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Channel: IT起業研究所 ITInvC 代表小松仁
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世界経済フォーラムの報告書「The Future of Jobs」

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Ventureclef代表宮本和明さんが、WorldEconomic Forum (世界経済フォーラム)の主要テーマ「Fourth Industrial Revolution (第四次産業革命)」に関し、将来の雇用についての報告書「The Future of Jobs」のポイントを紹介している。

 
ビジネスの破壊的な変化で雇用情勢が劇的に変わるとし、新しい職業が生まれると同時に従来の職業がなくなるとし、いま小学校に入る子供の65%が、いまは存在しない職業に従事すると紹介している。
 
この報告書は先進国と新興国の371社のChief Human Resources Officers (採用責任者) のアンケートをもとに構成されているようだ。
 
ここでの第四次産業革命は、Industry 4.0で使われる用語より幅広い意味を持つと考えられる。
 
今までバラバラに開発された技術が、いまお互いに影響を及ぼし、人工知能、機械学習、ロボティックス、ナノテクノロジー、3Dプリンター、遺伝子工学、バイオ技術などが、お互いに影響しあい技術進化を加速させていく一方、スマートホームやスマートシティーなどは地球温暖化の問題解決に貢献するとしているようだ。
 

雇用を減らす最大の要因は、モバイル・インターネットとクラウド、及びビッグデータとし、2015年から2017年にかけては、新エネルギー、Internetof Things、高度製造技術(3Dプリンター)が主因となるとし、2018年から2020年にかけては、ロボット・自動運転車、人工知能・機械学習、高度製造技術が職を奪うと分析しているようだ。

 
今は人工知能や自動運転車やロボットの開発がピークであるが、雇用に影響が出るのは2018年からということになるのは、妥当と思う。
 
一方、一番求められる職種が「Data Analysts」で、大量のデータを分析し、そこから知見を引き出すアナリストが求められ、技術が劇的に進化し、大量のデータが蓄積され、この有効活用が求められていくとしているのは、間違いないだろう。
 
次は「Specialized Sales Representatives」で、特殊技能を持つ営業となり、技術進化が進む中、顧客企業や官公庁に、革新的な製品の内容を的確に伝える技能が求められているとしているらしい。
 
テクノロジーの進化で社会が激変しており、その実態はつかめていないが、テクノロジーが人間の職を奪い大失業時代が到来することは確実で、政府や企業や個人は、教育を通してこの荒波を乗り越える必要があるとしているのは、尤もだと思う。
 

GoogleのDeepMindが産んだAlphaGoが、プロ囲碁棋士を破ったというニュース

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ついにこの時が来たというべきか。
 
史上初めて、コンピューター、すなわち、GoogleDeepMindが産んだAlphaGoが、プロ囲碁棋士を破ったというニュースは、囲碁でプロを破るのはまだまだ先の話だと思われていたので、やはり一種のショックを与えてくれる。
 
相手は、昨年10月に中国のプロ棋士で欧州チャンピオンに3回輝いた樊麾(ファン・フイ)氏で、非公開で5局対局し、すべてに勝利を収めたらしい。欧州で活躍するファン氏は、国際的に見て囲碁のトップ棋士と言えないのは事実だろうが、今年3月には韓国のトッププレイヤーの1人、李世ドル九段と対局する予定といい、楽しみである。
 
グーグルはディープラーニング(深層学習)技術を、従来のモンテカルロ木探索と組み合わせ、人間の頭脳を模してコンピューターを連結したネットワーク上で、コンピューター自らが学習する特徴を持つようである。
 
さらに、グーグルは発表文で、「普遍的な機械学習技術を使って、囲碁を自らマスターした」と述べており、現実世界への応用が広く可能であることを強調しているようで、将来的に気候モデリングや、複雑な疾病分析などに応用を見込んでいるらしい。
 
 

What If: Robots Go to War? (ロボットが戦争に行くとどうなる?)

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Ventureclef代表宮本和明さんが、ダボス会議の分科会で、人工知能やロボットを含むテクノロジーに関する議論が展開された様子を伝えているのが興味深い。
 
What If: Robots Go to War? (ロボットが戦争に行くとどうなる?)」という、AI兵器についての議論が話題を呼んだらしい。
 
兵器製造企業の観点から、英国国防企業の幹部は、兵器は三段階に区分でき、第一階層は実務ロボットで地雷除去作業などを実行、第二階層はAIを使うが人間の判断をシステムが補助、AI兵器は第三階層に区分され、兵器が人間の介入なく攻撃を実行するもので、自律的に目標を認識しそれに照準を合わせ実際に攻撃するレベルで、Fully Autonomous Weaponsとも呼ばれているようだ。
 
A I兵器に対する脅威論が続いたようだが、一方、ロボットが戦場で使われるまでには時間を要するとの見解も出たらしく、人工知能がMoral Agentと呼ばれ、人間のように善悪の判断ができる存在で、罪を犯すと罰が課されるレベルになるには100年はかかるとの予測もあり、今は人間が全ての責任を持つべきで、ロボットにそれを求めることはできないとしているのは、尤もだと思う。
 
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サイバーダイン創業者の山海嘉之筑波大学教授の話

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Forbesjapanに、体に装着することで人間の脳から脊髄や運動神経を通じて筋肉に伝わる生体電位信号を読み取り、装着者の意思に従った動作を実現する「ロボットスーツHAL」で有名な、ベンチャーのサイバーダイン創業者の山海嘉之筑波大学教授の話が出ていて興味深い。
 
サイバーダインは全国各地の大学・研究機関に加え、企業との連携も密にしていて、スーパーコンピュータで世界ランキング13位(Green500)を独占したPEZYComputingExaScaler、バイオ3Dプリンターのサイフューズ、ドローンのRapyuta Roboticsなど、多様なテクノロジー企業との資本・業務提携を推し進めているようだ。
 
例えば、サイバーダインの全ての製品には通信機能が内蔵されているため、IoTデバイスとして膨大な情報が集まるとし、これらを処理するため、羽田空港近くの国家戦略特区内に建設予定の施設に世界最高水準のスーパーコンピュータを設置、ExaScalerの運用技術と連携していく計画らしい。
 
さらに、社会にある課題は複合的で、特定分野の立場だけから解決するのは難しいため、“人”を中心に据えた包括的な学術体系『サイバニクス:人・ロボット・情報系の融合複合技術』を立ち上げ、異分野融合の観点に立つ必要を述べているのは、的を得ていると思う。今後さらに期待したい。
 

CIGS櫛田健児氏セミナー

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先日キャノングローバル戦略研究所CIGSで、International Research Fellowの櫛田健児(Kenji E. Kushida, MA, PhDさんが、「シリコンバレーの本質と日本の底力と課題に迫る:アルゴリズム革命から見るFintech,IoT,Cloud Computing,Biotech」というテーマで発表した内容が興味深かった。
 
シリコンバレーでは、昨今の破壊的なイノベーションをあらゆる分野で創出しているとして、下記の点を具体的に挙げていた。
 
また、これら革新的なイノベーションは全て「アルゴリズム革命」が可能にしていて、新しい競争の原動力になっているという。
 
ここでいうアルゴリズム革命とは、人間の活動をソフトウェアアルゴリズムでキャプチャーすることにより、様々な活動を分解、変換、再構築などさせることができるようになることを指している。
 
Googleの目的は、何でも全自動、AI化にあるとされるように、あらゆるタスクは、完全自動化、或いはアルゴリズムによって人間のタスクの生産性の向上という方向に向かっているという。
 
さらに、ムーアの法則に従ってコンピューティングのコストが下がるにつれ、アルゴリズムによって変貌を遂げる経済活動の領域は広まっているとしている。
 
1Fintech
新サービスが後を絶たない。
 
2IoT
発売後のソフトウェアアップグレードで、モノの機能自体を一新させ新たなバリューを生み出す。
様々なウェアラブル・デバイスからメディカル・デバイス、テスラモーターズのEVやオートパイロット機能、現在猛スピードで開発中のグーグルの自動運転自家用車などにも及ぶパラダイム。
 
3Cloud Computing
人類史上初めて「計算能力とデータ保存」が希少リソースではなく、豊富な資源へと転換させる革命的なアーキテクチャー。当初は、ネット上に分散するサーバーであったが、現在はいくつかに集約され、超巨大データセンターが、アマゾン、グーグル、マイクロソフトなどにより実現、提供されており、アマゾンの売上の過半はこのバーチャルサーバに依存しているらしい。
 
4Biotech
iPSを使った研究を始め、様々な医療機関でのニーズを吸い上げ、そこからデバイスや総合的な医療サービス、ならびに遺伝子分析ツールなど。

AI碁で競うGoogleとFacebook

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Techon誌の「『AI碁』で競うGoogleFacebook、プロに勝ったGoogleがリード」記事が面白い。
 

GoogleAI研究部門であるDeepMindは、英「Nature」誌に「Masteringthe game of Go with deep neural networks and tree search」という論文を発表し、Facebookも同日「BetterComputer Go Player with Neural Network and Long-term Prediction」というAI囲碁の論文に関する第2版を、米コーネル大学が運営する論文ライブラリ「arXiv」に公開している。

 
Googleの「AlphaGo」は、ある局面においてどちらが優勢かを判断する「バリューネットワーク」、無数に存在する「次の一手」の中からどの手がより有利かを判断する「ポリシーネットワーク」、「モンテカルロ木探索」の、三つの大きなコンポーネントから構成されている。
 
Googleは、ポリシーネットワークを、人間の棋士が指した3000万件の「手」を「教師データ」として、ディープラーニングのニューラルネットワーク「Convolutional Neural NetworkConv-Net)たたみ込みニューラルネットワーク」に学習させたらしい。
 
Conv-Netは、手の有利さや不利さを判断する評価ポイント(機械学習の「特徴」)自体もデータを基に見つけ出し、複数ある評価ポイントの内のどれを重視すれば有利な一手を選び出せるかというルール(機械学習の「特徴の重み付け」)もデータを基に見つけ出すらしく、コンピュータが自動的に見つけ出しているところが新しいというのは間違いないし、他の応用への可能性が高いと思う。
 
FacebookAI研究所のアプローチも似ているが、「次のステップとして強化学習の採用も検討している」とのことのようだ。
 
また、FacebookAIに対するアプローチは、Googleのような「大勝負」をするのではなく、市井の棋士と対戦していく方針で、「(プログラムを)早くリリースして、何度も修正していく」としているのは、両方とも面白く、今後どういう結果を出していくのか興味深い。
 

ベジタリアンのための「肉屋」?

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在スイス・ジャーナリストの岩澤里美さんが、「ベジタリアンのための『肉屋』?スイスでフェイク・ミートが空前のブーム」で紹介している内容が楽しい。
 
ベジタリアンの人や、肉を食べる回数を少し減らすフレキシタリアン(日本ではプチベジタリアン)でも食べられる肉がヨーロッパで流行っているらしい。
 
見た目や食感を肉に似せたフェイク・ミート(代替肉)で、大豆(豆腐類)やグルテン(小麦タンパク)を使っているようだ。
 
スイスでは、国民の2%がベジタリアン、一方、フレキシタリアンは40%以上にも達しているという。
 
チューリヒのメインストリートにあるベジタリアンレストラン「ハウスヒルトゥル」(ヒルトゥル本店)は、ギネスブックが認めた世界最初のベジタリアンレストランらしい。
 
1番人気のタルタルステーキを始め、コルドンブルー(ハムとチーズを挟んだ肉のカツ)、ツーリ・ゲシュニッツェルテス(スイス料理 仔牛肉のクリーム煮)、サテ(東南アジア発祥の串焼肉)、肉団子料理などおいしそうである。
 

FinTechの主戦場は人工知能

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Ventureclrfの宮本和明さんが、「ヘッジファンドがAIトレーディングへ動く、FinTechの主戦場は人工知能」で伝える内容が参考になる。
 
ヘッジファンドは、所謂ファンドマネジャーが自身のスキルで投資判断を下す「Discretionary Trading」と、大規模な統計モデルを構築し市場の動きを予測、投資判断をアルゴリズムやシステムにより実行する「Systematic Trading」の二つの投資手法を使うらしい。
 

JP MorganChaseのヘッジファンド部門「Highbridge Capital Management」は、サンフランシスコに拠点を置くベンチャー企業SentientAIトレーディングシステムを共同開発し、すでに2015年から運用しているという。

 
システムは人間が関与することなく自律的に稼働、大規模並列システムで人工知能ソフトウェアを稼働させる技術が開発されているらしい。
 
数十万台のコンピューターを連結し、仮想的に一台の巨大システムを構成、これらのコンピューターは、データセンター、ゲームセンター、サービスプロバイダーの空き時間を利用する方式のようだ。
 
Sentientのもう一つの特徴は、人工知能アルゴリズムで、「Evolutional Computation (EC)」と呼ばれる機械学習で、詳細はよくわからないが、アルゴリズムは植物が進化するように、世代を重ねるごとに進化を遂げるというものらしい。
 
一方で、AIトレーディングを株式市場に適用することに疑問を表明する人も少なくないといい、今後の展開がどう進んでいくのか、興味を持って見守りたい。
 

人工知能の未来(The Future of AI)

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沖縄科学技術大学院大学教授でソニーコンピュータサイエンス研究所取締役所長の北野宏明さんが、ニューヨークで行われたシンポジウム「人工知能の未来」(The Future of AI)に関して伝えている内容が興味深い。
 

ニューヨーク大学(NYU)主催だが、実際にはFacebook人工知能研究所の所長でNYUYann LeCun教授がホスト役で、Facebook,Google DeepMind, IBM, Nvidiaなどもスポンサーとなっている人工知能メインストリーム系のインナーの会議だったらしい。

 

GoogleDeepMindAlphaGoFacebookDarkForstの最近の動きで、チェス、将棋、囲碁など既存の完全情報ゲームにおいて、人工知能が人間のチャンピオンを上回るということに関して、これらの手法は容易に一般化が可能であり、囲碁とチェスの両方、さらにそれ以外の問題全てにおいて人間を上回るシステムの開発が視野に入ってきたことを意味するとしている。

 
さらに、最近深層学習一辺倒であったところに、強化学習や確率探索との複合アーキテクチャという手法の威力が示されてことも重要としている。
 
自動走行車、いろいろなロボットの制御、医学上の問題なども含め、実際の世の中の多くの問題は不完全情報問題であるが、人工知能研究が、完全情報ゲームを制覇して、不完全情報問題に本格的に向かってくることは、実世界応用へさらに流れが加速することを意味するというのには、大きな期待を抱かせる。
 

大型蓄電池システムの効用と動向

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Techon記事に、大型蓄電池システムが、出力の変動する太陽光発電の急速な普及により、系統安定化のために不可欠になりつつあることに加え、導入コストの低下に伴い、企業が需要のピークカットに活用する動きも出てきた、とあるのは参考になる。
 
高圧の業務用電気の料金メニューは、500kWを境に基本料金が大きく変わり、関西電力の場合、工場向けの基本料金は、500kW未満だと1360.8円/kWなのに対し、500kW以上になると1863.0円/kWに跳ね上がるらしい。200kWhの蓄電池があれば、余裕をもって契約電力を400kW以下に抑えられるし、経済産業省の「定置用リチウムイオン蓄電池導入支援事業費補助金」(2014年度補正予算)で、投資負担が3分の2で済むケースもあるようだ。
 
また、メガソーラーを電力会社の系統に接続する際に顕在化する下記問題3点の解決策としての期待も大きい様だ。
 
1)再エネの出力変動により、系統の周波数が影響を受ける「短周期問題」
北海道や沖縄、九州の離島などで顕在化している。
 
2)再エネの出力増により電力供給が需要を超えてしまう「長周期問題」
 
3)ローカル系統が弱いため、接続容量が限られたり、工事費負担金が高額になったりする「熱容量問題」
全国各地で局所的に起こっているもので、ローカル系統が細い場合、再エネ接続によって送電線の熱容量を超えてしまうという問題。
 
東芝三菱電機産業システム(TMEIC)など、蓄電池システムを含めたソリューション事業を構築しつつある動きもあり、今後の動向を注視したい。
 

「コンコルドのジレンマ」

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日経産業新聞記事で、ブランドン・ヒル(米ビートラックスCEO)さんが、「『コンコルドのジレンマ』避けよ 撤退に基準を」と説いているのは参考になる。
 
「なるべく早めに失敗を経験し、成功につなげよ」という意味の「フェールファースト」が言われる一方、新規事業のプロジェクトを始める場合、フェーズごとに求められる結果と期間を設定し、その時点で想定していた結果に満たない場合は潔くプロジェクトを終了する重要さを挙げている。
 
ここで気をつけるべきなのは、どこで引くかで、プロジェクトは続けているからといって成功に近づいているとは限らず、むしろ、時間が経てば立つほど、時間とお金を消耗するだけになってしまう場合もあるというのは厳しい現実である。
 
1962年に英仏合同で始めた超音速旅客機コンコルドを開発するプロジェクトは、両国から大きな期待と優秀な人員、多額の予算がつぎ込まれたが、開発が成功しても採算が合わないことが開始直後にわかっていたという。
 
1976年に初フライトを成功させたのだが、全く採算がとれず、巨額の損失を生み出し続け、2003年にコンコルドはすべての路線から撤退している。
 
すでに多額の予算と人員を投入しているうえ、各国から大きな期待と注目を集めていたので後に引けない状態になっていたので、合理的に考えればすぐに中止して損害を最小限に抑えられたかもしれないが、人の心理がそれを許さなかった訳である。
 
この「コンコルドのジレンマ」と呼ばれる事例は、常に心しておく必要があると、改めて思う。
 

自動車メーカーはクルマを売るのではなくモビリティを提供する時代へ

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Ventureclef代表宮本和明さんが、Fordがハードウェアメーカーからモビリティサービス企業に転身し、General MotorsLyftへ急接近し、配車サービス事業を立ち上げるなど、自動車メーカーはクルマを売るのではなく、モビリティを提供する時代に入ってきたと伝えているのが興味深い。
 
Gartnerは、2020年までに、都市近郊に住んでいる自動車所有者の10%は、オンデマンド方式でクルマを利用する形態に移ると予測しているようだ。
 
都市部では公共の交通機関を使い、都市近郊では配車サービスを利用し、クルマを所有しない形態に移っていくというわけである。
 
背景には消費者のメンタリティーの変化があり、特に若者層を中心に、クルマを所有するモデルからオンデマンドで利用するモデルに変わりつつあるというのは、国内でも兆候が見えるので理解できる。
 

Fordは、1月のDetroit自動車ショー「NorthAmerican International Auto Show」で、会社の基本指針「Mobility Company (移動ソリューションを提供する企業)になる」を発表している。

 
モビリティ構想はハイレベルなコンセプトで、具体的には、移動のためのソリューションでライドシェアなどのアプリ群がそろっている「Marketplace」、サポートセンターで事故対応だけでなく、オペレーターがドライブのコンシエルジュとなる「FordGuides」、会員向けの特典サービスを指す「Appreciation」およびショールームでイノベーションを展示する「FordHubs」の四つの柱から構成されているようだ。
 
また、General Motorsは出資するだけではなく、業界2位のLyftと自動運転車によるオンデマンド・ネットワークを開発するらしい。
 
さらに、配車サービス企業Sidecarの資産を買収している。
 
もともと配車サービスはSidecarが考案し、2012年から事業を始めたものだが、2013年に、Lyftがこのモデルを使った事業を開始し、UberUber Xで同じモデルで事業を始め、資金力の差などで、UberLyftが成功し、Sidecarは廃業に追い込まれるという皮肉な結果となっているようだ。
 

GeneralMotorsは独自のカーシェアリングサービス「Maven」を開発しているらしく、この志向の強さがしのばれる。

 
いずれにしても、IT業界でコンピューターの販売がサーバーからクラウドに移るように、クルマも所有しない形態に移り始め、デトロイトのメーカーはハイテク企業に転身し、この流れを捉えようとしているのは間違いないだろう。
 

IoTとインダストリー4.0

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Recommendations for implementing thestrategic initiative INDUSTRIE4.0, Final report of the Industrie4.0 WorkingGroup, April 2013”のレポートを読んだ時のインパクトに始まる、経済産業研究所RIETIの岩本晃一上席研究員の話が興味深い。

 
IoT、インダストリー4.0は、米国版、ドイツ版で内容、趣旨が微妙に違っているのも面白い。
 
ドイツは基本的に製造業の国で、工場の外での通信回線の事情が悪いので、機械が得意なシーメンス的な発想ともいえるが、彼らが想定する製造業の工場の中に特化したIoTになるというのは分かりやすい。
 
また、ドイツの主流は、消費者の好みに合わせて製品を個別生産しようという「カスタマイズ生産」らしい。
 
一方、米国のIoTは、通信環境もいいので、GEのように、あちこちにセンサーを置いて、そこからデータを取ってきて、通信回線を通じてデータセンターに集め、ビッグデータ解析を行うという手法になり、グーグルなどデータ処理が得意な企業が考えそうなものになるというのは尤もだろう。
 
さらに、日本との関連で、ドイツと米国は、コストダウンはほどほどにして、売り上げを伸ばそうという発想であるのに、日本は売り上げを伸ばさずに、コストダウンを追求するという点で、指向する方向が異なっているという指摘は興味深く、面白い。
 

部下を役員などに抜擢するとき、どういった点を見るのか

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田原総一朗さんが、経営不振に陥っている「シャープ」が台湾の大手電子機器メーカー「ホンハイ精密工業」の傘下で再建を目指すことになりそうだという状況や、不正会計問題で揺れる東芝の、2016年3月期連結決算の純損益で赤字額が7100億円に拡大する見通しなどに関連し、コメントしている内容が参考になる。
 
パナソニックの松下幸之助氏、ホンダの本田宗一郎氏、ソニーの盛田昭夫氏、京セラの稲盛和夫氏など多くの経営者に取材してきたようだが、みな創業者で、ゼロからスタートしたし、当時の日本もゼロからのスタートだった、失うものはなかったので「攻めの経営」になったという。
 
松下幸之助氏を取材した際、「部下を役員などに抜擢するとき、どういった点を見るのか」という質問をしたところ、頭のよさでも健康でもなく、誠実さに関しても、「特別に誠実でなくても、一人ひとりにきちんと対応できていればよい」ということだったが、では何かと問うと、「運」だという答えだったらしい。
 
それも、天から降ってくるような運に恵まれた人、運がいい人という意味ではなく、仕事をしていれば、難しい問題に必ず突き当たる、そのとき問題に前向きに取り組めるかという、つまりポジティブに運を引き寄せられる資質を持っているということらしい。
 
また、危機や難問を隠してはいけない、隠さないことで、社員全員に参加意識が生まれ、問題を「共有」できる、さらに経営者は暗くなってはいけない、おもしろがって明るく取り組むことが大事だとも話していたらしく、大変興味深く参考になる。
 

高度に進化したAIコンシェルジュ

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VentureClef代表宮本和明さんが、高度に進化したAIコンシェルジュについてレポートしている内容が興味深い。
 
x.ai」というベンチャー企業はNew Yorkに拠点を置き、スケジュールを管理するAIコンシェルジュ「Amy」を開発、またSan Franciscoに拠点を置くベンチャー企業ClaraLabsの「Clara」は、メールをインターフェイスとして機能するもの。
 
これらの導入で、人間の事務職の仕事の一部がAIコンシェルジュに置き換わることになり、直接的には秘書の職種が影響を受けることになり、人工知能の社会進出で雇用問題は避けて通れない。
 
またメールのやり取りで人間らしく振舞うと、メール受信者はソフトウェアではなく、人間と会話していると誤解、これらがLinkedInTwitterアカウント持っているとなおさらであるという指摘は尤もだと思う。
 
今後、AIコンシェルジュを使う際には、その旨を表明するなど、倫理面での配慮が必要となるのは、間違いないだろう。
 

「日本を元気にする産業技術会議シンポジウム」

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215日、産総研/日本を元気にする産業技術会議主催の「インフラ・イノベーション~スマートメンテナンス最前線~」というシンポジウムがあった。
 
国内社会インフラの老朽化問題は、2012年の笹子トンネル事故をはじめ漸く社会的課題としての認識が進み始めているようだ。
 
国の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」なども昨年度スタートしている。
 
藤野陽三横浜国立大学 先端科学高等研究院上席特別教授の基調講演「インフラのマネジメントとSIP」をはじめ、道路、橋梁関係では、大脇崇国土交通省技術総括審議官の「国交省のインフラ維持管理への取り組み」、久田真東北大学インフラマネジメント研究センター長の「インフラ維持管理に関する“学”としての取組」、高橋知道東日本高速道路(株)執行役員の「スマートメンテナンスハイウェイ(SHM)への取組と課題」などが報告されていた。
 
また、スコープを鉄道や水道にも広げて、増子敦東京水道サービス(株)代表取締役社長の「漏水発見イノベーション」、横山淳東日本旅客鉄道(株)執行役員の「IoT時代の鉄道メンテナンス改革」、さらに瀬戸将宏産総研理事の「インフラ維持技術開発への産総研の取組事例紹介」、土橋浩首都高速道路(株)保全・交通部部長の「ICTがメンテナンスを変える―スマートインフラマネジメントシシステムの開発―」など興味深い内容となっていた。

「ぶつからないクルマ」のコンセプト

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NTT、トヨタ自動車、PreferredNetworksPFN)は、「ぶつからないクルマ」のコンセプトを実動デモンストレーションとして具現化したと発表したが、これはトヨタが考える将来の運転支援のコンセプトを実現したもので、NTTのエッジコンピューティング技術と高信頼無線技術、PFNのディープラーニング技術とその分散処理技術を用いているようだ。

 
車の周囲環境は時々刻々変化するが、それに対する衝突回避の動きをエッジサーバで稼働する人工知能で学習、車はサーバから送られた学習結果を用いて、それぞれぶつかることなく自律的に走行、複数の車の学習状態を共有することで、学習に必要な時間の短縮も実現しているらしい。
 
学習に用いるデータは、複数の無線アクセス方式に分散・冗長化して送信、それにより、無線アクセスの品質を確保し、高信頼・低遅延を実現しているようだ。着実に自動走行への道筋が構築されていると思う。

質問応答システム「Watson」の日本語版サービス

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日本IBMとソフトバンクは、質問応答システム「Watson」の日本語版サービスを正式に始めたが、ITPro誌の記事「[脳に挑む人工知能20Watsonに日本語をどう教えたか、舞台裏に迫る」の内容が興味深い。
 
日本IBMが日本語処理機能の実装を、ソフトバンクが業務利用を想定した検証を担当したようだ。
 
Watsonを活用した業務システムとして、社内業務について音声やテキストで質問すると社内文書や業務システムを総動員して答えを導いてくれる「SoftBank BRAIN」を構築中らしく、既にプロトタイプを稼働させており、3月以降に「社員サポート」「提案書検索」といったサブシステムの運用を順次始めるとのこと。
 
今後、実システムでの運用を通じ、さらに日本語の学習を重ねることになるのは間違いないだろう。
 

シンギュラリティ前夜 AIと共に歩む人類

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日経テクノロジーOnlineにある「人間とAI、進化の形――ネットサービスで見える自律的なAI進化の萌芽 シンギュラリティ前夜 AIと共に歩む人類(第3回)」記事内容が興味深い。
 
人間なら、ABという性格の似たアプリがあった場合、それを使っているユーザーも重なっていると考えがちだが、AIシステムは、ABとは全く関連のなさそうなCというアプリとのユーザー層の重なりが大きいことを素早く見つけ出すことができるらしい。
 
シンギュラリティが本当に到来するかどうかはまだ分からず、人工知能が人間の知能を超えるのも、早くて数十年後のこととも考えられるが、人類とAIの共生はSFの話ではなく、ITに関わる全ての人間が、AIとの付き合い方を考え、シンギュラリティにまで思いを馳せるという、その時はもう到来しているというのは、受け入れざるを得ないことかもしれない。
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米国では宇宙関連ビジネスが活況を呈している

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ジェトロのエリアレポート「米国 宇宙にビジネスを探せ」によると、宇宙旅行、小惑星探査事業、頻繁なロケット打ち上げ、月面ローバーの開発、人工衛星からの高解像度データ取得など、米国では宇宙関連ビジネスが活況を呈しているが、宇宙ビジネスを手掛ける企業に共通するのは、創業して10年前後、民間資金を活用、ハードウエア製造ではなくソフト向け技術が強み、という点らしい。
 

電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスクCEOが創業したスペースX148月にグーグル傘下に入った地球観測衛星からの画像分析などを行うスカイボックス・イメジングはその代表格といえるようだ。

 
自動運転車やロボット技術を月面ローバーの遠隔操作に応用することを目指す企業や、遠隔医療技術を国際宇宙ステーション(ISS)乗組員の健康管理に活用するといったビジネスモデルが現れるなど、異分野企業の参入が相次ぎ、宇宙関連ビジネスの裾野が急拡大しているとのこと。米非営利団体のスペース・ファウンデーションによると、世界の宇宙産業市場(売り上げ)の規模は、14年に前年比9.0%増の約3,300億ドルで、米衛星産業協会の分類に基づけば、衛星サービス38%、地上設備18%、衛星製造5%、打ち上げ産業2%と衛星関連産業が6割を、残る4割を非衛星産業が占めるようだ。
 
宇宙ビジネスの拡大には、IT業界の大企業や起業家による資本投入に加え、ベンチャーキャピタルによる投資が拡大し、資金調達先が多様化したことも関わっているというのは間違いないと思う。
 
例えば、スペースX151月、宇宙関連分野では過去最高となる10億ドル超を複数のベンチャーキャピタルから調達したことを筆頭に、調査会社CBインサイツによると、米国の宇宙開発分野に対しては、15年上半期だけで18億ドルのベンチャーキャピタル投資が行われたらしい。
 
宇宙ビジネスの将来性への期待、IoT関連の機器開発や新たなビジネスモデルが宇宙開発と融合することで新たな付加価値が生まれることへの期待も大きいようだ。
 
 
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