先日キャノングローバル戦略研究所CIGSで、International Research Fellowの櫛田健児(Kenji E. Kushida, MA, PhD)さんが、「シリコンバレーの本質と日本の底力と課題に迫る:アルゴリズム革命から見るFintech,IoT,Cloud Computing,Biotech」というテーマで発表した内容が興味深かった。
シリコンバレーでは、昨今の破壊的なイノベーションをあらゆる分野で創出しているとして、下記の点を具体的に挙げていた。
また、これら革新的なイノベーションは全て「アルゴリズム革命」が可能にしていて、新しい競争の原動力になっているという。
ここでいうアルゴリズム革命とは、人間の活動をソフトウェアアルゴリズムでキャプチャーすることにより、様々な活動を分解、変換、再構築などさせることができるようになることを指している。
Googleの目的は、何でも全自動、AI化にあるとされるように、あらゆるタスクは、完全自動化、或いはアルゴリズムによって人間のタスクの生産性の向上という方向に向かっているという。
さらに、ムーアの法則に従ってコンピューティングのコストが下がるにつれ、アルゴリズムによって変貌を遂げる経済活動の領域は広まっているとしている。
(1)Fintech
新サービスが後を絶たない。
(2)IoT
発売後のソフトウェアアップグレードで、モノの機能自体を一新させ新たなバリューを生み出す。
様々なウェアラブル・デバイスからメディカル・デバイス、テスラモーターズのEVやオートパイロット機能、現在猛スピードで開発中のグーグルの自動運転自家用車などにも及ぶパラダイム。
(3)Cloud Computing
人類史上初めて「計算能力とデータ保存」が希少リソースではなく、豊富な資源へと転換させる革命的なアーキテクチャー。当初は、ネット上に分散するサーバーであったが、現在はいくつかに集約され、超巨大データセンターが、アマゾン、グーグル、マイクロソフトなどにより実現、提供されており、アマゾンの売上の過半はこのバーチャルサーバに依存しているらしい。
(4)Biotech
iPSを使った研究を始め、様々な医療機関でのニーズを吸い上げ、そこからデバイスや総合的な医療サービス、ならびに遺伝子分析ツールなど。