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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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『労働人口49%の仕事が人工知能やロボット等に代替可能に』の真意

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NRIの未来創発センターは、昨年12月、英オックスフォード大学のマイケル A.オズボーン准教授およびカール・ベネディクト・フレイ博士と共同で、労働政策研究・研修機構が「職務構造に関する研究」で分類している601の職種について、人工知能やロボットにって代替される確率を試算し発表している。
 
1020年後に、現在の日本における労働人口の約49%が就いている職業は、高い確率(66%以上)で人工知能やロボット等に技術的には代替することが可能であることが分かったとしているが、上級研究員の寺田知太さんが、最近、「『労働人口49%の仕事が人工知能やロボット等に代替可能に』の真意」を説明している内容が興味深い。
 
コンピューターの計算能力・データ量が飛躍的に向上することにより知識や経験の蓄積が必要で高付加価値とされた職業を技術が実現することができるようになり、同時に、ディープラーニングのようなアルゴリズムの革新は、これまで機械では不可能とも思われていた職業への技術活用が可能になるというわけである。
 
代替可能性のある労働人口比率が、英国(35%)や米国(47%)と比較して、日本の比率が高い理由として、欧米ではすでにコンピューター化や機械化されている業務や職種が、日本ではまだ人に任されていることが遠因である可能性を指摘しているのはよく理解できる。
 
機械化される仕事がある一方で、新しい仕事も生まれるという点は救いになるが、人がかかわるからこそ価値を発揮できる業務とは、創造性、他者との協調性が必要な業務や、非定型な業務としているのは尤もだと思う。
 
労働力不足を見据えて、外国人労働者や移民の受け入れ策が議論されているが、労働力不足だからこそ、テクノロジーを受け入れる余地が出てくるわけで、日本企業にも日本全体にとっても、新たなサービス創出や、組織や業務のあり方、働き方を改善していくチャンスになるはずで前向きに未来をとらえていきたいというのは、うなずける。
 

アナログな侵入方法「ソーシャルエンジニアリング」

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シリコンバレーのジャーナリスト瀧口範子さんが、最近、米国の連邦政府機関がハッカー攻撃を受けて、個人データや機密に近い情報が漏れることが増えている件を伝えている。
 
昨年夏に連邦人事管理局(Office of Personnel ManagementOPM)のシステムが外部から侵入され、2150万人の米国民の個人情報が漏洩したのをはじめ、今年2月のハッカー攻撃では、国土安全保障省(Department of Homeland SecurityDHS)と連邦捜査局(FBI)がターゲットで、いずれも国家を守っているはずの組織がシステムへの侵入を許したわけで面目丸潰れだとしている。
 
今回の侵入はデジタルとアナログ両方の方法を使って行われたらしく、ハッカーは最初、あるDOJ職員のメールアカウントに侵入、DOJWebポータルにアクセスしようとしたが、それがうまくいかなかったので、DOJ内のヘルプデスクのような部署に電話をかけ、「入ったばかりでよく分からないのだが、うまくアクセスできない」と告げたところ、ヘルプデスクの職員が「コードはあるか」と聞いた際に、ハッカーは「ない」と答えたにも関わらず、職員は「それなら、これを使えばいい」と部署のコードを提供、これで、オンラインの仮想マシンにアクセスして、そこからDOJ職員のコンピュータやLANにつながるサーバーなどへのアクセス権を得たという経緯らしい。
 
こういうアナログな侵入方法は「ソーシャルエンジニアリング」と呼ばれているようだ。
 
日本の行政機関でのうっかりミスも聞こえてくるが、アメリカの政府機関も完璧な堅城ではないというのは、残念ながら本当のようだ。
 
 

コージェネレーション(CHP、熱電併給)

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日経新聞主催、内閣府、総務省後援の地方創生フォーラム「官民連携と地域連携で実現する地方創生~人材流動化、地域エネルギーシステム、ヘルスケア、新産業創造が生み出す経済循環~」を聴いたが、東京工業大学の柏木孝夫特命教授(名誉教授)が、「連携で実現する地域エネルギービジネス」という題で行った基調講演の内容が興味深く、参考になった。
 
特にその中で紹介されていたコージェネレーション(CHP、熱電併給)に関しては、最近、国際環境経済研究所のWeb上に山藤泰YSエネルギー・リサーチ代表が、「米国のコージェネレーション」で紹介している状況が判りやすく参考になる。
 
米国では連邦法であるPublic Utility Regulatory Policies Act (PURPA:公益事業規制法) 1978導入により普及が促進されたとされているが、電力会社にとっては、コストが高くつくと同時に、運転を自分で制御できないということから忌避感が強くなり、さらには、2005年にこのPURPAのインセンティブの内容が変更されたために普及が落ち込んでしまい、この低落状況が現在まで続いてきたようだ。
 
しかし、天然ガス価格が下がったこと、コージェネのエネルギー効率が高いためにkWh当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を低くできることから、気候変動対策を重要政策とするオバマ大統領の方針を背景に、EPA(環境保護局)とEPRI(電力研究所)が推進に向けた具体策を繰り出しているらしい。
 
さらに、石炭火力発電所からのCO2排出量を抑制するために、排出ガスからCO2を捕捉し、貯留するCCS (Carbon Capture & Storage) 技術の開発が進められているが、もし近傍で熱需要をとりまとめて発電所から供給することができれば、極めて有効な温室効果ガス排出抑制策となるのは間違いないだろう。
 
また、巨大ハリケーンなどによる災害によって長期停電を余儀なくされた都市で、天然ガスコージェネを利用して地域の電力供給網をマイクログリッド化し、エネルギー消費の効率化と安定供給を実現するプロジェクトが、カリフォルニア、ニューヨーク、テキサス州など各地に広がっているらしい。
 
再生可能エネルギー、コージェネなどの分散型電源がスマート化したグリッドに組み込まれて制御されるようになり、電力事業者に受け入れやすくなっていることもあるようだ。
 
COP21で約束した温室効果ガスの排出抑制目標を達成しなければならない日本も、このような米国の動向を注視する必要があるというのは、尤もだと思う。
 
 

知的財産の見える化

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IPMaaCurieの後藤昌彦代表取締役が、JCPO日本コンサルティング推進機構のWeb上で、「知的財産の見える化」、特に関連する部門間の連携の重要さ、「知財マッピング」手法により、保有している知的財産を分類し、マッピングすることでその位置付け、競合他社との優位性、独自性がわかり、また他社に比べて弱いところも明確になってくる点を紹介しているのが参考になる。
 

ナノ技術は見えない場所でIoTをささえる大きな原動力となっている

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三菱総研政策・経済研究センターの白戸智さんが、先日の国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2016)を報告している。
 
この中で、ナノ技術は低廉、多様なセンサーの開発、それらのネットワーク化、コンピューティング・デバイスの小型化、効率的なエネルギー・マネジメントなど、見えない場所で、IoTをささえる大きな原動力となっているとしているのは、よく理解できる。
 
また、コンピューティング・デバイスの小型化、高性能化は、自動車、モバイル機器、家電、ロボットなどへのAIの分散配置を可能とし、これまでのクラウド化の流れに対して、分散配置の新たな流れを生み出すだろうというのは、尤もだと思う。
 
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バーチャルパワープラント(VPP)

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山家公雄エネルギ-戦略研究所長(京都大学特任教授)が自然エネルギー財団コラムに載せている、「考察『エネルギ-革新戦略案』-VPPとは分散型エネルギ-システムである-」の内容が参考になる。
 
バーチャルパワープラント(VPP)は、高度なエネルギ-マネジメント技術により、電力グリッド上に散在するエネルギ-リソースを統合的に制御し、あたかも一つの発電所(仮想発電所)のように実現される機能とされている。
 

「創エネ、省エネ、蓄エネリソースの統合制御」が本質で、分散型エネルギ-資源(DERDistributedEnergy Resources)を統合して、自身、地域、グループで消費したり、販売したりすることというのは分かりやすい。

 
また、VPPの実現には、配電網整備および配電会社の活性化が不可欠としているのは、尤もだと思う。
 

再生可能エネルギー・省エネルギーの現状と課題

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先日のスマートグリッド EXPO特別基調講演で「再生可能エネルギー・省エネルギーの現状と課題」を、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長の藤木俊光さんが、説明していた内容が参考になる。

 
昨年7月に2030年度のエネルギーの需給構造の見通しを出しているが、徹底した省エネで電力需要を17%減らしたうえ、総発電電力量の2224%を、地熱(1.01.4%程度)、バイオマス(3.74.6%)、風力(1.7%程度)、太陽光(7.0%程度)、水力(8.89.2%程度)など再生エネルギーで構成しようとしている。
 
実際には、色々な問題、例えば、FITの見直し、太陽光発電の未稼働問題、各種のフリクション(安全面他)など山積しているようだ。
 
最も重要なのは、如何に安く(147円)の点だろうが、地熱、風力はまだ時間かかりそうであり、送電線の要領から一杯にならないよう予約が必要、買取義務はやはり送配電事業者にせざるを得ないなどまだまだ控えているらしい。
 
電力量(ワット)の削減分(ネガティブ)を売買する「ネガワット取引」では、通常「アグリゲータ」と呼ぶ仲介会社が間に入って、電力会社の要請に応じて一般企業が節電に協力する方法をとるが、IoTの活用が期待されているようだ。
 
分散型エネルギーを実現するには、基本的に地産地消、熱利用、ディマンドコントロールの問題は避けて通れないと思う。
 

もう一つの特別基調講演で、U.S. Department of Energy(DOE) Energy Efficiency and Renewable Energy,PrincipalDeputy Assistant SecretaryDavid J. Friedman氏が、「クリーンエネルギー革命:低炭素社会実現を加速する技術革新」で、Mission Inovationをキーワードに、Sustainable transportationRenewableElectricity GenerationEnergySaving HomesBuildings & Manufacturingなど紹介した内容も分かりやすく参考になった。

国内に工場を持たない製造企業(FGPs)

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RIETI経済産業研究所の森川正之理事・副所長が、「国内に工場を持たない製造企業:日本の実態と特徴」で興味深い分析をしている。
 
先進国において製造部門のオフショアリングや「製造業のサービス化」(servitization)が進行している中、「工場を持たない製造企業」(FGPs)の増加が注目されているという。
 
米国のアップル社、マインドスピード・テクノロジー社(半導体)、英国のダイソン社(掃除機、ドライヤー等)などが代表例とされ、生産工程の海外へのアウトソーシングを極限まで行い、国内の事業活動は脱製造業化した企業の形態を指ししているようだ。
 
産業分類上は卸売業として扱われている企業が多いというのも面白い。
 
FGPsは、グローバル化が深化する中で、タスク・レベルでの先進国の比較優位に沿った存在だといえ、輸送・通信コストの低下、TPPをはじめとする経済連携協定の拡大は、グローバルな分業をさらに細分化・深化させていくと予想され、優れたFGPsの成長は日本全体としての「稼ぐ力」を強める役割を果たすことが期待されるといのは、尤もだと思う。
 

グーグル「無料送迎タクシー特許」に透ける野望

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日経オンライン記事「グーグル『無料送迎タクシー特許』に透ける野望」の内容が興味深い。
 
自動運転車の登場は、単に安全性の向上、交通渋滞の削減、運転の負荷低減といった、現在のクルマの機能延長線上にあるものではなく、既存の自動車産業の基盤を根底から覆すものだと認識しておくべきだというのは、的を得ていると思う。
 

Google2011111US8630897 B1、「Transportation-awarephysical advertising conversions」を出願している。

 
自動運転車自体を利用したサービスでGoogleが注力しているのは「無料送迎タクシー」であると推測され、Googleのオンライン広告を見て実店舗へ向かう顧客に対して、無料もしくはディスカウント料金の自動運転タクシーの送迎サービスを提供するもののようだ。
 
無人ではないが、既にスマホを利用したオンデマンドの配車サービスを展開しているのがUberで、2015年に自動運転研究で有名な米カーネギーメロン大学との共同研究を目的に「Uber Advanced Technology Center」を設置し、自動運転車の開発に本腰を入れ始めているらしい。
 
将来的には、ドライバーが不要な自動運転車を同社の配車サービスに活用し、コストを大幅に引き下げるのが狙いという。このあたりの今後の動向は、注意深く見守っていきたいと思う。
 

IoT時代の製造業

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マイケル E. ポーター(ハーバード・ビジネス・スクールユニバーシティ・プロフェッサー)とジェームズ E. ヘプルマン(PTC 社長兼CEO)両氏による「IoT時代の製造業」は、「接続機能を持つスマート製品」によって競争戦略がどう変わるかを論じていた「IoT時代の競争戦略」の続編になるが、「接続機能を持つスマート製品」の本質が、バリューチェーンを変え、製造企業のほぼあらゆる職能の役割を変え、さらに組織形態も大きな変化を迫られていると論じていて興味深い。
 
個々の製品ではなくシステム全体に焦点を当てる製品が大きなシステムの一部になると、顧客への価値提案の範囲が広がり、メーカーとしては製品単体の品質や機能に気を配るだけでなく、関連製品との相互運用性を確保する必要が生じるというのはよく理解できる。
 
この新しい条件の下で競争するかどうか、次の事業判断を下さなくてはならなくなる。
 
1)製品単体で勝負する。
 
2)密接に関連し合う製品群を提供する。
 
3)関連製品すべてに対応するプラットフォームを創造する。
 
4)上記をすべて実行する。
 
例えば、産業用機械のような耐用期間の長い製品のメーカーにとって、アフターサービスは大きな売上げ、利益源になりうるが、接続機能を持つスマート製品はサービスと効率の向上に寄与し、受け身の対応から、遠隔による予防的な事前対応へと、抜本的な変革を可能にするというのは、よく理解できる。
 
製造業界において、サービス部門がイノベーションの主な担い手になりつつあり、延長保証や、顧客の機械、車両、業界の比較評価のような高付加価値サービスによって、売上げと利益を伸ばしているというのは、尤もだと思う。
 

「下町ロケット」の弁護士のモデルとされる鮫島正洋氏の話

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池井戸潤の小説『下町ロケット』に出てくる弁護士のモデルとされている、鮫島正洋氏の話が興味深い。
 
特許侵害訴訟件数の約6割は中小企業が提起しているが、判決で見ると、中小企業の原告勝訴率は2割以下にとどまっており、対大企業の勝訴率は1割にも満たない状況らしい。
 
事前の準備の入念さが大企業と中小企業では格段に違うのが原因というのは、残念ながらよく理解できる。
 
大企業には必ず知財を扱う部署があり、訴訟となれば、まずはそこで1次検討をし勝てるかどうかを分析、勝てると思えば弁護士、しかも、特許訴訟に強い弁護士を雇って再検討していき、絶対に勝てると踏んだものしか訴訟には持ち込まない。
 
一方、中小企業の場合は、何となく特許侵害されているようだとか、大企業に技術を盗まれたようだとか、曖昧な状況で、とにかく「悔しいからやれ」と、経営者が突っ走ってしまうことがあり、知財部がなくても顧問弁護士には相談するとしても、彼らは必ずしも特許に詳しいわけではないというのは、尤もだと思う。
 
「特許なんて意味がない」と言う中小企業経営者がいるのは、もしも独占しようとしたら、かなり完璧な特許を取らなければならず、権利行使のための費用も相当に必要であり、さらに業界から総スカンを食ってしまうようなリスクもあるというわけで、よく理解できる。
 
一方、自分たちが開発した成果を「きちんと特許という形で資産化している」というアピールや、会社の経営効率、あるいは経営の意識がしっかりしている証明にもなり、さらに金融機関やベンチャーキャピタルの間で特許に関する意識が非常に高まってきて、特許権をきちんと取得していない企業にはなかなか投資しにくいという状況もあるようだ。
 
いずれにしても、知財戦略というのは、会社の規模によっても大きく変わるというのは間違いないだろう。
 

Software defined Carテスラ

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Cloud Days Tokyo 2016Keynoteで、テスラモーターズジャパンのニコラヴィレジェ代表取締役社長の話を聞いたが、改めてEVSoftware defined Carの面白みを感じた。現在、生産はカリフォルニア州の元トヨタとGMの合弁工場だった場所でカンバンシステムをベースに、米国人の労働者、ロボットはファナック製、バッテリーはパナソニック製と、日本と縁の深い関係で事業化されているようだ。
車は、OTAOver-The-Air)で定期的なアップデートがされ、常につながっている状態らしい。
例えば、国内ではオートパイロット機能も115日にアップされているが、ハードウェアとしては1年半前から必要なものが搭載されているので、何年型という呼び方をしないというのは面白い。
前方カメラ、超音波ソナー、マッピングシステムがキーとなり、オートクルーズ、オートステア、オートパークなどが実現されるようだ。
カーブなどのコーナリングも一度覚えると次はスムーズに実行されるなどの学習機能が入っているとのこと。
ただし、ETCや信号の読み取りなどはまだなく、完全自動ではない。
各国の運輸対応の法律に従って、盛り込まれていくように思われる。
500km分をスーパーチャージャーで40分、家庭では45時間で充電できるというのも、かなり実用性が出てきていると感じさせる。

テレイグジスタンス(遠隔存在)装置、VRソリューション

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(株)UEI代表取締役社長CEOの清水亮さんによる、東大暦本研(東京大学本郷キャンパス)のオープンハウス訪問記が興味深い。
 
暦本研を率いる暦本純一先生は、東大教授でありながらソニーの研究機関であるソニーCSL(ソニーコンピュータサイエンス研究所)の副所長でもあり、日本を代表するユーザーインターフェースの研究者の一人らしい。
 
テレイグジスタンス(遠隔存在)装置の一種である“CASPER(キャスパー)”は、ロボットを使わず映像を使うことで、存在しない人物を写り込ませ、ユーザーは鏡を見ているかのような状態で、遠隔地にいる人物と会話したり共同作業したりすることが可能なようである。
 
また、VRソリューションでは、通常、ドローンや三脚、もしくは自動車などといったものに360度カメラを取り付けて撮影するが、結局、撮影者が写り込んでしまいがちという問題に対し、“Jack In Eye”はそうした問題を極めてシンプルな方法で解決できるようで、別格の臨場感を与えてくれるという。
 
こういう研究室を民間企業がもっていて、しかも東大と一緒にオープンさを取り入れながらどんどん夢を形にしていくというのは素晴らしいことというのは、全く同感であり、今後に大きな期待を抱かせてくれる。
 
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AI研究の第一人者松尾豊特任准教授のインタビュー

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AI研究の第一人者である松尾豊東京大学大学院工学系研究科特任准教授が、AIによって新しい巨大な輸出産業が生まれ、それにともない人と社会のありかたも変わっていく、日本はロボット技術に強いので、本気を出せば、いい位置まで行けると確信している、研究と人材育成に注力しノウハウを企業と共有していきたいと考えているなど、インタビューに答えている内容が、参考になり励まされる。
 
今のAIは、見て(そこに)何があるかを認識できるようになっており、米国では15年に、ロボットの認識能力が人間を超え、さらに機械学習が発達したおかげで、ロボットは作業しつつ上達できるようになっているという。
 
AIを活用すれば、農家の仕事を全自動化でき、国内の人手不足を解消するだけではなく、東南アジアやアフリカなど海外にも輸出すれば、巨大な産業になるし、建設現場の管理作業もAIロボットに任せられるという。
 
AIのなかで、とくに進んでいるのが「画像認識」で、街中や建物内に不審人物がいると、コンピューターが発見、警察官をサポートする形で、AIが安全の向上にも寄与できるとしている。
 
一方、日本の企業をみると、米国に勝つつもりがまるでなく、キャッチアップしていこうとする人も少ない、という印象を受けるというのは、残念ながら現実なのだろうか。
 
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO98157790Y6A300C1000000/

「フィンテック」の原理

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大前研一さんが、【大前研一メソッド】の中で、「フィンテック」の原理を解説しているのが判りやすい。
 
基本概念を理解するための原理は以下の4つとしている。
 
原理1:価値があるものは何でも貨幣と置き換えて考えられる。
 
原理2:価値は時間の関数である。
 
原理3:スマホのエコシステム(生態系)を使えば、ほぼ瞬時に全世界のどことでも、誰とでも取引することができる。(通貨に依存しないスマホ経済で全世界共通)
 
原理4:以上、3つの原理を実行するために必要な“信用”を(サイバー空間で)提供するものが国家や金融機関にとって代わる。
 
ところで、スマホによる決済が世界で最も進んでいるのはアフリカというのも面白い。
 
 

AlphaGo三連勝(茂木健一郎さんのコメント)

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茂木健一郎さんが、AlphaGoが三連勝した件を論じている内容は尤もだと思う。


人間が、想像できないような手を打つ、しかも、それが、後で利いてくる、これは、もはや、「天才」の領域ではないかというのはよく理解できる。


天才とは、文脈の中での卓越と、文脈からの逸脱のかけ算である、その意味では、AlphaGoは、人間の指し手に学んだ、という意味では文脈の中で卓越しつつ、その人間が想像できない手を打つということで、文脈を逸脱しているとしている。


今回の結果で最も衝撃的なのは、人間の「直観」なるものが、たいしたものではないということがわかってしまったことだろう、AlphaGoは、考える人にとっては、今後長きにわたって、自らの美意識や直観を疑う自己懐疑のきっかけになると思うというのは、同感である。



自動運転ベンチャー「Comma」

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Ventureclef代表宮本和明さんが、20159月自動運転ベンチャー「Comma」を設立し自動運転キットを開発しているGeorge Hotzについて紹介している内容が興味深い。
 
このキットをクルマに搭載すると、一般車両が自動運転車になるらしい。
 
まだプロトタイプもできていない状況であるが、大手ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzが、Comma2000万ドル程度出資したという。
 
HotzTesla創業者であるElon MuskAIやビジネスについて協議したが、交渉は不調に終わったらしく、Muskはブログの中でHotzについて、厳しいコメントを公表しているようだ。
 
「一個人や小さな会社が市販車向けに自動運転システムを開発できるとは思えない」、「Commaは包括的に安全を検証するための技術を持ち合わせていない」、「自動運転技術の真の課題は、Machine Learningの精度である」、「特定の道路を走行する自動運転車は比較的容易に開発できるが、市販車に要求される高度な安全性を確保するためには、大量の走行データとソフトウェアの大規模な改良が必要となる。」など、尤もと思うが、ハイリスクな事業スタイルが特徴のTeslaが急に保守色を強めたようにも感じるというのもよくわかる。
 

一方、Deep Learningアルゴリズムの一つであるNeuralNetworkの専用プロセッサーと言っても過言ではないNvidia CEO Jen-Hsun HuangHotzに注目しているというのは面白い。

 

「日本はこれからどこへ行くのか」と内田樹さんが論じている

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「日本はこれからどこへ行くのか」と内田樹さんが論じている内容は、興味深く考えさせられる。
 
 世界史的スケールで見ると、世界は「縮小」プロセスに入っている、「縮小」と言ってもいいし、「定常化」と言ってもいいし、「単純再生産」と言ってもいい、「無限のイノベーションに駆動されて加速度的に変化し成長し続ける世界」というイメージはもう終わりに近づいている、別にそれが「悪いもの」だから終わるのではない、変化が加速し過ぎたせいで、ある時点で、その変化のスピードが生身の人間が耐えることのできる限界を超えてしまったからである、という。
 
 「変化を止めろ、変化の速度を落とせ」というのが全世界で起きているさまざまな現象に通底するメッセージであり、そのメッセージを発信しているのは身体で、脳内幻想は世界各地で、社会集団が異なるごとにさまざまに多様化するが、生身の身体は世界どこでも変わらない、という。
 
 「変わり続けること、それもできるだけ速くかつ徹底的に」ということそれ自体が「善」であるというある種の思い込みが私たちの社会をせき立ててきたが、今その「思い込み」に対する疑念が生じてきたのであり、変化に対する膨満感と言ってもいいかも知れない、逆説的な表現ではあるが、変化することに飽きるということがあるのだ、というのはよくわかる。
 
 私たちは「いくらでも変化してよいもの」と「手荒に変化させてはならないもの」を意識的に区別しなければならない、人間が集団として生きて行くためになくてはならぬもの、自然環境(大気、海洋、河川、湖沼、森林など)、社会的インフラ(上下水道、交通網、通信網、電気ガスなど)、制度資本(学校、医療、司法、行政など)は機能停止しないように定常的に維持することが最優先され、生身の人間が自然環境・社会環境との間でなしうるのは「折り合いをつける」ことまでであって、それ以上のことは求めてはならない、というのは尤もだと思う。
 
 わかっていない人間たちが、現代世界では政官財メディアの世界を仕切っていて、彼らはつねに浮き足立っていて、つねに何かに追い立てられており、「一刻の猶予もない」「バスに乗り遅れるな」というのが、彼らが強迫的に反復する定型句であるとしている。
 
 ただ「浮き足立つ」という不動の定型に居着いているに過ぎない、最も端的かつ病的に現われているのがメディアだとし、グローバル資本主義はいつどういう仕方で終わるのか、社会はどのようなプロセスを辿って定常的なかたちに移行するのか、脱市場・脱貨幣というオルタナティブな経済活動とはどのようなものか、といった緊急性の高い問いに今の経済記事は一言も答えていない、としている。
 
 グローバル資本主義はその末期段階を迎えているとし、それを象徴する最大の出来事は、アメリカが主導してきたグローバリズムが、それとは価値観を異にする「もう一つのグローバル共同体」(イスラーム共同体)に衝突して、地球を覆い尽くすことが不可能になっていることだという。
 
 いずれにしても、私たちの世界が今求めている言葉はまず「Cease fire」(「止まれ」)、「落ち着け」、「浮き足立つな」であるとし、停止することが決定的な変化を意味するような局面というものがある、というのも間違いないだろう。
 

製造業とAIの融合

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辻井潤一 産総研人工知能研究センター長が、「製造業とAIの融合に日本の勝機あり」と論じている内容が興味深い。
 
今後、AIはさまざまな分野と融合するような技術になっていくとして、そのときに、主に3つの柱があるという。
 
1に、「AI for Human Life」といい、サービス業との融合。
 
2は、「AI for Science」で、基礎科学研究との融合。
 
3の柱は、「AI for Manufacturing」で製造業との融合。
 
従来は、製造業が情報技術(IT)を使って合理化を進めるという構図だったが、今後は、情報産業が製造業のセンシング技術や制御技術を使って新しい市場や事業を創出するという動きが増えてくるとし、製造業の技術はコモディティーとなり、AIに代表される最先端のITによって価値を生み出すという逆転現象が起きようとしているというのは、よく理解できる。
 
特に、日本の製造業では、中小企業が非常に高度な技術を持っていることが珍しくなく、こうした技術についても、AIを使ってロボットに移植することで、活躍の場を広げられる可能性があるというのは、面白い。
 

ロボット普及は「両刃の剣」か

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キャノングローバル戦略研究所CGISの栗原潤研究主幹(関西学院大学客員教授)が、ロボット普及は「両刃の剣」と論じている内容が興味深く参考になる。
 
オバマ大統領が議会に提出した経済報告書に、ロボットに関する分析が初めて掲載され、ロボットが雇用に与える影響を分野・職種に分けて解説しているらしい。
 
結論として、総体的・長期的に技術は人々を幸福にするが、現実にはロボットを導入し生産性を高める職種と、そうでない職種が混在し、そうでない場合、ロボットの普及で職種が縮小・消滅し、労働者が別の産業・職種に速やかに転職しない限り、短期的にはケインズが語る「技術的失業」が発生するとしているようだ。
 
報告書ではロボット技術による"負の影響"を防ぐ柔軟性・強靭性を労働者に習得させる目的で、教育の必要性を強調しているというのは、よく理解できる。
 
また、例えば老人を助ける介護ロボットを、軍事目的へと巧みに転用すれば、見事なほどに殺人兵器に変わってしまうわけで、多くの先端技術は軍民両用に活用出来るがゆえに、長足の進歩を示す技術の動向から目が離せない、というのは尤もだと思う。
 
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