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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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脳にとっての車椅子

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林要さんが、プロダクトアウトとマーケットインに関して次のように話しているのが、参考になると思う。
 
「私は、プロダクトアウトとマーケットイン、どちらが正しいのかずっと考えていたのですが、それは交互にやるべきだという結論にいたりました。
 
プロダクトアウトの製品を市場に投げると、当たることもあれば、まったく売れないこともある。
 
でもどちらにせよ、社会の反応が波紋のように広がるんです。
 
その波紋を丁寧に採集して、それをもとに次のバージョンを作ることで、マーケットインになる。」
 
「私はロボットには2つの種類があると考えています。
 
一つは能力が重視される、作業などのコストを下げるためのロボット。
 
はやい話が洗濯機みたいなものです。
 
もう一つは、存在が重視される、人のパフォーマンスを上げるロボットです。」
 
これに関連して、茂木健一郎さんが、「脳にとっての車椅子」について述べているのは非常に興味深い。
 
「認知症の患者さんが30分前にごはんを食べたことを忘れて『ごはんまだ?』と聞くと、相手はがっかりしてしまいますよね。
 
責めなかったとしても、そのがっかりを見るだけで患者さんにとってはストレスなんです。
 
だから、人間じゃなくてロボットのほうが、事実をただ伝えてガイダンスすることができる。
 
いわば、『脳の認知システムにおいて、体にとっての車椅子のような働き』をしてあげられるんです。
 
そうすることで、患者さんの生活がよりスムーズになります。」
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
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DG Labはオープンイノベーションのプラットフォーム(デジタルガレージ他)

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日本企業デジタルガレージが、サンフランシスコで「The New Context Conference 2016」という会議を開催した件を、ジャーナリスト瀧口範子さんが伝えている。
 
研究開発組織「DG Lab」の設立も改めてアナウンスされたようであるが、DG Labは、デジタルガレージ、カカクコム、クレディセゾンと共に今年7月に設立され、新しい事業を創出するためのオープンイノベーションのプラットフォームと位置づけているらしい。
 
DG Labは、ブロックチェーン、VR(バーチャルリアリティー)/AR(オーグメンテッドリアリティー)、AI(人工知能)、セキュリティー、バイオテクノロジーの5分野を、今後のビジネス創出の場として挙げているという。
 
デジタルガレージの共同創業者の1人である伊藤譲一氏は、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボの所長でもあるが、このプラットフォームは、同氏の経歴やデジタルガレージのユニークな業績が大いに貢献しているというのは、よく理解できる。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
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するべき後悔とは何か(茂木健一郎)

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茂木健一郎さんが、
 
「するべき後悔とは何か。過去の自分の行動につながった価値観、世界観を振り返って、それを『書き換える』ことである。なぜサボってしまったのか、なぜベストを尽くさなかったのか、その前提となった脳の「OS」を自省し、更新するのだ。」
 
「後悔は、基本的にしなくていい。唯一して良い後悔は、そのことによる脳のOSの書き換えである。世の中には、しなくて良い後悔をくよくよしていて、結果としてますます落ち込んでいくことが多いように思う。もったいない。」
 
というのは、 的を射ていると思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

国家IT戦略がIoTに注力すべき理由(谷本 真由美)

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ロンドン在住で情報通信コンサルティングに従事中の谷本真由美さんが、「国家IT戦略がIoTに注力すべき理由 Why National IT strategy must focus on IoT」(WirelessWire)で述べている内容は興味深く参考になる。
 
IoTに関して、従来のITインフラやインタ=ネット関連施策よりも、政府が担う役割は大きいためIoTは国家IT戦略の柱として扱う必要があるとして、次の4点を挙げているが、的を射ていると思う。
 
1IoTの普及は国民の生産性に大きく関わる。
単に消費者向けのデバイスがちょっと便利になるだけのようなイメージと異なり、情報が自動的に収集され、より効率的な経路が割り出されたり、リソース(人・物・金・時間)が適切に配分されたり、改修のタイミングを人力に頼らずに知ることができるようになり、業務が効率化され、交通、輸送、農業、エネルギーといった分野では劇的な変化が期待できるとしている。
 
2IoTの普及には標準の策定と調整が必須であるが、民間企業だけではなく、行政も一緒になって取り組む必要がある。
国際的競争力を維持するには、民間企業だけではなく政府によるロビーイングや国際レベルでの調整も不可欠であるとしている。
 
3IoTの普及はその国のIT力の未来を担っていると行っても差し支えなく、インフラへの投資が必須である。
通信インフラそのものだけではなく、機械同士の通信に使われる電波帯域の見直しも必須であり、これは戦略に盛り込まれる必要があるとしている。
 
4)公共IT投資を通してIoTを迅速に普及させる必要がある。
挑戦的なプロジェクトや認知度の向上に貢献するようなサービスを公共が導入し、IoTの普及を推進していくことで市場の底上げが必要であるとしている。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
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日本の小学校算数教育の不思議

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3.9+5.1=9.0」が、どうして減点になるのか?
 
2×3=6は正解だが、3×2=6は不正解、同じように2+3=5は正解だが、3+2=5は不正解、という「世界」があるのだという。
 
日本の小学校算数教育の不思議さを再認識。
 
理由も理解できない。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
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IoT インテリジェンス

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先日、PTC Forum Japan 2016 でFlutura Business Solutions 及び 日立ハイテクソリューションズ による「IoT インテリジェンスを使って劇的に製造ラインの歩留まり・品質の改善を実現した事例の紹介」、NTTデータ(岩本社長)「デジタル時代を創るITのチカラ」を聴いたが、(ビッグ)データ、フィルタを経たインフォメーション、さらにフィルタを経たインテリジェンスの階層と、処理アルゴリズムに関連した内容が、興味深かった。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁

『接続機能を持つ製品や拡張現実(AR)』が変えるIoT時代の競争戦略(マイケル・ポーター教授他)

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PTC ForumJapan 2016の基調講演で、ハーバード大学経営大学院マイケル・ポーター教授とPTC Inc.ジェームズ・E・ヘプルマン社長兼CEOによる「『接続機能を持つ製品や拡張現実(AR)』が変えるIoT時代の競争戦略」の内容が、既に論文などで紹介されている部分も多かったが、直接聴いて興味深く参考になった。

 
・ITを起点とする 競争の第三波
 
・接続機能を持つスマート製品
企業はまったく新しい技術インフラを構築、支援しなくてはならない。

この「テクノロジー・スタック」は、新しい製品ハードウェア、組み込みソフトウェア、接続機能、遠隔サーバー上で稼働するソフトウェアを搭載した製品クラウド、一群のセキュリティ・ツール、外部の情報源とのゲートウェイ、業務システムとの統合機能から成る。

 
・接続機能を持つスマート製品のケイパビリティは、

 モニタリング、②制御、③最適化、自律性

4種類に分けられ、各機能は前段階の機能を前提としている。
たとえば、制御を行うためにはモニタリング機能が欠かせない。
 
・業界構造の変化
どの業界においても、競争状況は5つの競争要因、すなわち
買い手の交渉力、既存企業同士の競争の性質と熾烈さ、③新規参入者の脅威、④代替品や代替サービスの脅威、⑤サプライヤーの交渉力
によって決まる。
これら5つの要因の構成と強さの度合いが相まって、業界の競争状況と既存企業の平均的な収益性を決定づける
 
・業界間の新しい境界と「システムの複合体」
 
・戦略への意味合い
1)接続機能を持つスマート製品の機能や特性のうち、どれを追求するか
2)製品とクラウドにそれぞれどれくらいの機能性を持たせるべきか
3)開放的なシステムと閉鎖的なシステム、どちらを追求すべきか
4)接続機能を持つスマート製品の機能とインフラすべてを内製すべきか、それともベンダーや事業パートナーに外注すべきか
5)製品やサービスの価値を最大化するには、どういったデータを確保、分析する必要があるか
6)製品データの使用権とアクセス権をどう管理するか
7)流通チャネルやサービス網の一部または全部を中抜きすべきだろうか
8)ビジネスモデルを手直しすべきだろうか
9)製品データを第三者に販売して利益を得るタイプの新規事業に乗り出すべきだろうか
10)事業の範囲を拡大すべきだろうか
 
・特に下記の点。
「過去のIT化の効果がほぼ出尽くして生産性の向上が鈍ってきた頃に、接続機能を持つスマート製品
がITをテコとした生産性向上の新時代を開き、企業、顧客、さらにはグローバル経済に寄与するだろう。
このIT化の第三波は、製品の機能性や性能を段階的に引き上げるだけでなく、法人や個人が抱える数々のニーズへの対応力を劇的に高めるだろう。
多くの分野において、エネルギー、水、原材料など稀少な天然資源を保護しながら、製品の効用、効率性、安全性、信頼性を格段に向上させ、あますところなく活用することが可能になると考えられる」
というのは、尤もだと思う。
 
・製品は接続機能を備えてスマート化し、多様なシステムに組み込まれつつある。
こうした製品の進化を受け、企業と企業間競争のあり方も激変している
 
・接続機能を持つスマート製品は、家電にせよ産業用機械にせよ例外なく、

 物理的要素、②「スマートな」構成要素、③接続のための要素

という3つの柱で成り立っている。
それぞれの具体例は、①は機械部品や電気部品、②はセンサー、マイクロプロセッサー、データストレージ、制御装置、ソフトウェア、組み込みOS、デジタル・ユーザーインターフェース、③はポート、アンテナ、プロトコル、製品と製品クラウドを結ぶ通信ネットワークなどである
 
・新しいビジネスモデル 
製品の利用状況が手に取るようにわかると、まったく新しいビジネスモデルを開発できる。
(航空機エンジンの分野でロールス・ロイスが先鞭をつけた、飛行時間単位の課金制度など)
 
・この新しい条件の下で競争するかどうかという、事業判断を下さなくてはならない。
①製品単体で勝負するのか、②密接に関連し合う製品群を提供するのか、③関連製品すべてに対応するプラットフォームを創造するのか、それとも①〜③をすべて実行するのか。
 
・新しい組織形態
接続機能を持つスマート製品の登場を受けて、製造系企業の各職能部門は従来とは異なる形での協働を迫られている。
このため、組織形態が急激に変化している。データ管理を主な使命とする新たな職能を設ける動きも芽生えている。
 
統合型 データ部門:

CDO(最高データ/解析責任者)が 率いる。全社のデータの収集・蓄積 と分析、各職能の分析支援、全社での情報や知見の共有などを推進

開発運用部門:
R&DIT、製造、サービス各分野の人材を集める。製品の更新、販売後のサービスや高度化、製品発表サイクルの短縮を統括。
顧客成功管理部門:
継続的な顧客関係性を管理し、顧客が製品から最大限に価値を得られるようにする
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
 
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本を読むと読んだだけ本が積み重なり、遠くまで見ることができる(茂木健一郎)

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茂木健一郎さんの次の言葉は、尤もだと思う。
 
「本を読むということには、ネット上の文章を読むのとは違う何かがある。
映像で言えば、断片的なクリップを見るのに対して、2時間程度の映画を観ることに相当する。
本は、活字の世界の映画なのだ。」
 
「子どもたちに本を読むことの大切さを伝える時に使うたとえがある。
本を読むと、読んだだけ、本が積み重なる。
10冊読めば10冊、100冊なら100冊、1000冊ならば1000冊分の高さになって、その分、その上に立って、遠くまで見ることができる。」
 
「しかも、さまざまなジャンル、傾向の本を偏りなく読むことによって、足場のバランスが良くなる。
幅広いジャンルの本を読めば、その分、足場も広くなり、その上で運動をすることもできるのである。」
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 

勝ち抜くビジネスモデル、勝ち切る知財マネジメント(妹尾堅一郎)

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東京都中小企業知的財産シンポジウムの中で、NPO法人産学連携推進機構の妹尾堅一郎理事長(一橋大学大学院商学研究科MBA客員教授)が「勝ち抜くビジネスモデル、勝ち切る知財マネジメント」という題で行った基調講演の内容が、判りやすく参考になった。
 
IoTの加速下における産業世界観・歴史観について俯瞰し、勝ち抜くビジネスモデルとそれを支える勝ち切る知財マネジメントを論じたもので、産業生態系、ビジネスモデル、知財マネジメントがキーワードとしているのは、よく理解できる。
 
・事業業態の変容
Nx1xN もしくは「n(スモールエヌ)」の形成へ
シェアドビジネスの進展
共創的市場形成へ
産業生態系構造の創り方:多様なビジネスモデルの開発競争(Nx1xNの奪い合い)
事業業態方法論としてのオープン&クローズ戦略
参入抑制を行うビジネスモデルとそれを支える知財マネジメント(参入障壁)
参入促進を行うビジネスモデルとそれを支える知財マネジメント(参入誘因)
これらの切り分け・組み合わせ・関係づけ
 
産業レベルでN:N:Nが起こっているとき、勝ち組はNx1xNの構造を作るというのは面白い。
 
IT起業研究所ITInvC 小松仁

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GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」

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NY在住ジャーナリスト肥田美佐子さんが、『GRIT 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』の共著者のリンダ・キャプラン・セイラー氏のインタビューを紹介している。
 
「成功者に共通するのは、誰にも負けない努力・根性・忍耐・情熱、つまりグリットである。
成功を収める人々の大半に共通する事実は、天賦の才やIQという“It Factor”(イット・ファクター=生来備わった要因)ではなく、“Grit Factor”(グリット・ファクター=グリット要因)を持っていることだ。
飛び抜けた才能やIQがなくても、必死に努力すれば誰でも成功できる。
そして、グリットのいいところは、才能と違って後天的なものなので、いつでも、その努力を始められるところにある。」
 
これは、元気づけられる言葉だろう。
 
「グリットとは、次の4つの要素に分解できる。
まず、困難なことに挑み、逆境にめげない『度胸(Guts)』。
次に、挫折から立ち直る『復元力(Resilience)』。
3つ目が、率先して事に当たる『自発性(Initiative)』。
そして、何があっても目的に向かってやり抜く『執念(Tenacity)』だ(それぞれの頭文字を取るとGRITになる)。」
 
これらは、やる気とか根性に通じるもので、肥田さんも「ゆとり世代」の失敗を繰り返すなと言っているが、ちょっと誤解されやすいかもしれないと思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
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ビジネスモデル特許は事業競争力に寄与するか

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ビジネスモデル特許は事業競争力に寄与するのかという点に関して、鮫島正洋弁護士・弁理士(内田・鮫島法律事務所代表パートナー)が、Amazonが選ばれる背景にある「ワン・クリック特許」を取り上げ、説明している内容が分かりやすく参考になる。

 
インターネット上の物販サイトにおいて「素早く発注できる」という利便性は、Amazon社のシェアの維持や拡大に役立っているとし、Amazon社はこの素早い発注方式について、「ワン・クリック特許」と呼ばれる特許権を取得している。(日本国特許第4959817号)。
 
この特許では、「ワン・クリック」のことを「シングル・アクション」と呼んでおり、「特定のアイテムの注文を完成させるためにクライアント・システムに要求される唯一のアクションであって、その実行に続いて注文の確認を要求しないアクション」と定義しているようだ。
 
IT起業研究所ITInvC 小松仁
 
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シリコンバレーの「トランプ対策」

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シリコンバレー在住フリーランスの編集者・ジャーナリスト瀧口範子さんが、「シリコンバレーの『トランプ対策』、求人やWebサイトがカナダへ移動」と伝えている内容が興味深く参考になる。

 
「シリコンバレーは、外国なまりのある英語が共通語だということでもユニークな場所なのだが、新政権がスタートすると、これが変わってしまうのではないかと懸念されている。
一方で、最近はやたらと『インクルージョン(受容)』を訴えるメールをよく受け取る。
外国人を含め、自分と違った人々も受け入れましょう、という呼びかけだ。
危機感と、その危機を押し戻そうとする力が同時に働いているようだ。」
 
IT起業研究所ITInvC 小松仁


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オールフラッシュ・ストレージの普及とHDDの消滅(?)

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日経テクノロジーOnlineにある、「既にHDD消滅後を見据えて電子産業全体が動いている【フラッシュはHDDを駆逐するか】」の内容が参考になる。
 
「オールフラッシュ・ストレージの普及は、フラッシュメモリーの価格の低下に後押しされている。
初期費用に運用中の電力料金や保守費用、スペース費、人件費、冷却費などを加算した総所有コスト(TCO)は、2016年にHDDに並び、その後も減少し続けるという予測が出ている。
ストレージ機器のメーカーの中からは、『もはやHDDを使う理由はない』という声も出てきた。
実際、ハイエンド機から導入が始まったオールフラッシュ・ストレージは、着実にローレンジの機種へと適応範囲を広げている。」
 
「オールフラッシュ化は、10年に一度の産業革新である。
資金繰りに余裕がある企業であれば、オールフラッシュサーバーを購入しない理由はなくなっている。
最低でも2/3、場合によってはデータ蓄積用のローエンドサーバー向けを含めてほぼ駆逐される。」
(野村證券の和田木哲哉氏)
という意見がある。
 
「『CAP定理』によって、HDDは当面の生き場所を得るとしている。
CAP定理とは、既存システムを併用していくことを前提とした分散化したITシステムのアーキテクチャーの基本原則である。
ITシステムは、一貫性、可用性、分散耐性の特性のうち、同時に2つしか実現できないという考え方だ。
今後は3つの特性のバランスを柔軟に取りながらオールフラッシュに移行し、その間SSDHDDが混載した状態がしばらく続くとみる。」
(アーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏)
という、当面はHDDが一定の市場を確保して、SSDHDDは棲み分ける常態になるとみる意見もある。
 
「フラッシュメモリーの価格の低下は約束されていない。
NANDフラッシュの微細化は遠からず止まる。
代替策は積層セルの積み増しになるが、その限界もいずれくる。
多値記憶のビット数を増すにも限りがある」
(慶應義塾大学の田口眞男訪問教授)
という、さまざまなメモリーの開発経験者の意見もある。
 
いずれにしても、オールフラッシュ化の進展とそれに関わる半導体業界の行方を決めるキャスティングボートは、中国メーカーが握っている、という見方は的を射ていると思う。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
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ソフトからハードへ:苦悩するシリコンバレー(WSJ)

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WSJ誌記事「ソフトからハードへ:苦悩するシリコンバレー」(グーグルがドローン開発で直面した配達の「ラストインチ問題」)の内容が興味深く参考になる。
 
グーグルの親会社アルファベットをはじめとするシリコンバレーの企業は、デジタルから物理的な世界に視野を広げつつあり、自動車から温度調節器、コンタクトレンズに至るまであらゆる物を革新しようとしているが、その取り組みは苦戦しているようだ。
 
アルファベットが開発中の58台の自動運転車は公道実験の走行距離が220万マイル(約350万キロ)に達したものの、依然として雪道では不安定な上、通常の走りも交通に支障をきたしかねないほど慎重だという。
 
遠隔地にインターネットを配備するための高高度気球も時に墜落して壊れることがあり、エンジニアを困惑させているらしい。
 
またインタラクティブジャケットは、センサーが埋め込まれた糸が自動織機で切れてしまうなどの問題により計画が1年延期されたようだ。
 
さらに、貨物飛行船や垂直農場、海水燃料化などのプロジェクトは技術的な障害やコストがかかり過ぎるなどの理由で断念しているという。
 
アルファベットに限らず、フェイスブックは、レーザーを介してインターネット接続を実現するための太陽光発電式ドローンの実用化に苦戦しているらしい。
 
スカイプの共同創業者が率いるスターシップ・テクノロジーズは配達ロボットの開発に取り組んでいるが、現行モデルは道路の横断に人間の助けが必要だという。
 
IT企業の物理的世界への参入を阻む大きな要因の1つは、リスクが高いことだというのは、よく理解できる。
 
IT企業にとっては、人を傷つける可能性のある機器を開発するのは初めてであり、英国で昨年、一般人が趣味で飛ばしたドローンが制御不能で幼児にぶつかり、プロペラで眼球を損傷させる事故が発生したらしい。
 
潜在的な危険があるということは、規制に縛れることを意味するというのも、尤もだと思う。
 
自分たちが決めたスケジュールで製品を発表することに慣れたIT企業にとっては負担だというのもよく理解できる。
 
IT起業研究所ITInvC 小松仁
 
 

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人工知能は信用できるのか、AIのブラックボックスを開きそのロジックを解明する

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Ventureclef宮本和明代表が、「人工知能は信用できるのか、AIのブラックボックスを開きそのロジックを解明する」と伝えている内容が興味深く参考になる。
 
AIは統計学の手法で入力されたデータから特徴量を高精度で検出し、メディカルイメージからガンの兆候を医師より正確に検知するが、なぜ癌細胞と判断したのか、その理由を語らない、というのは確かに悩ましい問題と思う。
 
AIの中心技法であるDeep Learningは乳がん検査の判定で成果を上げているようだ。
 
検体のイメージをDeep Learningのネットワークに入力すると、AIはがんを発症する組織を高精度に検出し、今ではAIの検知精度が人間を上回り、多くの病院でこのシステムの採用が始まったという。
 
同時に、健康に見える組織がAIによりがん発症の可能性が高いと判定されたとき、医師と被験者はどう対応すべきかが議論になっている、AIの判定を信頼し、手術を行うかどうかの判断を迫られる、というのは、深刻な問題ではないだろうか。
 
自動運転車は人間より遥かに安全に走行するが、その運転テクニックは開発者ではなくAIだけが知っているわけで、我々はAIを信用できるのかという大きな課題に直面しており、AIに生命を託すことができるのかの議論が起こっているというのは尤もだと思う。
 
銀行やフィンテックベンチャーはローン審査でDeep Learningを使い始めているらしい。
 
ローン応募者のデータをアルゴリズムに入力すると瞬時にリスクを査定でき、高精度に短時間でローン審査ができることから、この手法が注目を集めているようだ。
 
一方、米国では州政府の多くは銀行にローン申し込みで不合格になった人にその理由を説明をすることを義務付けているが、Deep Learningはブラックボックスで、銀行は応募者に十分な説明ができない、という問題もある。
 
AIは目覚ましい成果を上げ世界を変え続けるが、2017年はAIのブラックボックスを開けそのロジックの解明が進む年となる、というのは、ちょっと難しいような気もする。
 
IT起業研究所ITInvC 小松仁
 
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Google: 完全自動運転型の自動運転車の開発を事実上の断念

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BusinessNewsline誌の投稿記事「Google: 完全自動運転型の自動運転車の開発を事実上の断念」の内容は興味深い。

 
Googleがこれまで進めてきた運転席のない完全自動運転型自動運転車(Self-Driving Car)の開発計画に関して、開発計画を抜本的に改めて、完全自動運転型の技術開発は諦めて、開発の方向性を運転アシスト機能に集約するという方針の転換を図ったことが大手ニュースサイト「The Information (Paywall)」による報道で明らかとなったという。
 
今後に関しては、FiatおよびChryslerと提携関係を結ぶことにより、2社を通じて、これまで開発を進めてきた自動運転技術を運転アシスト機能として提供を行うことを検討している模様らしい。
 
米国の自動車産業の中核拠点となっているミシガン州の自動運転車法では、運転席のない完全自動運転型の自動運転車の公道走行試験を申請可能なのは、自動車メーカーに限定しており、自動車メーカーではないGoogleは、いくら開発を進めても完全自動運転型の自動運転車の走行試験は、現状の法制下では公道試験はできない状態に置かれているようだ。
 
Googleのものは、高価なライダー(Lidar)を主要センサーに使用する方式が採用されたものであるが、
世界で初めて商用車に自動運転技術を導入したTeslaは、 コスト的に比較的安価な音波レーダーと光学カメラを併用する方式を採用しており、一見するとGoogleの自動運転車は軽自動車のようで安価なようにも見えるが、このままの商用化したら1台数十万ドルとイタリアのスーパーカー並みに高価な価格になる可能性も生じていたという。
 
自動車業界では、車載センサーの負荷を削減するために、より精度の高い自動運転専用の道路地図を製作する動きも生じているが、全米隈なく、数センチの精度で道路地図を製作することは容易なことではなく、Teslaはこの問題を解決するため、各自動車の自動運転走行データをクラウド上に吸い上げてディープラーニングにかけることで、自動学習方式で、地図精度を高めることを行っているらしく、実用上先行しているだけに、より実務的な印象を受ける。
 
IT起業研究所ITInvC 小松仁
 
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2017年の国内IT市場において鍵となる技術や市場トレンド(主要10項目 IDC Japan)

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IDC Japanが、「Japan IT Market 2017 Top10 Predictions:デジタルトランスフォーメーション・エコノミーの萌芽」(JPJ41876916)で、2017年の国内IT市場において鍵となる技術や市場トレンドなど主要10項目を発表している内容が、参考になる。

 
1)産業間のエコシステム連携によって、第3のプラットフォーム上にDXエコノミーが萌芽する
 
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、クラウド、ソーシャル技術などの第3のプラットフォームによって、顧客が体験することや企業が新たな生産性のレベルを達成するビジネス機会を生み出すことと定義されている。
 
DXへの投資は今後5年間におけるIT市場の成長の大部分を占め、ITサプライヤーの優先事項になるとIDCではみているようだ
 
2)第3のプラットフォームへのICT支出が第2のプラットフォーム支出に並ぶ
 
2015年~2020年の年間平均成長率(CAGRCompound Annual Growth Rate)についても、東京オリンピック/パラリンピックに向けたIT投資が見込まれているにもかかわらずマイナス0.3%と縮小傾向に向かうとしている。
しかし、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、クラウド、ソーシャル技術、次世代セキュリティ、AR/VRIoT、認知システム/AI、ロボティクス、3Dプリンティングで構成される第3のプラットフォーム市場については、CAGR 3.7%での成長を予測しているようだ。
 
3)ランサムウェアの被害拡大が、脅威インテリジェンスと認知システム/AIを活用したセキュリティ製品の開発を加速する
 
4DXを実現するハイブリッドクラウドとAPIエコノミーの拡大が加速する 
 
5IoT事業者の競争軸は「IoTプラットフォーム」から「データアグリゲーションプラットフォーム」にシフトする
 
6DXの普及が、エンタープライズインフラストラクチャの選定基準とITサプライヤーの競合関係に変化をもたらす
 
DXに取り組む企業の増加は、エンタープライズインフラストラクチャの支出に中長期的に影響を与えるが、代表例として、クラウド化、コンバージェンスの進展、Software-Defined化、HDDからフラッシュへの置き換えなどが挙げられている。
 
7)認知システム/AIの事例がプロフェッショナルサービス、セキュリティ/リスク管理分野で多数登場する
 
認知システム/AIは、検索系と検知系のビジネスソリューションから活用が始まり、検索系では、医療分野での医師の診断サポート、弁護士の判例検索など、膨大な文献/論文から目的に最も適合するものを「リーズニング(意思決定の理由付け)」するソリューションが顕著な例となるとしている。
また、検知系では、サイバーセキュリティ保護対策やリスク対策として、シグネチャ型に加えて振る舞い検知などのサイバー攻撃の高度検知を達成するためにAIが利用されるとみている。
 
8)産業特化型クラウドがDXエコノミーのコア技術として成長を始める
 

産業特化型アプリケーションのSaaSSoftware as a Service)化や、金融や地方自治体の共同センターのクラウド化から、既存産業を破壊する産業特化型クラウドとしてUberAirbnbなどの市場認知度が急上昇し、IoTのユースケースが提示され、GEの産業機器向けのIoTプラットフォームPredixや、ファナック/シスコシステムズ/Preferred Networks/ロックウェル・オートメーションが共同で開発を進めるFANUCIntelligent Edge Link and Drive FIELD systemなどがIoTをベースとした代表的なソリューションになってきている。

 
9AR/VR、ロボティクス、3DプリンティングなどのIA技術が製造業の変革とグローバル競争力の強化に貢献する
 
IoTAR/VR、ロボティクス、3Dプリンティングなどの主要な新技術を「イノベーションアクセラレーター(IA)」と定義している。
 
2017年には、国内製造現場におけるIoTの利用が爆発的に広がり、いくつかの先進企業がそこから得られた膨大なデータとIAとの連携を開始するとしている。
 
こうした活動の中から、たとえば、IoTデータの分析から得られた情報を、AR/VRを使って現場の熟練工にリアルタイムに提示する活動、製造ラインのIoTデータをリアルタイムに設計情報にフィードバックする技術など、今後の国内製造業変革のヒントとなる象徴的な改革事例が生まれるとみているのは、興味深い。
 
10DXが企業の全社的課題として認識され、IT人材とDX推進組織の再定義が進む
 
DXという概念的な言葉は、2015年から2016年にかけて金融業ではFinTech、製造業などではIoTといった形で、より具体性を帯びる形で語られるようになったとしている。
 
IT起業研究所ITInvC 小松仁
 
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「New York Times」の名物テクノロジー記者の退職

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New York Times」の名物テクノロジー記者のジョン・マルコフ(JohnMarcoff)氏が、201611月末で同社を退職した件を、シリコンバレー在住ジャーナリスト瀧口範子さんが、伝えている。

(「Web、ハッカー、AIを追い続けた、NYTの名物テクノロジー記者が引退」)
 

同氏は、以前にも「Byte」や「InfoWorld」、「SanFrancisco Examiner」などでシリコンバレーの誕生と隆盛を克明にレポートし、この地域の生き字引のような存在だったらしい。

 
インタビューで同氏が、テクノロジー業界で一番印象深い出来事として、印象深い新製品という意味では、1984年の「Macintosh」の登場や、2005年にDARPA(国防総省高等研究計画局)が主催した自動運転車のコンテスト、さらに「NeXT」や「iPhone」の発表などを挙げているのはよく理解できる。
 
さらに、実際にはもっとすごい出来事がたくさんあったとし、例として米IBMと米Microsoftの戦争が思い浮かぶとしているのは興味深い。
 
IT起業研究所ITInvC 小松仁
 
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人が乗って操縦可能な2足歩行型巨大ロボット

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「米韓共同開発チーム、人が乗って操縦可能な2足歩行型巨大ロボットを公開」というBusiness.newslineの記事は興味深いが、本当だろうかとちょっと疑いたくなる。
 
著名な米国人インダストリアルデザイナーのVitaly Bulgarovと韓国人ロボット工学技術者のLim Hyun-kuk2名がリードする共同開発チーム「Korea Future Technology」が、2足歩行の巨大ロボット「14FT」の開発に成功したとする映像とビデオを公開している。
 
頭部に相当部分がない他は、SF映画に登場する巨大ロボットやパワードスーツのプロポーションそのままのものとなっており、一見する限り、これに本当に人が乗って、二足歩行で動作できるとは思えない程のものとなっている、というのはよく理解できる。
 

ロボットのデザインを担当したVitaly Bulgarovは、映画「Robocop (2014)」「Terminator Genisys (2015)」「Transformers: Ageof Extinction (2014)」のデザインも担当している有名インダストリアルデザイナーのようだ。

 
こうした巨大ロボットは、SF映画ではおなじみのものとなるが、2足歩行ロボットをそのまま人が乗れる程に巨大化させた場合、脚部にかかる負荷が多大となり、既存の電気モーターでは十分に大きなトルクを発生させることはできなくなるため、こうした本格的な巨大ロボットの開発に取り組もうとする研究者はこれまでは現れなかった、というのは尤もだと思うが・・・。
 
IT起業研究所ITInvC 小松仁
 
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アウトプットは脱抑制である(茂木健一郎)

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茂木健一郎さんが、「アウトプットは、脱抑制である」と述べているのは参考になると思う。
 
アメリカ人の最強の社会的悪夢は、大勢の人の前で喋ることだという、アメリカでもそうなのか、と意外な気がするが、他人の目の前で話す、ということが緊張することであることは事実であろうというのは、よく理解できる。
 
脱抑制をして、アウトプットにかかわる回路が自発的に勝手に動くことで、言語的表現が生まれるのである、つまり、話したり書いたりしながら、その内容は自分が意識的にコントロールするものではなく、勝手に出てくる、というイメージになる、というが、実際にこれを実践できるかがやはり問題だろう。
 
脱抑制によるアウトプットへのアプローチは、フロー状態を引き起こす、全く苦労することなく、すらすらと、流れるように言葉が出て来るという状態は、意識のコントロールなしでこそ生まれるのである、この感覚を身につけることが、生涯の宝物になる、というのだが・・・。
 
IT起業研究所ITInvC代表 小松仁
 
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