感じさせる。
 
普通だったら定年後の生活を夫婦共々それなりに平穏に暮らせたはずのところ、やはり、仕事を離れてから死ぬまで、あるいは年相応に元気がなくなるまでの期間が中途半端にあるため、結果的に余計な道に進み、取り返すには年を取りすぎているというのが、よく理解できる。
 
最近読んだ「ライフシフト 100年時代の人生戦略」に出てくる、旧来の3ステージで70歳程度で寿命を迎えるケースから、もっと寿命が伸びマルチステージへの対応をせざるを得ない世代の悩み、苦労を感じ取った。
 
やはり、マルチステージとして、別のステージで、「インディペンデント・プロデューサー」のようなターゲットを設け、取り組んでいく必要が、これからの世の中では必須になるのではないだろうか、と考えさせられる。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

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気が合うだけの友人を集めてもビジネスは成功しない

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「気が合うだけの友人を集めてもビジネスは成功しない」とワークスアプリケーションズ代表・牧野正幸さんが、次のように話しているのは参考になると思う。
 
・当時も今も、3人がプライベートで飲みに行くことはまずありません。
代わりに、毎日1時間半のランチミーテイングを行っています。
会社が軌道に乗ったら会わなくてもいいかというと、それもない。
少し離れると、お互いの意思疎通がうまくいかず、バラバラになってしまう。
毎日意見を交換することで、トップの考え方にズレが生じないようにしているわけです。
 
・これは私の持論ですが、共同経営しようと思ったら、単に気が合うからという理由で友人や同僚を集めてもうまくいきません。
お互いにリスペクトし合える相手とでなければ、共同経営など無理です。
 
・万が一、その事業がうまくいかなかった場合、事業内容を変えてまで会社を存続させる意味はないことを、3人で確認し合いました。
お互い、フリーに戻っても、それぞれの場で活躍できる自信はありました。
万が一の時も痛手が少ないように「無借金経営」を基本方針に掲げ、「資金面が行き詰まったら潔く解散しよう」と決めていました。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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現代物理は、この宇宙のありさまをどれくらい解き明かしているのだろうか

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現代物理は、この宇宙のありさまをどれくらい解き明かしているのだろうか、その成果は驚くべきものだという見方もできるし、まだまだ大したことはないということもできる、一番の鍵は、時間だろう、と茂木健一郎さんが書いているがその通りだなと思う。
 
宇宙はその時間や空間の広がりとともに一つの驚異として私たちの前にある、その圧倒的なリアリティを前にすると、現在の知識人の間で主流の無神論や、人間の倫理は進化論で説明できるといった類の議論は、トリビアルなものだと感じざるを得ない、というのも尤もだと思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

Amazonダッシュボタン

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GMOインターネット特命担当技術分析官の新里 祐教さんが、「分解:Amazonダッシュボタン、500円ではあり得ない高機能」で紹介している記事内容が興味深い。
 
Amazonダッシュボタンは、ボタンを押すだけで自動的に無線LAN経由でインターネットに接続し、Amazon.co.jpに商品を注文するデバイスで、日本では米国より遅れて201612月に発売されている。
 
25×60mmという小さなケースに、無線LANBluetoothのチップが搭載されていて、汎用的な通信が可能となっており、プロセッサーは、Cortex-M4コアのMCUを搭載し、同程度のスペックのデバイスを購入しようとすると、数千円はかかるのが普通だとしている。
 
電池で動作するIoTデバイスは、たいてい低消費電力のBluetoothを使っているが、これは直接無線LANに接続しているらしい。
 
さらに、TLSTransport Layer Security)による暗号化通信をしているようだ。
 
また、国内では未発売だが米国では既に提供されている、Dash Buttonの応用といえる「AWS IoTボタン」を使えば、ボタンの用途はショッピング以外にも大きく広がるとし、このボタンが、サービス、物理デバイスの両面からの、アマゾンのIoTに対する本気の表れだと感じているというのは、よく理解できる。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
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ロボティック・シンポジウム ソサエティ5.0の先にあるもの

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Nanotech2017の特別シンポジウム「ロボティック・シンポジウム ソサエティ5.0の先にあるもの~幸福・AGI(Artificial GeneralIntelligence人工汎用知能)・BI(Business Intelligence)~」の中で、ロボティック普及促進センター理事長/㈱ロボットメディア代表取締役の小林賢一さんが、「第4次産業革命で起こるコト、その先へ」のテーマで、「これからのヒトと機械と社会との劇的関係性」、「ロボットと人間のお互いの特長を活かした共存」などについて話していた内容が特に面白く参考になった。

 
他に、名古屋大学大学院情報科学研究科川合信幸准教授の「産業革命以前のイノベーションとそれを生み出したヒトの性質」、中央大学法科大学院森信茂樹教授の「AIの発達と税・財政の在り方」などの講演とパネルディスカションがあり興味深かった。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

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Society5.0の姿(めざすべき7つの社会像)

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一般社団法人産業競争力懇談会(COCN Council on Competitiveness-Nippon)による「政策提言」「Society5.0とCOCNの推進テーマ ~国と産業界の投資を集中すべき分野と政策~」の中で、Society5.0の姿(めざすべき7つの社会像)として、次の重点貢献テーマを挙げているが、参考になる点があると思う。
 
1.サステナブルなエネルギーシステム
①《リソースアグリゲータ:再生可能エネルギーの統合制御》
 《エネルギーネットワーク》
 《革新的省エネデバイス》センサー、プロセッサー、メモリ、ディスプレイ、通信
《革新的エネルギー素材》
 
 2.健康で活き活きとしたくらしをまもる
《マイデータによる健康管理》
《空間ソリューション》(感染症の予防、認知症の症状緩和)
 《健康・医療・介護の質の指標》
 
3.人が主役となる革新的ものづくり
 《人が主役のものづくり》
 
4.国際競争力ある食の第6次産業化
 《アグリイノベーション・コンプレックス》
《ICTプラットホームの構築による第一次産業の変革》
《空間ソリューション》(農作物の生産性向上)
 
 5.地域における新たな暮らしの基盤
《地域未来の社会基盤づくり》
 
 6.ストレスフリーなモビリティ
《スムーズな移動のための交通情報とナビゲーション》
 
 7.インフラの生産性向上とレジリエンス強化
《インフラ維持管理アセットマネジメント》
《スマート建設生産システム》
 《災害対応(フィールド)ロボット
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁



facebookのMark Zuckerberg CEOの新たなビジョン

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facebookMark ZuckerbergCEOは、新たなビジョンを発表し、facebookで世界中の人々を「つなぐ」だけでなく、より正確な情報を提供し、コミュニティーへの参加を促す「社会インフラ」を目指し、偽ニュース対策の遅れなどが意見の対立を先鋭化し、社会の分断を深めたとの批判に応えるという趣旨の長文の手紙を公開したと、シリコンバレー在の小川義也さんが報じている。

 
この10年間、フェイスブックは友人や家族をつなぐことに注力してきたが、この土台の上に、次はコミュニティーのための社会インフラを築くことに集中するという。
 
「グループ」と呼ぶ機能を拡充し、共通の興味や問題意識を持つ人々や、物理的に同じ地域にいる人々の対話や交流、相互扶助を後押しし、意見の対立をあおるセンセーショナルな情報や虚偽情報の拡散を抑制する一方、地域や文化によって異なる許容度に応じて配信するコンテンツの基準を変えるなど多様性にも配慮するという。
 

Thisis a time when many of us around the world are reflecting on how we can havethe most positive impact.

Iam reminded of my favorite saying about technology: "We alwaysoverestimate what we can do in two years, and we underestimate what we can doin ten years."

 We may not have the power to create the worldwe want immediately, but we can all start working on the long term today. Intimes like these, the most important thing we at Facebook can do is develop thesocial infrastructure to give people the power to build a global community thatworks for all of us.

 

Forthe past decade, Facebook has focused on connecting friends and families.

Withthat foundation, our next focus will be developing the social infrastructurefor community -- for supporting us, for keeping us safe, for informing us, forcivic engagement, and for inclusion of all.

 
 

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完全自動運転の実現に向け必要な法改正など制度整備の方針

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政府の未来投資会議は、人が運転に関与しない完全自動運転の実現に向けて、必要な法改正など制度整備の方針に関する大綱を2017年度中に策定する方針を決めたようだ。
 
さらに、無人のトラックやバス、タクシーを用いた公道での走行実験を17年度から本格化する計画も確認したという。
 
日本でも自動運転実用化に向けた歯車が動き出したと言えるかもしれない。
 

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量子コンピュータが暗号化技術に及ぼす脅威

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サンフランシスコで開催されたセキュリティカンファレンス「RSA Conference」 で、量子コンピュータが暗号化技術に及ぼす脅威とその対応策について、NSA (アメリカ国家安全保障局)がこの危険性に関する報告書「Commercial National Security Suite and Quantum Computing FAQ」を公開した件で、Ventureclef代表の宮本和明さんが伝えている内容が興味深い。
 

NSAが問題としているアルゴリズムは、Public Key (公開鍵) PrivateKey (秘密鍵) のペアを使ってデータを安全に送受信する仕組みのPublic-Key Cryptography (公開鍵暗号) の方式でインターネットで幅広く使われているが、実装方式としてはRSAECC (Elliptic Curve Cryptography) Diffie-Hellmanの三つのアルゴリズムが対象となるが、これらのアルゴリズムを搭載したシステムは量子コンピュータの登場で安全性が保障されなくなるという。

 
オンラインバンキングで端末と銀行が交信する際はセキュアなプロトコール「HTTPS」が使われ、ログインIDやパスワードは暗号化プロトコールTransport Layer Security (TLS) で暗号化して送信され、仮に経路上で通信が第三者に盗聴されてもIDやパスワードは解読できない仕組みになっているが、量子コンピュータの登場でこの安全性が崩壊し、世界のウェブ通信が危機にさらされることになるようだ。
 

1994年、BellLaboratoriesの研究員Peter Shorは、量子コンピュータで整数因数分解の問題を解くアルゴリズムを開発したが、このアルゴリズムは「Shor’s Algorithm」と呼ばれ、暗号化技法の中心部である数学問題を解くことができるとして早くから課題が指摘されていた。

 

ここにきて、量子コンピュータの開発速度が上がり、危険性が現実のものになってきたわけで、カナダ企業D-Waveは製品を出荷し、IBMはクラウド経由で量子コンピュータを提供している。

 

GoogleMicrosoftにおける量子コンピュータ研究も進んでおり、Shor’s Algorithmを解く能力を持つ量子コンピュータはまだ存在しないが、Public-KeyCryptographyの安全性が脅かされることが現実の問題となってきたらしい。

 
これに対応するためにPost Quantum Cryptographyの開発が始まっており、Googleもその一社で、量子コンピュータの登場に備えた暗号化アルゴリズムを発表しているようだ。
 

RSAConferenceではカナダのベンチャー企業「ISARA」が量子コンピュータ登場に備えたソリューションを紹介し、同社は既に政府や金融機関向けに製品を提供しているらしい。

 

NSAは報告書の中で、なぜこのタイミングで問題点を公開したのかについて、いま現在は公開鍵方式のアルゴリズムを破る能力の量子コンピュータは登場していないが、システム構築は数十年単位で設計する必要があり、過去の事例を見るとアルゴリズム導入には20年程度かかっているらしく、このため、Post-QuantumCryptographyに対応するには、今から準備を始めないと間に合わないと警告したようだ。

 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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国内IoT市場規模予測

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IoTとは「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なエッジデバイスからなるネットワークのネットワーク」で、法人/政府/個人といった様々なユーザーが利用するユビキタスなネットワーク環境に対して、管理/監視/分析といった多様な付加価値を提供するものとIDCでは定義しているようだが、市場規模の見通しとして、国内IoT市場は2021年まで年間平均成長率17.0%で成長、市場規模は11兆円に達するという予測を発表している。
 
高い成長性が期待されるユースケースとして、農業フィールド監視、小売店舗内個別リコメンデーション、院内クリニカルケア、スマートグリッド、テレマティクス保険、ホームオートメーション、スマートアプライアンスなどを挙げているようだ。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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「孫正義育英財団」対談イベント「~未来を創る若者たちへ~」

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先日、「孫正義育英財団」が、若者1500(財団の公表人数)を集めて対談イベント「~未来を創る若者たちへ~」を開催したと報じられている。
 
ソフトバンクグループの孫正義社長が代表理事で、副代表理事でノーベル賞受賞者の山中伸弥・京都大学iPS細胞研究所所長、理事で東京大学総長の五神真氏、評議員にプロ棋士で七冠獲得者の羽生善治氏らが参画している。
 
孫社長の個人資産を財源とし、生徒、学生を対象に、学費や留学資金を無償提供するもので、民間の資金をベースとした、返済義務のない奨学金とのことである。
 
キーワードは「異能」と「海外」で、特殊な才能を持った若者に早く海外(主に米国)に出てもらい、才能を開花させてほしい、というのが本音らしい。
 
孫社長自身、16歳の時に米国に留学、米国での猛勉強が現在の礎となっているという。
 
この志が、実を結んでいくのを素直に期待したい。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁



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イギリスの自動運転車用保険

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ロンドン在住コンサルタント谷本真由美さんが、「イギリスの自動運転車用保険」について記している内容が興味深い。

 
英国が、2016年に自動運転車に関する法律を発表した世界初の国となっていたのは知らなかった。
 
この法律は、自動運転車、電気自動車、商用宇宙船、ドローンへの投資を促進する一方、自動運転車用の保険が提供されることを推進するものらしい。
 
具体的動きとして、Adrian Fluxはイギリス初の消費者向けの自動運転車用保険の提供を始めた由で、完全な自動運転者は2020年まで市場に出回らない予定なので、この保険は、すでに自動駐車やオートパイロットなど、自動運転の機能の一部を搭載した車向けの商品となるようだ。
 
英国は趣味人が多いので、クラッシックカー愛好者も多く、こういうニッチな保険を売る会社が存在し、軍用車両や戦車用の保険を売る会社もあるというのは面白い。
 
こういう会社が保険を提供するということは、自動運転車は、自家用戦車のような「ニッチかつユニークな趣味的なもの」として扱われているという感覚が伝わってくるというのもよく理解できる。
 
谷本さんが、『自動運転の論点』という新しい媒体で、自動運転に関して英国を中心とした欧州でのあれこれを書く「イギリスの本音」という連載を始めたようで、こちらにも期待していきたい。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
 
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イーロン・マスク氏の「The Boring Company」と呼ばれるトンネル会社

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テスラとSpaceXCEO イーロン・マスク氏は、「The Boring Company」と呼ばれるトンネル会社をスタートさせる意向を昨年12Twitterで明らかにしており、先日もBloombergからの報告が出ていた。
 
「デモトンネル」としてSpaceXの駐車場に穴を掘り始めており、車と列車用の「最大で30レベルにおよぶトンネルネットワーク」を建設予定で、ハイパーループ(Hyperloop)のような超高速電車も計画に含まれるらしい。
 
一方、現在、複数の企業が空飛ぶ車に取り組んでおり、Googleの共同創業者ラリー・ペイジ(Larry Page)氏は、謎も多いスタートアップ企業Zee.Aeroの計画に出資しているし、Uberも空飛ぶ車の計画を開始したらしい。
 
イーロン・マスク氏は、「もちろん、空を飛ぶものは好きだよ、しかし、空飛ぶ車が意味のある解決策になるとは思えないんだ」とコメントしているが、Zee.AeroVTOL機いわゆる垂直離着陸機を開発しているもので、空飛ぶ車そのものを作ろうとしているわけではないようだ。

IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
 

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研究開発費の分析

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PwCあらた有限責任監査法人が、電機業界での研究開発費分析を、三菱電機を例にとり紹介している内容が興味深く参考になる。
 
研究開発費は、新技術の研究や新製品の開発などの企業活動に係る費用であり、「企業の経営方針や将来の収益予測に関する重要な投資情報」と位置付けられ、その適切な水準は、企業が参入しているマーケットの技術の進歩速度・複雑性や新製品発売の頻度、またそのマーケットにおける企業の製品戦略(技術的先進性、部品の自社開発割合、販売する製品種類の多さ、モデルチェンジの頻度)などによって異なるとされている。
 
研究開発活動は継続的な支出を必要とすることが多く、継続的な収入である売上を原資に行われることが通常のため、売上高のうち研究開発費に配分している割合を分析することで、研究開発活動の必要性・積極性について手がかりを得られるというのは、当然と思われる。
 
例えば、三菱電機の場合、『有価証券報告書』によれば自社の事業を下記の6セグメントに分けている。
 

 重電システム:社会インフラ(電力・交通など)、ビルシステム(昇降機など)

 産業メカトロニクス:FAシステム、自動車機器

 情報通信システム:通信システム、情報システム・サービス、電子システム

 電子デバイス:パワーデバイス、液晶表示装置など

 家庭電器:空調冷熱システム、住宅設備、黒物・生活家電など

 その他:資材調達、物流、不動産・金融など

 
全社・事業別の研究開発費を分析することで、企業の経営方針を数字で裏付ける、あるいは数字から会社の意図を推測することができるとしているは、尤もだと思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

病院内でシーツや食事を運ぶロボット

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フリーランスの編集者・ジャーナリスト瀧口範子さんが、ペンシルバニア州ピッツバーグにある会社Aethon(エーソン)社製の病院内でシーツや食事を運ぶロボット「Tug(タグ)」を紹介しているのが、興味深い。

 
シリコンバレー地域でも数カ所の病院が導入済みらしい。
 
本体の背後に、食事の場合は棚がたくさんついて扉のあるカート、シーツの場合は大きなバスケットのようなカート、薬品ならばパスワードで開く引き出し付きのカートなどを取り付け、けん引する仕組みのようだ。
 
カートをけん引するロボット部分の機能は同じで、行き先を入力するとTugはドアがあれば自動的に開け、通行人にぶつからないよう脇に避けたり一時停止したりしながら通路を進み、エレベーターにも自動的に乗降して目的地へ向かうなど、すぐれもののようだ。
 
日中は入院患者の食事を運んでいたTugが、夜間にはシーツの運搬に切り替わるなど、充電時間以外はほとんど休むことなく動いているらしい。
 
人間の職員は病室に近いところで待機していて、Tugが到着すると食事を患者のところまで運ぶかたちで、Tugの活躍によって空いた時間は、患者の世話をする「クォリティタイム」に当てられるようになったという。
 
こんなロボットがいたるところで、活躍を始めるのはもう目の前なのだろう。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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スリープ・レボリューション アリアナ・ハフィントン氏インタビュー

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ニューヨーク在住ジャーナリスト肥田美佐子さんが、米ハフィントン・ポスト創業者で、『スリープ・レボリューション 最高の結果を残すための 「睡眠革命」』を上梓したアリアナ・ハフィントン氏に、睡眠の大切さについてインタビューしている内容が興味深く参考になる。

 
睡眠不足が「アブセンティーイズム(常習的欠勤)」や「プレゼンティーイズム(出勤していても生産性が上がらない状態)」というかたちで米国経済に与えている生産性の損失額は、年間630億ドルを超えるという試算があるらしい。
 
最近の研究によると、睡眠は脳に夜間清掃スタッフを送り込んでいて、彼らが、日中に脳細胞の間にたまった有害なタンパク質(アルツハイマー病にも関連がある)を除去してくれるが、睡眠不足の人は除去が不十分になりかねないらしい。
 
1719時間眠らずにいると(多くの人にとって日常のことに違いない)、認知能力は血中アルコール濃度が0.05%(米国の多くの州の酒気帯び運転基準よりわずかに低い値)のときと同程度まで低下するといい、さらにあと23時間起きていると、0.1%、つまり酒気帯び運転と同程度に達するという研究結果もあるらしい。
 
成功のために睡眠を犠牲にしている悲劇的な例の一つが、私生活を犠牲にしてまで会社に尽くそうとするちょっと以前の日本の「サラリーマン」だろう、自分の仕事が終わっても上司が帰るまでは帰らないと例を挙げられているのは、残念であるが仕様がないところかもしれない。
 
世界の大都市の中で、一晩あたりの睡眠が最も短いのは東京で、リストバンド型活動量計を製造しているジョウボーンの製品「UP」シリーズの装着者のデータを集計によると、東京の睡眠時間は5時間45分、次に短いのがソウルで6時間3分、以下、ドバイ6時間13分、シンガポール6時間27分、香港6時間29分、ラスベガス6時間32分と続くようだ。
 

ところで、2015年のある調査(Trends in Consumer MobilityReport,2015)によれば、米国人の71%がスマートフォンを近くに置いて寝ているという。

 
良質の睡眠を取るための必須事項が、寝室に携帯電話を持ち込まないことで、ベッドで携帯を見ることなど、もってのほかである、次に、ベッドに入る12時間前から電子機器のスクリーンを見ないようにすること、就寝直前までスクリーンに見入っていてはいけない、端末類は遅くとも眠る30分前には寝室からお引き取り願うのがやはり最良の方法だというのは最近よく言われることで、尤もだと思う。
 
より良く眠るための次の12カ条は参考になると思う。
 
1  寝室を暗くし、静寂さとヒンヤリとした室温を保つ(15.5度~19.5度くらい)。
2  就寝30分前には電子機器のスイッチを切る。
3  ベッド横で携帯電話を充電しない。寝室に電子機器が一つもなければ、なお良い。
4  午後2時以降はカフェインを絶つ。
5  ベッドは睡眠とセックスのためにあることを忘れずに! ベッドでの仕事は禁物!
6  ベッドにペットを入れない。
7  就寝前に硫酸マグネシウムのバスソルトを入れたお風呂で温まると、心身が安らぐ。
8  パジャマや就寝用のTシャツを着ると、体に「これから眠る」というフレンドリーなメッセージが送られる。ジム用の服装では寝ないこと。
9  軽いストレッチや深呼吸、ヨガ、瞑想が心身を睡眠へといざなう。
10 ベッドでの読書は紙の本か、(スマホなどのように)青い光が出ない電子書籍リーダーを使う。読む本は、小説、詩など、仕事に無関係のものを。
11 カモミールティーやラベンダー ティーを飲んで、睡眠モードへとリラックス。
12 ベッドに入る前、その日、何に感謝の気持ちを感じたかをリストアップする。一日のラストシーンを(嫌なことやストレスではなく)「幸運」で締めくくる。
 
また、米国には、仮眠チェアや仮眠用カプセルを置いたり、仮眠専用の部屋を設けたりして、社員がフレキシブルなスケジュールで働けるよう配慮している企業もあるというのは面白い。
 

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人工知能・ロボットと雇用

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経済産業研究所RIETIの森川正之 理事・副所長が、ディスカッション・ペーパー「人工知能・ロボットと雇用:個人サーベイによる分析」で、就労者の視点からどのような仕事がAI・ロボットといった新技術に代替されやすいと考えられているか、またユーザーの視点からどのようなサービスがAI・ロボットに置換されやすいか、という両点から論じている内容が興味深い。

 
分析結果によれば、大学・大学院教育、特に理科系の教育を通じた汎用的・可塑的な高スキルと AI・ロボットとの補完性が高く、同時に、専門学校の教育履歴や職業資格保有といった専門性の高いスキルを要する仕事も、AI・ロボットで代替されにくいようだ。
 
さらに、ユーザー側の分析からは、保育・教育・医療といった対人サービスは、AI・ロボットによって代替されにくい可能性が示唆されるという。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁


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「AIの反乱」はもはや現実の危機か

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シリコンバレー在住ジャーナリストの瀧口範子さんが、「AIの反乱」はもはや現実の危機か、と伝えている内容が興味深く参考になる。
 
当面の不安の1つは、AIやロボットが職を奪ってしまうのではないかという経済的なものだろうが、今後AGI(汎用人工知能)と呼ばれるより広範で、より人間の知能に近い人工知能が研究されるようになると、事情は変わってくるとし、プログラム上の不備、あるいは効率を求め、強引に目的を達成しようとするあまりに、人間を犠牲にするような事態が起こらないとも限らない、というのもよく理解できる。
 
一方、AIが人類に害を与えるのを防ぐにはどうすればいいのかを研究する組織が、AI研究者や社会学者らが中心になって生まれているようで、アメリカやイギリスで活発らしい。
 
スタンフォード大学では、AI研究者のエリック・ホロウィッツ氏が提唱して創設のために自己資金を提供、スタンフォード大学がホストを務める「One Hundred Year Study of Artificial IntelligenceAI100=100年間のAI研究)」がある。
 
交通、教育、医療、低資源コミュニティ、公共の安全とセキュリティー、雇用と職場、ホーム/サービス・ロボット、エンターテインメントの8分野で2030年の北米での生活の中で用いられているAI技術を予測し、それに対する政策への提言を行っているようだ。
 

アマゾン、グーグル、マイクロソフト、IBM、フェイスブック、アップル、ディープマインドなどAIに関わる大手IT企業に加えて、国際学会のAAAIAssociationfor the Advancement of Artificial Intelligence)、市民権保護を目的として活動するACLUAmerican Civil Liberties Union アメリカ自由人権協会)、安全なAIを研究するNPOのOpenAIが関わっているのが、、「Partnership on AI(AIにおけるパートナーシップ)」というNPOらしい。

 
ジャーン・タリン(スカイプ共同創業者)、マックス・テグマーク(MIT教授)、アンソニー・アグイーレ(UCサンタクルーズ教授)らが共同設立した研究者のグループ、「Future of Life Institute (未来生活研究所)」というのもあるらしい。
 
アドバイザリー委員会にはステファン・ホーキングやイーロン・マスクも加わっており、2015年AIの脅威を警告した有名な「AIに関するオープンレター」を主導している。
 
長い目で見て、汎用人工知能研究はまだ黎明期にあるが、先に研究者や企業が望ましい方向性を模索することの重要性に気づいたことは、大きな希望だというのは、尤もだと思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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独大手ボッシュのスピンアウトがロボット「Kuri」を開発できた理由

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シリコンバレー在住ジャーナリスト瀧口範子さんが、『独大手ボッシュのスピンアウトがロボット「Kuri」を開発できた理由』で、シリコンバレー風の起業をそのまままねると少々無理があっても、ボッシュ流のスタートアップならば日本にとっても親和性の高いものではないかというのは、尤もだと思う。
 
Kuri(クーリ)」というホームロボットは、身長50センチくらい、小さな女の子を思わせるような外観で、家の中を自走でクルクルと回り、目の前にいる人の存在を認識し言葉を理解して、相手のほうを見上げたり、単純な返事をしたりする愛らしいロボットのようだ。
 
同社は、数年前から社内起業を促進するために「ボッシュ・スタートアップ・プラットフォーム」と呼ばれる組織と仕組みを作っており、面白いアイデアを持つ社員を選抜して、見込みがあるとわかれば、その別組織に異動、そこでスタートアップのような育成を行うようだ。
 
組織としては社長直轄で、迅速な動きが求められる際にはすぐに決断可能で、この点も、スピード重視のスタートアップ開発の重要性をうまく把握したもののように見える。
 
大企業ならば、開発もじっくりのんびりとやれる環境に慣れてしまうかもしれないが、このスタートアップ・プラットフォームでは、市場化を急ぐ切羽詰まった開発が求められ、何度もプロトタイプを作り、潜在顧客のフィードバックを得て、さらにそれを作り直すというサイクルを高速に繰り返すらしい。
 
シリコンバレーのスタートアップは非常に興味深い存在だが、これを他の場所でそのまままねるのは不可能で、ここには何十年にもわたって積み上げられてきたエコシステムがあり、それをコピー&ペーストしようとするのは、現実的ではないというのは、よく理解できる。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

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「イースターエッグ」というメタファー

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茂木健一郎さんが、創造性を考える際に「イースターエッグ」というメタファーは役に立つ、何か仕掛けがしてあって、その時がくればその効果がわかる、創造性とは、一生懸命イースターエッグを仕込む作業だと言ってもよい、というのはその通りだと思う。
 
行為に対する報酬は、作品が完成して、それが公になってみんなが驚いたりよろこんだりしてくれた時に初めて受け取ることができる、それまでは、その時を想って、ただひたすらイースターエッグの仕込みを続ける、というのもよく理解できる。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
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